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34.古い写真はおもしろい

 ミキモト真珠島が一般公開されたのは昭和26年のことですが、実はそれ以前にも多くの来客を迎えていました。尊敬する渋沢栄一から民間外交の重要性を教示された御木本幸吉は、昭和4年、この島を真珠を仲立ちとした国際交流の場としたいという願いで、「御木本真珠が島」として開放しました。そこから数えるとすでに80年近い歴史を刻んできたことになります。

 博物館の収蔵庫にはその当時の来客の姿をとらえた記念写真が多数保存されています。ただし、アルバムから剥がされたものや、日時や被写体などの記事が不明なものも多く、少しずつ整理を始めました。

 年代的には大正年代まで遡るものが少しと、後は島が開放された昭和4年から、戦争が激しくなる昭和16年くらいまでに撮られたものが中心です。当時の写真はたいてい専門の写真師の手になるもので、サイズもキャビネの大きさ。ルーペで拡大すると細部まできちんとピントがあっています。

 ひとつひとつ見てゆくと実にいろいろなことがわかってきます。来客の中で重要な位置を占めるのは皇族方ですが、台紙にある写真館名を見ると複数の写真師を使っているのが明らかです。今のように機動性のあるカメラではなかったから、来客の動きに合わせることはできず、シャッター・チャンスを逃さぬように進行路の要所に写真師をあらかじめ配置したものでしょう。また、中心となる被写体の背景にも重要な情報が潜んでいて、たとえば当時の真珠島の様子がどうだったか、現在も残る石碑の位置がどう変化したかがよくわかります。さらに当時の人々の服装からは時代相を読み取ることができますし、皇族の乗る車の車種を割り出すのも面白い試みです。ナッシュやフィアットなど、エンブレムがはっきり読み取れるものもあります。

 それにしても外国からの来客の多いことにはあらためて驚かされます。アメリカやイギリス、ドイツ、イタリアはいうまでもなく、アフガニスタンやペルー、チリ、ブラジル、ヴェネズエラ、ニカラグアといった国のいずれも経済視察団の人々がシルクハット姿で集合しています。彼らはここでの見聞を自国に帰ってから様々に語り、それが日本の真珠というものを諸外国に強く印象付けたのでしょう。ここにあるのは単なる記念写真ではなく民間外交の歴史を物語る貴重なドキュメントといえます。

 いずれ展覧会としてお目にかける機会があるかもしれません。お楽しみに。

朝香宮鳩彦王と同妃

朝香宮鳩彦王と同妃



アルゼンチン経済使節(昭和16年)

アルゼンチン経済使節
(昭和16年)

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