蛙化現象って、言葉だけを見ると「急に冷める」「急に気持ち悪くなる」みたいな、恋愛の中でよくある温度差のひとつに見えるかもしれません。
でも、実際に起こされた側からすると、そんな軽い話では終わりません。
特にきついのは、こっちは相手の出してきた好意や距離感を、ちゃんと受け取って、ちゃんと向き合おうとしただけなのに、相手が急に距離を置いて来る時・・・
そのうえで、なぜか「私もつらい」「責められてるみたいでしんどい」「分かってもらえないのが苦しい」と、“傷ついた側”みたいな立場に入ってくることです。
本来なら、急に態度を変えられて戸惑っているのはこっちのはずです。
なのに、気づけば自分の傷は後回しになって、最後まで相手に配慮する側をやらされる。
これが、ただの失恋よりずっとしんどい理由です。
さらに最近は、SNSで遠回しに「優しさがしんどい」「察してくれない人は無理」「勘違いされるのつらい」と発信されて、事情を知らない周りから見ると、こっちが押しすぎた側、空気を読めなかった側みたいに見えてしまうこともある。
この記事では、そんな**「蛙化現象を起こされた側の体験談や、蛙化現象を起こした側がなぜか被害者面・被害者ムーブをしてくるケース」**について、整理していきます。
なぜこんなにモヤモヤが残るのか。
なぜ自分ばかり悪かったような気持ちになってしまうのか。
そして、どう考えれば気持ちを少しずつ立て直して、次の恋に進めるのか。
同じような経験をして、
「自分が重かったのかな」
「悪かったのかな」
と一人で引きずっている人が、
「いや、あれは普通にしんどい出来事だった」
と整理できるように、できるだけわかりやすくまとめていきます。
蛙化現象被害者の会!被害者面ヅラで被害者ムーブされた悲しき人達の体験談をまとめてみた!
蛙化現象された理由は分からなかった・・・
あのときは、正直かなり手応えがあると思っていた。
相手とは友達経由でつながって、
最初は軽くLINEするくらいの関係だった。
でも、やり取りを続けていくうちに、
向こうからも普通に話題を振ってくれるようになった。
こっちが送った内容に対して反応がいいとか、
そういうレベルじゃなくて、
向こうから「それでどうだった?」って聞いてきたり、
休みの日の話をしてきたり、
会話を続ける気がある感じだった。
だから俺の中では、
少なくとも「ただの義理返信」ではないと思っていた。
それで、初めて二人で会うことになった。
待ち合わせは土曜の夕方。
駅前の人が多い場所だった。
俺は遅れるのが嫌だから、10分前には着いていた。
服もかなり無難にした。
気合い入れすぎてると思われるのも嫌だったから、
シンプルで清潔感だけは意識した。
髪も整えたし、靴もちゃんとしたやつを履いた。
自分の中では、
少なくとも見た目で大きくミスることはないと思っていた。
待ちながら、スマホを見たり、
たまに顔を上げて改札のほうを見たりしていた。
別に変なことはしていない。
ただ普通に、相手を待っていただけだった。
しばらくして、
「もうすぐ着くよ」ってLINEが来た。
俺は「了解、柱の近くにいる」と返して、
顔を上げた。
そこで、たぶん相手が見えた。
向こうもこっちに気づいた感じだったから、
俺は軽く手を上げて「こっち」と合図した。
その瞬間だった。
相手の表情が、ほんの一瞬だけ止まった。
その場では気のせいかと思った。
でも、今思い返すと、
たぶんあの時点で何かがズレたんだと思う。
彼女は普通に近づいてきた。
笑顔もあった。
でも、LINEのときのテンションとは明らかに違った。
声のトーンが少し硬い。
目の前にいるのに、距離がある。
最初は「緊張してるのかな」と思った。
初めて会うならぎこちなくなるのは普通だし、
俺も緊張していたから、そこはあまり気にしないようにしていた。
でも、歩き始めてからも、
その違和感は消えなかった。
俺が話しかければ返してくれる。
でも、そこから広がらない。
向こうから質問が返ってこない。
会話のキャッチボールが、妙に短い。
俺は、かなり慎重に話していた。
いきなり距離を詰めるのも違うと思ったし、
初対面に近いなら、まずは無難な話で空気を作るべきだと思っていた。
だから、駅前の人の多さとか、
このへん来るの久しぶり?とか、
最近仕事どう?とか、
普通のことしか話していない。
でも、反応がずっと薄い。
感じが悪いわけじゃない。
無視されるわけでもない。
ちゃんと答えてくれるし、表面上は普通。
だけど、明らかに
「これ以上は近づかせない」
みたいな空気があった。
そのあとカフェに入っても同じだった。
俺は失礼なことを言った覚えはない。
馴れ馴れしくもしていない。
自慢話もしていない。
変にカッコつけたわけでもない。
本当に、普通に話していただけだった。
なのに、向こうの中では、
最初からもう答えが出ている感じがした。
俺は途中から、
「俺、何かしたかな」
ってずっと考えていた。
声がでかかったか。
座り方が変だったか。
笑い方がキツかったか。
待ってる姿がダサかったか。
立ち姿が落ち着かなかったか。
でも、どれも分からない。
その日は一応、普通に終わった。
食事して、少し話して、駅で別れた。
でも、帰り際の空気でだいたい察した。
次はないな、って。
相手は嫌な顔をしたわけじゃない。
ただ、次につながる雰囲気がまったくなかった。
「また今度」みたいな流れもない。
俺もその場で押すのは違うと思って、
「今日はありがとう」とだけ言って別れた。
家に帰ってから、
俺は「今日はありがとう。会えてうれしかった」と送った。
返事は来た。
でも短かった。
そこから先、明らかに温度が下がった。
返信は来る。
でも遅い。
文章が短い。
向こうから話題は振ってこない。
数日後に俺が「また都合いい日あったらごはん行こう」と送っても、
「最近ちょっとバタバタしてて」と返ってきて終わった。
そこで、はっきり分かった。
たぶん相手は、
会った瞬間にもう冷めていたんだと思う。
一番きつかったのは、
理由が分からないことだった。
話してダメなら、まだ分かる。
失言したなら反省もできる。
距離感ミスったなら、次に直せる。
でもこれは、
俺が何かをする前に終わっていた感じだった。
待ち合わせで立っていただけ。
ただそれだけで、
相手の中では「違う」となった。
そうなると、蛙化された側は本当にきつい。
何を直せばいいのか分からない。
服装かもしれない。
姿勢かもしれない。
待っているときの表情かもしれない。
スマホ見てる感じがダサかったのかもしれない。
でも全部、あとからの想像でしかない。
あの日からしばらく、
俺は待ち合わせのたびに
自分の立ち姿を気にするようになった。
スマホ見すぎるとダメか。
キョロキョロしないほうがいいか。
手はポケットに入れたほうが自然か。
背筋は伸ばしたほうがいいか。
そんなことまで考えるようになった。
失恋というより、
「何もしてないのに、何かがダメだった」
って感覚がずっと残った。
それが、地味に一番きつかった。
地雷ポイントが分からないのに勝手に蛙化された・・・
この話がきつかったのは、
向こうから好意があるように見えていたのに、
俺がそれを返した瞬間に、急に引かれたことだった。
最初から俺が追いかけていたわけじゃない。
むしろ、きっかけを作ってきたのは向こうに見えた。
連絡先を交換してから、
相手のほうからメッセージが来ることが何度かあった。
しかも、用事があるときだけじゃない。
何気ない雑談とか、
「今日めっちゃ疲れた」とか、
「この前言ってたやつ気になった」とか、
そういう日常の話が普通に来る。
こっちが返すと、ちゃんと続く。
向こうからも質問が来る。
会話を切らないようにしてくれている感じがあった。
だから、俺は少しずつ
「これはただの暇つぶしじゃないかもしれない」
と思うようになった。
しかも、ちょっと期待してしまうようなこともあった。
たとえば、
俺が前に話した仕事の予定を覚えていて、
あとから「どうだった?」と聞いてくれたり、
こっちの髪型が少し変わっただけで気づいたり、
俺の体調を気にするような言葉を入れてきたり。
男って、こういうのが続くとやっぱり期待する。
勘違いしないようにしようと思っていても、
「少なくとも嫌われてはいないな」
とは思う。
俺も最初はかなり慎重だった。
変に舞い上がって、
自分だけ盛り上がるのは痛い。
だから、こっちからは様子を見ながら返していた。
相手の冗談に乗る。
少しだけ柔らかい返しをする。
会話のテンポを合わせる。
そういう感じで、少しずつ距離を縮めていた。
で、ある程度やり取りが続いて、
「これはもう少し気持ちを見せてもいいかも」
と思った。
別に、いきなり重いことを言ったわけじゃない。
ベタベタしたわけでもない。
急に恋人みたいな距離感にしたわけでもない。
ただ、
「俺も話してて楽しい」
とか、
「会えるの楽しみ」
とか、
そういう普通の範囲で、
好意が伝わる言葉を少しだけ増やした。
男としては、
それでも結構勇気がいる。
気持ちを見せるって、
逃げ道がなくなる感じがあるから。
でも、相手もその気っぽいなら、
ちゃんと返すのが誠実だと思った。
ところが、そこから空気が変わった。
それまで向こうから来ていたメッセージが、
少しずつ薄くなった。
返信は来る。
でも、前より短い。
前なら話が広がったのに、今は広がらない。
向こうから質問が減る。
絵文字とか言葉の柔らかさも減る。
最初は
「忙しいだけかな」
と思った。
仕事が立て込んでるのかもしれないし、
たまたま余裕がないだけかもしれない。
誰だってずっと同じテンションじゃない。
だから俺は、
すぐに深読みしないようにしていた。
でも、待っても戻らない。
むしろ俺が少し気持ちを見せるたびに、
相手が一歩引く感じがした。
前なら向こうから
「今日何してた?」
って聞いてきたのに、
今はこっちが話しても
「そうなんだ」で終わる。
前なら食事の話題で
「それ気になる、行ってみたい」
って言っていたのに、
今は
「へえ、おいしそう」で止まる。tai
この変化が、本当にしんどかった。
露骨に嫌われるほうが、
まだ分かりやすい。
でもこれは、
表面上は普通なのに、
はっきり距離だけ取られる。
期待させないように、
でも完全には切らない。
その中途半端さが、地味に一番効く。
俺が一番混乱したのは、
「そっちが先に近づいてきたように見えたのに」
って感覚がずっとあったことだった。
こっちが最初からグイグイいって、
相手を引かせたならまだ分かる。
でも今回は、
向こうが作った空気に合わせて、
俺もちゃんと歩いただけのつもりだった。
それなのに、
俺が同じ温度になった瞬間、
相手だけが急に冷める。
このズレが、どうしても理解しにくかった。
俺は何度も考えた。
