■御木本幸吉と地球儀
御木本幸吉は大きな地球儀を部屋に置いていた。そして客が来るとそれをくるくる回して『わしは毎日世界を飛び回っているのだ』と言ったという。広い視野で世界を見据えて真珠の事業を進めてきた御木本幸吉の精神を象徴するものが、地球儀であった。
(地球儀・仕様)地球本体/直径330mm 支柱部分/高さ830mm 台座部分/高さ150mm 全高/1,310mm
地球環境に大きな関心が寄せられる1990年代。その幕開けにふさわしいモニュメントとして『地球儀』が完成した。この『地球儀』は真珠を主な素材として、宝石、貴金属をふんだんに用い、金工の伝統技法を駆使した工芸品である。全体のかたちは今まで作られたどのような地球儀にも似ていない。一見すると不安定に感じるが、回転するすがたは角度によってさまざまな表情を見せてくれる。
地球本体は直径33cmの銀製。陸地を22金、海と湖を真珠で表現した。12,541個の真珠はすべて球体内側からの芯立てで固定されている。赤道にはルビー377個、黄道にはダイヤモンド373個を使用した。さらに北極部分には『光華』と題するオブジェを置いた。これは直径13mmの南洋真珠を中心に9mmの真珠8個とダイヤモンド339個を配したプラチナ製である。
地球本体を支える軸はブロンズ製黒紫仕上げの円柱で、地軸に合わせた傾斜角が付けられている。円柱には黄道十二宮の各星座が真珠と金の高肉象嵌技法で表される。高肉象嵌技法とは地板面より金線を高く出す技法のことで、真珠の球形と相まって立体的な効果を出している。
台座はブロンズ鋳造による直径70cmの12角形。
それぞれの面には日本の季節を代表する草花を銅版に彫金し、美しい金銷技法で仕上げた花卉文薄肉彫が取りつけられる。
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