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102. 紙芝居 NEW!!

 収蔵庫の整理をしていたら、「紙芝居」という付箋の貼られたケースファイルが目に留まった。数年前に古書店で求めて、そのままにしておいたもの。
 紙芝居といえばひと昔前の代物と捉えられがちです。午後の原っぱに自転車で現れた紙芝居屋のおじさんを思い出す向きは今では高齢者か。けれど、画像と音声で情報を伝達するという構造は今日用いられている電子メディアも同じで、観客と双方向的に進展するという点では優れているともいえるかも知れない。
 何年か前、地元の人材育成講座の主催で市内の学校を廻り、郷土の先人として御木本幸吉を紹介するのに、博物館のスタッフの協力で紙芝居を作って上演したことがありました。素人の作品と口演ではあったが、子供たちの食いつきはけっこうよかったと周囲からお褒めをいただいた。絵もストーリーも大切だが、語りの巧拙が注目度を大きく左右する、一種の話芸というべきでしょう
 ケースファイルの中には『真珠のくびかざり』という表題の紙芝居が入っている。昭和31年のもので、そうとう使い込まれた様子。表題から想像がつくようにこれは御木本幸吉の真珠発明物語で、学校教材として使われたと思われる(原っぱで洟垂れ小僧たちがなけなしの小遣いをはたいてでも見たい、というものではない)。
 くたびれたボール紙製のカバー(写真①)に「児童百科紙芝居全集・発明物語①(御木本幸吉)」と表題、海を背景として真珠の上に作者名、横に発行所を記した紙が貼られている。マジックインクで3月とあるのは、上演予定の時期なのか。画は柿原輝行。この画家の名は知らなかったが、検索すると『キンダーブック』誌上で活躍した挿絵画家だそう。『キンダーブック』は私が伊勢市の「まるこ幼稚園」に通っていたころ愛読していた雑誌で、もしかするとこの画家の作品も見ていたかも知れない(印象に残っているのは武井武雄だった。お日様が笑っている挿絵など、ちょっと怖かった)。文章を担当する大牟田信という人は検索にかからず(大牟田信用金庫が引っかかる)。価格は350円。製作の株式会社教育画劇は現在も盛業中で、絵本や現代風の可愛い紙芝居を送り出している。
 裏には同じシリーズとして豊田佐吉、フランクリン、ライト兄弟、ノーベルの紹介がある。失敗にめげず、信じた道を貫き通す生き方を学んでほしい、という、「ねらい」通りの人選だ。では、カバーを取ってみよう。ところが紙芝居の表紙(写真②)には別の人物の名前がある。文は同じ大牟田信だが、画は小谷野半二という人になっている。調べると、太平洋美術学校を出た洋画家で、紙芝居の画を多数手がけた人であるらしい。表紙を含めて16枚からなり、幸吉の発明に至る過程がダイジェストされている。当方の御木本幸吉記念館で上映しているアニメーション『夢チャレンジ』は半円真珠の誕生までだが、この紙芝居はさらに妻・うめの死を乗り越えで真円真珠の成功までを描いており、手慣れた画の完成度と簡潔な文章による説得力はなかなかのもの。
 画面裏側の読みの最初には小谷野半二の名前がクレジットされているので、こちらが作者と思われるが、カバーの柿原輝行先生は降板したのかな。何か事情があったのか。
 展示の予定はありませんが、閲覧ご希望の方はお申し出下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      写真①

 

 

 

 

      写真②

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