言い方が悪かったか。
気持ちを見せるのが早すぎたか。
優しくしすぎたか。
もっと軽く返したほうがよかったか。
でも、振り返っても
極端なことは何もしていない。
普通に、相手の好意っぽいものに対して、
普通に好意を返しただけだった。
それでも相手からすると、
“自分が好意を向ける”のは平気でも、
“相手から好意を向けられる”のは急に重かったのかもしれない。
こっちが、
都合のいい楽しい相手から、
ちゃんと向き合う現実の相手に変わった瞬間に、
気持ちが追いつかなくなったのかもしれない。
でも、それはされる側には見えない。
見えるのは、
昨日まで楽しそうだった人が、
今日から急に距離を取る、という事実だけだ。
最終的に、その関係は自然消滅みたいに終わった。
俺が送れば返事は来る。
でも、向こうからは来ない。
会おうとすると、やんわり濁される。
じゃあもう、これ以上は追えないなと思って、
俺のほうから連絡をやめた。
はっきり振られたわけじゃない。
でも、終わったのは分かった。
この経験で一番残ったのは、
「誠実に気持ちを返したこと自体がダメだったのか」
って感覚だった。
本当は、そんなはずない。
好きなら、ちゃんと返すのは悪いことじゃない。
でも、実際にそれで壊れると、
どうしてもそう思ってしまう。
そのあとしばらく、
俺は気持ちを見せるのが怖くなった。
相手が近づいてきても、
こっちが返したら終わるんじゃないか。
だったら、ずっと受け身でいたほうがいいのか。
少し冷たいくらいのほうがいいのか。
そんな変な考え方をしかけた。
でも今でも思う。
あのときの俺は、
別に間違ったことはしていなかった。
ただ、相手が欲しかったのは
“自分が好きでいられる距離感”であって、
“ちゃんと向き合う関係”じゃなかっただけなんだと思う。
そういうことって、
こっちがどれだけ丁寧でも起こる。
だからこそ、される側の男はきつい。
理由が見えないまま、
「お前が本気になったから終わった」
みたいな形で関係が消えるからだ。
これは、振られるのとはまた違うしんどさがあった。
告った瞬間に蛙化されるって、酷すぎ・・・
たぶん今までで一番きつかった。
理由は単純で、
俺が一番勇気を出した瞬間に、
そのまま関係が終わったから。
相手とは、何度か会ったことがあった。
毎日連絡するような関係ではなかったけど、
会えば普通に話せるし、
一緒にいて気まずい感じもなかった。
冗談も通じるし、
沈黙があってもそこまで重くならない。
そういう「一緒にいてラク」な感じがあった。
俺は、そういうところから少しずつ好きになった。
最初は、
気になるなくらいだった。
でも会うたびに、
この子ともっと一緒にいたいなって思うようになった。
だからこそ、
告白するかどうかはずっと迷っていた。
恋愛って、
100%いける確信があって告白できることなんて、ほとんどない。
でも、脈がゼロなら普通は言わない。
俺も、相手の反応を見ていた。
食事に誘えば来てくれる。
話していても、完全に脈なしって感じではない。
むしろ、悪くない空気だとは思っていた。
だから俺の中では、
「絶対いける」までは思っていなくても、
「伝える価値はある」くらいには感じていた。
それに、
曖昧なまま続けるのもしんどかった。
会うたびに期待して、
LINEが来るだけで少しうれしくなって、
でも相手の反応ひとつで勝手に落ち込んで。
そういう中途半端な状態を続けるのが、
だんだんきつくなっていた。
だから、言おうと思った。
その日も、最初は普通だった。
いつも通り話して、
ごはんを食べて、
変な空気もなかった。
むしろ、
「今日なら言えるかもしれない」
と思った。
帰り道、
人通りが少し落ち着いたところで、
俺はかなり緊張しながら足を止めた。
心臓がうるさいくらい鳴っていた。
手も冷たくなっていた。
自分でも情けないくらい、
めちゃくちゃ緊張していた。
でも、ここで言わなかったら、
また逃げるだけだと思った。
俺は、できるだけシンプルに伝えた。
好きだということ。
よかったら、ちゃんと付き合いたいと思っていること。
変に回りくどくすると、
自分でも逃げそうだったから、
そこだけはまっすぐ言った。
言い終わった瞬間、
頭の中が一瞬真っ白になった。
あ、言った。
もう戻せない。
そう思った。
そのときの相手の顔は、今でも覚えている。
びっくりした顔だった。
でも、うれしそうではなかった。
困った顔だった。
その表情を見た瞬間、
俺はもうなんとなく察した。
たぶん、いい返事じゃない。
相手はすぐには答えなかった。
少し間を置いてから、
「急でびっくりした」
みたいなことを言った。
でも、俺からすると
急に言ったつもりはなかった。
自分なりに、
何回か会って、
相手の反応を見て、
考えたうえで言ったつもりだった。
なのに、相手には
“急”に映っていた。
その時点で、
俺の中ではかなりしんどかった。
相手は
「少し考えさせてほしい」
と言った。
俺も、それ以上は言えなかった。
そのまま駅まで歩いて、
ぎこちないまま別れた。
さっきまで普通だった空気が、
告白したあとには別物になっていた。
それが本当にきつかった。
数日後、相手から返事が来た。
内容は丁寧だった。
俺の気持ちはうれしかった。
でも、そういうふうには見られない。
ごめん。
文章としては、
たぶんちゃんとした断り方だったと思う。
でも、読む側の俺にはきつかった。
はっきり終わったのもきついし、
それ以上に、
そのあと「今まで通り」はもう無理だって分かったから。
よくある
「これからも仲良くしてね」
みたいな言葉もあった。
でも、そんなの無理だった。
こっちは好きだって伝えてる。
向こうはそれを知ったうえで、断ってる。
その状態で、
前と同じ軽さで話せるわけがない。
実際、そのあと空気は変わった。
相手はやさしくはある。
でも、明らかに線を引いている。
こっちに期待させないようにしているのが分かる。
前なら普通にできていたやり取りも、
今はどこか慎重になる。
こっちが少し踏み込めば、
向こうは一歩引く。
そういう小さなズレが積み重なって、
関係は静かに終わっていった。
俺は何度も思った。
言わなければよかったのかな、と。
告白しなければ、
少なくとも前みたいに話せていたんじゃないか。
曖昧なままでも、
もう少し一緒にいられたんじゃないか。
そういう「たられば」を、
本当に何度も考えた。
でも同時に、
言わなかった自分も想像できた。
たぶんその場合は、
また勝手に期待して、
また勝手に落ち込んで、
相手のちょっとした反応に振り回され続けていたと思う。
だから、頭では分かっている。
告白したこと自体が完全に間違いだったとは言えない。
でも感情としては、
やっぱりきつかった。
俺が一番勇気を出した瞬間が、
そのまま関係の終わりになったから。
しかも、振られたこと以上にしんどかったのは、
告白したことで
相手の中での俺の立場が変わったのを感じたことだった。
それまでは、
少なくとも気軽に話せる相手だった。
でも告白したあと、
俺は“好意を向けてきた男”になる。
そうなると、
それまで許されていた距離感が、急に危うくなる。
同じことをしても、前とは意味が変わる。
その変化が、かなりつらかった。
好きだと伝えるのは、
本来は誠実なことのはずだと思っていた。
でも実際には、
それで関係が壊れた。
だからそのあとしばらく、
俺は告白するのが怖くなった。
また同じことになるんじゃないか。
言った瞬間に、全部終わるんじゃないか。
だったら黙ってたほうがマシなんじゃないか。
そう思う時期があった。
今でも、あの経験を思い出すと、
「勇気を出してよかった」とは簡単に言えない。
もちろん、言わずに後悔するよりよかった、
そう思う日もある。
でも同じくらい、
「あのまま言わなければ、もう少し普通でいられたのに」
と思う日もある。
それくらい、
告白した瞬間に相手の温度が下がって、
関係ごと終わる経験は重い。
ただ失恋した、で終わらない。
自分の勇気そのものが、
終わりのきっかけになったように感じるから。
付き合えた瞬間、急に「なんか違う」で終わった
あのときのことを思い返すと、
いまだに一番引っかかるのは、
付き合う前より、付き合った後のほうが距離が遠くなった
ってことだった。
普通、逆だと思う。
付き合うまでは探り合いがあって、
付き合ってから少しずつ安心して、
そこから自然に距離が縮まっていく。
俺も、ずっとそういうイメージでいた。
相手とは、会社関係の集まりで知り合った。
最初は何人かで話す程度だったけど、
何回か顔を合わせるうちに、
自然と二人で話す時間が増えていった。
向こうからも普通に話しかけてくるし、
仕事終わりに軽くごはんに行くこともあった。
LINEも続いていたし、
少なくとも俺の中では
「ちゃんと好意を持たれてるかもしれない」
と思えるくらいには、空気ができていた。
すごく分かりやすく甘い感じではない。
でも、会えばちゃんと笑ってくれるし、
俺の話も覚えていてくれる。
「この前言ってた案件どうなった?」とか、
「休みの日に行くって言ってた店どうだった?」とか、
そういう細かい話を向こうから振ってくれる。
男って、そういうのがあるとやっぱり期待する。
しかも俺は、その頃ちょうど仕事が忙しくて、
正直かなり消耗していた。
その中で、
この子と話している時間だけはラクだなって思っていた。
だから、俺の気持ちは少しずつ大きくなっていった。
何回か会って、
連絡も続いて、
「このまま曖昧にするより、ちゃんと伝えたい」
と思うようになった。
告白したとき、
相手は少し驚いていたけど、
最終的には「私も同じ気持ち」と言ってくれた。
その瞬間、
俺はかなり安心した。
やっと同じスタートラインに立てた、
そう思った。
変な駆け引きもしなくていい。
遠慮しすぎなくてもいい。
これからは、少しずつちゃんと恋人として近づいていける。
そのつもりだった。
でも、そこで空気が変わった。
最初の変化は、本当に小さいものだった。
付き合う前は普通に返ってきていたLINEが、
付き合った直後から少しずつ短くなった。
「おはよう」に対して返事はある。
「お疲れさま」にも返ってくる。
でも、前みたいに話が広がらない。
俺は最初、
「付き合えた安心で、やり取りが落ち着いただけかな」
くらいに思っていた。
それに、俺自身も、
付き合う前より少しだけ距離を縮めようとしていた。
たとえば、
それまでは名字にさん付けで呼んでいたのを、
名前で呼ぶようにした。
敬語も少し減らした。
会う約束をするときも、
「空いてたらどう?」じゃなくて
「この日、会えそう?」くらいの自然な近さで連絡するようになった。
俺の中では、
それは“急に変わった”つもりじゃなかった。
恋人になったから、
ほんの少しだけ壁を下げた。
