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27.修学旅行

 開催中の「ぼくらの修学旅行」は多くの方々にお楽しみいただいているようです。伊勢志摩の修学旅行から帰ったいとこ同士の二人が叔父さんの家で旅行の出来事を話すストーリーのマンガを軸に、近鉄の修学旅行専用列車「あおぞら号」にまつわる資料類、それに旅行にはつきもののお土産の数々で構成した企画展で、コマ割りのマンガでパネルを構成した展示はあまり例がないと思います。これはスタッフの井上達夫君がすべてパソコン上で作画した「作品」です。本人の力もさることながら、つくづくパソコンの威力を思い知らされます。また「あおぞら号」の資料は上本町にある近鉄資料館のご厚意により展示できたもので、なかでもボディの一部と先頭車を飾ったヘッドマークは初公開の資料です。

 「あおぞら号」の登場は昭和37年。個人的な話になりますが、私がこの二階建て列車に乗って奈良京都方面の修学旅行にいったのはまさにデビュー間もない時期でした。関西方面や中京圏とは逆に、当時この地方の修学旅行の行き先は小学校は京都奈良、中学校は関東方面と決まっていたようです。

 ところでさらに前の世代の修学旅行の様子が三島由紀夫の『潮騒』に描かれているのをご存じでしょうか。それはこの小説のヒロイン初江の弟が京都大阪の旅行を経験する場面です。舞台は鳥羽の沖合の神島なので、まず船で鳥羽まで出てそこから当時の国鉄で行かねばなりません。一行は蒸気機関車が牽く客車で参宮線、紀勢線、関西線、草津線、東海道線を経由して京都までいったものと思われます。旅行の機会のなかった昭和20年代のこと、島の子供達にとっては生まれて初めての大旅行で、本人はもとよりその家族の気持ちの昂りは今日の比ではありません。日程は五泊六日で、弟は旅先から島の母親に宛てて便りを出しているから、ほとんど海外旅行並みといってよい。旅から帰った彼は母親や兄の前で手帳を開きながら通りいっぺんの話をして、また元の生活に戻ります。土産話をすることで留守の人々と旅先での体験をわかちあい、それでようやくひとつのイベントが完結するのでしょう。『潮騒』全体にしてみると、この修学旅行は主人公新治と初江の恋愛の進行と鮮やかな対比を見せて描かれ、狂言回しである弟の存在感を高めるエピソードとして印象に残ります。

 さて、今回は企画展示室にメモボードを設置して、ご覧になった意見をいただくことにしています。多くは「懐かしい」というご感想で、ここを訪れたのが数十年振りという方も多くいらっしゃるのは良いとしても、次はまた十年後くらいに来たいです、というのは複雑な気分ですね。そうおっしゃらず、もっと近いうちにお立ち寄り下さい。

お子様にもわかりやすいマンガの展示パネル

お子様にもわかりやすい
マンガの展示パネル



初公開!!あおぞら号の車体とヘッドマーク

初公開!!
あおぞら号の車体と
ヘッドマーク

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