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37.「姫路城」再び

 今年の展覧会は美術工芸品「姫路城」の公開です。展示場所の都合でここしばらく収蔵庫に入っていましたが、今年は制作から30年の節目にあたり、この機会にご覧いただこうというものです。

 「姫路城」は昭和53(1978)年秋、ミキモト真珠発明85周年の記念として登場した工芸品で、木工、金工、漆工、七宝などの日本の伝統工芸技法が優美な姿の各所に駆使されています。当時から人気の作品で、数年前に撤収してからは、なぜ出ていないのかとお客様からお叱りをいただくこともしばしばでした。

 今回の展示にあたっては細部をよくご覧いただくことに主眼を置いてみました。過去の展示では簡単な説明だけ添えていたのを、今回はもう少し踏み込んだ解説をつけてみようと思います。工芸作品としての凄さを具体的に理解していただけるような工夫はなにか。そのために城の制作工程を追った古いアルバムを捜し出して、写真のひとつひとつにキャプションを付け、パネルにすることにしました。当時制作にあたった小西美術工芸社の小西啅也さんにお願いしてつけていただいた解説は、今回の展示のみならず、将来に引き継ぐ貴重な記録といえるものです。その頃の漆工芸界の重鎮だった松田権六氏が作品に見入る興味深い画面も収録されています。

 もちろん、本体の各部、たとえば白壁の細工や窓の周囲の七宝細工、瓦に嵌めた宝石、ダイヤモンドを散りばめた鯱の表情などのディテールを観察いただける仕掛けもなにか考えなくてはいけません。このあたりは実際に展示室でお確かめいただきたいものです。

 以下は余談ながら鳥羽のこと。鳥羽城は錦の城と呼ばれ、ちょうど水族館の向こうの高台になった場所に聳えていました。錦という美しい名前は海側に面する壁が黒、山手の側が白の二色(にしき)に塗り分けられていたことに由来し、これは鳥羽藩の特産品であるボラの漁に配慮したものといわれています。すなわち、ボラの類の魚は光に敏感であるため、城の白い壁が朝日に映えて漁に支障を来すことのないようにというのが理由、と古老は伝えています。規模の面では姫路城と比較するのも気の毒ですが、お帰りの際にパールブリッジの左側、高台の上に黒壁の鳥羽城の姿を想像してみて下さい。

 美術工芸品「姫路城」の公開は12月7日までです。

ミキモト美術工芸品「姫路城」

ミキモト美術工芸品
「姫路城」

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