ネットで知り合った相手を、
気づいたらすごく好きになっていた。
マッチングアプリで毎日やりとりして、
寝る前に通話して、
SNSでは自分だけが知っている相手の一面がある気がして、
スマホゲームでは毎晩一緒に過ごして。
まだちゃんと会っていないのに、
もうずっと前から知っている人みたいに感じることってありますよね。
でもその一方で、
ネット恋愛は
「昨日まであんなに好きだったのに、急に無理になった」
が起きやすい恋でもあると思います。
実際に会ってみた瞬間、
なんとなく空気感が違った。
通話ではあんなに話しやすかったのに、
対面だと妙に気を使ってしまった。
SNSで見えた相手の一面に引いてしまったり、
ゲームの中では特別だと思っていたのに、
現実ではそうでもなかったと気づいてしまったり。
相手がひどい人だったわけじゃない。
むしろ、やさしかったし、ちゃんとしていた。
それなのに、
好きでいようとすると苦しくなってしまう。
そんな経験をすると、
「私がわがままなのかな」
「こんなことで冷めるなんてひどいかな」
と、自分を責めてしまう人も多いと思います。
でも、ネットで始まる恋は、
好きになるスピードが早いぶん、
現実とのズレを感じたときの反動も大きいです。
会う前に理想が育ちやすいからこそ、
少しの違和感でも
気持ちが一気にしぼんでしまうことがある。
この記事では、
マッチングアプリ、X、Instagram、オンラインゲーム、スマホゲームなど、
ネットで知り合って恋愛したときに起きた蛙化現象体験談をまとめてきました。
もし今、
ネットで知り合った相手に対して
「好きだったはずなのに、なぜか苦しい」
と感じているなら、
この先の体験談のどこかに、
自分の気持ちに近いものがあるかもしれません。
ネット恋愛の蛙化現象体験!ネットは蛙化が起きやすい?!
マッチングアプリで出会って、会う前に好きになりすぎた・・・
彼と出会ったのは、マッチングアプリでした。
そのときの私は、
もう何人かとやりとりしてはいたけど、
正直、誰にもあまり期待していませんでした。
最初の数通だけ盛り上がって終わる人も多かったし、
プロフィールではよさそうに見えても、
話してみると全然合わないことも多かったからです。
だから、彼から届いた最初のメッセージも、
本当はそこまで深く考えずに返しただけでした。
でも、やりとりを始めた瞬間から、
なんとなく空気が違いました。
私が話したことに対して、
ちゃんと反応してくれるんです。
ただ質問を返すだけじゃなくて、
「それ、なんかわかる」
とか、
「そういうのって地味にうれしいよね」
みたいに、
会話の感情に寄り添ってくれる返し方をしてくれる人でした。
その感じがすごく心地よくて、
私はすぐに
「あ、この人とは話しやすいかも」
と思いました。
そこからは、本当にあっという間でした。
朝起きたら彼からメッセージが来ていて、
お昼休みに少しやりとりして、
夜になるとまた自然に会話が続く。
無理に長く続けようとしている感じじゃないのに、
気づくと毎日ちゃんと話している。
それがすごくうれしかったです。
しかも彼は、
私が前に言ったことを覚えていてくれるタイプでした。
私が仕事でバタバタしていた日には、
次の日に
「昨日忙しかったって言ってたけど、少しは落ち着いた?」
って聞いてくれるし、
好きなカフェの話をしたら、
あとから
「こういうお店好きって言ってたよね」
って似た雰囲気のお店を送ってくれたりもしました。
そういう小さいことが、
当時の私にはすごく刺さったんです。
大事に見てもらえている感じがしたし、
“私とちゃんと向き合ってくれている人”
みたいに見えました。
何より、やりとりしていて安心できました。
恋愛の入り口って、
楽しいだけじゃなくて、
どうしても不安もあるじゃないですか。
この人、本当に誠実なのかなとか、
私だけにこうなのかなとか、
すぐいなくならないかなとか。
でも彼には、
そういう不安をあまり感じなかったんです。
むしろ、
「この人はちゃんとしてる」
「この人なら変な傷つき方をしなくて済みそう」
って、勝手に信じていました。
通話をするようになってからは、
さらに気持ちが大きくなりました。
最初の電話は少し緊張したけど、
出てみたら声の感じもやさしくて、
話すテンポも落ち着いていて、
想像していたよりずっと自然でした。
電話って、相手との相性が出ると思うんです。
話し始めるタイミングとか、
沈黙の扱い方とか、
ちょっとした笑い方とか。
そういうところが合わないと、
どれだけメッセージがいい感じでも、
意外としんどくなる。
でも彼との通話は、
それがほとんどありませんでした。
気づいたら1時間、2時間と過ぎていて、
切ったあとも少し余韻が残るくらい楽しかったです。
私はだんだん、
彼と会う前から
彼との未来を勝手に想像するようになっていました。
まだ付き合ってもいないのに、
もしこの人と付き合ったら、
仕事終わりに電話したり、
休日にゆっくりごはんを食べに行ったり、
そういう日常があるのかなと思っていました。
会ったこともない相手なのに、
ここまで気持ちが入るなんて、
少し前の自分ならたぶん信じなかったです。
でも、そのくらい
彼の存在は私の中で大きくなっていました。
会う約束が決まった日なんて、
本当に浮かれていました。
何を着て行こう。
どんなメイクにしよう。
頑張りすぎたくないけど、
でも少しはかわいく見られたい。
そんなことを何日も考えて、
前日にはクローゼットを何回も開け閉めして、
一人でずっとそわそわしていました。
たぶんその頃の私は、
彼自身というより、
“彼とならうまくいくかもしれない恋”
にかなり期待していたんだと思います。
そして当日、
待ち合わせ場所に向かうときも、
私は緊張より楽しみのほうが大きかったです。
スマホを見れば
「もうすぐ着くよ」
って連絡が来ていて、
そういう一言さえうれしかった。
でも、
彼を見つけた瞬間、
自分でも説明できないくらい、
気持ちがすっと静かになりました。
別に、
写真と全然違ったわけじゃありません。
清潔感がないとか、
失礼な態度だったとか、
そういうはっきりしたマイナスもなかったです。
ただ、
私の中で育っていた彼のイメージと、
目の前に立っている彼が、
どうしてもきれいに重ならなかったんです。
服の雰囲気。
立ち方。
目が合ったときの感じ。
最初の「はじめまして」の空気。
そういう、
たぶんひとつひとつは小さいことが、
なぜか全部少しずつズレていました。
そのズレを、
最初の私は必死に気のせいだと思おうとしていました。
緊張してるだけかもしれない。
まだ会ったばかりだし、
これからちゃんと楽しくなるかもしれない。
そう思ってカフェに入ったけど、
席について話し始めても、
違和感は消えませんでした。
彼は普通にやさしかったです。
飲み物を気にしてくれたし、
話題も振ってくれたし、
会話が止まらないようにしてくれていました。
でも、
私は通話のときみたいに自然に笑えなかった。
楽しくないわけじゃない。
でも、
“すごく会いたかった人に会えた喜び”
みたいなものが、まるで出てこなかったんです。
むしろ私はずっと、
ちゃんと感じよくしなきゃとか、
変に気まずくしちゃだめだとか、
そういうことばかり考えていました。
本当に好きな人に会えたなら、
そんなふうに頑張らなくても笑えるはずなのに。
そのことに気づいた瞬間、
私は少し苦しくなりました。
彼は悪くない。
本当に悪くない。
でも私は、
もう会う前ほどの気持ちで彼を見られなくなっていたんです。
帰り際、
彼が
「会えてうれしかった。また会いたい」
って言ってくれたときも、
前なら泣きそうなくらいうれしかったはずなのに、
そのときの私は
どう返すのが正解なんだろう
と少し困ってしまいました。
家に帰ったあと、
彼から丁寧なお礼のメッセージが来ました。
「今日はありがとう」
「やっぱり実際に会えてよかった」
「次も会いたいな」
その文章を見て、
私はすぐに返事ができませんでした。
返したくないわけじゃない。
でも、前みたいに
うれしい気持ちでスマホを開けなかったんです。
そこではじめて、
私はちゃんと認めました。
ああ、私は会う前に彼を好きになりすぎていたんだな、って。
メッセージのやさしさも、
通話の心地よさも、
ちゃんと本物だったと思います。
でも私はそこから、
彼の全部を勝手に想像して、
勝手に理想をふくらませてしまっていた。
だから現実で少しでもズレを感じた瞬間、
気持ちがついていかなくなってしまったんだと思います。
それって本当に残酷ですよね。
相手は何も悪いことをしていないのに、
勝手に理想化して、
勝手に期待して、
勝手に冷めてしまうなんて。
自分でもかなり嫌でした。
でも、どうしても無理でした。
2回目に会えば変わるかもしれないと思って、
少しだけ迷ったこともありました。
でも彼からの通知が来るたびに、
前みたいなときめきより、
少しの重さを感じるようになってしまって、
その時点でもう答えは出ていたんだと思います。
実際に会ったら会話が噛み合わなかった・・・
彼とは、Xで知り合いました。
最初は恋愛目的じゃなくて、
同じ趣味の話をしていただけでした。
私がある作品の感想を投稿したら、
彼が反応をくれて、
そこから何回かやりとりするようになったんです。
同じものが好きな人と話すのって、
最初から少し距離が近い感じがしますよね。
好きなキャラクターとか、
印象に残ったシーンとか、
細かい感想の言葉選びとか。
そういうところに
「この人、感覚が近いかも」
と思える瞬間があるからです。
彼もまさにそうでした。
反応の仕方がすごく自然で、
変に距離を詰めてくる感じもなくて、
でも話を広げるのがうまい。
DMに移ってからも、
その感じは変わりませんでした。
私はもともと、
SNS経由の出会いには少し警戒心があったんです。
軽い人も多いイメージがあったし、
最初だけ感じよくして、
急に雑になる人もいると思っていたからです。
でも彼は、
そういう不安を持たせるタイプではありませんでした。
返信が来ないときは
ちゃんと理由を言ってくれるし、
私の話も雑に流さない。
しかも、
好きなものが同じってだけで、
なんとなく会話が続きやすいんですよね。
日常の話もできるし、
作品の話に戻ることもできるし、
自然に通話の流れになったときも、
私はそこまで身構えませんでした。
最初の通話は、
本当に驚くほど楽しかったです。
彼は話しすぎる感じでもないし、
かといって受け身すぎるわけでもない。
こっちが話したことをちゃんと受け止めて、
そこから気持ちよく会話を広げてくれる。
笑うタイミングも近かったし、
沈黙があっても全然苦じゃなかった。
「気づいたらこんな時間」
みたいな通話を、
私たちは何度もしました。
しかも、
彼の声がすごく落ち着いていたんです。
無理に明るくしない感じとか、
静かな笑い方とか、
少し低めのトーンとか。
そういうものが全部、
私にとってかなり心地よかった。
夜寝る前に話すだけで安心するというか、
声を聞くだけで
今日も大丈夫だった気がする、
みたいな感覚がありました。
そこから私は、
彼との通話の時間をすごく大事にするようになりました。
仕事で疲れた日も、
彼と少し話せると思うと気持ちが軽くなる。
逆に、
今日は通話できないと言われると少しさみしい。
そんなふうに、
まだ会ってもいないのに、
彼は私の生活の中でかなり大きい存在になっていきました。
しかも彼は、
通話の中でちゃんと私の気持ちを見てくれる人でした。
私が仕事のことで落ち込んでいたら、
すぐ励ますんじゃなくて、
まず
「それはしんどかったね」
って受け止めてくれる。
私が言葉に詰まったときも、
焦らせずに待ってくれる。
そういうところに、
私はすごく惹かれていました。
この人となら、
一緒にいて無理しなくていいかも。
そう思っていました。
だから、
実際に会おうという話になったときも、
私はかなり前向きでした。
通話でここまで自然なんだから、
会ってもたぶん居心地がいい。
むしろ、
実際に会ったほうがもっと好きになるかもしれない。
そう本気で思っていました。
当日、
最初に会ったときの印象は、
そこまで悪くなかったです。
ちゃんと笑ってくれて、
少し緊張している感じもかわいく見えたし、
変な違和感もありませんでした。
でも、
お店に入って10分くらいした頃から、
私は少しずつ疲れ始めていました。
理由は、
会話が噛み合わなかったからです。
通話ではあんなに自然だったのに、
目の前で話すと、
なぜかテンポがズレる。
私が少し冗談っぽく言ったことが、
そのまま真面目に返ってきたり、
逆に、
そこは深く掘らなくていいのに、
というところをずっと聞かれたり。
会話が完全に止まるわけではないんです。
でも、
ずっと少しずつズレている。
その“少しずつ”が、
想像していた以上にしんどかったです。
たぶん通話って、
声と内容だけに集中できるから、
多少テンポが違っても成立しやすいんですよね。
でも対面だと、
表情とか、間とか、
目線とか、姿勢とか、
そういうものまで全部が会話の一部になる。
その全部がほんの少し合わないと、
一緒にいて急に疲れる。
私はそのとき初めて、
“話しやすい”って
同じ話題で盛り上がれることじゃないんだな、
と思いました。
大事なのは、
同じ空間にいて無理がないことだったんです。
彼はやさしかったです。
飲み物がなくなったら気にしてくれたし、
「緊張してる?」
って笑ってくれたし、
服も褒めてくれました。
でも私は、
そのやさしさがうれしいより先に、
会話の違和感に疲れていました。
通話の中で感じていた
“この人となら大丈夫”
みたいな安心感が、
対面ではうまく出てこなかった。
それが本当にショックでした。
あんなに何回も話してきたのに。
寝る前の通話があんなに楽しみだったのに。
どうして今、
目の前にいる彼と一緒にいて、
こんなに気を使っているんだろう。
私は食事をしながら、
ずっとそんなことを考えていました。
しかもつらかったのは、
彼はたぶん私よりずっと前向きだったことです。
「会えてよかった」
とか、
「やっぱり直接会うほうがいいね」
とか、
そういう言葉を素直にくれました。
前の私なら、
その一言でたぶんかなりうれしくなっていたと思います。
でもそのときの私は、
それをまっすぐ受け取ることができませんでした。
受け取れないどころか、
少し苦しかったです。
彼が好意的であればあるほど、
私は同じ温度じゃない自分に気づいてしまうから。
帰り道も、
私は妙にぐったりしていました。
楽しくなかったわけじゃない。
嫌なことをされたわけでもない。
でも、またすぐ会いたいかと聞かれたら、
答えに詰まる。
それがすべてだったと思います。
帰宅後、
彼から
「今日はありがとう。また会いたい」
とメッセージが来たとき、
私はスマホを見ながらしばらく動けませんでした。
前みたいにうれしい顔で見られない。
通知が来るだけでときめいていた頃には、
もう戻れない気がしたからです。
私はたぶん、
通話の中で彼を好きになりすぎていました。
声の感じ、
言葉の選び方、
通話のテンポ。
そこだけを見て、
“この人とは絶対合う”
と思い込んでいた。
でも実際には、
対面でしかわからない相性がちゃんとあって、
そこが少しずつズレていた。
そのズレに気づいた瞬間、
好きだった気持ちが急に苦しくなりました。
オンラインゲームで知り合って、やさしくされていたはずなのに・・・
彼と知り合ったのは、オンラインゲームでした。
最初は本当にただのゲーム仲間で、
恋愛なんてまったく意識していませんでした。
同じ時間帯によくログインしていて、
たまたま一緒にイベントを回ることが増えて、
そこから通話にも混ざるようになった。
その流れで少しずつ話すようになって、
気づけばフレンドの中でも
いちばんよくやりとりする相手になっていました。
ゲームで仲良くなる関係って、
独特の近さがあると思います。
一緒に戦ったり、
ミスしたときにフォローし合ったり、
夜遅くまで同じ時間を過ごしたり。
現実ではまだ会ったことがないのに、
なぜかすごく近い存在みたいに感じるんですよね。
彼もそういうタイプでした。
私がログインするとすぐ気づいて声をかけてくれるし、
装備の相談をするとちゃんと乗ってくれるし、
私がうまくいかなかったときも、
責めるんじゃなくて笑いながら助けてくれる。
そのやさしさが、
最初はすごくうれしかったです。
ゲームの中って、
ちょっとした言い方で空気が悪くなることもあるし、
距離感が雑な人も多いから、
そういう中で彼みたいにやわらかく接してくれる人は、
かなり安心できる存在でした。
通話で話すようになってからは、
もっと距離が縮まりました。
ゲームのことだけじゃなくて、
仕事の話とか、
休日の過ごし方とか、
好きな食べ物とか、