その程度の感覚だった。
でも、相手は違ったみたいだった。
付き合って最初のデートのとき、
俺は正直、少し気合いが入っていた。
彼氏として初めてのちゃんとしたデートだし、
相手に「付き合ってよかった」と思ってほしかった。
だから店も事前に調べたし、
混まない時間も考えたし、
できるだけスムーズに過ごせるように準備した。
俺としては、
気を使ったつもりだった。
でもその日、会った瞬間から、
なんとなく向こうのテンションが低かった。
機嫌が悪いわけじゃない。
怒ってる感じでもない。
でも、前みたいな自然な笑顔が少ない。
俺が
「今日はここ予約してるから」
と言うと、
「ありがとう」とは言ってくれる。
でも、その言い方が少し硬い。
食事中も、
話はできる。
普通に会話は成立する。
でも、付き合う前にあった
あのちょうどいいテンポがなくなっていた。
俺は途中から、
「もしかして緊張してるのかな」
と思っていた。
付き合った直後って、
逆に意識しすぎてぎこちなくなることもある。
だからその日は、できるだけ自然にしようとした。
でも、デートが終わってからも、
そのぎこちなさは続いた。
そのあと数日、
俺が少しでも恋人っぽい言い方をすると、
相手の反応が薄い。
「次ここ行こうよ」
「会えるの楽しみ」
「無理しすぎないでね」
そういう普通の言葉に対して、
返ってくるのがいつもより弱い。
俺はそこで初めて、
「あれ、もしかして俺、何かミスってる?」
と思った。
ただ、思い当たるような大きな失敗はなかった。
束縛もしていない。
何時間も返信を催促したりもしていない。
毎日電話したいとかも言っていない。
無理に会おうともしていない。
むしろ、
彼氏になったからこそ、
相手に安心してもらえるようにしようと思っていた。
でも、俺が“彼氏らしく”しようとするほど、
相手はどんどん引いていった。
決定的だったのは、
付き合ってから二回目のデートのあとだった。
その日も、表面上は普通だった。
でも帰り際、相手から
「ちょっと話したいことがある」
と言われた。
その瞬間、嫌な予感がした。
駅の近くで立ち止まって、
相手は少し言いづらそうにしながら、
「なんか、付き合ってから急に変わったよね」
と言った。
俺は、その言葉の意味が最初は分からなかった。
変わったと言われても、
俺の中では
“付き合ったから少し距離を縮めた”
くらいのつもりだったから。
でも相手からすると、
その変化がしんどかったらしい。
名前の呼び方。
言葉の距離感。
会うときの空気。
俺が先回りして予定を決める感じ。
そういう一つ一つが、
向こうには
「急に彼氏っぽくなりすぎた」
と映っていたみたいだった。
正直、そのときかなり混乱した。
彼氏っぽくなるって、
付き合ったらある程度は自然なことだと思っていた。
それまでと完全に同じ距離感のままなら、
逆に何のために付き合ったのか分からない。
でも相手は、
「まだ気持ちがそこまで追いついてない」
「付き合った途端に急に近く感じて、ちょっとしんどくなった」
と言った。
言ってる意味は分かるようで、
される側からすると、かなりきつい。
だって、
付き合うって、
気持ちがある程度そろったからするものだと思っていたから。
少なくとも俺は、
相手とちゃんと近づきたいと思ったから告白したし、
相手もそれを受け入れてくれた。
だから同じ方向を向いていると思っていた。
でも実際は、
“付き合う前までの空気”が好きだっただけで、
“付き合った後の現実の近さ”は無理だった。
相手の中では、そうだったんだと思う。
その話をされたあと、
俺はできるだけ落ち着いて話した。
嫌な気持ちにさせたならごめん、
急にしすぎたなら気をつける、
合わせるようにする、
そう伝えた。
でも、もう遅かった。
相手は
「嫌いになったわけじゃない」
と言いながら、
明らかに気持ちが下がっていた。
この
「嫌いじゃないけど、なんか違う」
が、一番きつい。
理由がはっきり悪いわけじゃないから、
直し方も分からない。
こっちは誠実にやったつもりでも、
その誠実さの“形”自体が、
相手には重かったり、急すぎたりする。
そのあと、俺たちは一応もう少しだけ付き合った。
でも、空気は戻らなかった。
LINEはますます事務的になり、
会ってもどこかよそよそしい。
俺が気をつかって距離を戻そうとしても、
今度はそれが逆に不自然になる。
近づけば引かれる。
離れれば恋人じゃなくなる。
その中途半端な状態が続いて、
結局、相手から
「やっぱり気持ちが追いつかない」
と言われて終わった。
付き合った期間だけ見れば、
そこまで長くはなかった。
でも俺の中では、かなりダメージが残った。
告白して、受け入れてもらって、
やっと始まったと思ったら、
その“始まった”こと自体が終わりのきっかけになる。
これって、普通の失恋より整理しづらい。
振られた、じゃない。
付き合えたのに、
付き合えた瞬間から崩れ始めた。
それが、すごくしんどかった。
あの経験のあと、
俺はしばらく
「付き合った後って、どこまで距離を縮めていいんだ?」
って本気で分からなくなった。
名前の呼び方を変えるのは早いのか。
会いたいと言う頻度はどうなのか。
予定を決めるのは押しつけなのか。
優しさと“彼氏面”の境目はどこなのか。
恋人らしくしたかっただけなのに、
それが相手の中では
「急に無理」
になることがある。
そういう意味で、
この体験はかなり長く引きずった。
俺に残ったのは、
「何か悪いことをした」
という反省より、
“普通に付き合おうとしただけで終わることがある”
という、どうしようもない感覚だった。
気持ちを込めたLINEが終わりのきっかけになった
俺はもともと、
恋愛でそこまで器用なタイプじゃない。
面と向かってならまだ普通に話せるけど、
LINEになると、
送る前に何回も文章を見直してしまう。
重くないか。
軽すぎないか。
変に気取ってないか。
そっけなすぎないか。
そういうことを、
毎回わりと細かく気にする。
だからこそ、
このときのことはかなりきつかった。
なぜなら、
自分なりにちゃんと考えて送った言葉が、
そのまま相手の気持ちを冷ますきっかけになった
と感じたからだ。
相手とは、知人の紹介でつながった。
最初の印象は、お互いそこまで強くなかったと思う。
でも、何回かやり取りするうちに、
だんだん空気がやわらかくなっていった。
向こうは、
絵文字も使うし、
ノリのいい返しもしてくる。
俺が冗談っぽく言うと、
ちゃんと乗ってくれる。
それだけじゃなくて、
少し疲れてるときに
「大丈夫? 無理しないでね」
みたいな言葉もくれる。
男って、そういう一言に弱い。
しかも、ただ優しいだけじゃなくて、
ちゃんと自分に向けて言われてる感じがすると、
やっぱり嬉しくなる。
何度かやり取りするうちに、
俺の中ではかなり気になる存在になっていた。
会うことになったときも、
向こうは普通に乗ってくれた。
その時点で俺は、
少なくとも嫌ではないんだろうな、
と思っていた。
初めてのデートも、
かなりいい感じだった。
すごくドラマみたいに盛り上がったとかじゃない。
でも、普通に笑って話せたし、
沈黙が気まずくなることもなかった。
向こうからも話してくれたし、
「あ、これまた会えるかも」
って思えるくらいには、空気がよかった。
問題は、その日の帰りだった。
俺は家に着いてから、
お礼のLINEを送ろうとした。
ここで変にそっけなくするのも違うし、
でもテンプレみたいなのも嫌だった。
せっかく会えて嬉しかったんだから、
ちゃんと自分の言葉で伝えたかった。
だから、スマホを見ながら、
文章をかなり考えた。
「今日はありがとう」だけだと軽い。
でも長すぎると重い。
“楽しかった”は入れたい。
でも、急に好意が強すぎる感じにはしたくない。
そうやって何回も消して、
何回も打ち直して、
最終的に送ったのは、
「今日はありがとう。すごく話しやすくて楽しかった。会えてよかった。またタイミング合えばごはん行こう」
みたいな、わりと普通の内容だった。
少なくとも俺の感覚では、
重すぎる文章じゃなかった。
気持ちは入ってるけど、
まだ逃げ場もある。
そのくらいのバランスにしたつもりだった。
相手からはすぐ返事が来た。
でも、その返事を見た瞬間、
ちょっとだけ違和感があった。
「こちらこそありがとう!」
みたいな、表面上は明るい返事だった。
でも、それ以上に広がらない。
俺の文章に対して、
“同じ温度”では返ってきていない感じがした。
この時点では、
まだそこまで気にしていなかった。
一回目のデートのあとだし、
相手だって様子見かもしれない。
そう思っていた。
でも、そのあとから少しずつ、
LINEの空気が変わっていった。
前は向こうからも話題を振ってくれていたのに、
それが減った。
返事は来る。
でも、短い。
文の終わり方が、前より閉じている。
俺は最初、
「忙しいだけかな」
と考えた。
ただ、次に会う約束をしようとしたとき、
その違和感がもっとはっきりした。
俺が
「この前楽しかったし、また会いたい」
と送ると、
向こうは
「ありがとう、また都合合えば」
と返してきた。
断られているわけじゃない。
でも、前みたいな前向きさがない。
そこから俺は、逆に焦った。
何か挽回したほうがいいのか。
淡白すぎたのか。
それとも、逆に少し気持ちを見せたほうがいいのか。
その判断が分からなくなった。
で、今思えばそこがよくなかったのかもしれないけど、
俺は“ちゃんと伝わるように”しようとしてしまった。
返事が薄いと、
つい「伝わってないのかな」と思ってしまう。
だから、次のやり取りでは、
少しだけ気持ちを足した。
「話してると落ち着く」
とか、
「また会えたらうれしい」
とか、
そういう一言を入れるようになった。
でも、それを入れるほど、
向こうはさらに引いた。
既読がつくまでの時間が長くなる。
返事がさらに短くなる。
前なら笑ってくれた冗談にも、
「笑」だけで終わる。
このあたりで、
俺はかなりしんどくなっていた。
スマホを見るたびに、
自分の送った文章を読み返す。
句読点が多すぎたか。
「うれしい」が重かったか。
“また会いたい”が圧だったか。
絵文字を入れないのが冷たく見えたか。
逆に、絵文字がキモかったか。
本気でそんなことばかり考えていた。
LINEって、
相手の表情が見えないぶん、
こっちが勝手にいくらでも不安になれる。
しかも、文章は残る。
送ってしまったあとに、
何回でも読み返して後悔できる。
それが、すごくしんどかった。
決定的だったのは、
しばらくして向こうから来た
「ちょっと重く感じちゃった、ごめん」
みたいな一言だった。
あのときの気持ちは、
今でもかなり鮮明に覚えている。
ショックだったし、
恥ずかしかったし、
