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26.豚に真珠

 今年の干支は丁亥(ていがい)。十二支の動物は猪が当てられています。早々にいただいた年賀状にも猪の子供である瓜坊を可愛らしく描いたものが多く見られました。この亥の文字は豕(いのこ)をいい、猪に限らず豚の類を広く指します。昨年、中国は大連の労働公園でたまたま見かけた十二支像のしんがりは、猪ではなく笑顔の豚の像でした。豚は大陸では多産と豊穰を意味するので、亥を豚としている中国や韓国ではひときわ縁起の良い年ということになるのでしょうか。日本でも古代には豚が飼われていましたが、殺生の禁がゆきわたるとともにその利用が衰えたため、野山から人里に出てくる猪のほうが馴染み深くなったのかも知れません。

 さて豚といえば「豚に真珠」のたとえを思い出す方もいらっしゃることでしょう。これはもとは『新約聖書』マタイ伝にある言葉で、貴重な品を価値のわからない者の前に出してはいけないという教えです。西洋では豚は不潔や怠惰を象徴する動物として扱われたためにこういう比喩になったと思われますが、たしかに鮮やかな対比といえます。でも、実際に豚小屋から真珠が出たという話もあって、それは19世紀半ば、アメリカでの出来事です。当時、アメリカ東部の川で淡水二枚貝の体内で育った真珠が偶然見つかったことをきっかけに、それを求めて多くの人々が川に入り、底を浚って目当ての貝を取りました。片っ端から貝をむいて、身の中にあるとおぼしき真珠を探すのですが、たいていはなにも出て来ることはなく、むなしく貝殻と身の山を築くだけ。貝殻はともかく―なにしろその時代、養殖真珠の核としての需要などはないものだから―身の方は家畜の飼料にでも、というわけで豚小屋へ。ここで貝の身をモグモグやっていた豚がなにやら固いものを噛み当て吐き出したのを、敷藁の交換にきた飼い主が手に取って見れば光り輝く真珠だった、というハナシ。豚の顎の力がどれくらいか、また、異物を選り分けて吐き出すような繊細さがあるのかどうか知りませんが、ともかく、それに近いことがあったと記録されています。こちらなら思いがけないところから貴重なものが見つかるという、たとえ話として使えるのでは。

 近頃では可愛い豚のキャラクターに真珠をあしらったグッズをけっこう見かけるようになりました。ことわざやたとえは時代とともに少しずつ変化して「豚に真珠」も否定的な色合いが薄れ、ちょっとしたジョークとして楽しむ人が増えたようです。

中国では豚年

中国では豚年



おみやげにもらったガラスの「豚に真珠」

おみやげにもらったガラスの「豚に真珠」



日本ではやはり亥に真珠か?島内のショップで販売している干支の根付け

日本ではやはり亥に真珠か?
島内のショップで販売している干支の根付け

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