そういう日常の話もするようになったんです。
私はそれがすごく楽しかった。
ゲームで知り合った人って、
最初から共通の話題があるから、
仲良くなるスピードが早いんですよね。
しかも彼は、
私のことをちゃんと気にかけてくれているのが伝わる人でした。
「今日は元気ない?」
とか、
「無理してない?」
とか、
そういう一言を自然にくれる。
そうなると、
やっぱり少しずつ意識してしまいます。
この人、もしかして私のこと
ちょっと特別に見てくれてるのかな、って。
やりとりが増えてから、
彼はゲーム外でも連絡をくれるようになりました。
最初はすごくうれしかったです。
ゲームが終わっても話せることが、
関係が一歩進んだ感じがしたからです。
寝る前に
「今日はありがと」
って来たり、
仕事終わりに
「疲れてない?」
って来たり。
そういう小さいやりとりが重なるうちに、
私は彼のことをかなり身近に感じるようになっていました。
でも、
その気持ちが育つのと同時に、
彼のほうの好意のスピードがどんどん早くなっていきました。
最初は
「今日一緒にできて楽しかった」
くらいだったのが、
だんだん
「一番話しやすい」
「もっとたくさん一緒にいたい」
みたいな言葉に変わっていったんです。
私はその頃、
彼に好意はありました。
でも、
まだ“好き”と断言するには早いと思っていました。
ゲームの中で近いからといって、
現実で恋愛として合うかどうかなんてわからない。
もっとゆっくり知っていきたい。
そう思っていたんです。
なのに彼は、
どんどん気持ちをはっきり見せるようになりました。
ログインしない日があると
「どうしたの?」
ってすぐ来るし、
他の人と通話していると
少し不機嫌そうになることもある。
最初はそれを
わかりやすい好意として受け取っていました。
でも、
回数が増えるうちに少しずつしんどくなってきました。
私には私の生活があるし、
ゲームに入れない日もある。
他の人と遊びたい日もある。
でも彼は、
それを少しずつ
“自分との距離”に結びつけるようになっていったんです。
たとえば、
私がその日ちょっと疲れていて
「今日は早めに落ちるね」
と言うと、
表向きは
「そっか、おつかれさま」
と返してくれるのに、
あとから
「最近あんまり話せてない気がする」
みたいなことを言ってくる。
そのたびに私は、
責められているわけじゃないのに、
少し苦しくなっていました。
さらにきつかったのは、
彼がだんだん未来の話をし始めたことです。
「今度通話だけでゆっくり話したい」
「会ってみたいね」
「もし近かったらもっと遊べたのにね」
そういう言葉自体は、
前ならうれしかったかもしれません。
でもその頃の私は、
彼の気持ちの大きさに
だんだん追いつけなくなっていました。
私はまだ、
ゲームの中で見えている彼しか知らない。
やさしいし、一緒にいて楽しい。
でもそれがそのまま恋愛になるかは、
まだわからない。
なのに彼は、
もうかなり本気の温度で私を見ているように感じたんです。
その温度差に気づいた瞬間から、
私は彼のやさしさを
前みたいに素直に受け取れなくなりました。
通知が来るだけで、
うれしいより先に
「今日は何て返そう」
って思ってしまう。
ゲームに入る前も、
会えたらうれしいより、
今日はまた長く話したがるかな、
みたいなことを考えてしまう。
そうなったら、
もうかなり苦しかったです。
彼はたぶん本当にやさしい人でした。
私を大事にしようとしてくれていたし、
ちゃんと好意も伝えてくれていた。
でも、
その好意が私の気持ちより先に大きくなりすぎたんです。
しかもオンラインの関係って、
現実より距離が近く見えやすいぶん、
片方だけが本気になると
もう片方は急に息苦しくなりやすいと思います。
毎日話している。
一緒にいる時間が長い。
弱っているときに声をかけてくれる。
それだけで、
恋人みたいな近さが生まれやすい。
でも実際には、
まだ現実で何も始まっていない。
そのギャップが、
私はどんどん苦しくなっていきました。
ある日、
彼に
「最近ちょっと距離ある気がする」
と言われたとき、
私はすごく申し訳なくなりました。
だってその通りだったからです。
最初はあんなにうれしかった彼のやさしさが、
いつの間にか少し重くなっていた。
一緒にいたいと思っていたはずなのに、
今は少し離れたいと思っている。
それを自分で認めるのが、
すごくつらかったです。
私は彼を嫌いになったわけじゃありませんでした。
むしろ、
いい人だと思っていたし、
できれば傷つけたくなかった。
でも、
いい人だから好きでいられるわけじゃないんですよね。
彼の愛情表現の速さと、
私の気持ちのペースが合っていなかった。
それだけなんだけど、
恋愛ではその“それだけ”がすごく大きい。
最終的に私は、
少しずつゲームに入る頻度を減らして、
連絡の量も減らしていきました。
彼はたぶん気づいていたと思います。
それでも最後まで
強く責めたりはしませんでした。
だから余計に、
私は罪悪感でいっぱいでした。
こんなにやさしくしてもらったのに。
ちゃんと好意を向けてもらったのに。
どうして私は、
それに応えたいより逃げたい気持ちのほうが強くなるんだろう。
でも、どうしても無理でした。
本性が見えすぎたことで一気に気持ちが冷めた・・・
彼と出会ったのは、マッチングアプリでした。
最初の印象は、正直かなりよかったです。
プロフィールの文章が落ち着いていて、
写真も作り込みすぎていなくて、
でも清潔感があって、
変に軽い感じもしない。
それだけで、
アプリの中ではかなり珍しいタイプに見えました。
やりとりを始めてみても、
その印象は変わりませんでした。
返信のペースも安定しているし、
こちらの話を広げるのも上手。
質問ばかりで面接みたいになることもなくて、
ちゃんと会話としてやりとりが続く人でした。
私はもともと、
アプリで知り合った相手に対して
最初から全面的に信用するタイプではありません。
いい感じに見えても、
実際はかなり軽かったり、
複数人に同じようなことを言っていたり、
最初だけ丁寧で、
あとから雑になる人も多いと思っているからです。
でも彼は、
その警戒心を少しずつほどいてくれる感じがありました。
私が話したことに対して
薄く反応するのではなく、
ちゃんと覚えてくれている。
忙しい日は無理に返信を求めず、
でも翌日には自然につないでくれる。
しかも、
ちょっとやさしすぎるくらいに気を配ってくれる人でした。
「今日は忙しかったんだよね。ちゃんと休めてる?」
とか、
「その話、前にも言ってたから気になってた」
とか、
そういう小さい言葉がすごく自然なんです。
そのうち、
私はかなり彼に安心し始めていました。
アプリの出会いって、
本気なのか、暇つぶしなのか、
遊びなのか、
最初はどうしてもわかりにくいじゃないですか。
でも彼は、
変に口だけ大きいことも言わないし、
強引に距離を縮めてくることもない。
そのバランスがちょうどよくて、
この人はちゃんとしてるかも、
と思っていました。
やりとりが続いて少し経った頃、
なんとなくInstagramの話になりました。
最初は軽い流れでした。
私がカフェの話をしたときに、
彼が
「インスタでよく見る系のお店好き?」
って聞いてきて、
そこからお互いのアカウントを交換することになったんです。
私はそのとき、
むしろ少し安心しました。
アプリの中だけじゃなくて、
SNSの雰囲気も見えるなら、
その人のことをもっと知れる気がしたからです。
アカウントを見た最初の印象も、
やっぱり悪くありませんでした。
投稿数はそこまで多くないけど、
趣味の写真とか、
食べたものとか、
友達と出かけたときの何気ない景色とか。
無理してかっこつけている感じもなくて、
“ちゃんと普通の人”に見えたんです。
ストーリーも、
生活感はあるけど不快じゃないし、
変に承認欲求が強すぎる感じもない。
それを見て、
私はさらに安心してしまいました。
アプリの中の印象だけじゃなくて、
SNSでもちゃんとしてる。
ああ、この人は大丈夫な人かもしれない、
と本気で思いました。
でも、
見え始めてからがおかしくなりました。
最初に引っかかったのは、
フォロー欄でした。
たまたま何気なく見ただけだったんです。
深い意味はなくて、
どんな人とつながっているのかな、
くらいの軽い気持ちでした。
でもそこに並んでいたのが、
私が想像していた雰囲気とはかなり違っていました。
露出の多い女性アカウント。
自撮り中心のインフルエンサー。
明らかに見た目重視の投稿ばかりの人たち。
もちろん、
誰をフォローするかはその人の自由です。
それだけで全部を判断するのも違うと思います。
でも、その時の私は、
すごく単純にショックでした。
DMでは落ち着いていて、
恋愛に対しても真面目そうに見えて、
言葉遣いも丁寧で、
ちゃんと私を見てくれている感じがしていた。
だから勝手に、
そういうアカウントばかり追うタイプではないと思い込んでいたんです。
でも実際に見えてしまったら、
私の中で作っていた彼のイメージが
少しずつ崩れ始めました。
しかも、
それだけでは終わりませんでした。
何気なく見た投稿への反応とか、
ストーリーへの絡み方とか、
軽い絵文字の使い方とか、
そういう細かいところまで気になるようになってしまったんです。
私に送ってくるDMは丁寧なのに、
SNS上ではずいぶんノリが軽い。
私に対しては
誠実そうに話しているのに、
他の女の子には
わりと気安く反応している。
その差を見つけるたびに、
私は少しずつ冷めていきました。
本当は、
そんなに気にしなくてもよかったのかもしれません。
恋人でもないし、
付き合っているわけでもない。
SNSでの振る舞いだけで
その人の全部が決まるわけじゃない。
頭ではそう思っていました。
でも恋愛って、
頭で整理できることと、
心が引っかかることが別なんですよね。
一度気になってしまうと、
どんどん見てしまうんです。
誰の投稿にいいねしてるんだろう。
どんなストーリーを上げるんだろう。
私とのやりとりがある日でも、
他の女の子の投稿にすぐ反応してるのかな。
そんなこと、
知らなくてよかったのかもしれないのに。
でも見えてしまう。
しかも、
SNSで知り合ったわけではなくても、
ネットで始まった恋って
そういう“見えすぎる情報”とセットになりやすいと思います。
リアルで出会った相手なら、
ここまで細かく見なくて済んだことを、
SNSがあるだけで知れてしまう。
それが安心につながることもあるけど、
逆に一気に気持ちを冷ますこともあるんですよね。
彼は変わらず、
私にはやさしかったです。
「今度ここ行ってみたいね」
とか、
「会えたらもっと話したい」
とか、
ちゃんと前向きな言葉もくれました。
でも私はもう、
その言葉を前みたいには受け取れませんでした。
この人、本当に私を見てるのかな。
それとも、
今たまたまやりとりしてる相手が私なだけなのかな。
そう思い始めたら、
好きという気持ちより、
警戒心のほうが大きくなっていったんです。
いちばんきつかったのは、
彼が何か決定的に悪いことをしたわけじゃないことでした。
浮気したわけでもない。
嘘をついたわけでもない。
ひどい言い方をしたわけでもない。
ただ、
見えた情報が、
私の中の理想と合わなかった。
それだけなんです。
でも恋愛感情って、
その“それだけ”で崩れるんですよね。
ある日、
彼から来た
「今日もおつかれさま」
というメッセージを見ながら、
私は前みたいにうれしくなれない自分に気づきました。
少し前までは、
その一言がうれしくて仕方なかったのに。
今はまず、
この人って本当はどんな人なんだろう、
という気持ちが先に来る。
その時点で、
たぶんもう気持ちは戻れなかったんだと思います。
マッチングアプリで順調だと思っていたのに・・・
彼とは、
マッチングアプリで知り合いました。
最初のやりとりから、
かなり順調でした。
プロフィールの印象もよかったし、
メッセージを始めてみたら
思っていた以上に会話が自然だったんです。
私が気を使いすぎなくても会話が続くし、
向こうも質問ばかりじゃなく、
ちゃんと自分のことも話してくれる。
それだけで、
かなり話しやすい相手だなと思っていました。
アプリって、
どうしても“同じことの繰り返し”になりませんか。
仕事は何してるんですか。
休みの日は何してますか。
好きな食べ物は何ですか。
そのやりとりを何人とも繰り返していると、
だんだん自分でも感情が動かなくなってくる。
でも彼との会話は、
その感じがありませんでした。
何を話しても、
少しずつ相手の輪郭が見えてくる感じがあって、
私は久しぶりに
“ちゃんとこの人を知りたい”
と思えたんです。
やりとりが続くうちに、
毎日連絡を取るようになりました。
朝のあいさつをして、
お昼に少しやりとりして、
夜はその日のことを話す。
義務感じゃなくて、
自然にそうなっていった感じでした。
彼もかなり丁寧なタイプで、
私の話を覚えていてくれるし、
忙しそうな日は無理に返事を求めないし、
でも距離を空けすぎることもない。
そういうバランスがすごく心地よくて、
私はだんだん彼に気持ちが向いていきました。
何人かと同時にやりとりしていたはずなのに、
気づけば彼の通知ばかり待つようになっていたんです。
実際に会ったときの印象も悪くなかったです。
初対面だから少し緊張はしたけど、
メッセージのときとそこまで違和感はなくて、
普通に楽しくごはんができました。
彼も
「思ってた以上に話しやすかった」
って言ってくれて、
帰り道にはすぐ
「今日は会えてよかった」
と連絡をくれました。
その時、
私はかなりうれしかったです。
ああ、
ちゃんと会っても悪くなかったんだ。
このままもう少し進めていけるかもしれない。
そう思いました。
そのあとも、
連絡は途切れませんでした。
むしろ前より少し親しさが増して、
お互いに冗談を言えるようになったり、
次に行きたい場所の話をしたり、
少しずつ関係が深まっている気がしていました。
私はその頃、
かなり彼に気持ちが寄っていたと思います。
もちろん、
付き合う前だから慎重にはなっていたし、
アプリの出会いだからこそ
浮かれすぎないようにはしていました。
でも心のどこかでは、
そろそろこの人に絞ってもいいかもしれない、
と思い始めていたんです。
他の人とのやりとりも、
なんとなく面倒になっていました。
返す気が起きないわけじゃないけど、
比べてしまう。
今返したいのはこの人じゃないな、
と思うことが増えていって、
私は少しずつ彼中心になっていました。
だからこそ、
あるとき知ってしまった現実が、
想像以上にきつかったです。
きっかけは本当に些細なものでした。
彼との会話の中で、
休日の予定の話になったとき、
彼が少し言葉をにごしたんです。
その時は
「あ、何か予定あるのかな」
くらいにしか思いませんでした。
でもそのあと、
なんとなくアプリを開いたら、
彼がかなり頻繁にログインしているのが見えてしまいました。
最初は、
たまたまかなと思いました。
でも数日続いて、
さらにプロフィールが少し更新されていることに気づいたとき、
私は一気に現実に引き戻された気がしました。
ああ、この人、
まだ全然探してるんだ。
たぶんそれは、
アプリでは当たり前のことなんです。
付き合っているわけじゃないし、
複数人を見るのは普通。
私だって最初はそうしていたし、
誰が悪いという話ではない。
頭ではそう理解していました。
でも、
心はぜんぜんついていきませんでした。
だって私は、
もうこの人にかなり気持ちを向けていたからです。
会ったあとも毎日連絡して、
次の約束の話もして、
「話してると落ち着く」
みたいなことも言われていた。
だから勝手に、
彼も少しは私に寄ってきていると思っていました。
でも違った。
私に向けられているやさしさや好意は、
本物ではあったのかもしれないけど、
それが“私だけに向いているもの”だとは限らなかったんです。
そのことに気づいた瞬間、
私は一気に冷めました。
正確には、
冷めたというより、
しぼんだ感じでした。
あんなにうれしかった連絡が、
急に軽く見える。
「おつかれさま」
と言われても、
これを他の誰かにも送ってるのかな、
と思ってしまう。
「また会いたい」
と言われても、
本当にそう思ってるのかな、
と素直に受け取れない。
その変化が自分でもわかって、
かなりしんどかったです。
私は彼を責めることもできませんでした。
責める立場じゃないし、
アプリの出会いってそういうものだってわかっていたからです。
でも、
わかっていることと、
傷つかないことは全然別なんですよね。
もし最初から
“みんなと同じようにやりとりしてる一人です”
という距離感しかなかったら、
ここまでしんどくならなかったかもしれません。
でも彼は、
私が期待してしまうくらいには丁寧だった。