情けなかった。
だって俺は、
相手を困らせようとしていたわけじゃない。
重くしたかったわけでもない。
ただ、自分なりに誠実に返していたつもりだったから。
気持ちを雑にしたくなかった。
せっかく会えて、いい時間だったから、
ちゃんと「楽しかった」と伝えたかった。
その延長で、
「また会えたらうれしい」も伝えたかった。
それだけだった。
でも相手には、
それが一気に“重い”に変わった。
正直、そこから先はかなり引きずった。
もし俺が、
もっと軽く
「今日はありがとー!」
だけにしていればよかったのか。
それとも、
少し引いた感じで、
相手からの反応を待つべきだったのか。
本音を見せるのが早すぎたのか。
ちゃんと伝えようとしたこと自体がダメだったのか。
そういうことを、何日も考えた。
しかもきついのは、
LINEって“証拠”みたいに残ることだ。
頭の中で曖昧に振り返るんじゃなくて、
実際に自分の送った文章が画面に残っている。
それを見るたびに、
「うわ、これキツかったかな」
「この一文いらなかったかも」
と、自分で自分を削れる。
俺はそのあと、
しばらく新しい相手とやり取りするとき、
極端なくらい短文になった。
「了解」
「ありがとう」
「またね」
それくらいしか送れなくなった。
少しでも気持ちを入れると、
また“重い”になるんじゃないか。
また引かれるんじゃないか。
そう思うと、
文章を長くするのが怖くなった。
でも、今振り返ると、
あのときの俺は
別に異常なことをしていたわけじゃない。
長文ポエムを送ったわけでもない。
毎日何十件も送ったわけでもない。
深夜に連投したわけでもない。
ただ、普通より少しだけ丁寧に、
少しだけ気持ちを込めて、
ちゃんと伝えようとした。
それだけで終わることがある。
しかも、される側には
“どこからが重いのか”が分からない。
これが本当に厄介だった。
相手にとっては、
まだ軽いノリで楽しみたかっただけなのかもしれない。
俺の“ちゃんとした温度”が、
一気に現実味を持って見えたのかもしれない。
でも、こっちからすると、
楽しかったなら楽しかったと伝えるのは自然なことだと思っていた。
会いたいなら会いたいと言うのも、
そんなにおかしいことじゃないと思っていた。
その自然なつもりの行動が、
急に相手の気持ちを冷ます。
だからこの体験は、
ただ振られたっていうより、
「言葉にした瞬間にダメになる怖さ」
として残った。
今でもLINEを打つとき、
たまにあの頃みたいに手が止まる。
これ、気持ち入れすぎか。
ここ、削ったほうがいいか。
句読点多いか。
やわらかくしすぎてないか。
そこまで考えてしまうくらい、
俺の中では大きい経験だった。
自分なりにちゃんと向き合って送った言葉が、
相手には“重い”で終わる。
それは、かなり後味が悪い。
そして何より、
誠実にしようとした自分まで
否定された気分になった。
良かれと思った気づかいが、「なんか無理」に変わった・・・
この話は、
自分でもいまだに整理しきれていない。
なぜなら、
俺がやったことは全部、
その場では“良かれと思って”やったこと
だったから。
相手に嫌な思いをさせるためじゃない。
点数を稼ごうとしていたわけでもない。
ただ、目の前の状況を見て、
自然にそうしただけ。
でも結果として、
それが相手の中では
「急に無理」
に変わった。
相手とは、アプリで知り合った。
最初のやり取りは、正直かなり普通だった。
でも、変に盛りすぎない感じが逆に話しやすかった。
向こうもガツガツしていないし、
俺も最初から張り切りすぎるタイプじゃない。
お互い、ちょっとずつ様子を見ながら、
でも会話自体はちゃんと続いていた。
何日かやり取りして、
自然な流れで会うことになった。
最初のデートは、カフェと少し散歩くらい。
その日は特に問題なく終わった。
会話もできたし、
向こうも普通に笑っていた。
少なくとも俺は、
「次につながらない感じではない」
と思っていた。
そのあとも連絡は続いたし、
二回目の約束も決まった。
問題は、その二回目だった。
その日はショッピングモールと、その周辺をぶらぶらする感じだった。
天気は微妙で、
途中から少し雨も降りそうな空気だった。
でも向こうは普通に来てくれたし、
最初の感じも悪くなかった。
待ち合わせして、
軽く話しながら店を見て回って、
昼はフードコートじゃなくて、
少し落ち着いた店に入った。
その流れの中で、
俺は本当に何気なく、いくつか気づかいをした。
たとえば、
ドアを開けて先に通した。
メニューを見て迷っていたから、
「急がなくて大丈夫だよ」と言った。
店が混んでいたから、
席を先に確保して、
「こっち座ろう」と案内した。
向こうが買い物袋を持っていて、
少し手がふさがっている感じだったから、
「持つよ」と言って一つ持った。
これって、
俺の中では全部かなり自然な流れだった。
大げさに
「俺がやってあげるよ」
みたいな感じじゃない。
本当に、目の前でそうしたほうがラクそうだったからやっただけ。
それに、向こうもその場では
「ありがとう」
と普通に受け取っていた。
だから俺は、
それが相手にとってマイナスになっているなんて、
まったく思わなかった。
途中で、ちょっとした出来事があった。
歩いているとき、
向こうが手に持っていた小さいポーチを落とした。
俺は反射的に拾って、
「はい」と渡した。
そのとき、
ポーチのチャックが少し開いていて、
中身が見えそうだったから、
その場で軽く閉めてから渡した。
本当に、一瞬のことだった。
俺の中では、
“落とした物を拾って、整えて返した”
それだけだった。
でも、今思えば、
あのへんから向こうの空気が少し変わった気がする。
表面上は普通。
笑ってるし、会話もできる。
でも、距離が少しだけ戻った。
俺が何か話しかけても、
前よりワンテンポ遅い。
ちょっとした冗談にも、
笑うけど前ほど乗ってこない。
そのときは
「疲れたのかな」
くらいに思っていた。
でも、そのあとさらに決定打みたいな場面があった。
夕方、外に出たタイミングで雨が降ってきた。
強くはないけど、
そのまま歩くには微妙な雨だった。
俺は折りたたみ傘を持っていた。
だから、自然に開いて
「入る?」
と声をかけた。
これも、俺の中では普通のことだった。
自分だけ差すのも変だし、
近くにいるならそうするだろ、と思った。
向こうもその場では入ってきた。
でも、そのときの距離感が妙に硬い。
俺はできるだけ気をつかって、
肩がぶつからないように傘を少し寄せたり、
歩くスピードを合わせたりしていた。
でも、その時間の空気が妙にぎこちなかった。
そしてその日の帰り、
別れたあとのLINEで、
向こうの温度が明らかに下がった。
「今日はありがとう」
には返事が来る。
でも、それだけ。
前みたいな
「楽しかったね」
とか、
「また行こう」
みたいな前向きさがない。
俺は最初、
「今日は疲れてただけかな」
と考えた。
でもそのあと、
俺が次の約束を軽く聞いたとき、
返ってきたのはかなり曖昧な返事だった。
そこで、ああこれはダメかもな、と思った。
しばらくして、
共通の知人経由で、
なんとなく理由を聞く流れになった。
そこで言われたのが、
「なんか急に彼氏感が強くて無理だったらしい」
という話だった。
正直、そのときは
意味が分からなかった。
彼氏感って何だよ、と思った。
俺は告白もしていない。
付き合ってもいない。
呼び方を変えたわけでもない。
距離を詰めるような発言もしていない。
ただ、
ドアを開けた。
荷物を持った。
落としたものを拾った。
傘に入れた。
その程度だった。
でも相手からすると、
それが一気に
“自然な優しさ”じゃなくて
“彼氏みたいな距離感”に見えたらしい。
しかも、
「そこまでされると急に現実っぽくなって冷めた」
みたいなニュアンスだったと聞いて、
俺はかなりショックだった。
こっちからすると、
その日その場で必要そうだったからやっただけ。
わざと距離を詰めたつもりもなかったし、
下心を出したつもりもなかった。
むしろ、
そういう場面で何もしないほうが不自然だと思っていた。
なのに、
“ちょうどよく気をつかった”つもりの行動が、
相手の中では
“急に近すぎて無理”
になる。
これが本当に理解しづらかった。
そのあと、俺はかなり考えた。
荷物を持つのがダメだったのか。
落としたポーチを拾って、
チャックを閉めたのが踏み込みすぎだったのか。
傘に入れたのが近かったのか。
でも、どれもその場では自然にやったことだった。
“狙ってやった優しさ”じゃない。
だからこそ、余計に整理しづらかった。
もし俺が、
わざとカッコつけていたなら、
「やりすぎたな」で終われる。
でも実際は、
何も考えずにやった気づかいが、
あとから“気持ち悪い寄り”で受け取られていた。
それがかなりショックだった。
その経験のあと、
俺はしばらくデート中の行動が分からなくなった。
ドアを開けるべきか。
荷物は持たないほうがいいか。
何か落としても、すぐ拾わないほうがいいのか。
傘に入れるのも、距離が近すぎるのか。
そんなことを、いちいち考えるようになった。
本来なら自然にできるはずのことが、
全部“相手によっては地雷かもしれない行動”に見えてしまう。
それって、かなりしんどい。
優しくしすぎたとか、
スマートすぎたとか、
そういう話ならまだ分かる。
でもこのときの俺は、
ただその場で普通に対応しただけだった。
むしろ、
何もしないほうが冷たく見えるんじゃないか、
くらいに思っていた。
それでも、相手の中では
“理想の中の軽い距離感”が壊れたんだと思う。
メッセージの中で話してるぶんには、
まだ現実味がない。
でも実際に会って、
こっちが自然に気をつかうと、
急に“付き合ったらこういう距離感になる人なんだ”
って想像がリアルになってしまう。
そのリアルさが、
相手には重かったのかもしれない。
ただ、される側の男からすると、
そんなの分からない。
しかも、
悪気がある行動じゃないぶん、
余計に引っかかる。
嫌われるような失言をしたわけでもない。
マナー違反をしたわけでもない。
不潔だったわけでもない。
それなのに、
良かれと思ってやったことが、
そのまま終わりのきっかけになる。
だからこの体験は、
ただ単に
「相性が悪かった」
で片づけるには、後味が悪かった。
今でもたまに思う。
あのとき、
ポーチを拾ってそのまま渡していればよかったのか。
荷物を持たないほうがよかったのか。
雨の中でも、
「コンビニで傘買う?」くらいの距離感にしておけばよかったのか。
でも、そこまで全部あとからの話だ。
その場で自然に動いた結果がダメだったなら、
もう何が正解か分からない。
この経験で残ったのは、
“普通の気づかいすら、相手によっては一気に冷める理由になる”
