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75. エフェメラ

11月某日
 岐阜市で全国博物館大会があり、出席した。これは日本博物館協会が主催する研究集会で、毎年、各都道府県持ち回りで開かれます。今大会のテーマは「新たな博物館像をめざして」というもので、岐阜の生んだ博物館学の先人の業績紹介やシンポジウムなどを拝聴し、大いに蒙を啓かれた。館同士はそれぞれに立場も条件も違うので、他館の事例が自館の問題解決に直結するわけではありません。けれど、こういう刺激がないとついついルーティンの仕事に埋没してしまう。意識付けとしては大変有効です。
 夕方からの情報交換会では旧知の方々との交歓や、初めての出会いなどがあって充実したひと時を過ごしました。以前は懇親会と呼んでいたのが、いつの頃からか、この名称に置き換えられた。懇親では何か不都合なのか、内容は同じなのに不思議。
 こういう会合のお土産は参加各館が持ち寄ったパンフレット類で、相当な分量になります。帰途、列車内でそれらを見ていたところ、東京国立博物館のパンフレットに「エフェメラ」という言葉を発見した。「エフェメラ」とはなにか。その説明には「カゲロウのような一日しか存在しえないものを意味するギリシャ語を起源とする図書館用語で、使用のあとは捨てられ長期に保存されることがないような一時的な印刷物や筆記物を指します。」とあった。おお、私はまさにそのエフェメラの束を抱えて鳥羽に戻るのだ。
 この言葉は図書館情報学の用語ですが、博物館でも使える便利な枠組みです。当館にも相当量のパンフレットやチラシがあり、どういう名称で区分けするか、あいまいなままでしたが、そうか、そういう括りがあったのか。いや、やはり、何か収穫があるものです。
というわけで、当館保存のエフェメラより、秘蔵の何点かをご紹介。

1.「国立公園伊豆半島めぐり」
十年ほど前に神田の古本屋で見つけた。磯着姿の海女さんが小手をかざしてポーズを決めている。別嬪を描いたつもりの顔がお面みたいで気持悪く、味わい深い。これは東海汽船を使って伊豆半島を周遊する観光コースを提案したもので、立ち寄り場所として三津真珠館という施設が取り上げられています。昭和30年代前半の発行と考えられ、静岡県で真珠養殖が行われていたことを実証する貴重な物件です。

2.「お楽しみ玉手箱付盃投げ」
企画展「島のオトメは明日も潜る」開催時に収集したもの。兵庫県の城崎温泉に日和山遊園という施設があって、そこで昭和62年まで行われていた海女の潜水作業を紹介するチラシです。50円で盃を買って岸壁から海に投げ、それを海女が拾うという内容だったことは「サイン→投込→海女捜査」という一行でわかる。「一等★乙姫? 二等★浦島?」はなにか景品があったようですが、50円の投資だ、大した見返りは期待出来なかったに違いない。「三等★亀は洩れなく進呈!!」とあるけれど、どうやって等級を決めたのか。目元と唇の濃い海女さんの表情は昭和40年代と思われます。

3.「待月楼」
鳥羽の赤崎海岸にあった旅館のパンフレット。最低宿泊料金3円50銭、昼食50銭とある。中面の地図に「日和山エレベータ」が描かれていることから昭和9年以降18年までと推定されます。表紙を飾るのは日本的な顔立ちの海女さん。背景のボケ味が美しい写真で、完成度の高い一枚です。

 こういうものは資源ごみとして処分すればそれまでですが、きちんとファイリングして整理保管すれば、多少は後世に資することもある。上の三枚を捨てずに取って置いてくれた人にお礼をいわなくてはいけません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国立公園伊豆半島めぐり

 

お楽しみ玉手箱盃投げ

 

待月楼

 

 

 

    

    

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