ちゃんと気を持たせる言葉もあったし、
次につながる雰囲気もあった。
だから私は、
勝手に“自分は少し特別かもしれない”
と思ってしまっていたんです。
それが崩れたとき、
恋愛感情も一緒に崩れました。
いちばんつらかったのは、
彼の優しさが急に薄く見えてしまったことです。
少し前までは、
こんなにちゃんと向き合ってくれる人は珍しい、
と思っていた。
でも同時進行の気配を知ってからは、
それすら
“アプリ慣れしてる人の上手さ”
に見えてしまうようになりました。
本当に彼がそうだったかはわかりません。
でも、
一度そう見え始めたらもうだめでした。
私は彼からの通知を見るたびに、
前みたいにときめくより、
どこか冷静に構えてしまうようになっていました。
この人は今、
他にどんな人とやりとりしてるんだろう。
私に言ってることと同じようなことを、
他の誰かにも言ってるのかな。
そんなことばかり考えてしまう。
そうなると、
もう恋愛の楽しさより、
疑いと疲れのほうが勝ってしまうんですよね。
私は結局、
少しずつ返信のテンションを落としていきました。
急に切ることはできなかったし、
彼が悪者とも思えなかった。
でも、
前みたいに気持ちを乗せて返すことはもうできませんでした。
彼は最後まで、
そこまで大きく変わりませんでした。
だから余計に、
私の気持ちだけが下がっていくのが苦しかったです。
私はたぶん、
アプリという仕組みそのものに耐えられなかったんだと思います。
好きになればなるほど、
“比較されるかもしれない”
“まだ選ばれていない”
という現実がしんどくなる。
その不安に一度飲まれると、
それまで積み上げてきた好意も
一気にしぼんでしまう。
順調だと思っていたのに、
同時進行の気配を知った瞬間に
恋愛感情が急に冷えてしまった・・・。
2回目のデートで雑に扱われた気がして、その瞬間に一気に気持ちが冷めた
彼とは、
マッチングアプリで知り合いました。
最初の印象は、
いい意味で普通の人でした。
すごくおもしろいとか、
会話が爆発的に盛り上がるとか、
そういうタイプではなかったけど、
ちゃんとしていて、
変な違和感がない。
プロフィールも誠実そうで、
やりとりも落ち着いていて、
私としては
“悪くない、むしろ安心できる”
という感じでした。
アプリで疲れていた時期だったので、
その“普通にちゃんとしている”感じが
むしろありがたかったんです。
メッセージも無理がなく続きました。
毎日びっしり話すというより、
適度な頻度で、
でもちゃんと興味を持ってくれているのがわかる。
私はその距離感が心地よくて、
少しずつ彼に対して
穏やかな好感を持つようになっていました。
1回目のデートも、
特別に盛り上がったわけではないけど、
普通に楽しかったです。
ごはんを食べながら仕事の話をして、
趣味の話をして、
少し恋愛観の話もして。
すごくドキドキしたわけじゃない。
でも、
もう一度会ってみてもいいかも、
と思えるくらいの手応えはありました。
彼も同じだったみたいで、
帰ったあとに
「今日はありがとう。また会いたい」
と連絡をくれました。
その時の私は、
恋愛として大きく盛り上がっていたわけではないけど、
このままゆっくり進められる相手かもしれない、
と思っていました。
だから2回目の約束が決まったときも、
素直にうれしかったです。
1回目はお互い探り探りだったけど、
2回目ならもう少し自然に話せるかもしれない。
少し距離が縮まるかもしれない。
そんなふうに、
小さく期待していました。
でも、
その2回目のデートで
私は一気に気持ちが引いてしまいました。
理由は、
大きな失礼をされたからではありません。
すごく嫌なことを言われたわけでもないし、
露骨に失礼な態度を取られたわけでもない。
ただ、
一日を通して
“私はこの程度の扱いなんだな”
と感じてしまったんです。
その日はかなり暑い日でした。
私はてっきり、
どこか室内でゆっくり過ごすのかなと思っていたんです。
でも彼は、
あまりプランを考えていない感じでした。
なんとなく待ち合わせして、
なんとなく移動して、
その場でどうするか決める。
それ自体は絶対に悪いことじゃないです。
ラフなデートが悪いわけでもない。
でもその日の彼は、
ラフというより準備不足に見えました。
暑い中をかなり歩く流れになっても、
どこで休むかあまり決めていない。
お店も特に予約していない。
混んでいたら別のところへ行けばいいか、
くらいの感じ。
私はその時点で、
少しだけ疲れていました。
でも、
まだそこで完全に冷めたわけではありません。
たまたまかもしれないし、
2回目だし、
そんなに気にしすぎることでもないかな、
と思っていました。
食事をするときも、
彼は特別やさしくもないけど、
冷たいわけでもない。
ただ、
どこかずっと
“この時間を丁寧に過ごそう”
という感じが薄かったんです。
話していても、
こちらが盛り上げないと空気が細くなる。
なのに、
距離だけは少しずつ詰めたがる。
私はそれが
じわじわとしんどくなっていきました。
しかも、
歩き疲れてかなり暑くなっていたのに、
休憩する場所の選び方も雑でした。
落ち着けるカフェに入るでもなく、
ちょっとした無料スペースみたいなところで
休もうとしたんです。
高級なお店に行きたいわけじゃありません。
奢ってほしいとも限りません。
でも、
気になっている相手との2回目のデートで、
炎天下のあとに案内されたのが
そういう場所だったとき、
私はすごく寂しくなりました。
ああ、
この人にとって私は
ちゃんと時間やお金や気遣いをかけたい相手ではないんだな、
って感じてしまったんです。
それは被害妄想だったのかもしれません。
彼はただ、
節約したかっただけかもしれないし、
気を使わせたくなかっただけかもしれない。
でも恋愛って、
意図よりも受け取った感覚が大きいじゃないですか。
私はその瞬間、
かなり気持ちが冷えていました。
しかも、
お金の扱い方にも少し引っかかりました。
全部きっちり割り勘だったこと自体が問題ではありません。
私も毎回奢られたいわけではないし、
割り勘が嫌なわけでもない。
ただ、
その日の全体の流れの中で
“私を気持ちよく過ごさせよう”
という意思を感じられなかったんです。
だから、
細かいお金のやりとりすら
急に冷たく見えてしまいました。
もしそれまでの流れにやさしさがあれば、
同じことをされても
ここまで引っかからなかったと思います。
でもその日の私は、
暑い中を歩いて、
プランのなさに振り回されて、
会話もこちらが気を使って、
そのうえで
“丁寧に扱われた感じ”がなかった。
それが全部重なって、
もうだめでした。
そしていちばん決定的だったのが、
デート終盤の彼の言い方でした。
「このあとどうする?」
という流れの中で、
少し曖昧に
“休める場所”
の話をされたんです。
直接的ではないし、
もしかしたら本当にただ休憩したかっただけかもしれない。
でも私はその時点で、
かなり彼への印象が下がっていたので、
一気に身構えてしまいました。
え、
この流れでそっちに行くの?
まだそこまでの関係でもないし、
そもそも今日、
私は大事に扱われた感じが全然していないのに。
そう思った瞬間、
気持ちがスッと引いていくのがわかりました。
少し前まで、
穏やかでちゃんとした人かもしれないと思っていた。
でもその瞬間、
私の中の彼は
“手間をかけずに距離を縮めたい人”
に見えてしまったんです。
本当にそうだったかはわかりません。
でも、
一度そう見えてしまったら、
もう前の印象には戻れませんでした。
帰り道、
彼は普通に
「今日は楽しかったね」
と言っていました。
でも私は、
その言葉にぜんぜん乗れなかったです。
少し前までは
2回目で好きになれるかも、
くらいに思っていたのに、
その日は
早く帰りたい気持ちのほうが大きかった。
家に着いてから届いた
「今日はありがとう。また会いたい」
というメッセージを見たときも、
前みたいなうれしさはもうありませんでした。
むしろ、
また会ったら同じように雑な気持ちになるかもしれない、
という不安のほうが強かったです。
私はたぶん、
高いものを求めていたわけじゃないんです。
ただ、
この人は私との時間を
ちゃんと大事にしようとしている、
という感覚がほしかった。
それがあれば、
少しくらい不器用でも、
少しくらいプランが甘くても、
こんなに一気には冷めなかったと思います。
でもその日は、
私の中で
“丁寧に扱われていない”
という感覚がずっと消えませんでした。
恋愛感情って、
やさしい言葉だけじゃ続かないんですよね。
実際にどう扱われたか。
どんなふうに時間を使ってくれたか。
疲れているときにどう気を配ってくれたか。
そういう現実の部分が、
想像以上に大きい。
そしてネットで始まる恋は、
会う前の期待が高まりやすいぶん、
現実で雑さを感じたときに
一気に気持ちが引きやすいんだと思います。
Xで知り合って付き合えたのに、不安になった・・・
彼と知り合ったのは、Xでした。
最初は本当にただの趣味つながりで、
恋愛になるなんて全然思っていませんでした。
私が好きな作品について投稿したときに、
彼が反応をくれたのがきっかけです。
そこから何回かやりとりをして、
気づけば感想を送り合うようになって、
DMでも話すようになりました。
同じものが好きな人って、
やっぱり最初から距離が近く感じるんですよね。
価値観というと大げさかもしれないけど、
「ここが好き」
「この言葉が刺さった」
みたいな感覚が似ているだけで、
なんとなく通じる気がしてしまう。
彼も、そういう意味ですごく話しやすい人でした。
変にノリが軽すぎる感じもなくて、
こっちの文章の雰囲気に合わせてくれるし、
返信も丁寧で、
ちゃんと一対一で会話してくれている感じがありました。
私はもともと、
SNS経由の出会いにそこまで期待していなかったです。
なんとなく楽しければいい、
くらいの気持ちで始まることが多いし、
深くなりそうでならない関係もたくさんあると思っていました。
でも彼とは、
少しずつ確実に距離が縮まっていきました。
DMのやりとりが毎日になって、
そのうち通話もするようになって、
お互いの生活リズムまでなんとなくわかるようになる。
今日は忙しそうだなとか、
この時間なら落ち着いてそうだなとか、
そういうことが自然に見えてくると、
もうただの“趣味の知り合い”ではいられなくなるんですよね。
彼の声も好きでした。
落ち着いていて、
話を急かさない感じで、
こちらが少し黙っていても無理に埋めようとしない。
私はその感じにかなり安心していました。
しかも彼は、
私の話をちゃんと覚えている人でした。
前に何気なく話した仕事のこととか、
ちょっと落ち込んでいた日のこととか、
そういうことをあとから自然に気にしてくれる。
そのたびに私は、
ああ、この人はちゃんと私を見てくれているんだ、
と思っていました。
会ってみたいね、
という話になったのも自然な流れでした。
趣味の延長で仲良くなった相手だから、
最初から恋愛の空気が強すぎるわけでもなくて、
でも会いたい気持ちはちゃんとある。
その感じがすごく心地よかったです。
実際に会った日も、
印象は悪くありませんでした。
緊張したけど、
DMや通話で感じていた雰囲気と大きくは違わなくて、
ちゃんと楽しく話せた。
私はその日、
かなりうれしかったです。
ネットの中だけのつながりだった人が、
ちゃんと現実にもいて、
目の前で笑ってくれる。
それがすごく特別なことに思えました。
そこから何度か会って、
自然な流れで付き合うことになりました。
告白されたときは本当にうれしかったです。
SNSで知り合った恋って、
どこまでが本気なのかわからないことも多いと思っていたから、
ちゃんと現実の恋愛になったことが
少し夢みたいでした。
でも、付き合ってから少しずつ苦しくなっていきました。
理由は、
彼の気持ちがわからなくなったからです。
そしてその“わからなさ”を、
SNSが何倍にも大きくしてしまったからでした。
たとえば、
私への返信は遅いのに、
ポストはしている。
私には連絡がないのに、
他の人の投稿にはすぐ反応している。
フォローしていたはずのアカウントが、
ある日見えなくなっている気がする。
逆に新しく増えている人もいる。
そんな小さなことが、
付き合う前ならまだ流せたのに、
付き合ったあとだと全部気になってしまうんです。
この人、今なに考えてるんだろう。
私に飽きたのかな。
返信するほどではないけど、
SNSにいる元気はあるんだな。
そういうふうに思い始めると、
もう止まりませんでした。
本当はわかってるんです。
SNSの動きがすべてじゃないことも、
ポストしているからといって
心に余裕があるとは限らないことも、
頭ではちゃんと理解していました。
でも、
恋愛中の不安って
頭の整理と全然別のところで大きくなっていくんですよね。
特に、
SNSで知り合った相手だと、
SNSそのものが関係の一部になってしまいやすい。
どのタイミングで浮上してるか。
誰とやりとりしてるか。
どんなテンションでポストしてるか。
そういうもの全部が、
そのまま愛情の温度に見えてしまうんです。
私は次第に、
彼のことを好きでいる時間より、
彼の動きを気にしている時間のほうが長くなっていきました。
通知が来ると嬉しいより先に緊張する。
ポストが更新されると安心する日もあれば、
逆に余計に不安になる日もある。
DMのやりとりをしていても、
さっきまで普通に会話してたのに
急に反応がなくなると、
何か気に障ったかなとか、
私との話よりSNSのほうが楽しいのかなとか、
そんなことばかり考えてしまう。
本当にしんどかったです。
彼は、
決定的に冷たいわけではありませんでした。
会えば普通にやさしいし、
会話もできるし、
好きだよ、と言ってくれることもありました。
でもその言葉を、
私は前みたいに素直に受け取れなくなっていました。
だって、
SNSでは見えないところで
ずっと不安になっているからです。
好きだと言われても、
じゃあなんであの時返信がなかったの。
会いたいと言われても、
じゃあなんであの人の投稿にはすぐ反応してたの。
そんなふうに、
いちいち心の中で引っかかってしまう。
彼はたぶん、
そこまで深く考えていなかったと思います。
SNSはSNS、
恋愛は恋愛、
という感覚だったのかもしれない。
でも私は、
そこを切り分けられませんでした。
ネットで始まった恋だったからこそ、
SNSで見えるもの全部が
関係の一部に思えてしまっていたんです。
あるときふと、
私は彼のことを好きでいたいんじゃなくて、
不安にならない理由を探しているだけかもしれない、
と思いました。
その瞬間、
すごく疲れてしまったんです。
恋愛って、
本当は安心したくてするもののはずなのに、
私は彼を好きでいることで
ずっと心をすり減らしている。
その状態に気づいたら、
気持ちが急にしぼんでいきました。
嫌いになったわけじゃない。
でも、もうこのままでは好きでいられない。
そう思ってしまったんです。
付き合えたときはあんなにうれしかったのに、
最後は、
好きという気持ちより
「もうしんどい」
のほうがずっと大きくなっていました。
スマホゲームで毎日一緒にいたのに、自分だけが特別じゃないと気づいた
彼と出会ったのは、スマホゲームでした。
そのゲームは、
協力プレイも多いし、
イベントのたびに一緒に回る相手がいるとかなり楽になるタイプで、
自然と固定メンバーみたいなものができやすかったんです。
私と彼も、
最初はたまたま同じ時間にログインして、
たまたま一緒に遊ぶことが増えただけでした。
でも、
それがだんだん当たり前になっていきました。
夜になると
「今日やる?」
って連絡が来て、
一緒にイベントを回って、
終わったら少し雑談して、
そのまま通話が長引いて、
気づけば寝る時間を過ぎている。
そんな日が何日も続くと、
やっぱり特別に感じてしまうんですよね。
ゲームって不思議で、
現実で会っていなくても距離が縮まりやすいと思います。
一緒に勝ったり、
ミスしたときに笑ったり、
眠い時間まで同じものを見ていたり。
その時間の濃さが、
ただの友達以上に感じられることがある。
彼もすごくやさしい人でした。
私が仕事で疲れていても
ゲームの空気を重くしないでいてくれるし、
でも通話のあとには
「今日は元気なかったね、大丈夫?」
ってちゃんと聞いてくれる。
そういうところに、
私はかなり惹かれていました。
しかも彼は、
ゲームの中でもいつも私を優先してくれているように見えました。
イベントに入るときも
先に声をかけてくれるし、
困っていたら手伝ってくれるし、
私が落ちる時間になると
じゃあ今日はここまでにしようか、
みたいに合わせてくれることも多かったです。
私はだんだん、