という感覚だった。
それは、かなり厄介だった。
なぜなら、
自分の中で善意だったものにまで、
ブレーキをかけるようになるから。
優しさと押しつけの境目。
自然さと“彼氏感”の境目。
その線が相手ごとに違いすぎると、
蛙化された側は本当に立ち回りが分からなくなる。
だからこの話は、
怒りよりも、
ずっとモヤモヤが残った。
「じゃあ、あのとき俺はどうしてればよかったんだよ」
最後まで、その答えは出なかった。
「重い」で終わった・・・
この話は、
今でも思い出すとちょっと胃が重くなる。
なぜかというと、
俺はあのとき、ふざけたつもりも、
格好つけすぎたつもりもなかったからだ。
ただ、
ちゃんと気持ちを伝えたかった。
それだけだった。
相手とは、知り合ってからわりと長くやり取りしていた。
最初は友達の延長みたいな感じで、
いきなり恋愛っぽい空気があったわけじゃない。
でも、話していると楽しかった。
テンポも合うし、
変に無理して盛り上げなくても会話が続く。
LINEでも、
こっちが送れば普通に返ってくるし、
向こうからもたまに連絡が来る。
仕事の話、休日の話、
ちょっとした愚痴、
好きな音楽の話。
そういうやり取りが積み重なるうちに、
俺の中ではかなり大きい存在になっていた。
何回か会うこともできていたし、
会ってるときも空気は悪くなかった。
むしろ、
「これ、もしかしたらいけるかも」
と思ってしまうくらいには、
ちゃんとした手応えがあった。
向こうも笑ってくれるし、
俺の話を覚えてくれている。
この前話した内容を後から聞いてきたり、
「それ好きって言ってたよね」
みたいに言ってくれたりする。
そういうのって、男はやっぱり期待する。
ただ、俺はもともと、
口で気持ちを伝えるのがあまり得意じゃない。
その場のノリで軽く言うのも苦手だし、
ふざけながら好意をにじませるみたいなのも、
正直うまくできない。
だから、
自分の気持ちを伝えるときは、
どうしても“ちゃんとした言葉”で伝えたいタイプだった。
それが、今回裏目に出た。
きっかけは、相手の誕生日が近かったことだった。
大げさなプレゼントを用意したわけじゃない。
高いものを買ったわけでもない。
ちょっとした小物と、
短いメッセージを添えようと思っただけだった。
俺の中では、
それは自然なことだった。
何度か会っていて、
気になる相手で、
しかも誕生日。
だったら、少しくらい気持ちのこもった言葉を添えてもいいだろう、
そう思っていた。
むしろ、
物だけ渡して中身が空っぽに見えるほうが嫌だった。
だから俺は、
何を書くかかなり悩んだ。
重くしたくない。
でも、薄くもしたくない。
「おめでとう」だけだと軽すぎる。
でも、気持ちを入れすぎると怖い。
その間を取ろうとして、
俺は何回も文章を書き直した。
結果的に書いたのは、
「いつも一緒にいると落ち着くこと」
「話してる時間が楽しいこと」
「これからもまた会えたらうれしいこと」
そんな感じの、ごく真面目な文章だった。
長文のラブレターみたいなものじゃない。
ポエムみたいな言い回しもしていない。
変な比喩も使っていない。
でも、
俺の中ではかなり“気持ちを見せた文章”だった。
渡したとき、
相手はその場では普通に受け取ってくれた。
「ありがとう」
って笑ってくれたし、
その瞬間だけ見れば、
別に悪い空気ではなかった。
だから俺は、
ちょっと安心していた。
ああ、ちゃんと受け取ってくれたな、
よかったな、と。
でも、そのあとから空気が変わった。
最初は、
本当に小さい違和感だった。
LINEの返信が少し遅くなる。
返ってくる文が短くなる。
前なら向こうから広げてくれた話題が、
そこで止まる。
最初は
「忙しいのかな」
と思った。
誕生日の前後なんて、
予定が入ることもあるし、
単純にタイミングが悪かっただけかもしれない。
そう思っていた。
でも、数日経っても戻らない。
俺が何か送っても、
返事は来る。
ただ、明らかに前より薄い。
前なら
「それでどうだった?」
って返ってきたところが、
今は
「そうなんだ」
で終わる。
前なら
「今度それ行ってみたい」
って乗ってきたところが、
今は
「いいね」
で閉じる。
その変化が、
かなりはっきり見えた。
俺はその時点で、
たぶん原因はあのメッセージだな、
と思い始めていた。
でも、認めたくなかった。
だって俺は、
相手を困らせるつもりで書いたわけじゃない。
ただ、ちゃんと大事に思ってることを、
変に軽く流したくなかっただけだったから。
それなのに、
そこから相手の温度が下がると、
どうしても自分の言葉そのものを否定された気分になる。
決定的だったのは、
そのあと会おうとしたときだった。
俺が
「また近いうちにごはん行こう」
と送ると、
返ってきたのは
「最近ちょっと忙しくて」
という、やんわりした断りだった。
その文面自体は丁寧だった。
でも、もう分かった。
これはただ予定が合わないんじゃなくて、
距離を取られてるんだな、と。
しばらくして、
共通の知り合いから、
なんとなく相手の反応を聞く流れになった。
そこで言われたのが、
「メッセージが思ったより重く感じたみたい」
ということだった。
その瞬間、
正直かなりキツかった。
恥ずかしかった。
情けなかった。
あと、純粋にショックだった。
だって俺は、
“ちゃんとしよう”としただけだったから。
適当にしたくなかった。
軽い男だと思われたくなかった。
言葉を雑に扱いたくなかった。
でも、その真面目さごと
「重い」
で処理された感じがした。
それがかなりつらかった。
そこから先、
俺は自分の文章が怖くなった。
この言い回しは重いか。
「うれしい」は入れないほうがいいか。
「また会いたい」は圧か。
「落ち着く」はもう恋人っぽすぎるのか。
そんなことを、
送るたびに考えるようになった。
しかも厄介なのは、
文章って残ることだ。
会話なら、言った瞬間に流れていく。
でも、メッセージや手紙は残る。
送ったあとも、
何度も読み返して、
何度でも自分を傷つけられる。
「あ、この一文キツいな」
「ここ、もっと軽くできたな」
「なんでこんな真面目に書いたんだろう」
そうやって、
後からいくらでも反省できる。
でも、どれだけ読み返しても、
俺には“そこまで重すぎる”とは思えなかった。
確かに、軽くはなかった。
でも、変にポエムでもない。
気持ちをそのまま言葉にした、
ただそれだけだった。
それでも相手には、
その“ちゃんとした温度”が、
一気に現実味を持ちすぎて見えたんだと思う。
今までは、
なんとなく楽しく話す相手。
ちょっと気になる相手。
そのくらいの距離だった。
でも俺が、
言葉で気持ちを形にした瞬間、
相手の中で
「この人は本気なんだ」
が急に重くなった。
その瞬間に、
ふっと引かれたんだと思う。
される側の男からすると、
これが本当にしんどい。
気持ちを雑にしてもダメそうで、
真面目にしても“重い”になる。
じゃあ、どこが正解なんだよ、
ってなる。
この経験のあと、
俺はしばらく
“ちゃんとした言葉”を使うのが怖くなった。
好きな相手でも、
軽くしか言えない。
本音を見せるのをためらう。
少しでも真面目な温度を出すと、
また同じことになる気がする。
本当は、
あのときの俺が全部悪かったとは今でも思っていない。
ただ、
相手の欲しかった距離感と、
俺の“誠実に伝えたい”が、
そこでズレただけなんだと思う。
でも、そのズレで終わる側はきつい。
何か最低なことをしたなら、まだ整理できる。
けど、
真面目に伝えただけで冷められると、
自分のまっすぐさそのものが、
否定された気分になる。
食事中の何気ないクセで、一気に空気が変わった
直樹・30歳・不動産営業
この話は、
あとから考えると、
たぶん俺にも原因があった。
でもそのぶん、
逆にかなり引きずった。
なぜなら、
自分ではずっと普通だと思っていたことが、
相手から見たら一発アウトだった
からだ。
相手とは、仕事つながりで知り合った。
いきなり恋愛っぽい感じではなくて、
最初は顔を合わせたときに少し話すくらい。
でも、何回か会ってるうちに、
向こうからも話しかけてくれるようになった。
連絡先も交換して、
そこから少しずつやり取りが増えた。
相手は明るいタイプで、
会話のテンポもいい。
俺が冗談を言えばちゃんと笑ってくれるし、
こっちも自然に話せた。
何より、
一緒にいて気を使いすぎなくていい感じがあった。
その“ラクさ”って大きい。
無理して盛り上げなくても空気が持つ相手って、
男からするとかなり貴重だと思う。
だから俺は、
会うたびに少しずつ気になるようになっていった。
何回か軽く飲みに行って、
向こうも断らずに来てくれる。
連絡しても普通に返ってくる。
俺の中では、
少なくともかなり悪くない流れだと思っていた。
問題が起きたのは、
三回目くらいの食事だった。
その日は、
仕事終わりに和食系の店に入った。
そんなに高級な店じゃないけど、
落ち着いて話せる感じのところだった。
最初の空気は普通だった。
むしろ、いつも通り。
仕事の話もしたし、
最近ハマってるものの話もしたし、
笑う場面もあった。
俺はその時点で、
まさかここから急に相手の温度が下がるとは、
本当に思っていなかった。
食事が運ばれてきて、
普通に食べ始めた。
俺の中では、
いつも通りだった。
会話しながら食べて、
たまに水を飲んで、
また話して。
でも、今思えば、
そのへんから向こうの様子が少し変わっていた。
さっきまで普通に笑っていたのに、
何となくリアクションが薄くなる。
話していても、
一瞬だけ目線がテーブルに落ちることが増える。
その場では、
俺はまったく気づいていなかった。
むしろ、
「疲れてるのかな」
くらいに思っていた。
でも、帰り際になる頃には、
明らかに空気が変わっていた。
感じが悪いわけじゃない。
ただ、少し距離ができている。
会話はできるけど、
さっきまでの自然な近さがなくなっている。
その日は一応、普通に別れた。
でも、家に帰ってから送った
「今日はありがとう」
に対する返事が、かなりそっけなかった。
そこから先、
やり取りの温度はどんどん下がった。
返信は来る。
でも短い。
前みたいな前向きさがない。
会おうとしても、
やんわりかわされる。
そこで俺は、
ようやく
「あれ、何かやったか?」
と思い始めた。
でもその時点では、
本当に思い当たることがなかった。
失礼なことを言った覚えもない。
会話で地雷を踏んだ感じもない。
酒で失敗したわけでもない。
じゃあ何だったんだ、と。
しばらくして、
共通の知人から、
かなりやんわりと理由を聞いた。
そこで言われたのが、
「食べ方がちょっと気になったみたい」
という話だった。
最初、
意味が分からなかった。
食べ方?
