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31.オグデン氏の新書

 最近はジュエリーの本が少ないといいつつも、いつの間にか本は確実に増えています。これは新しく届いたうちの一冊。

 Jack Ogden 著 "Jewellery" 2006年12月
 イギリスの宝飾史家であるジャック・オグデン氏の新作。表紙は大英博物館所蔵のスワンジュエルが口を開けて笑う写真です。足元は白鳥なのに千鳥足。

 もう十数年前のこと、さるオークションハウスの講座でジュエリー史を勉強するのに短い期間ロンドンに滞在したことがあって、その時の講師陣のひとりがジャック・オグデン氏でした。大英博物館の古代ジュエリー・ギャラリーで研修を受けた記憶があるが、質問の手を挙げたわけではないから、先生がこちらを覚えているはずもないですね。教室の授業は、たしかその日の朝、奥さんに子供が生まれたとかで休講だった。それだけの関わりなのですが「ドーダ」というわけではありません。著者を直接見知っているというのは、本-特にあちらの本は大層な装丁のものが多い-の周りに漂っている、見えない威圧的なベールを取り去る、あるいは軽くする作用があることをいいたいのです。

 オグデン氏は古代装身具を専門分野としていて、当時の著作である"Jewellery of the Ancient world"には、古代の金属技法の製作過程の事例が電子顕微鏡写真と共に多数掲載されていました。我が収蔵品の金細工の細部を観察して同じような条線や痕跡を見つけ、展示キャプションを書くときの拠り所にしたことなどを思い出します。

 今回の著作は歴史軸を設定して、横糸に素材や技法などを絡ませながらジュエリーの持つ広がりを概観しようとしたもので、一応第二次大戦後までをカバーしています。とはいえ、やはり専門は古代なので、それに続くローマ、ビザンチン、中世に重点が置かれるのはやむを得ないし、また充実もしています。説明と写真を対比させながら、ひとつひとつのトピックを、時折は辞書を引きつつ読んでゆけば、休講になったオグデン先生のジュエリー講座をあらためて受講しているような気分になれるというものです。

 ところで、「素材」の真珠の項目で我が博物館の収蔵品の紹介があるのは良いとして、その二点の写真の質があまり高いとはいえず、しかもその説明が入れ代わっているのにはいささかがっかりしました。当方には直接写真提供の申し出もなかったので、どこかから引用したものなのか。新しい出版物ではこのあたりの管理は相当厳しくなっているはずなのに解せない話です。

 日本の洋書店に入荷しているかどうか、何ともいえません。アマゾンで検索するか、直接イギリスへ申し込むと確実です。出版社は
 The Intelligent Layman Publishers Ltd.
 Thornton House,Thornton London SW19 4NG

 ちなみにイギリスの本屋での値段は45ポンド。これに船便で9ポンドの送料が追加されました。

Jack Ogden 著 Jewellery

Jack Ogden 著 "Jewellery"

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