この人にとって私は少し特別なのかもしれない、
と思うようになりました。
連絡先を交換したときなんて、
かなりうれしかったです。
ゲームの中だけじゃなくて、
外でもつながれる。
それが関係の進展みたいに感じたからです。
そこからは、
ゲームをしていない時間にもやりとりをするようになりました。
仕事終わりに
「今日は疲れた」
って送れば、
「おつかれ、夜少しだけでもやる?」
って返ってくる。
休日には
「今起きた」
とか
「これ食べてる」
みたいな他愛ない連絡も来る。
私はそれがすごくうれしくて、
どんどん彼の存在が大きくなっていきました。
でも、その関係はある時から少しずつ苦しくなっていきました。
理由は、
彼の中での優先順位が見えてきたからです。
最初の頃は、
私と一緒に遊ぶ時間がいちばん多いように感じていました。
でも新しいイベントが始まると、
彼はまず効率のいいメンバーを集めるようになったんです。
私にも声はかけてくれる。
でも、
“私と遊びたいから誘う”
というより、
“今ちょうど都合が合うから一緒にやる”
みたいな感じが見えてきました。
それだけなら、
まだよかったのかもしれません。
でもそのあと、
彼が別のグループの通話でかなり盛り上がっていることや、
私がいなくても普通に楽しそうに遊んでいることが
どんどん見えてきてしまったんです。
本当は当たり前なんですよね。
彼には彼の友達がいるし、
私だけが世界の中心なわけじゃない。
ゲームなんだから、
そのとき一緒にやれる人と遊ぶのも普通です。
でも私はもう、
普通の仲間以上の気持ちを持ってしまっていました。
だから、
彼が他の人とも同じように笑っているのを見るたびに、
私だけが特別だと思っていたのは
私の勘違いだったのかもしれない、
と思うようになりました。
さらにきつかったのは、
彼がある女性の話を自然にしたことでした。
元カノというわけではないけど、
前から一緒に遊んでいる相手らしくて、
通話も普通にするし、
ゲーム内でもかなり仲がいい。
その話し方に特別な恋愛感情があるようには見えませんでした。
でも私は、
その時点でもうかなり冷えていました。
だって、
私が彼に対して特別な感情を持っていた時間と、
彼が誰かと気軽に通話している時間が、
同じ軽さに見えてしまったからです。
私は彼との夜の通話を、
すごく大事なものだと思っていた。
一緒にゲームをすることも、
毎日のやりとりも、
私にとってはかなり特別な時間だった。
でも彼にとっては、
そういう時間が私以外とも普通に成立するんだ、
と思った瞬間、
気持ちが一気にしぼみました。
しかも彼は、
私に特別な言葉をくれたこともありました。
「一番話しやすい」
とか、
「一緒にやると落ち着く」
とか。
だから私は、
余計に期待してしまっていたんです。
でも実際には、
彼の世界はもっと広くて、
その中のひとつがたまたま私だった。
そう思ったら、
急に今までのやりとりが軽く見えてしまいました。
あんなに待っていた通知も、
今は別に私じゃなくても送れるものに見える。
あんなにうれしかった
「今日やる?」
も、
都合が合う誰かを探しているだけの一言に思えてしまう。
その変化が自分でもわかって、
すごくつらかったです。
彼は何も悪いことをしていませんでした。
私に嘘をついたわけでもないし、
裏切ったわけでもない。
恋人でもないんだから、
誰と遊ぼうが自由です。
でも、
恋愛感情って理屈で止められないじゃないですか。
私の中では、
彼との時間が特別になりすぎていた。
だから、
その特別さが
彼の中ではそうでもないと気づいた瞬間、
好きだった気持ちが一気に苦しくなったんです。
ある日、
彼からいつも通り
「夜少しやる?」
と連絡が来たとき、
私はびっくりするくらい心が動きませんでした。
少し前なら、
その一言だけで嬉しくなっていたのに。
今はまず、
今日は私じゃなくてもよかったんだろうな、
という気持ちが先に来る。
そこまでいくと、
もう前と同じ温度ではいられませんでした。
私は少しずつ、
ログインする頻度を減らしていきました。
彼は最初、
どうしたの、最近忙しい?
と聞いてくれたけど、
私はちゃんと答えられませんでした。
だって、
責められることなんて何もなかったからです。
ただ私が、
勝手に彼を特別だと思いすぎて、
勝手に傷ついて、
勝手に冷めてしまっただけだから。
でもその“だけ”が、
恋愛ではすごく大きいんですよね・・・
ネトゲの中では恋人みたいだったのに・・・
彼と知り合ったのは、オンラインゲームでした。
そのゲームには、
固定で動くペアみたいな関係ができやすい空気があって、
私たちも自然とそういう立ち位置になっていきました。
ログインする時間が近くて、
一緒にクエストを回ることが増えて、
チャットでもよく話すようになって、
気づけば
「今日はどこ行く?」
みたいな会話が当たり前になっていたんです。
最初は本当にただ楽しいだけでした。
ゲームの中で気が合う人がいると、
それだけでかなり居心地がよくなるじゃないですか。
しかも彼は、
ゲームの中で見るとすごく魅力的な人でした。
困っている人がいたら自然に手伝うし、
私がミスしても責めないし、
空気を悪くしない言い方ができる。
チャットの文章もやわらかくて、
無駄に偉そうなところもなくて、
私はかなり早い段階で
この人いいな、
と思い始めていました。
そのうち、
ゲーム外でも話すようになりました。
最初は連絡先を交換して、
そのあと通話もするようになって、
日常のことまで少しずつ話すようになった。
私はその流れがすごくうれしかったです。
ゲームの中だけじゃなくて、
現実の私にも興味を持ってくれている気がしたから。
しかも彼は、
ゲームの中でも外でも変わらずやさしかった。
仕事が大変そうなときは気づいてくれるし、
落ち込んでいるときは変に励ましすぎずに聞いてくれる。
その距離感がちょうどよくて、
私はどんどん彼を理想化していきました。
今思えば、
かなり勝手に想像を膨らませていたと思います。
きっと落ち着いた人なんだろうな。
きっと会っても話しやすいんだろうな。
こういう人が彼氏だったら安心できるだろうな。
そんなふうに、
まだ会ったこともないのに
勝手に未来みたいなものまで考えていました。
ゲームの中では、
私たちはかなり近い存在に見えていたと思います。
一緒にいることが多いし、
周りからも
「仲いいよね」
みたいに言われることがあったし、
私自身も、
彼にとって私はそれなりに特別なんだろうな、
と思っていました。
そんな関係がしばらく続いたあと、
オフで会ってみようか、
という話になりました。
その時の私は、
正直かなり舞い上がっていました。
ずっと画面の向こうで話していた人に会える。
しかも、
ただのフレンドじゃなくて、
少なくとも私の中では
かなり大きな存在になっている相手に。
会う日が決まってからは、
何を着ようとか、
どんな髪型にしようとか、
すごく細かいことまで気にしていました。
もしかしたらこの日をきっかけに、
ゲームの中の関係じゃなくなるかもしれない。
そんな期待も、正直ありました。
でも、
実際に会った瞬間、
私は自分でも驚くくらい冷静になってしまいました。
別に、
見た目がどうこうという単純な話ではなかったです。
写真を見ていたわけでもないし、
想像と違ったから無理、
みたいなことではありませんでした。
ただ、
“ゲームの中で見ていた彼”と
“目の前にいる彼”が、
どうしても同じ人としてつながらなかったんです。
立ち方、
話し始めるまでの間、
目が合ったときの感じ、
声の出し方、
歩くスピード。
そういう現実の細かい部分が、
私が勝手に想像していた彼と
少しずつズレていました。
しかも、
ゲームの話をしているときはまだよかったんです。
共通の話題だから、
自然に会話も続くし、
笑うポイントも似ている。
でもそれ以外の話になると、
急に空気が薄くなる感じがありました。
休日の過ごし方とか、
食べ物の好みとか、
お金の使い方とか、
現実の生活感が見える話になった瞬間、
私たちってそんなに近くなかったのかもしれない、
と思ってしまったんです。
たぶんゲームの中では、
一緒にいる理由がずっとあったんですよね。
同じクエストを回る。
同じ目標を追う。
同じイベントを走る。
だから自然に並べていた。
でも現実では、
ただ一緒にごはんを食べて、
ただ話して、
ただ同じ時間を過ごす。
そのときに、
私は思ったより居心地の良さを感じられませんでした。
彼は悪い人ではなかったです。
むしろ気を使ってくれていたし、
優しく話そうとしてくれていました。
でも、
そのやさしささえ少し遠く感じてしまった。
ゲームの中ではあんなに近く感じていたのに、
現実だと
まだ知らない人みたいな距離がある。
その感覚がかなりショックでした。
私はたぶん、
ゲームの中で彼を好きになりすぎていました。
チャットのやわらかさ、
通話の安心感、
一緒にいる時間の長さ。
そういうもので彼を見て、
そのまま現実でも絶対大丈夫だと思い込んでいた。
でも実際には、
ゲーム内での親密さと
現実の相性は別なんですよね。
そこに気づいた瞬間、
気持ちがすごく苦しくなりました。
会う前はあんなに楽しみだったのに、
帰る頃には
早くひとりになりたい、
と少し思ってしまっていたからです。
それが自分でもかなりショックでした。
彼は帰り際、
「今日は会えてよかった」
と言ってくれました。
その言葉はたぶん本音だったと思うし、
私もその気持ちがゼロだったわけではありません。
でも、
前みたいな熱量では返せませんでした。
家に帰ったあとも、
彼からお礼の連絡が来ました。
「緊張したけど楽しかった」
「また都合合えば会いたい」
少し前の私なら、
その文章を何度も見返して
うれしくなっていたと思います。
でもそのときの私は、
返信を考えるだけで少し疲れていました。
また会えば変わるかな、
とも思ったけど、
正直その気力が出なかったんです。
彼を嫌いになったわけじゃない。
ただ、
ゲームの中で感じていた“特別さ”が
現実ではうまく成立しなかった。
それだけなんですけど、
恋愛ではその“それだけ”が決定的なんですよね。
しかもネトゲの関係って、
一度近くなると完全に離れにくい。
共通の知り合いもいるし、
ログインすれば見かけるし、
急によそよそしくするのも不自然です。
だから私は、
恋愛感情が消えたあとも
しばらく気まずさを抱えたまま
同じ世界にいることになりました。
それもかなりしんどかったです。
急に“彼氏みたいな距離感”で来られた・・・
彼と知り合ったのは、マッチングアプリでした。
最初の印象は、
かなりやさしくて丁寧な人だな、という感じでした。
プロフィールも落ち着いていて、
写真も盛りすぎていないし、
文章も変にかっこつけた感じがない。
それだけで、
アプリの中ではかなり好印象でした。
やりとりを始めてからも、
その印象はずっと変わりませんでした。
返信は早すぎず遅すぎずで、
でもちゃんと続く。
こっちの話を広げるのも上手だし、
言い方がきつくなることもない。
私はもともと、
アプリで知り合った相手に対して
最初から大きく期待しないようにしていました。
最初は優しくても、
会ってみたら全然違う人だったり、
少し仲良くなると急に雑になったり、
逆に最初から距離が近すぎて疲れてしまったり。
そういうことが何度もあったからです。
でも彼は、
その“疲れる感じ”がありませんでした。
話していて気を使いすぎなくていいし、
無理に盛り上げようとしてこないし、
でも冷たくもない。
そのちょうどよさがすごく心地よくて、
私はかなり早い段階で
この人はちゃんとしてるかもしれない、
と思っていました。
毎日のやりとりも自然に続きました。
朝起きたら
「おはよう」
が来ていて、
夜は
「今日もおつかれさま」
と終わる。
そういう小さな習慣が積み重なると、
まだ会っていないのに
もう生活の中に相手がいる感じになるんですよね。
しかも彼は、
私が前に話したことをよく覚えていてくれる人でした。
仕事で忙しいと言った日のことを
あとから気にしてくれたり、
好きなお菓子の話をしたら
コンビニで見かけたと連絡してくれたり。
そういう何気ない優しさに、
私はかなり安心していました。
通話も何回かしました。
彼の声はやわらかくて、
話し方もゆっくりで、
こっちが話すのを急かさないタイプでした。
だから私は、
会う前の時点でかなり気持ちが向いていたと思います。
ちゃんと会ってみたい。
できればこのままうまくいってほしい。
そう思っていました。
実際に会った日も、
最初の印象は悪くありませんでした。
少し緊張している感じはあったけど、
そこまで会話がしんどいわけでもない。
すごく盛り上がったというよりは、
穏やかにごはんができた、という感じでした。
私はその日、
“すごく好きになった”
とまではいかなかったけど、
少なくとも
次も会っていいかな、
とは思っていました。
だから、
その日の夜に来た
「今日は会えて本当にうれしかった」
というメッセージも、
最初は素直にうれしかったです。
でもそこから、
少しずつ空気が変わっていきました。
彼のメッセージの距離感が、
急に“彼氏みたい”になったんです。
たとえば、
「ちゃんと家着いた?」
までは普通にうれしい。
でもそのあとに、
「着いたらすぐ教えてって言おうと思ってた」
とか、
「次からはもう少し心配かけないでね」
みたいな言い方をされると、
私は少しだけ引っかかりました。
最初は、
私の考えすぎかなとも思いました。
心配してくれてるだけかもしれないし、
そういう言い方の癖かもしれない。
でもそのあとも、
似たようなことが続いたんです。
「今日はもう寝るの?」
「夜更かししすぎないでね」
「そういう服、俺は結構好きかも」
「次はこの日空けといてほしいな」
一つひとつを見れば、
すごく変なことではないと思います。
むしろ、
好きになりかけている相手から言われたら
うれしい人もいるんじゃないかと思うくらいです。
でも、
私にはそのスピードが早すぎました。
まだ一回会っただけ。
やりとりはたしかに続いていたけど、
恋人でもないし、
お互いをそんなに深く知っているわけでもない。
なのに彼は、
もうかなり“近い関係”のつもりで
私に接しているように感じたんです。
それが少しずつ苦しくなっていきました。
最初はうれしかった通知も、
だんだん
また何か返さなきゃ、
という気持ちで開くようになりました。
私の予定を気にする感じも、
最初は
関心を持ってくれてるんだな
と思えた。
でもだんだん
管理されているみたいに感じてきたんです。
今日は誰と会ってたの、とか、
何時まで起きてたの、とか、
そういうことを
軽いノリで聞かれるたびに、
まだそこまでの関係じゃないのに、
という違和感が強くなっていきました。
しかも彼は、
悪気がある感じではないんです。
本当に自然に、
“距離が縮まってる前提”
で話しているように見えました。
だから余計に、
こちらだけが引いているみたいで苦しかったです。
私はそのころ、
彼のことを嫌いになったわけではありませんでした。
でも、
好きになる前に
“恋人として扱われる感じ”
が強すぎて、
気持ちがついていかなくなってしまったんです。
ある日、
彼から
「今度会うとき、もう少し長く一緒にいたい」
と送られてきたとき、
私はなぜかうれしさより先に疲れを感じました。
少し前の私なら、
同じ言葉でちゃんと喜べたと思います。
でもその時の私は、
この人とまた会ったら、
さらに距離を詰められるんだろうな、
という気持ちのほうが先に立ってしまいました。
そこから一気に、
彼への熱量が下がっていきました。
返信のテンポも落ちたし、
やりとりの中で
前みたいに自然に笑えなくなった。
彼から来る優しさも、
今の私には少し重たく感じてしまう。
その変化が自分でもわかって、
かなり落ち込みました。
彼は何もひどいことをしていない。
むしろ誠実で、
ちゃんと向き合おうとしてくれている人だったと思います。
でも、
誠実さと心地よさって
同じではないんですよね。
彼はたぶん、
会ってみて気持ちが大きくなった。
私は逆に、
会ってみてから慎重になりたかった。
その差が、
すごく大きかったんだと思います。
私は最終的に、
少しずつ距離を置くようになりました。
急に切ることはできなかったけど、
前みたいなテンションで返事をすることもできなかった。
彼は最後まで優しかったです。
だからこそ、
申し訳なさもすごく大きかった。
でも、
申し訳ない気持ちと、
この人とは恋愛として無理かもしれないという気持ちは、
やっぱり別なんですよね。
実際に会ったときの態度で一気に気持ちが冷めた
彼と知り合ったのは、Instagramでした。
私はもともと、
カフェや雑貨、
たまに行く旅行先の写真を上げる程度だったんですけど、