と思った。
でも、詳しく聞くと、
俺はどうやら
会話しながら食べるときに、
口に物が少し入ったまま喋ることがあったらしい。
あと、
箸の使い方もそんなにきれいじゃなかった。
さらに、
食べるスピードが少し早くて、
落ち着きなく見えたみたいだった。
それを聞いた瞬間、
俺はかなりショックだった。
なぜなら、
それって自分の中では
“いつものこと”
だったからだ。
家でもそうだし、
友達といるときも、
特に指摘されたことはなかった。
だから、
自分ではそれがそんなにマイナスになると思っていなかった。
でも、恋愛の場では違った。
しかも怖いのは、
相手にとっては
一個一個がそこまで大きくなくても、
積み重なると一気に“無理”になることだった。
クチャクチャ音を立てたわけじゃない。
露骨に汚く食べていたわけでもない。
でも、
口に入ったまま少し喋る。
箸がきれいじゃない。
食べるのが少しせわしない。
その細かい違和感が、
食事の一時間ちょっとの中で積み重なって、
相手の中では
「なんか無理」
になったらしい。
これ、かなりキツかった。
なぜなら、
大きな失敗じゃないぶん、
その場で自分では絶対に気づけないから。
遅刻したとか、
失礼な発言をしたとかなら分かる。
でも、食べ方のクセって、
自分では“普通”になってる。
だから、
あとから言われるまで気づかない。
しかも、言われたときにはもう終わってる。
俺はそのあと、
本気で自分の食べ方を意識するようになった。
口に入ってるときは喋らない。
一回飲み込んでから話す。
箸の持ち方を見直す。
食べるスピードを落とす。
皿の中でガチャガチャしない。
今まで、
そんなの気にしたこともなかった。
でも一回こういう経験をすると、
食事中ずっと自分を監視するようになる。
恋愛って、
会話の内容とか価値観だけじゃなくて、
こういう生活感が一気に見える場面で、
想像以上に印象が決まるんだなと思った。
特に食事って、
その人の普段が出る。
取り繕いにくいし、
ちょっとした癖も見える。
たぶん相手は、
俺のことを嫌いになったというより、
一緒に食事する未来を想像したときに、
無理だと思ったんだろう。
そう考えると、
それはそれで分からなくもない。
でも、される側としてはショックだ。
なぜなら、
自分の中でずっと当たり前だった“普通”が、
異性から見ると一気に減点対象になるから。
この経験のあと、
俺は食事の場でかなり慎重になった。
それ自体は悪いことじゃない。
むしろ、改善できた点もあると思う。
でも同時に、
「自然にしてるつもりでも、それで終わることがある」
という怖さも残った。
何が一番きつかったかというと、
相手に冷められたこと以上に、
“今までの自分の普通”を否定された感じがしたことだった。
マナーって、
悪気がなくても出る。
育ってきた癖とか、
生活のリズムとか、
そういうのがそのまま出る。
だからこそ、
そこを理由に無理になられると、
一時的な失敗じゃなくて
“自分そのもの”をダメだと言われた感じがする。
この話は、
正直、反省はある。
でも反省があるぶん、
「じゃあ最初から気づいてたら防げたのに」
って悔しさも強い。
食事の時間って、
仲良くなるための時間でもあるはずなのに、
同時に、
一番一気に冷められる時間にもなるんだなと、
身をもって知った。
ちょっとした頼りなさを見せた瞬間、急に男として見られなくなった
自分でもかなり情けなかった。
しかも、
一つの大きな失敗じゃなくて、
小さい“もたつき”が重なって、
最後に一気に空気が変わった
って感じだった。
相手とは、友達の紹介で知り合った。
最初の印象は悪くなかったと思う。
向こうも話しやすいタイプで、
こっちも無理せず話せた。
LINEも普通に続いていたし、
最初のごはんもいい感じで終わった。
その時点で俺は、
「少なくとも次も会えるな」
と思っていた。
実際、二回目のデートも決まった。
その日は、
車で少し離れた場所にある大型ショッピングモールに行く流れだった。
俺が車を出すことになって、
正直ちょっと張り切っていた。
変に見栄を張ったわけじゃない。
でも、
男としてはやっぱり
“スマートにエスコートしたい”
みたいな気持ちはある。
運転も、
普段はそこまで苦手じゃない。
極端に下手でもないし、
事故るようなタイプでもない。
だから俺の中では、
普通にやれば問題ないと思っていた。
でも、その日は細かいところで、
ずっと噛み合わなかった。
まず、待ち合わせの時点で少しつまずいた。
俺は事前に
「駅の西口で拾うね」
と伝えていた。
でも実際に行ってみると、
西口って思ったより停めにくい。
車も多いし、
タクシーもいるし、
後ろから煽るほどじゃないけど圧をかけてくる車もいる。
俺は少し焦って、
一回通り過ぎてしまった。
相手には
「ごめん、今もう一周する」
って連絡した。
向こうは
「大丈夫だよ」
と返してくれた。
この時点では、
まだ大したことじゃない。
俺もそう思っていた。
でも、こういう小さいもたつきって、
そのあとに地味に響く。
ようやく拾って、
車を出して、
最初は普通に会話していた。
でも、目的地の駐車場で、
また俺は少し手間取った。
空いてるスペースはあった。
ただ、そこが少し入れにくい位置だった。
俺は一回でうまく入れられず、
切り返しを何回かした。
普段なら別に焦らない場面だったと思う。
でも、隣に気になる相手が乗ってると、
変に意識してしまう。
切り返すたびに、
自分でも
「あ、ダサいなこれ」
って思う。
しかも、そう思えば思うほど、
余計に雑になる。
ハンドルの戻し方が半端になったり、
タイミングがズレたりして、
余計にもたつく。
やっと停め終わったとき、
相手は別に何も言わなかった。
でも、
あの短い沈黙がちょっとキツかった。
フォローされない静けさって、
逆に全部伝わる。
それでも、
まだ取り返せると思っていた。
中に入ってからは普通にしよう、
そう切り替えた。
でも、その日って、
なぜか細かいところで全部ズレた。
フードコートで席を探すときも、
俺はどこが空いてるかすぐ見つけられなくて、
お盆を持ったまま少しウロウロした。
本当に数十秒のことだと思う。
でも、自分では
「なんか要領悪く見えるな」
って分かっていた。
さらに、会計のとき、
俺はキャッシュレスで払うつもりだったのに、
アプリの起動がもたついた。
電波のせいか、
アプリの読み込みが遅かったのか、
一瞬フリーズしたみたいになって、
レジ前でちょっと止まった。
店員さんは待ってる。
後ろにも人がいる。
相手も横にいる。
あの数秒って、
めちゃくちゃ長く感じる。
結局支払いはできた。
でもその瞬間、
自分の中でかなり削られていた。
落ち着いて見えない。
スマートじゃない。
全部、中途半端。
男として、
見せたい姿を何一つ見せられていない感じがした。
それでも、
会話自体は続いていた。
向こうも普通に返してくれるし、
露骨に嫌な顔はしていない。
だから俺は、
まだ気にしすぎだと思おうとしていた。
でも決定打になったのは、
帰りだった。
モールを出たあと、
帰り道でコンビニに寄った。
そこで俺は、
飲み物を買おうとして、
小銭を探すのにもたついた。
別に数十秒の話だ。
財布の中が少し散らかっていて、
一円玉と五円玉が増えていて、
レジ前でちょっと手間取っただけ。
それだけなんだけど、
そのときの自分には、
「あ、今日ずっとこうだな」
って分かってしまった。
一個一個は小さい。
でも全部が
“頼れる男”の逆をいってる。
その日は一応、普通に終わった。
でも帰り際、
向こうの空気は明らかに最初より引いていた。
笑顔はある。
でも、どこか壁がある。
次の話も出ない。
そのあと送ったLINEも、
返事は来るけど薄かった。
前みたいな温度はもうなかった。
そして数日後、
向こうから自然にフェードアウトされる感じになった。
はっきり理由を言われたわけじゃない。
でも、共通の友達経由で
なんとなく聞いた話では、
「悪い人じゃないけど、なんか頼りなく見えた」
「一緒にいて恋愛のドキドキより、不安のほうが勝った」
みたいなニュアンスだったらしい。
それを聞いたとき、
かなり刺さった。
なぜなら、
俺は別に性格が頼りないつもりはなかったから。
仕事だって普通にやってる。
責任感がないわけでもない。
約束を破るタイプでもない。
でも、恋愛の場って、
そういう“中身”が伝わる前に、
一瞬の見え方で判断されることがある。
駐車でもたつく。
席探しでウロウロする。
レジ前であたふたする。
その細かい場面で、
相手の中では
「この人、頼りないかも」
が積み上がっていく。
そしてその印象って、
たぶん一回つくと早い。
一つ一つは大したミスじゃない。
でも、短い時間の中で何回も続くと、
“偶然”じゃなくて“その人らしさ”に見える。
それが怖いところだと思った。
この経験のあと、
俺はかなり長い間、
デート中に小さい失敗をすると一気に焦るようになった。
駐車で一回切り返しただけで、
「あ、また印象悪くなったかも」
と考える。
レジで財布を出すのに一瞬迷うだけで、
「今ので冷められたかも」
と思う。
つまり、
ミスそのものより、
“ミスした自分を意識しすぎる状態”が残った。
これがかなり厄介だった。
本当は、
人間なんだから多少もたつくことはある。
完璧にスマートなやつばかりじゃない。
でも、恋愛の場だと、
そういう小さいもたつきが
“男として頼れるかどうか”に直結して見られることがある。
しかも、
自分の中ではただの一瞬でも、
相手にはその一瞬が強く残る。
この話で一番つらかったのは、
悪気も失礼もないのに、
“要領の悪さ”だけで急に対象外になることがある、
って分かったことだった。
もちろん、
そこで終わる相手とは相性が悪かっただけかもしれない。
