知る 学ぶ 楽しむ
真珠王からのメッセージ 海女 パールミュージアムコレクション 入場料金 チケット情報 営業案内 アクセス 真珠島のパワースポット 島内マップ よくあるご質問 ホームに戻る

64.エマイユの展覧会

 名古屋のヤマザキマザック美術館で開催中の展覧会「エマイユの煌き」を見てきました。明治以降に花開いた日本の近代七宝の名品と、アール・ヌーヴォー期のエナメルジュエリー、それに現代日本のエナメルジュエリー作家の作品を集めた企画展です。

 第1室では、明治時代の日本の七宝作品が展示されています。政府の殖産興業政策に乗って、万国博覧会を通じて海外に紹介された七宝の工芸品は、日本の伝統的な意匠に対する興味を引き起こし、それがさまざまな美術分野に日本趣味を広めるきっかけともなりました。また、それとは逆に、当時西洋で流行していたデザインを取り入れた壷や花瓶も作られます。展覧会ではこの和と洋のデザインが輻輳する様子を具体的な作品から読み取ることができます。京都の清水三年坂美術館や並川靖之七宝記念館、それにあま市七宝焼アートビレッジ、名古屋の安藤七宝店からそれぞれ名作が出品され、一堂に見ることのできる得がたい機会です。

 第2室はジュエリーを集めた展示です。エマイユ(エナメル、七宝)は基本的に器物の表面にガラス質の釉薬を置いて焼付ける技術で、絵柄やデザインを表すのに様々な手法を用います。ジュエリーの分野では、ぜんたいにエナメルをかけるロンドボス、表面を細い輪郭線で区切るクロワゾネ、表面を削って、稜線を輪郭としてあらわすシャンルーヴェ、ステンドグラスのようなプリカジュールなどの技法が用いられますが、その違いはともかく、いずれも豊かな色彩感で楽しませてくれます。この部屋には当館からもジョルジュ・フーケの「蘭」、マーカスの「野薔薇」それにウォルファースのペンダントの3点を出品しました。いずれもプリカジュール・エナメルを用いた作品で、見慣れているはずなのに、ライティングの違いからか、違った印象を受けるのは不思議です。

  明治から大正にかけて、安藤七宝店と御木本真珠店はともに銀座にあって、日本を訪れた外国人観光客が立ち寄る店でした。その頃、もし、両者がコラボしていたらどんなジュエリーができていただろうか、展示を見ているとそんなことが頭をかすめます。

 第3室はプリカジュールやバスタイユといった困難な技法の研究に取り組み、アール・ヌーヴォー・ジュエリーの持つ美的感覚を現代に再現した中島邦夫氏の作品です。プリカジュール技法を駆使する現代作家は少なく、こちらもまたとない機会といえるでしょう。 ヤマザキマザック美術館は名古屋地下鉄新栄駅に直結していて、たいへん便利な場所にあります。見学のあとは名古屋名物のひつまぶしでも味わって、遠方からお出かけの方はぜひとも鳥羽まで足を伸ばしていただくよう、お勧めしておきます。

真珠博物館常設で見られるエナメルジュエリー


ロイヤルブルーのブローチ



幼子キリスト像のペンダント

 

狩人のペンダント

バックナンバー一覧に戻る
page top
  • 御木本幸吉記念館
  • 真珠博物館
  • 館長のページ