彼がストーリーに反応してくれたことがきっかけで
やりとりするようになりました。
最初は本当に軽い会話でした。
このお店いいね、とか、
景色きれいだね、とか、
そのくらいのやりとりから始まって、
少しずつDMが続くようになりました。
彼のアカウントは、
見た感じかなり雰囲気がよかったです。
投稿もきれいで、
文章も落ち着いていて、
変に自己主張が強すぎない。
それでいてセンスもよく見えて、
私は最初から
わりと素敵な人かもしれない、
と思っていました。
DMでもその印象は変わりませんでした。
言葉遣いがていねいで、
変な馴れ馴れしさがない。
でも冷たいわけでもなくて、
ちゃんとこちらに興味を持ってくれているのが伝わる。
私はその“ちょうどいい距離感”にすごく弱いんだと思います。
最初からぐいぐい来られると引いてしまうけど、
やさしく丁寧に来られると
安心して心を開いてしまう。
彼はまさにそういうタイプでした。
しかも、
Instagramで見る彼は
生活そのものまで整って見えたんです。
朝のコーヒー、
休日の過ごし方、
食べるもの、
行く場所、
友達との距離感。
そういうもの全部が、
“落ち着いた大人の男性”
みたいに見えていました。
私はたぶん、
かなり理想化していたんだと思います。
この人はきっと、
現実でも余裕があって、
やさしくて、
一緒にいて安心できる人なんだろうなって。
やりとりが続いていくうちに、
私たちはだんだん
個人的な話もするようになりました。
仕事のこと、
休日の過ごし方、
過去の恋愛のことを少しだけ。
彼はすごく聞き上手で、
こっちが話したことを
ただ受け流すんじゃなくて、
ちゃんと感情まで受け止めてくれる感じがありました。
そのうち私は、
DMの通知が来るだけで少しうれしくなるようになっていました。
この人に会ってみたいな、
と思うようになるのも自然でした。
そして実際に、
軽くごはんに行こうという流れになりました。
会う前の私は、
かなり楽しみにしていました。
インスタで見る感じも素敵だし、
DMの雰囲気もやさしいし、
ちゃんとした人なんだろうなと思っていたからです。
当日、
見た目の第一印象は別に悪くありませんでした。
すごくタイプ、というほどではないけど、
清潔感もあるし、
雰囲気も想像とそこまで離れていない。
最初の挨拶も普通で、
私は少し安心していました。
でも、
会ってすぐに
なんとなく違和感が出始めました。
いちばん最初に引っかかったのは、
店員さんへの態度でした。
彼は別に露骨に横柄だったわけではありません。
怒鳴るとか、
命令口調とか、
そういうわかりやすい失礼さはない。
でも、
言い方の端々に
“相手を自分より下に見ている感じ”
が少しずつあったんです。
注文するときの声のかけ方とか、
料理が来たときの反応とか、
会計のときの目線とか。
本当に小さいことなんですけど、
私はそういうのにすごく敏感なんだと思います。
DMではあんなにやさしかったのに、
人に見せる表情はこうなんだ、
と思った瞬間、
私の中で何かがスッと冷えました。
しかも、
それは店員さんに対してだけじゃありませんでした。
道を歩いているとき、
人を避ける感じが少し雑だったり、
混んでいる場所で
自分さえ通れればいいみたいな歩き方をしたり。
そういうところにも、
DMでは見えなかった彼の性格が出ていました。
私はその時、
かなり戸惑っていました。
だって、
インスタの中の彼は
もっと落ち着いていて、
もっとやわらかい人に見えていたからです。
でも現実では、
余裕があるというより
少し自分本位で、
丁寧というより
人によって態度を変えるように見えた。
それがすごくショックでした。
会話そのものは、
そこまで盛り下がったわけではありません。
彼も普通に話してくれたし、
沈黙ばかりだったわけでもない。
でも私は、
もうその時点で
彼の言葉をまっすぐ受け取れなくなっていました。
やさしいことを言われても、
でも店員さんにはああなんだよね、
と思ってしまう。
褒められても、
それって表面だけなのかな、
と構えてしまう。
一度そうなると、
恋愛感情って本当に一気に下がるんですよね。
いちばんきつかったのは、
彼がDMの中では
かなり気配りのできる人だったことです。
だからこそ、
実際の態度とのギャップが大きすぎた。
私は勝手に、
“丁寧な人”
“やさしい人”
というラベルを貼っていたんだと思います。
でも、
現実ではその丁寧さが
私に向けられているときだけのものに見えてしまった。
その瞬間、
すごく冷めました。
ごはんの帰り道、
彼は
「会えてうれしかった」
と言ってくれました。
でも私は、
前ならうれしくなれたはずのその言葉にも
ほとんど反応できませんでした。
むしろ、
この人のDMのやさしさを
もう前みたいに信じられない、
という気持ちのほうが強かったです。
帰宅後、
彼から
「また会いたい」
と連絡が来たときも、
私はスマホを見ながら
かなり冷静になっていました。
少し前まで、
会えたらもっと好きになるかもしれないと思っていた相手なのに、
たった一回会っただけで
こんなに温度が変わるんだ、
と自分でも驚きました。
でも、
やっぱり無理でした。
どれだけSNSで素敵に見えても、
どれだけDMでやさしくても、
現実で人への態度に違和感があると
私はもう恋愛感情を保てないんだと思います。
しかもネットで知り合った相手だと、
会う前の情報がきれいに整って見えやすいぶん、
現実の小さな粗さが
何倍にも大きく見えてしまうんですよね。
私は彼を
“雰囲気のいい人”
として好きになりかけていた。
でも実際に会ったら、
その雰囲気の奥にある現実の態度が見えてしまった。
その瞬間、
好きになるはずだった気持ちが
そのままスッと消えていきました。
会う前は“こんなに理想に近い人いないかも”と思っていたのに・・・
彼と知り合ったのは、マッチングアプリでした。
そのときの私は、
もうアプリに少し疲れていました。
何人かとやりとりしても長続きしないし、
会う前まではいい感じでも、
実際に会うと全然違ったり、
逆にこちらが少し興味を持った途端に
相手のテンションが急に下がったり。
そういうことが何回か続いていて、
正直、
もうそこまで期待しないでおこう、
と思っていた時期でした。
だから彼とマッチしたときも、
最初はそこまで特別な気持ちはなかったです。
でも、
やりとりを始めてすぐに
少し空気が違うなと思いました。
彼は会話のテンポがすごく自然で、
こちらに無理をさせない人でした。
質問攻めにしてこないし、
かといって自分語りばかりでもない。
私が話したことに対して、
ただ返事を返すだけじゃなくて、
ちゃんと感情ごと受け取ってくれる感じがあったんです。
たとえば、
私が仕事のことで少し疲れている話をすると、
「それ大変だね」
で終わるんじゃなくて、
「その状況だと、気を張りっぱなしになるよね」
みたいに、
一段深いところまでわかってくれる。
そういう返し方をされるたびに、
私は少しずつ彼に安心していきました。
しかも彼は、
見た目の印象もかなり好みでした。
プロフィール写真は派手すぎず、
でもちゃんと清潔感があって、
服装の雰囲気も落ち着いている。
文章にも無理がなくて、
全体的に
“ちゃんとしてる人”
に見えたんです。
私はその頃、
少し恋愛に飢えていたのかもしれません。
アプリでたくさん人を見ていると、
ちょっとでも感覚が合う人が出てきただけで
かなり特別に見えてしまうことがあるじゃないですか。
彼はまさにそういう存在になっていきました。
毎日少しずつやりとりをして、
そのうち通話もするようになりました。
通話の感じも、
想像していたよりずっとよかったです。
声が落ち着いていて、
話し方もやわらかい。
変にテンションが高すぎることもないし、
沈黙になっても急に気まずくしない。
私はもともと、
電話の相性ってかなり大事だと思っているんです。
文字だけだといくらでも取り繕えるけど、
通話になると
相手の空気感とか、
言葉の選び方とか、
間の取り方がかなり出ると思うからです。
その通話がよかったことで、
私は一気に彼を理想化してしまいました。
この人、
見た目も落ち着いてるし、
考え方もちゃんとしてそうだし、
話していても疲れない。
もしかして、
今まで会った中でいちばん合う人かもしれない。
そこまで本気で思っていました。
会う約束が決まった日なんて、
本当にうれしかったです。
やっと会える、
という気持ちもあったし、
会ったらもっと好きになるかもしれない、
という期待も大きかった。
服を選ぶのにも時間をかけたし、
髪型もいつもより少しだけ丁寧に整えて、
メイクも
頑張りすぎないけどちゃんとしてる感じ
を意識しました。
たぶん私はその時点で、
現実の彼よりも
“彼とならこうなれるかもしれない未来”
にかなり期待していたんだと思います。
当日、
待ち合わせ場所に向かう足取りは
かなり軽かったです。
久しぶりに恋愛のことで浮かれている自分がいて、
それが少し恥ずかしいくらいでした。
でも、
彼と会った瞬間、
気持ちがすっと静かになりました。
嫌だったわけではないんです。
写真と全然違ったわけでもないし、
清潔感がないとか、
態度が悪いとか、
そういうわかりやすい減点は何もありませんでした。
ただ、
なんとなく
“思っていた人”ではなかった。
本当にそれだけなんです。
立っているときの空気感とか、
最初に目が合ったときの感じとか、
「はじめまして」と言ったときの声の出し方とか、
そういう細かいもの全部が、
私が勝手に頭の中で作っていた彼と
少しずつズレていました。
最初の数分は、
ただ緊張しているだけだと思おうとしていました。
会ったばかりだし、
こっちも緊張してるから、
まだしっくりこなくても仕方ない。
これから話せば、
きっと通話みたいに自然になれるはず。
そう思っていたんです。
でも、
食事をしながら話し始めても、
その違和感は消えませんでした。
彼はちゃんと話してくれました。
私のことも気にしてくれていたし、
沈黙にならないように話題も出してくれた。
でも私は、
その会話の中でずっと少し疲れていました。
通話のときは
あんなに自然だったのに、
対面だと
何かが少しずつ噛み合わない。
笑うタイミングなのか、
相槌の入り方なのか、
話題の広げ方なのか、
はっきりは言えないけど
“楽”ではなかったんです。
それがすごくショックでした。
だって私は、
会う前にもう
かなり彼を好きになりかけていたからです。
会ったらもっと安心できると思っていたし、
たぶんこのままうまくいくんだろうな、
くらいに思っていました。
でも現実には、
私はずっと
ちゃんと感じよくしなきゃ
と思っていた。
本当に気持ちが動いている相手なら、
そんなふうに頑張らなくても笑えるはずなのに。
そのことに気づいた瞬間、
私は自分の中で
何かがしぼんでいくのを感じました。
帰り際、
彼は
「今日は会えてよかった。また会いたい」
と言ってくれました。
その言葉はまっすぐで、
会う前の私なら
泣きそうなくらいうれしかったと思います。
でもそのときの私は、
どう返したらいいかわからなくなっていました。
家に帰ってから来た
「今日はありがとう」
というメッセージも、
前みたいな気持ちでは読めませんでした。
私は彼を嫌いになったわけじゃありません。
むしろ、
やさしい人だと思っていたし、
たぶん誠実でもあったと思います。
でも、
好きでい続けるための“現実の相性”が
どうしても足りなかった。
それなのに私は、
会う前に
その相性まで全部いいものだと思い込んでいたんです。
だからこそ、
少しの違和感が
何倍にも大きく感じた。
彼自身に問題があるというより、
私が彼を理想化しすぎていたんだと思います。
そして一度その理想が崩れたら、
もう元の熱量には戻れませんでした。
最初は包容力があって安心できる人だと思っていたのに・・・
彼と知り合ったのは、マッチングアプリでした。
最初の印象は、
すごく落ち着いていて、
大人っぽい人だな、という感じでした。
プロフィールの文章も丁寧で、
写真もがんばりすぎていないのに清潔感があって、
どこか余裕のある人に見えたんです。
私はその頃、
アプリでの出会いに少し疲れていました。
軽い人も多いし、
最初だけ感じがよくても
少し仲良くなると急に雑になる人もいる。
逆に、
すぐ恋愛モード全開で来られて
息苦しくなることもありました。
だから彼みたいに、
最初からテンションが高すぎない人に出会うと、
それだけでかなり安心したんです。
やりとりを始めてみても、
印象はそのままでした。
返信は一定で、
こちらに合わせすぎるわけでもなく、
でもちゃんと会話が続く。
私が話したことに対して
一回受け止めてから返してくれるような感じがあって、
それがすごく心地よかったです。
しかも彼は、
自分のことをよく話す人でもありました。
仕事の話、
これまでの人生の話、
価値観の話。
そういうものを隠さずに話してくれるから、
私はそれを
“誠実さ”
だと思っていました。
少し踏み込んだ話になっても、
変に重くならない。
むしろ、
ちゃんと向き合おうとしてくれているように見える。
私はだんだん、
この人は恋愛にも真面目なのかもしれない、
と思うようになっていました。
通話をするようになってからは、
その気持ちがさらに強くなりました。
声のトーンが落ち着いていて、
こちらの話を急かさない。
何か言ったときも、
すぐに自分の意見をかぶせるんじゃなくて、
「それって、こういう気持ちだった?」
みたいに、
私の感情を確認するように聞いてくれるんです。
私はそういうところにかなり弱いんだと思います。
ちゃんと見てもらえている、
理解してもらおうとしてくれている、
と思うと、
一気に心を開いてしまう。
彼に対しても、
まさにそうでした。
毎日のように連絡を取るわけではなかったけど、
連絡が来ると安心する。
話すと落ち着く。
そういう存在になっていきました。
実際に会ったときも、
最初の印象は悪くありませんでした。
見た目も写真のままで、
話し方も通話のときと大きくは変わらない。
少し緊張はしたけど、
普通にごはんを食べながら会話できたし、
私はその日、
わりと前向きな気持ちで帰りました。
彼も
「会えてよかった」
と言ってくれて、
そのあとも自然にやりとりは続きました。
だから私は、
このまま少しずつ進んでいくのかな、
と思っていたんです。
でも、
2回目、3回目と会ううちに、
少しずつ違和感が大きくなっていきました。
最初は本当に小さなことでした。
彼はよく、
私のことを褒めてくれました。
「そういうところ、すごくいいと思う」
「ちゃんとしてるよね」
「そういう子が好きなんだよね」
言葉だけを見れば、
うれしいはずのことばかりでした。
でも、
その褒め方に少しずつ違和感があったんです。
なんというか、
“今の私”を見て言っているというより、
彼の中にある
“こういう女性が好き”
という型に、
私を当てはめて話している感じがしたんです。
たとえば、
私がたまたま早起きした日の話をしただけで、
「生活ちゃんとしてる人っていいよね」
と大きくまとめられたり、
仕事で少し我慢している話をしたら、
「やっぱり落ち着いた子が好きなんだよね」
と、
私の気持ちより
彼の好みの話に着地したり。
最初は、
気にしすぎかなと思っていました。
でもそのうち、
会話のあちこちで
同じ感覚が出てくるようになったんです。
私が何を話しても、
最後は
“自分の理想の彼女像”
に回収される感じ。
私はただ、
その日のことや、
思っていることを話しているだけなのに、
彼の中ではそれが
“だから君はこういうタイプだよね”
というラベルに変わっていく。
それがだんだん苦しくなりました。
しかも彼は、
悪気がある感じではないんです。
むしろ本気で、
私のことを理解しようとしているつもりなんだと思います。
でも私には、
理解されているというより、
決めつけられているように感じてしまった。
いちばんきつかったのは、
私が少し違うことを言ったときの反応でした。
ある日、
私は仕事のことで結構悩んでいて、
本当はもっと自由に働きたい気持ちがある、
みたいな話をしたんです。
すると彼は、
少し驚いた顔で
「でも、〇〇ちゃんって安定志向っぽいよね」
と言いました。
その言い方が、
なぜかすごく引っかかりました。
私は彼に、
そんなふうに見られていたんだ。
そして、
私が今本当に話したいことより、
彼の中の私のイメージのほうが強いんだ。
そう感じた瞬間、
気持ちがかなり冷えました。
だって、
彼が好きだと言ってくれている相手って、
本当に私なんだろうか、
と思ってしまったからです。
私の言葉そのものじゃなくて、
彼の理想に近い部分だけを見て
安心してるんじゃないか。
そして、その理想から少しでもずれると
“あれ?”