そう思うようにはしてる。
でも、
される側としてはやっぱりキツい。
何か最低なことをしたなら反省しやすい。
でも、
ちょっとしたもたつきの積み重ねで
“男として見られなくなる”のは、
対策しづらいし、地味に自尊心にくる。
今でもあの日を思い出すと、
いちばん残ってるのは、
一個の大失敗じゃない。
駐車、席探し、会計、小銭。
そういう細かい場面が全部つながって、
最後に
「なんか違う」
になった感覚だ。
生活感を見られた瞬間に終わった・・・
正直かなりこたえた。
なぜなら、
自分ではずっと
「最低限の清潔感はある」
と思っていたからだ。
服も普通に洗う。
風呂にも入る。
仕事に行くときに、
明らかにだらしない格好をしているわけでもない。
だから俺の中では、
清潔感で大きくマイナスになるなんて、
ほとんど想像していなかった。
でも実際は、
見た目の清潔感と、
“生活の中で見える清潔感”は別だった。
相手とは、
知人の紹介で知り合った。
年齢も近くて、
話してみるとかなりテンポが合った。
お互い仕事が忙しいタイプだったから、
最初から毎日ベタベタ連絡する感じではなかったけど、
逆にそこが合っていた。
返信が少し遅くても気まずくならないし、
会うときはちゃんと会話が続く。
最初の何回かのデートは、
かなり順調だったと思う。
ごはんに行って、
普通に笑って、
次の約束も自然に決まる。
相手も大人っぽいタイプで、
変に駆け引きしてくる感じもない。
俺もその空気がラクで、
だんだんちゃんと気になるようになっていった。
問題になったのは、
三回目くらいに、
俺の家の近くで会ったときだった。
その日は、
近場の店でごはんを食べてから、
時間が少し余った。
で、相手が
「ちょっと休める場所ある?」
みたいな流れで言ってきた。
本当に軽い流れだった。
終電まで少し時間があるし、
カフェに入り直すほどでもない。
じゃあ、近いしうちで少しだけ、
みたいな感じになった。
今思えば、
あのときもっと慎重になるべきだった。
というのも、
俺はその時点で、
部屋を“人をちゃんと呼べる状態”にはしていなかった。
汚部屋ってほどじゃない。
ゴミが床に散乱してるとか、
何日分もの弁当容器が置いてあるとか、
そういうレベルじゃない。
でも、
普通に一人暮らしの男の生活感が出ていた。
脱いだ部屋着が椅子にかかっている。
洗濯物をたたみきれていない。
テーブルの端に郵便物が寄せてある。
洗面所に使いかけの整髪料や歯磨き粉が雑に置いてある。
ベッドまわりも、
“整ってる”とは言いがたい。
俺の中では、
それは
「まあ一人暮らしならこんなもん」
だった。
実際、自分一人でいるぶんには困っていない。
仕事から帰ってきて、
とりあえず生活は回っている。
別に臭うわけでもないし、
害があるわけでもない。
でも、
相手が部屋に入った瞬間、
俺は少しだけ表情が止まったのを見た。
ほんの一瞬だった。
向こうはすぐに普通の顔に戻して、
「お邪魔します」
と言ってくれた。
だからその時点では、
俺もそこまで深く考えなかった。
でも、部屋の空気は明らかに変わっていた。
それまでは普通に話していたのに、
うちに入ってから少しテンションが落ちた。
座っても、
どこか落ち着いていない。
俺はそのとき初めて、
「あれ、もしかして部屋、まずかったか?」
と思った。
慌てて
「ちょっと散らかっててごめん」
とは言った。
でも、その言葉を口に出した時点で、
自分でも終わった気がした。
なぜなら、
“ちょっと散らかってる”って、
自分で言うほど相手に意識させるからだ。
しかも、
そこで無理に片づけるのも逆にダサい。
だから俺は、
その場を普通に過ごすしかなかった。
でも、もう遅かった。
向こうは露骨に嫌な態度を取るわけじゃない。
ただ、明らかに距離がある。
部屋のものを見ないようにしてる感じもあるし、
長居する気がないのも分かる。
結局、その日は少しだけ話して、
すぐに出る流れになった。
その時点で、
俺はかなり嫌な予感がしていた。
案の定、
そのあとからやり取りの温度が落ちた。
返信は来る。
でも短い。
向こうから話題を振ってこない。
次に会う話をしても、
「最近ちょっと忙しくて」
と、やんわり流される。
ここまで来ると、
さすがに分かる。
ああ、あの部屋だな、と。
しばらくして、
共通の知り合い経由で
なんとなく聞こえてきたのが、
「見た目は普通だったけど、生活感がだらしなく見えた」
「部屋を見て、一気に将来のイメージが無理になった」
みたいな話だった。
これ、かなり刺さった。
なぜなら、
相手が嫌だったのは
“部屋が少し散らかっていたこと”そのものじゃなくて、
その部屋から見えた俺の生活そのもの
だったからだ。
洗濯物を放置する人。
使ったものを元に戻さない人。
細かいところを整えない人。
そういうイメージが、
一気についてしまったんだと思う。
しかも怖いのは、
一度そう見られると、
その場で挽回しにくいことだ。
会話で取り返せる話じゃない。
「いや、普段はちゃんとしてる」と言っても、
目の前の現実が違えば説得力はない。
俺としては、
別に不潔なつもりはなかった。
ただ、仕事で疲れて帰ってきて、
片づけが後回しになっていただけ。
休日にまとめてやろうと思っていただけ。
でも、相手にとっては、
その“後回しにする感じ”そのものが無理だったんだと思う。
この経験のあと、
俺は自分の部屋の見え方をかなり気にするようになった。
誰かを呼ぶ予定がなくても、
洗濯物は見えるところに置かない。
水回りは最低限きれいにする。
テーブルの上に紙類を積まない。
玄関の靴を出しっぱなしにしない。
正直、
それまでの俺からすると、
そこまで気にするのかって感じだった。
でも、一回こういう形で終わると、
“生活感”ってかなり強い情報なんだと分かる。
服装や髪型って、
外ではある程度整えられる。
でも部屋は、
取り繕ってない生活そのものが出る。
そして恋愛では、
そこを見られた瞬間に、
一気に冷められることがある。
何が一番きつかったかというと、
俺の中では
「ちょっと部屋が散らかってただけ」
だったことが、
相手には
「この人と付き合った先の生活が見えた」
になっていたことだ。
そのスケールの差が、かなり重かった。
ただの失恋というより、
生活そのものにダメ出しされた感覚が残る。
しかもそれって、
言い訳しづらい。
だって、実際に見せてしまったから。
この体験で強く残ったのは、
恋愛って、
見た目の清潔感だけじゃ足りないんだな、
ということだった。
服がきれいでも、
髪を整えていても、
生活が見えた瞬間に
“だらしなさ”が出れば、一気に終わる。
それは、かなり現実的で、
かなりきつい学びだった。
店員への態度で、その場で見切られた
今振り返ると、
かなり自分の未熟さが出ていたと思う。
だからこそ、
思い出すとしんどい。
なぜならこれは、
相手の気まぐれとか、
理不尽な冷め方というより、
自分の態度で、自分から終わらせた話
だからだ。
相手とは、
アプリで知り合った。
最初のやり取りはわりと順調で、
会話のテンポも悪くなかった。
向こうもちゃんと返してくれるし、
写真やプロフィールの感じより、
実際に話してみたらもっと落ち着いていて話しやすかった。
一回目のデートも、
普通にいい感じで終わったと思う。
ごはんを食べて、
少し歩いて、
また会えそうな空気もあった。
その時点で俺は、
かなり前向きになっていた。
「これは二回目もいけるな」
と思っていたし、
実際に二回目の約束も決まった。
問題が起きたのは、
二回目に入った飲食店でのことだった。
その日は、
駅近くの少し人気のある店で会った。
予約はしていたけど、
店に入ってから少し案内が遅かった。
俺は仕事帰りで、
その日ちょうどかなりイライラしていた。
配送の遅れとか、
上司とのやり取りとか、
朝からずっと細かいストレスが重なっていた。
もちろん、
そんなの相手には関係ない。
頭では分かっていた。
でも、その時の俺は、
そのイライラをうまく切り替えられていなかった。
店員さんが
「少々お待ちください」
と言ってから、
案内まで少し時間がかかった。
たぶん、数分だと思う。
でも俺はその時、
妙にその待ち時間にイラついてしまった。
相手は普通に待っていた。
スマホを見るでもなく、
別に不満そうな感じもない。
でも俺は、
そこで小さく
「予約してんのに段取り悪いな」
みたいなことを言ってしまった。
大声じゃない。
怒鳴ったわけでもない。
でも、明らかに不機嫌なトーンだった。
その瞬間、
相手が一瞬だけ黙った。
正直、その時点でやめておけばよかった。
でも俺は、
そこからさらによくなかった。
席についてからも、
注文を取りに来るのが少し遅かった。
それに対して俺は、
店員さんに
「すみません、まだですか?」
と、少し強めの口調で言ってしまった。
別に暴言じゃない。
でも、言い方が明らかにトゲトゲしていた。
その時の店員さんは
「申し訳ありません」
とすぐ対応してくれた。
普通なら、
そこで終わる話だったと思う。
でも、相手の空気はその時点でかなり変わっていた。
さっきまで普通に話していたのに、
明らかに少し引いている。
会話はしてくれる。
でも、テンポが落ちている。
笑顔も減っている。
俺も途中から、
「あ、やばいかも」
とは思った。
でも、一回そういう空気を出してしまうと、
そこから自然に戻すのが難しい。
無理に明るくしても、
逆にわざとらしい。
だから俺は、
とりあえず普通にしようとした。
でも、その“普通”がもう戻らない。
食事中の会話も、
成立はする。
でも、最初みたいなやわらかさがない。
相手が明らかに、
俺そのものを見直し始めている感じがあった。
その日は一応、
最後まで大きなトラブルなく終わった。
