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8.懐かしい乗り物

 年末からの展覧会「懐かしい風景・伊勢志摩の乗り物」の写真借用のため、伊勢市の収集家のN氏宅を訪問しました。去年の展覧会「伊勢志摩の懐かしい風景」が好評だったため、二匹目のドジョウではないが、続編というわけです。

 今回は懐かしい乗り物を特集するつもりで、関係先を尋ね回っています。N氏の膨大な資料のなかから、戦前の35ミリフィルムのスクラップを拝見することができました。昭和5年頃の観光映画で、「エロの弥次喜多」という妙なタイトルが付いています。大阪から電車に乗って宇治山田へ入り、朝熊山や鳥羽、志摩を周遊する内容で、残念ながら断片しか残っていませんが、これだけでもよく保存されていたものだと嬉しくなります。その他にも鳥羽から賢島まで走っていた志摩電、伊勢(当時は宇治山田)の市内電車、二見のロープウェイなどの写真も借用。観光施設や旅館の古いパンフレットにも食指が動きましたが、今回はあきらめることにしました。

 もちろん、当館にも乗り物の写真は保管されています。なによりの目玉は大正6年に志摩の空を飛んだアート・スミスの写真でしょう。御木本幸吉が自分の庭先で飛行機を飛ばすといって、多徳島の養殖場に突貫工事で滑走路を作り、そこで一大イベントが行われたのは、5月23日。飛行機など見たこともない志摩の人々は船に乗り大挙して押しかけ、見物人は二万人を数えたといいます。スミスの機体は、カーティス・ヘッドレス・プッシャーという複葉機で、機体中央にカーティスOX百馬力エンジンを後ろ向きに置いたもの。残っている写真の点数は少ないのですが、組み立てる前の様子や、カーティス独特の補助翼がはっきりわかります。幸吉はどうも飛行機が好きだったようで、晩年の談話によると英虞湾にノース・ウェスト航空の国際定期便を呼ぶ計画が持ちかけられ、乗り気であったらしい。八十人乗りの飛行艇が就航することになっていたというから、中部国際空港をはるかに先取りした話のように思えます。実際に、昭和30年代の英虞湾には小型飛行艇の定期便が就航していたのですが、それは国内便で、しかも短い間だったようです。

 「紅の豚」の一シーンのように英虞湾の緑の島々を眼下に飛行艇が悠々と飛ぶ情景を想像するのは、なんとも楽しいことです。

アメリカの飛行家アート・スミス氏と御木本幸吉(1917年5月)

アメリカの飛行家アート・スミス氏と御木本幸吉(1917年5月)

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