という反応になるんじゃないか。
そう思ったら、
彼のやさしさも褒め言葉も、
前みたいには受け取れなくなりました。
むしろ、
この人は私を好きなんじゃなくて、
“こういう感じの女性と付き合いたい”
という自分の願望を
私に重ねているだけかもしれない、
と思うようになってしまったんです。
そこからは早かったです。
前はうれしかった
「会いたい」
という言葉も、
今は少し怖い。
だってまた会えば、
私が本当に何を考えているかより、
彼の中の理想の私が
どんどん固まっていく気がしたからです。
私は彼を嫌いになったわけではありません。
むしろ、
誠実に向き合おうとしてくれていたんだと思います。
でも、
向き合い方が
“私自身を見る”
というより
“自分の理想を確認する”
方向に見えてしまった瞬間、
私はもう恋愛感情を保てませんでした。
ネットで知り合った相手って、
最初は文章や会話の中だけで関係が深まるぶん、
相手の中でこちらのイメージが
すごくきれいにできあがりやすい気がします。
そしてそのイメージに自分が入りきれないと、
急に苦しくなる。
私はまさにそれでした。
最初は
包容力があって安心できる人
だと思っていたのに、
気づいたら
“私を見ているようで、私を見ていない人”
に見えてしまった。
その瞬間、
好きになりかけていた気持ちは
かなりあっさりしぼんでいきました。
ずっと“特別な関係”だと思っていたのに・・・
彼と知り合ったのは、オンラインゲームでした。
そのゲームは、
固定で遊ぶ相手ができやすくて、
一緒にプレイする時間が長いほど
自然と距離が縮まるタイプでした。
私と彼も、
最初はたまたま同じ時間にログインして、
たまたま一緒にクエストを回っただけでした。
でもそのうち、
それが毎日の習慣みたいになっていきました。
夜になると
「今日やる?」
と連絡が来て、
一緒にイベントを回って、
終わったあとも通話で雑談する。
ゲームのことだけじゃなくて、
仕事のこととか、
その日にあった小さい出来事とか、
本当にどうでもいい話まで
自然にできるようになっていました。
私はその時間が本当に好きでした。
彼はゲームの中でもやさしかったし、
通話でもすごく話しやすかった。
こちらが疲れている日は気づいてくれるし、
無理に明るくしなくてもいい感じがあった。
そういうものが積み重なると、
やっぱり特別に感じてしまうんですよね。
しかも彼は、
私に対してだけ少し距離が近いように見えました。
ログインすると真っ先に声をかけてくれるし、
私が落ちる時間に合わせて
自分も切り上げてくれることもある。
他の人がいる通話でも、
私の話にはちゃんと乗ってくれる。
私は少しずつ、
この人にとって私は
ただのゲーム仲間以上なのかもしれない、
と思うようになっていました。
実際、
周りからも
「二人って仲いいよね」
みたいに言われることがあって、
私はそれがちょっと嬉しかったです。
表向きには笑って流していたけど、
内心では
やっぱりそう見えるんだ、
と思っていました。
そのうち、
共通のフレンドたちも含めて
オフ会みたいなものをしよう、
という話が出ました。
私は最初、
少し迷いました。
でも彼も来るなら会ってみたい、
という気持ちが強くて、
結局参加することにしたんです。
そのときの私は、
かなり期待していました。
二人きりで会うわけではないけど、
現実で会えば
もっと特別な感じが出るかもしれない。
少なくとも、
オンラインの中だけじゃない何かが
見えてくるかもしれない。
そんなふうに思っていました。
当日、
最初に会った瞬間は
そこまで悪くありませんでした。
見た目も極端な違和感はないし、
ちゃんと普通に挨拶もしてくれる。
私はその時点では、
まだかなり前向きでした。
でも、
時間がたつにつれて
少しずつ気持ちが沈んでいきました。
理由は、
彼の態度が
私が思っていたものと全然違ったからです。
ゲームの中では、
私は彼にとって
かなり近い存在だと思っていました。
でも現実の場での彼は、
私に特別近い感じではなくて、
むしろ誰に対しても
同じくらい感じよくて、
同じくらい距離が近かったんです。
女性のフレンドにも自然に話しかけるし、
場を回すのも上手いし、
誰の話にもちゃんと笑う。
悪く言えば八方美人ではないけど、
少なくとも
“私だけに向けられている特別さ”
みたいなものは、
ほとんど感じられませんでした。
最初は、
大人数だから仕方ないよね、
と思おうとしました。
みんなで会っているんだから、
二人だけで話す雰囲気じゃないし、
私にばかり話しかけていたら
逆に気まずいかもしれない。
そう思っていたんです。
でも時間が経つにつれて、
私はどんどん苦しくなっていきました。
だって、
彼がゲームの中で私に見せていたやさしさや近さが、
現実では他の人にも
同じくらい自然に向けられていたからです。
誰かが困っていたら助けるし、
女の子の話にもまめに反応するし、
ちょっとした変化にも気づく。
私はそれを見ながら、
ああ、この人は
もともとこういうふうに
誰にでもできる人なんだ、
と思ってしまいました。
オンラインの中で
私にだけ向いていると思っていたものが、
実際には彼の“通常運転”だった。
その事実が、
ものすごくきつかったです。
しかも、
私が少し話しかけても
彼は普通に返してくれるけど、
特別うれしそうでもない。
逆に他のフレンドと
楽しそうに盛り上がっているのを見ると、
私だけが彼を特別だと思っていたのかもしれない、
という気持ちが強くなっていきました。
その瞬間、
今までのやりとりの見え方が全部変わりました。
毎晩の通話も、
私には特別な時間だった。
でも彼にとっては、
たまたまその時間
いちばん都合よく話せる相手が私だっただけなのかもしれない。
ログインしたらすぐ声をかけてくれたのも、
私だからじゃなくて
その場で一緒に遊べる相手だったからかもしれない。
そう思ったら、
一気に虚しくなりました。
彼が何か嘘をついていたわけではありません。
私を騙していたわけでもない。
むしろ、
ずっと自然体だったのかもしれない。
でも私は、
その自然体を
“私だけへの特別さ”
だと勘違いしてしまっていたんです。
オフ会が終わる頃には、
私はかなり疲れていました。
彼は最後まで感じがよかったし、
別れ際にも
「今日は会えてよかった」
と笑ってくれました。
でもその笑顔すら、
もう前みたいには見えませんでした。
やさしい人なんだと思う。
でもそのやさしさは、
私だけに向いているものじゃない。
そうはっきりわかってしまったからです。
帰宅してからも、
彼から
「今日はありがとう」
という連絡は来ました。
少し前の私なら、
その一言だけで舞い上がっていたと思います。
でもそのときの私は、
ただ静かに
ああ、私はこの人を特別だと思いすぎていたんだな、
と感じていました。
ネットの中では、
相手との距離感って
どうしても拡大して見えやすいと思います。
毎日話す、
長時間通話する、
お互いの生活を少しずつ知っていく。
そうすると、
現実以上に親密に感じてしまう。
でも実際に会ってみると、
相手の人との接し方全体が見える。
その中で、
自分だけが特別だったわけじゃない
と気づくことがある。
私はその瞬間、
かなり急激に冷めました。
会う前は“センスが合う素敵な人”に見えていたのに・・・
彼と知り合ったのは、Instagramでした。
私はもともと、
カフェや雑貨、
たまに旅行先で撮った写真を上げるくらいで、
そこまで積極的に交流するタイプではありませんでした。
でも彼が何度かストーリーに反応をくれて、
そこから少しずつDMするようになったんです。
最初の印象は、
とにかくセンスがいい人だな、
というものでした。
投稿している写真もきれいだし、
文章もこなれていて、
無理に自分を大きく見せている感じがない。
でもちゃんと雰囲気がある。
私はそういう
“わざとらしくないのにおしゃれに見える人”
にかなり弱いんだと思います。
DMでも彼は
その印象のままでした。
変に距離を詰めすぎないし、
でもこちらに興味を持ってくれているのは伝わる。
お店の話や、
好きな写真の雰囲気の話、
休日の過ごし方の話も、
自然に広がっていきました。
私は少しずつ
この人とは感覚が合うかもしれない、
と思うようになっていました。
たとえば、
私が
「にぎやかすぎる場所より、静かなカフェのほうが好き」
と言うと、
彼も
「わかる。ちゃんと話せる場所がいいよね」
みたいに返してくれる。
食べ物の好みや、
休みの日にしたいことも
なんとなく近い感じがして、
私はかなり前向きになっていました。
会ってみたいね、
という話になったときも、
自然な流れでした。
インスタで知り合った相手って、
見た目や雰囲気の印象が先に来るぶん、
逆に会うのに少し勇気がいることもあると思うんです。
でも彼に対しては、
そこまで大きな不安がありませんでした。
むしろ、
会ったらもっと好きになるかもしれない、
と思っていました。
当日、
最初に会った印象は
たしかに悪くありませんでした。
服装もおしゃれで、
清潔感もあって、
話し方も想像の範囲内。
私はその時点では
かなり安心していました。
でも、
デートが始まってすぐに
なんとなく違和感が出てきました。
彼はとにかく、
“今この時間をどう切り取るか”
をずっと意識している感じだったんです。
カフェに入れば、
まず席より光の入り方を気にする。
料理が来たら、
食べる前に何枚も写真を撮る。
私が何か話していても、
「それちょっと待って、その角度いいかも」
みたいに、
会話より画面の中の見え方を優先する。
最初は、
おしゃれな人なんだな、
くらいに思おうとしました。
私だってカフェで写真を撮るし、
きれいなものを残したい気持ちはわかる。
インスタで知り合ったんだから、
そういう人なのも当然かもしれない。
でも、
その量が想像以上だったんです。
しかも彼は、
私との時間を楽しむというより
“この時間をどう映すか”
に意識が向いているように見えました。
それが少しずつ苦しくなっていきました。
いちばん引っかかったのは、
私のことまで
“絵になる要素”
として扱われている気がしたことです。
たとえば、
カフェで飲み物が運ばれてきたときに
「そのまま持ってて」
と言われて、
私の手元とカップを撮ろうとしたり、
歩いているときに
「そこ、雰囲気いいから立って」
みたいに言われたり。
もちろん、
悪気があるわけじゃないのかもしれません。
きれいに残したいだけかもしれない。
でも私はそのたびに、
今この人は私と一緒にいるんじゃなくて、
私を使って
“いい感じの場面”
を作りたいんだな、
と思ってしまいました。
しかも会話の流れも、
どこか表面的でした。
趣味の話やお店の話はできる。
でも、
私がもう少し中身のある話をしようとすると、
ふわっと流れる。
逆に、
写真や雰囲気の話になると
すごく熱が入る。
その差が見えるにつれて、
私はどんどん冷めていきました。
会う前の私は、
この人は“センスが合う人”だと思っていたんです。
でも実際に会ってみたら、
センスが合うというより
“見せ方”にすごく意識が向いている人で、
私がほしかった
落ち着いてちゃんと向き合う感じ
とは少し違っていました。
彼は別に失礼なことをしたわけではありません。
お店もちゃんと選んでくれたし、
言葉遣いもやさしい。
でも、
そのやさしささえ
どこか演出っぽく見えてしまったんです。
本当に私と話したくて会ってるのかな。
それとも、
おしゃれで心地いい時間を過ごしている
“自分”が好きなだけなのかな。
そう思った瞬間、
気持ちがかなり下がりました。
帰り際、
彼は
「今日は雰囲気すごくよかったね」
と言いました。
たぶん褒め言葉だったんだと思います。
でも私はその一言に、
ああ、この人が見ていたのは
今日の“空気”であって、
私じゃないのかもしれない、
と感じてしまいました。
家に帰ってから来た
「また行こう」
というDMも、
もう前みたいには響きませんでした。
少し前までは
この人となら感覚が合うかもしれない
と思っていたのに、
会ったあとは
一緒にいるより
一緒にいる画が大事な人
に見えてしまった。
その変化は自分でもかなり大きかったです。
ネットで知り合う恋って、
相手の雰囲気や見せ方に
先に惹かれやすいと思います。
でも実際に会うと、
その見せ方の奥にある
“何を大事にしている人か”
が見えてしまう。
私はそこで、
彼が大事にしているのは
私とのやりとりそのものより
“いい感じの時間”を作ることなのかもしれない
と感じてしまった。
毎日やりとりして“こんなに感覚が合う人は初めてかも”と思っていたのに・・・
彼と知り合ったのは、Xでした。
共通の趣味について投稿していたときに、
彼が何度か反応をくれたのがきっかけです。
最初は軽いやりとりだけでした。
でも、
私がちょっと長めの感想を書いたときに
彼がすごく丁寧に返してくれて、
そこから一気に会話が増えたんです。
彼は文章のテンポがすごくよかったです。
軽すぎないし、
重すぎない。
こちらの温度に合わせてくれる感じがあって、
私にはそれがすごく心地よかった。
DMに移ってからは、
もっとその印象が強くなりました。
好きなものの話もできるし、
少し日常の話もできるし、
こちらが疲れている日は
ちゃんと察して無理に会話を引っ張らない。
私はそういう小さい気遣いにかなり弱いんだと思います。
しかも彼は、
私が言ったことをかなり覚えていてくれる人でした。
前に話した好きな食べ物とか、
苦手なものとか、
少し落ち込んでいた日のこととか。
そういうことをあとから自然に拾ってくれるから、
私はどんどん安心していきました。
通話も何度かしました。
声も落ち着いていて、
話し方もやわらかい。
こちらがちょっと黙っても
変に焦らせない。
私はその頃、
かなり彼に気持ちが向いていたと思います。
Xで知り合った相手に
ここまで安心できると思っていなかったし、
こんなに感覚が合う人は初めてかもしれない、
と本気で思っていました。
会ってみようという話になったのも自然でした。
趣味が合うし、
通話もできるし、
