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32.博物館で夏休み

 真珠博物館の夏の体験定番メニューは真珠貝とビーズを使ったネックレス作りのワークショップ。今日も朝から多くのお客様にお楽しみいただいています。アコヤガイやクロチョウガイの貝殻から切り取った美しく輝くチップを使ってネックレスを作ります。いろいろな色のビーズと組み合わせで個性を表現することができ、極端にいうと同じものはふたつとないオリジナルの作品が仕上がります。革紐に通してそのまま着けられるので、リゾート風の衣装にもぴったりと好評です。

 春の企画展「エスニックジュエリー」でもご紹介したように、世界各地で貝殻を用いた装身具が用いられていますが、その多くはイモガイやムシロガイ、シャコガイといった、色彩や輝きという点ではあまり特色のない貝だったようです。たかが貝殻とはいえ、その価値観はそれぞれの民族社会の歴史や経済など多様な文化の要素に規定されていて、輝くから、あるいは美しいからといって必ずしも高い評価を得られるものではなかったのかもしれません。むしろ、こうした貝殻の美しさを素直に愛することができるのは余計な先入観を持たない子供たち―あるいは子供の心を持ち続ける大人―なのでしょう。貝のコレクションが古今東西を通じて趣味の王道の地位を維持してきたのには、自然の造形に対する純粋な感動が大人の嗜みとして理解されていた背景があったように思えます。

 貝といえば、先日「シェル・コレクター」という小説を読みましたが、これは指先で貝の種類を識別する盲目の貝類学者の話でした。この作品で重要な役割を与えられているのが毒の針を持つイモガイで、短編ながら緊張感に満ちた場面が続き、映画にしたらきっと面白いものができるだろうという気分にさせられました。アンソニー・ドーアというアメリカ人作家の作品で、数年前の新潮クレストブックス。ジャケットも秀逸です。

 さて、この夏休み期間の企画展は「プランクトンの不思議」です。これは去年の「なるほど!真珠研究所」の拡大版というべきもので、毎朝、スタッフが船で真珠島を一周して採取した、とれとれの手々噛むプランクトンを顕微鏡で観察するという、まさに海辺の博物館ならではの企画です。

 観察は終日できますが、いうまでもなく朝のほうがプランクトンたちは元気で、ミジンコなどの動物性の連中はもとより、植物性のものも活発に動く様子が見られます。観察しているお客様のなかには、海で泳ぐとこんなにたくさんのプランクトンを飲むことになるのか、と衝撃を受ける方もいらっしゃるようですが、これはプランクトンネットで海水を濃縮して採取しているので、水泳中にこの濃度で摂取するわけではありません。ご安心ください。毎日違う種類が発生するので、ときにはサプライズのように奇妙な形のものが現れるのも楽しみのひとつです。昔、理科が好きでミジンコと顔なじみだったお父さんにとっては、子供たちに「ドーダ」と胸を張れる数少ない機会かも知れません。

シェルアクセサリー作りの風景

シェルアクセサリー作りの風景



シェルアクセサリー作品例

シェルアクセサリー作品例

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