ここまで話しているなら
実際に会っても大丈夫そう。
むしろ、
会ったらもっと好きになるかもしれない。
そう思っていました。
当日、
最初の印象は悪くありませんでした。
見た目もそこまで想像と違わないし、
挨拶も自然。
緊張はしたけど、
私はかなり前向きな気持ちでいました。
最初のうちは、
会話も普通に楽しかったです。
好きなものの話をして、
最近あったことを話して、
やっぱりDMで感じていた雰囲気と
そこまでズレていないかもしれない、
と少し安心していました。
でも、
食事が進むうちに
空気が少しずつ変わっていきました。
彼が、
元カノや他の女の子の話を
思っていた以上に普通に出してきたんです。
最初は本当にさらっとでした。
「前に付き合ってた子がさ」
とか、
「昔こういうタイプの子がいて」
みたいな感じ。
私はその時点では、
まあ過去の話くらいあるよね、
と思っていました。
大人なんだし、
恋愛経験がゼロの人ばかりじゃない。
そこを過剰に気にするつもりはありませんでした。
でも彼は、
そのあとも何度も似たような話を続けたんです。
元カノとの旅行の話。
昔仲よかった女友達の話。
マッチングアプリで会ったことがある人の話まで
軽いネタみたいに出してくる。
しかも、
そこにあまり配慮がない。
私に嫉妬させたいとか、
マウントを取りたいとか、
そういう露骨な意図ではないのかもしれません。
でも、
今こうして初めて会っている相手に対して、
そんなに他の女性の存在を
自然に会話に混ぜてくるんだ、
ということ自体が
私にはかなりきつかったです。
いちばんしんどかったのは、
彼がそのことを
まったく違和感なく話しているように見えたことでした。
ちょっと気まずそうにするでもなく、
うっかり口を滑らせた感じでもない。
本当に普通の話題のひとつとして、
女の子の話をする。
その瞬間、
私は急に冷めました。
だって、
私は彼との会話を
“今ここにいる二人のもの”
として大事にしたかったんです。
会う前まで、
毎日のやりとりの中で
少しずつ親しさを育ててきたつもりだった。
だからこそ、
やっと会えた日に
他の女の人の気配が何度も入ってくることが
すごく嫌でした。
しかも彼は、
その話をするときに
少し楽しそうですらありました。
自分はそれなりに恋愛経験がある、
ということを
隠すつもりがない感じ。
むしろ、
そういう話ができる自分を
自然体だと思っていそうでした。
私はそこに、
かなりのズレを感じました。
私にとって自然体って、
相手を不安にさせない配慮の中にあるものなんです。
でも彼にとっては、
思ったことをそのまま話すことのほうが
自然だったのかもしれない。
その違いが、
ものすごく大きく見えました。
そこから先は、
もう彼の言葉が素直に入ってきませんでした。
褒められても、
こういうこと他の子にも言ってるのかな、
と思ってしまう。
笑っていても、
このノリでいろんな女の子と話してるのかな、
と考えてしまう。
一度そうなってしまうと、
会話は続いていても
気持ちはどんどん離れていきました。
彼は別に、
浮気をしていたわけでもないし、
私に何かひどいことを言ったわけでもありません。
でも、
恋愛の入り口って
こういう小さい配慮の差が
ものすごく大きいですよね。
私はたぶん、
会った日にわざわざ他の女性の存在を感じたくなかった。
比べられているとまでは思わなくても、
少なくとも
“今目の前にいる私に集中してほしい”
と思っていたんです。
そこが叶わなかった時点で、
私はもうかなり無理になっていました。
帰り際、
彼は普通に
「今日は会えてよかった」
と言ってくれました。
でも私は、
その言葉よりも
今日聞いた女の人たちの話のほうが
ずっと頭に残ってしまっていました。
家に帰ってから届いた
「また会いたい」
というDMも、
前みたいにうれしく見られませんでした。
だって、
また会ったとしても
この人はきっと
悪気なく他の女の子の話をするんだろうな、
と思ってしまったからです。
ネット恋愛は蛙化現象が起きやすい?!
ネットで始まる恋は、
普通の恋愛よりも
気持ちが動くのが早いことがあります。
最初は顔も知らない。
まだ一度も会っていない。
なのに、
DMや通話やゲームの時間を重ねるうちに、
相手がどんどん自分の日常の中に入ってくる。
朝起きて通知を見る。
夜寝る前に声を聞く。
仕事で疲れた日に、
相手からの一言でちょっと救われる。
そんなことが続くと、
まだ現実では何も始まっていないのに、
心だけが先に恋人みたいな距離まで近づいてしまうんですよね。
でも、そのぶん
ネット恋愛は気持ちが冷める時も急です。
昨日まであんなに会いたかったのに、
いざ会ったら違和感が消えない。
あんなにやさしく見えていたのに、
他の人への態度を見た瞬間に無理になる。
“特別な関係”だと思っていたのに、
実は相手の中ではそうでもなかったとわかった瞬間、
一気に気持ちがしぼんでしまう。
今回の体験談には、
そういう
ネット恋愛ならではの急な気持ちの落差
が何度も出てきました。
そして見えてきたのは、
蛙化現象が起きやすいのは
単に相手に欠点があるからではなく、
会う前に気持ちが育ちすぎる構造そのもの
に理由がある、ということでした。
ここからは、
その体験談全体を踏まえて、
ネット恋愛で蛙化現象が起きやすい理由を
少し丁寧に総括していきます。
ネット恋愛は、相手そのものより先に「印象」「言葉」「空気感」を好きになりやすい
ネット恋愛でいちばん大きい特徴は、
相手の“現実”より先に、相手の“印象”を好きになること
だと思います。
普通の出会いなら、
相手の空気感や立ち方、
話し始めるまでの間、
人への接し方、
その場にいるときの落ち着き方みたいなものを、
最初からなんとなく感じ取ることができます。
でもネットで知り合う場合は、
そういう情報が最初にはありません。
最初に見えるのは、
プロフィール、アイコン、文章、DM、通話の声、
SNSの雰囲気、ゲームの中での優しさみたいなものです。
つまり、
相手の“全体”ではなく、
相手の“切り取られた一部”から先に知っていくんですよね。
しかも、その一部って
恋愛感情を動かしやすいものが多いです。
プロフィールが誠実そう。
文章がやわらかい。
通話の声が落ち着いている。
夜中まで話してくれる。
ゲームでいつも助けてくれる。
SNSの投稿がおしゃれで、価値観も近く見える。
こういうものって、
相手の人柄を全部知ったわけじゃないのに、
“この人なら合うかも”
と思わせる力がすごく強いんです。
しかもネットだと、
こちらの想像がそこに入り込みやすい。
文章が落ち着いていれば、
現実でも落ち着いた人なんだろうなと思う。
やさしい言葉をかけてくれれば、
人としてもちゃんとやさしい人なんだろうなと思う。
ゲームの中でいつも味方でいてくれれば、
自分にとって特別な存在なんだろうなと思ってしまう。
でも実際には、
その印象と現実が
きれいに一致するとは限りません。
通話では合っていたのに、
対面だと会話のテンポがしっくりこない。
SNSでは誠実に見えたのに、
実際の態度は少し雑。
ゲームの中では特別に感じたのに、
現実では他の人にも同じように接していた。
この瞬間に起きるのが、
ネット恋愛特有の
“好きだった気持ちの急な失速”
なんだと思います。
ここで大事なのは、
冷めた理由が
“相手が急に変わったから”
ではないことが多い、ということです。
実際には、
相手は最初からその人だったのかもしれない。
変わったのは、
こちらが見えていなかった部分に
ようやく触れただけなのかもしれない。
でも、
会う前にかなり気持ちが育っていると、
その“ようやく見えた現実”が
ものすごく大きな裏切りみたいに感じてしまうんですよね。
本当は裏切りじゃなくて、
ただ知らなかっただけかもしれない。
でも気持ちはそう簡単には整理できない。
だから、
会う前はあんなに好きだったのに、
会った瞬間に違和感が勝つ。
昨日まで安心していたのに、
一つのズレで一気に無理になる。
体験談を並べてみると、
この流れはかなり共通していました。
ネット恋愛って、
相手を好きになる前に
相手の“印象”を好きになりやすい。
そしてその印象は、
こちらの期待や理想が混ざりやすい。
だから、
現実とズレたときのダメージが大きいんです。
しかもやっかいなのは、
そのズレが
見た目や条件のような
わかりやすいものだけとは限らないことです。
空気感。
会話の間。
距離の詰め方。
匂い。
生活感。
人への態度。
そういう、
言葉にしにくい部分で起きることが多い。
だからこそ、
冷めた側も
「何が悪かったのかうまく説明できない」
まま苦しくなりやすいんだと思います。
でも恋愛って、
実はその
“うまく説明できない違和感”
がものすごく大事なんですよね。
条件がいいかどうかより、
会話が続くかどうかより、
一緒にいて
自然に呼吸できるか。
無理せず笑えるか。
隣にいることに違和感がないか。
そこにズレがあったなら、
ネットの中でどれだけ相性がよく見えていても、
現実では気持ちが続かない。
体験談を通して見えたのは、
まさにこのことでした。
ネット恋愛は、
相手そのものより先に
相手の印象を好きになる。
その恋の始まり方は
たしかにやさしくて、
入りやすくて、
心が動きやすい。
でもそのぶん、
印象と現実の差が出た瞬間に
好きが急にしぼみやすい。
これが、
ネット恋愛が蛙化現象を起こしやすい
いちばん根っこの理由なんだと思います。
恋愛は「現実の相性」で決まる!!!
体験談を読んでいて
すごく印象的だったのは、
冷めた相手の多くが
“ひどい人”だったわけではないことです。
むしろ、
最初はかなり好印象だった人が多い。
やさしい。
丁寧。
返信がマメ。
話をちゃんと聞いてくれる。
通話が楽しい。
趣味が合う。
SNSの雰囲気が好き。
ゲームでいつも味方でいてくれる。
こういう要素って、
恋愛の入口ではかなり大きいですよね。
特にネットで知り合うと、
まず触れられるのがそこだから、
なおさら重要に見える。
でも体験談を並べると、
そこから先で何度も出てきたのが、
「いい人だったのに、恋愛としては無理になった」
という感覚でした。
これってすごくつらいことだと思います。
相手が雑だったり、
失礼だったり、
明らかにひどいなら、
冷めた理由も説明しやすいし、
自分を責めすぎずに済む。
でも現実には、
そうじゃないことのほうが多いんですよね。
誠実だった。
やさしかった。
こちらに好意も向けてくれた。
それでもなぜか一緒にいると苦しい。
なぜか会ったあとのほうが距離を取りたくなる。
通知が来ても前みたいにうれしくない。
この感覚は、
かなりリアルでした。
つまり恋愛って、
“いい人かどうか”だけでは続かないんです。
たとえば、
会話がちゃんと続く人でも、
対面だとこちらばかり話を回して疲れてしまうことがある。
やさしい言葉をくれる人でも、
距離の詰め方が速すぎると苦しくなることがある。
好意を向けてくれること自体はうれしいのに、
その好意の熱量がこちらより先に大きくなると
プレッシャーに変わってしまうこともある。
ネットの中では
“話しやすい”
“やさしい”
“合う”
と思っていたことが、
現実ではそのまま成立しないんですよね。
これは、
ネット恋愛の欠点というより、
恋愛の本質に近い話だと思います。
恋愛って結局、
メッセージの文面や会話の内容だけじゃなくて、
その人と同じ空間にいたときに
どう感じるかがすごく大きい。
歩くスピード。
間の取り方。
店員さんへの態度。
会計のときの空気。
疲れているときの気遣い。
こちらが沈黙したときの受け止め方。
そういう
“現実のふるまい”
の中に、
相性はかなり出ます。
そしてネット恋愛は、
そこを確認する前に気持ちが育ちやすい。
だからこそ、
現実の相性に触れた瞬間に
一気に冷めやすいんです。
たとえば、
趣味がぴったりでも
一緒にいて会話のテンポが噛み合わなければ
恋愛としてはしんどい。
SNSの文章が素敵でも
現実で人への態度が雑なら
その時点でかなり無理になる。
ゲーム内でどれだけ近くても、
現実では自分以外にも同じようなやさしさを向ける人だとわかれば
特別感は一気に崩れる。
つまり、
ネットの中で感じる魅力は
恋愛の入口としては十分でも、
出口まで支えられるほど強くはないことがあるんです。
これは悲しい話でもあります。
だって、
最初に好きになった理由が
全部嘘だったわけではないから。
通話が楽しかったのも本当。
やさしかったのも本当。
話しやすかったのも本当。
でも、
それだけでは足りなかった。
この“足りなさ”が見えるとき、
人は相手を責めるというより
自分の気持ちが急にしぼんでしまうんですよね。
蛙化現象っぽく見えるものの正体って、
実は
「急に嫌いになった」
というより、
“恋愛として成立させるには無理があると、心が先に気づいた”
ということなのかもしれません。
それまでうれしかった好意が重くなる。
安心していたはずの相手との時間が疲れる。
会いたかったのに、
会ったあとは一人になりたい。
そういう変化が起きたとき、
もう心はかなり正直に答えを出している。
今回の体験談では、
その答えが何度も出てきました。
やさしいだけじゃ足りない。
話しやすいだけでも足りない。
趣味が合うだけでも足りない。
恋愛に必要なのは、
現実で一緒にいるときの
無理のなさと安心感なんだと思います。
そこが欠けると、
ネットの中でどれだけ魅力的に見えていた相手でも、
好きでい続けることが急に難しくなる。
そしてこの気づきは、
冷めた側にとってかなりつらいものです。
相手に明確な落ち度がないから、
「こんなことで冷めるなんて私が悪いのかな」
と責めやすいからです。
でも、
恋愛ってそういうものなんですよね。
条件がいいことと、
好きでいられることは違う。
誠実なことと、
心地よく愛せることも違う。
だから、
“いい人だったのに無理になった”
というのは、
全然珍しいことじゃない。
むしろネット恋愛ではかなり起こりやすいことなんだと思います。
SNS、マッチングアプリ、オンラインゲームは「不安」と「比較」も多い?
ネット恋愛が苦しくなりやすい理由は、
相手を理想化しやすいことだけではありません。
もうひとつかなり大きいのが、
近づきやすいぶん、不安や比較も同時に育ってしまうこと
です。
これはマッチングアプリでも、
SNSでも、
オンラインゲームでも共通していました。
まずマッチングアプリ。
アプリでは、
最初から
“他にも選択肢がある状態”
が前提ですよね。
こちらも誰かとやりとりしているかもしれないし、
相手も別の人とやりとりしているかもしれない。
それ自体は仕組みとして普通です。
でも、
気持ちが入ってくると
その普通が急にきつくなります。
毎日LINEしている。
通話もしている。
会ったあともちゃんと連絡が続いている。
だから少しずつ
“自分は特別になりつつあるかも”
と思ってしまう。
でも、
相手がまだ普通にアプリを開いていたり、
プロフィールを更新していたり、
他の人とも会っている気配が見えた瞬間、
一気に現実に引き戻される。
そのときって、
裏切られたわけじゃないのに
ものすごく傷つくんですよね。
しかも責められない。
だってまだ付き合っていないし、
アプリなんだから仕方ない。
頭ではわかっている。
でも心は、
そんなふうに簡単には割り切れない。
ここに、
ネット恋愛の独特なしんどさがあると思います。
次にSNS。
SNSで始まる恋は、
趣味や価値観の近さから始まることが多いから、
最初から
“わかり合えている感じ”
が生まれやすいです。
でもその一方で、
相手の行動が見えすぎる。
誰の投稿に反応しているか。
どんな時間に浮上しているか。
他の異性とどういう距離感なのか。
フォロー欄はどんな雰囲気なのか。
自分には返信がないのに、
表では普通にポストしているのか。
こういう情報って、
知りすぎると恋愛にすごく悪影響なんですよね。
本来なら知らなくて済むことまで見えてしまうから、
安心材料にもなるけど、
同時に不安材料にもなる。
しかもSNSで知り合った関係だと、
SNSの動きそのものが
愛情の温度に見えやすいんです。
返信が遅い。
でも他の人には反応している。
ストーリーは更新しているのにDMは来ない。
他の女の子への距離感が近い。
そんなもの全部が、
「私は大事にされていないのかも」
につながってしまう。
恋愛って、
本当は相手の気持ちを
会話や行動全体から見たいはずなのに、
SNSでは断片だけが強く見える。
その断片に感情が振り回されやすい。
これも、
かなりネット恋愛を苦しくする要素でした。
そしてオンラインゲーム。
ゲームはさらに特殊で、
一緒にいる時間が長いぶん、
親密さが現実以上に大きく見えやすいです。
一緒にクエストを回る。
通話しながら何時間も過ごす。
毎晩のように
「今日やる?」
から一日が始まる。
そうなると、
恋人じゃなくても
かなり近い存在に感じてしまう。
でもゲームの世界って、
その近さが必ずしも
恋愛の特別さと一致しないんですよね。
一緒に遊ぶ相手は
その時いちばん都合のいい人かもしれない。
通話が長いのも、
ただ居心地がいいからかもしれない。
弱っているときに頼ってくるのも、
恋愛感情じゃなくて
話しやすい相手だからかもしれない。
それなのに、
毎日の積み重ねが濃いぶん、
こちらはどんどん特別だと思ってしまう。
そしてある日、
相手が他の人とも普通に同じように接していることや、
自分が思っていたほど特別ではなかったことに気づいて、
一気に冷める。
この構造も何度も出てきました。
つまり、
ネットの恋ってどの形でも
“近づきやすさ”
が最大の魅力であり、
同時に最大の危うさでもあるんです。
近づきやすいから、
好きになる。
でも近づきやすいから、
不安も増える。
比較も見える。
境界線も曖昧になる。
その結果、
好きの中に安心だけじゃなく、
疑い、疲れ、期待しすぎ、思い込みまで
一緒に育ってしまう。
そしてそのどれかが限界を超えると、
蛙化現象みたいに
一気に気持ちが落ちる。
体験談を通して見えてきたのは、
ネット恋愛って
“相手を好きになること”
だけじゃなく、
“相手を不安に思う材料”
も同時に増えていく恋なんだということでした。
だから、
好きが大きくなればなるほど
しんどくもなりやすい。
そこが、
現実の出会いよりも
気持ちが揺れやすい理由なのかもしれません。
蛙化は、わがままではなく「心の防御反応」のことも多い
体験談を読んでいて、
いちばん胸が痛くなったのは、
冷めた側の人がほとんどみんな
自分を責めていることでした。
相手はやさしかったのに。
ひどいことをされたわけじゃないのに。
ちゃんと好きになろうとしていたのに。
それでも無理になってしまった自分が
すごく悪いみたいに感じる。
この気持ちって、
すごくよくわかります。
恋愛で冷めたときって、
相手に明確な問題がある場合よりも、
“悪い人じゃないのに無理になった”
ときのほうが、
何倍も自分を責めやすいんですよね。
こんなことで冷めるなんてひどいかな。
私が求めすぎなのかな。
ちゃんと向き合えば好きになれたのかな。
そうやって何度も考えてしまう。
でも、
今回の体験談を通して
はっきり見えたのは、
その違和感はわがままではない、
ということでした。
むしろそれは、
心がちゃんと自分に合わないものを感じ取った結果
なんだと思います。
たとえば、
会ったときの距離感がどうしても無理だった。
話していてずっと気を使ってしまった。
相手の好意がうれしいより先に怖くなった。
SNSの使い方にどうしても安心できなかった。
他人への態度を見て気持ちが引いた。
生活感に触れて一緒にいる未来が無理になった。
これって全部、
気分屋だから起きたわけではないですよね。
自分の中の
「この人と一緒にいると苦しいかもしれない」
「安心して好きではいられないかもしれない」
という感覚が、
ちゃんと反応している。
つまり蛙化って、
ただの気まぐれというより
心の防御反応に近いこともあると思うんです。
好きなままでいたい。
でも、無理。
相手は悪くない。
でも、苦しい。
この矛盾が出たとき、
心はもうかなり頑張っているんですよね。
それでもなお
「いや、相手はいい人だから」
「こんなことで冷めるなんてダメだ」
って自分を押し込めると、
もっとしんどくなる。
恋愛って、
努力すれば好きになれる部分もあるけど、
努力ではどうにもならない相性もあります。
一緒にいてほっとできるか。
距離の取り方がしっくりくるか。
相手のやさしさを素直に受け取れるか。
違和感が積み重なる前に
ちゃんと安心できるか。
そこが合わないなら、
どれだけ相手が誠実でも
気持ちが続かないことは普通にある。
だから、
冷めた自分を
“ひどい人”
みたいに思わなくていいんですよね。
むしろ、
自分の感覚がちゃんと働いていたからこそ、
違和感に気づけたのかもしれない。
特にネット恋愛は、
会う前に相手がよく見えやすいから、
いざ冷めたときに
「こんなに条件いいのにどうして?」
ってなりやすいです。
でも、
条件の良さと恋愛の続きやすさは別です。
やさしさをもらったことと、
そのやさしさを恋愛として受け止められることも別。
話しやすさと、
一緒に生きていける感覚も別。
そこが見えたときに
冷めてしまうのは、
決しておかしいことじゃない。
今回の体験談では、
“冷めた自分を責める必要はない”
と思える材料が本当にたくさんありました。
それぞれ理由は違うけど、
みんなちゃんと相手を好きになろうとしていた。
本気で向き合おうとしていた。
そのうえで無理になった。
それならもう、
それは失敗というより
自分に合う恋愛の輪郭が少し見えたということなんだと思います。
恋愛で冷めると、
どうしても
「私が悪かったのかな」
に気持ちが向きやすいです。
でも本当は、
「私はこういう距離感が苦手なんだ」
「私はこういう扱い方だと安心できないんだ」
「私はこういう人への態度を見ると恋愛感情が消えるんだ」
という、自分の大事な感覚が見えただけかもしれない。
それは、
わがままではなく
かなり大切な自己理解だと思います。
だから、
ネット恋愛で蛙化してしまった経験がある人ほど、
自分を責めるより
何に違和感を覚えたのかを
ちゃんと見てあげたほうがいい。
そこに、
次の恋で同じ苦しみ方をしないためのヒントが
かなりたくさんあるはずだからです。
ネット恋愛でいちばん大事なことは???
体験談をここまで見てきて、
最後にいちばん強く言えるのは、
ネット恋愛で自分を守るために大切なのは
会う前に気持ちを大きくしすぎないこと
だということです。
これは
“好きになるな”
という意味ではありません。
ネットで知り合ったって、
ちゃんと好きになることはあるし、
そこからいい恋愛になることももちろんある。
実際、
最初はネットでも
現実で会ってからちゃんと育つ関係はあると思います。
でも、
気持ちが現実より先を走りすぎると
苦しくなりやすい。
毎日連絡しているから大丈夫。
通話が楽しいから絶対合う。
SNSの雰囲気が好きだから現実でも素敵なはず。
ゲームでこんなに近いなら
特別に決まってる。
そういうふうに思いたくなる気持ちは、
すごく自然です。
でも、その
“思いたい気持ち”
の中には、
どうしても想像や期待が混ざります。
そして想像や期待は、
相手が悪くなくても
現実との小さなズレで崩れます。
だから大事なのは、
ネットの中で盛り上がった気持ちを
そのまま
“本当の相性”
だと決めつけないことなんですよね。
たとえば、
通話が楽しいのはすごく大事。
でも、
対面でも心地いいかは別。
SNSの雰囲気が好きなのも素敵。
でも、
人への態度や距離感が合うかは会わないとわからない。
ゲームで特別な時間を過ごせることも確かに大きい。
でも、
その特別さが恋愛の特別さと同じとは限らない。
ここを急ぎすぎないことが、
ネット恋愛では本当に大事なんだと思います。
つまり、
好きになることを止めるのではなく、
好きの中に現実確認の余白を残しておくこと
が必要なんです。
会ってみてどう感じるか。
一緒に歩いていてどうか。
会話のテンポは本当に自然か。
相手は人にどう接するか。
疲れているときの配慮はあるか。
自分の違和感をごまかさずに見られるか。
そういう現実を確かめてから
「やっぱり好き」
と思えたなら、
その恋はかなり強いと思います。
逆に、
「会う前は好きだったのに、会ったらしんどい」
「やさしいけど無理」
「特別だと思っていたのに違った」
と感じたなら、
そこを無理に押し込めないほうがいい。
ネット恋愛は、
盛り上がる速度が速いぶん、
冷める瞬間を
“自分の気分の問題”
みたいに思いやすいです。
でも本当は、
そこで出てきた違和感のほうが
かなり信頼できることも多い。
会う前のときめきより、
会ったあとの安心感。
言葉のやさしさより、
現実での扱い方。
毎日の連絡より、
一緒にいるときの無理のなさ。
ネット恋愛では
この順番を忘れないほうがいいんだと思います。
そしてもうひとつ大事なのは、
“相手を理想化しすぎないこと”です。
理想化って、
している自覚がないまま起きることが多いんですよね。
プロフィールが誠実だから、
現実でも誠実な人だろう。
通話の声が落ち着いているから、
対面でも安心できる人だろう。
ゲームでやさしいから、
恋愛でも一途だろう。
こういうふうに、
こちらの中で自然に物語ができていく。
でも相手は、
こちらの物語に合わせて存在しているわけではない。
それに気づいた瞬間、
気持ちが急に落ちる。
だからこそ、
ネットでの印象を
恋愛の入口として大事にしつつも、
そこに“確定”のラベルを貼らないことが必要なんだと思います。
いい人そう。
でも、まだわからない。
通話が合う。
でも、会ったときはまた別かもしれない。
毎日話してる。
でも、特別さの意味は急いで決めなくていい。
このくらいの余白を持っていたほうが、
自分の心はかなり守られる。
ネット恋愛って、
相手を知る前に
期待を育てやすい恋です。
だからこそ、
好きになってもいいけど、
決めつけすぎない。
盛り上がってもいいけど、
会う前に未来まで作りすぎない。
このバランスがすごく大事なんだと思います。
体験談を通して見えてきたのは、
好きになること自体が問題なんじゃなくて、
まだ見えていないものまで
“きっと大丈夫”にしすぎること
が、
あとで大きな苦しさにつながりやすいということでした。
ネット恋愛で蛙化しやすいのは、
恋が軽いからではありません。
むしろ、
気持ちが先に本気になりやすいからです。
だからこそ、
好きな気持ちと同じくらい、
現実を見る余白を持つこと。
それが結局、
いちばん自分を守る方法なんだと思います。
まとめ
ネット恋愛で急に冷めてしまった経験って、
その瞬間は本当に苦しいですよね。
昨日まであんなに好きだったのに。
通知が来るだけでうれしかったのに。
会える日をあんなに楽しみにしていたのに。
それなのに、
会った瞬間とか、
SNSの動きを見た瞬間とか、
相手の言葉と行動のズレに気づいた瞬間とかに、
気持ちがスッと消えてしまう。
そのときって、
自分がすごく冷たい人に思えたりします。
でも、
30の体験談を通して見えてきたのは、
それは単なる気まぐれでも、
薄情でもなくて、
自分に合う恋と合わない恋を
心がちゃんと見分けた結果
なのかもしれない、ということでした。
ネット恋愛は、
始まり方がやさしいです。
いきなり対面しなくてもいい。
言葉から知れる。
少しずつ距離を縮められる。
人見知りでも入りやすい。
傷つかずに恋が始まりそうに見える。
でもそのぶん、
好きの育ち方が少し独特です。
相手の空気全部を知らないまま、
好きになれてしまう。
まだ現実を知らないのに、
期待だけが大きくなる。
だから、
現実に触れた瞬間の衝撃も大きい。
そのときに冷めるのは、
恋が偽物だったからじゃない。
むしろちゃんと本気だったからこそ、
ズレも大きく見えるんだと思います。
もし最初から適当な気持ちなら、
ここまで傷つかない。
ここまで悩まない。
ここまで自分を責めたりもしない。
ちゃんと好きになろうとした。
ちゃんと向き合おうとした。
だからこそ、
違和感が出たときに
「このままは無理かもしれない」
と心が反応した。
それって、
かなり誠実なことなんじゃないかと思います。
しかも今回の体験談では、
冷めた理由がそれぞれ違っていました。
会う前に理想化しすぎた人。
会話のテンポが合わなかった人。
距離の詰め方が早すぎた人。
SNSでの振る舞いが気になった人。
ゲームの中では特別に見えたのに、
現実ではそうでもなかった人。
生活感や人への態度が無理だった人。
弱っているときに支えてくれなかった人。
誰にでも同じようにやさしいとわかった人。
こうして見ると、
蛙化現象って
ひとつの型じゃないんですよね。
でも共通していたのは、
自分が何に安心して、何に安心できないかが見えた
ということでした。
たとえば、
私は距離感が急な人が苦手なんだ。
私はSNSで不安になる相手だと無理なんだ。
私は店員さんへの態度にすごく敏感なんだ。
私は“私だけに向けられている感じ”がないと
気持ちが持たないんだ。
私は楽しい時だけ近い人とは恋愛できないんだ。
こういうことって、
頭で知っているようで
実際に痛い思いをしないと
はっきりわからないことも多いです。
だから、
ネット恋愛で急に冷めた経験は
苦しいけれど、
そのぶん自分に合う恋愛の輪郭も教えてくれる。
それは決して
無駄な失敗じゃないと思います。
むしろ、
次に同じ苦しみ方をしないための
かなり大事な材料なんじゃないでしょうか。
ネット恋愛は、
悪いものではありません。
そこから本当に大事な関係が生まれることもある。
でも、
始まり方がやさしいぶん、
期待も理想も育ちやすい。
だからこそ必要なのは、
好きになることを怖がることじゃなくて、
好きになった自分の感覚を
ちゃんと丁寧に見てあげることなんだと思います。
会う前のときめきだけで進めない。
違和感が出たら見なかったことにしない。
相手の言葉だけじゃなく、
現実での扱い方を見る。
そして、
無理になったときに
自分を責めすぎない。
それが、
ネット恋愛とうまく付き合うために
すごく大切なことなんだと思います。
体験談を通して言えるのは、
ネット恋愛は
好きになるのが早いぶん、
冷めるのも早い。
でもその早さは、
自分の心がちゃんと働いている証拠でもある、
ということでした。
だから、
もし今まさに
「昨日まで好きだったのに、急に無理になった」
と苦しくなっているなら、
まずは自分を責めすぎないでほしいです。
その違和感は、
ただの気まぐれじゃなく、
あなたの心が出した大事なサインかもしれません。