別れ際も、
表面上は普通だった。
でも、俺はもう分かっていた。
たぶん終わったな、と。
案の定、
そのあとから返信が薄くなった。
次の話も出ない。
こっちが会おうとしても、
やんわり流される。
しばらくして、
はっきりではないけど、
向こうから距離を置かれてるのが分かった。
そこで俺は、
かなり冷静になって考えた。
で、すぐ分かった。
原因は完全にあの店での態度だ、と。
その後、
共通の知り合い経由で
なんとなく聞いた話でも、
「店員さんへの態度を見て、無理だと思った」
「自分に向けられてなくても、そういう話し方する人は無理」
という感じだった。
それを聞いて、
正直かなり刺さった。
なぜなら、
言い返せないからだ。
相手の勘違いでもない。
その場で俺が実際にそう振る舞った。
しかも、
そのときの俺は
“そこまでひどくない”
と心のどこかで思っていた。
怒鳴ってないし。
暴言吐いてないし。
ただちょっと不機嫌だっただけ。
でも、
見る側からすれば十分だったんだと思う。
恋愛の場って、
相手が自分に優しいかどうかだけじゃなくて、
“自分以外の人にどう接するか”もかなり見られる。
特に店員さんみたいに、
立場上、言い返しにくい相手への態度って、
その人の本音が出やすい。
相手はたぶん、
その場で俺の将来の姿まで見たんだと思う。
機嫌が悪いと、
周りに当たる人。
自分より弱い立場の相手に雑になる人。
そういうふうに見えたんだろう。
そして、
その見え方はたぶん間違ってなかった。
その時の俺は、
実際にそうだったから。
この経験のあと、
俺はかなり反省した。
というか、
恋愛以前に人としてまずいと思った。
仕事でイライラしていたこと。
疲れていたこと。
そんなのは理由にならない。
デートに来た時点で、
その空気を相手に持ち込んだのは俺だし、
さらに店員さんにぶつけたのも俺だ。
それで冷められたなら、
そりゃそうだと思う。
でも、それでもやっぱり、
ダメージは残る。
なぜなら、
自分の“素の悪い部分”が出た瞬間に見切られた、
という感覚が強いからだ。
取り繕ってる間はうまくいっていた。
でも、ちょっとイラついただけで、
中身が出た。
そして、その中身で切られた。
それって、かなり重い。
自分の失敗だと分かっているぶん、
「相性が悪かった」で済ませられない。
もしあの時、
あの一言を飲み込めていれば。
もし、少し笑って流せていれば。
そういう後悔が何度も出てくる。
あの経験のあと、
俺は店でもタクシーでもコンビニでも、
“自分の言い方”を意識するようになった。
急いでいても、
語気を強くしない。
不満があっても、
まず一回落ち着く。
相手にぶつけない。
当たり前のことだけど、
俺はあのときまで、
それをちゃんとできる人間だと思い込んでいた。
でも実際は、
気分ひとつで雑になる瞬間があった。
それを、
好きになりかけていた相手に見抜かれた。
この話で一番きつかったのは、
振られたことより、
「無理だと思われた理由に、自分でも納得してしまうこと」
だった。
何気なく言った一言で・・・
あとから思い返しても、
一番ゾッとするタイプの失敗だった。
なぜなら、
自分ではその場で
“そこまでまずいことを言った”自覚が薄かった
からだ。
つまり、
悪気なく言った一言で、
一気に人として見切られた。
それがかなり怖かった。
相手とは、
友達の飲み会で知り合った。
最初はグループで話していて、
そこから少しずつ二人でも話すようになった。
向こうは話しやすくて、
こっちもテンポが合った。
連絡先を交換してからも、
普通にやり取りが続いたし、
何回かごはんにも行った。
少なくとも俺の中では、
かなり順調だった。
一緒にいて変に気を使いすぎないし、
笑いの感覚も近い。
だから俺は、
このままもう少し距離が縮まるかも、
と思っていた。
問題が起きたのは、
三回目くらいに会った日の帰り道だった。
その日は、
ごはんを食べて、
少し散歩しながら駅に向かっていた。
会話も普通に続いていたし、
特に変な空気はなかった。
その途中で、
道路の向こうを救急車が通った。
サイレンの音が大きくて、
一瞬会話が途切れた。
そのとき俺は、
本当に軽いノリで
「うわ、めっちゃうるさいな」
みたいなことを言った。
深く考えていなかった。
あくまでその場の音に対する反応、
くらいの感覚だった。
でも、
言った瞬間、
相手の空気が変わった。
一瞬、
会話が止まった。
相手はすぐには何も言わなかった。
でも、明らかにその場の温度が下がったのが分かった。
俺は最初、
何が起きたのか分からなかった。
え、今ので?
という感じだった。
でも相手は少ししてから、
静かに
「誰か運ばれてるかもしれないのに、そういう言い方するんだ」
と言った。
その瞬間、
俺はかなりまずいことを言ったんだと気づいた。
ただ、その時点でも、
正直に言うと
“そこまで致命的か?”
という気持ちが一瞬あった。
たしかに配慮がなかった。
でも、
そこまで本気で悪意があったわけじゃない。
単に音に対して反応しただけ。
でも、
そういうふうに考えた時点で、
たぶん俺はズレてたんだと思う。
相手からすると、
問題は
“悪意があったかどうか”じゃなかった。
誰かが緊急で運ばれているかもしれない場面で、
最初に出る言葉が
「うるさい」
なのか、ってことだった。
つまり、
その一言で
俺の人間性の優先順位が見えたんだと思う。
自分の会話が遮られたこと。
自分がうるさく感じたこと。
そっちが先に出る人なんだな、と。
そこから先、
空気は明らかに戻らなかった。
俺も慌てて
「いや、ごめん、そういう意味じゃなくて」
とは言った。
でも、こういうのって、
一回出た言葉は消えない。
言い直しても、
取り消せない。
しかも最悪なのは、
“そういう意味じゃない”と言いながら、
じゃあどういう意味なんだと言われると、
うまく説明できないことだった。
ただの無神経。
それ以上でもそれ以下でもない。
その日はそのまま駅で別れた。
表面上は普通だったけど、
俺はかなり嫌な予感がしていた。
案の定、
そのあとから連絡の温度が落ちた。
返信は来る。
でも短い。
前みたいなやわらかさがない。
こっちが次の予定を聞いても、
やんわり流される。
そこで、
ああ終わったな、と思った。
しばらくして、
共通の友達経由で聞いた話でも、
理由はほぼその一言だった。
「あの発言で、人として無理だと思った」
「悪気がないなら、なおさら価値観が合わない」
みたいな感じだった。
これ、かなり刺さった。
なぜなら、
その時の俺には
“たった一言”だったからだ。
でも相手にとっては、
その一言が
“この人がどういう人か”を判断するには十分だった。
そして正直、
それは分からなくもない。
恋愛って、
見た目とか会話のテンポだけで進むわけじゃない。
最終的には、
その人がどういう感覚で世界を見てるか、
そこを見られる。
で、その感覚って、
何気ない一言に一番出る。
頭で考えて整えた言葉じゃなくて、
反射的に出た言葉。
そこに、その人の素が出る。
あのときの俺は、
まさにそこを見られたんだと思う。
しかも、
こういう失敗はあとからかなりきつい。
なぜなら、
態度やマナーなら
次から意識して直しやすい。
でも“反射で出る言葉”って、
自分の根っこの感覚に近い。
だから、
一回こういう形で失敗すると、
「俺ってそもそも無神経なのかも」
ってところまで考えてしまう。
実際、そのあとしばらく
俺は自分の言葉をかなり気にするようになった。
何か起きたとき、
最初に何を言うか。
笑いとして言ってるつもりでも、
相手にどう聞こえるか。
自分本位な反応が先に出てないか。
そこを意識するようになった。
それ自体は悪いことじゃない。
むしろ、あの経験がなかったら、
俺は自分の無神経さにもっと鈍いままだったと思う。
でも、
やっぱりダメージは残る。
なぜなら、
あのとき切られたのは
服装でも、会話テクニックでも、
恋愛の駆け引きでもない。
人としての感じ方そのものだったから。
それって、
かなり深いところを否定された感じがする。
しかも、
相手がそう判断した理由に、
自分でもある程度納得できてしまう。
それがまたきつい。
この話で一番残ったのは、
恋愛の場って、
“いい感じの空気”を積み上げるよりも、
たった一言で一気に崩れることがある、
という現実だった。
しかもその一言が、
自分では軽く流したつもりの言葉だったとき、
あとからのショックはかなり大きい。
今でもたまに思う。
あのとき、
黙って見送るだけだったら。
せめて
「すごい音だね」
くらいにしておけば。
そんな後悔はいくらでも出てくる。
でも、実際に出たのは
「うるさい」
だった。
その事実は変わらない。
一気に恋愛対象から外された・・・
今でも思い出すと、
地味に恥ずかしい。
相手とは、
友達の紹介で知り合った。
最初はLINEだけでやり取りしていて、
そこから何回かごはんに行くようになった。
話しやすいし、
変に気を使いすぎなくていい相手だった。
向こうもよく笑うし、
会話のテンポも悪くない。
こっちが送った内容に対しても、
ちゃんと返してくれる。
少なくとも俺の中では、
かなり順調な流れだった。
一回目の食事も普通に盛り上がったし、
二回目のデートも、
次につながる感じで終わった。
その時点で俺は、
かなり気が緩んでいたと思う。
もちろん、
見た目をまったく気にしなくなっていたわけじゃない。
髪は整えるし、
服もちゃんと選ぶ。
ヒゲも剃る。
でも、
“細かいところまで完璧に見る”
という意識は正直なかった。
その日、
俺たちは少し落ち着いた和食の店に行った。
テーブル席じゃなくて、
靴を脱いで上がるタイプの店だった。
そこで、
あの失敗が起きた。
店に入る前、
俺は靴を脱いだ。
それ自体は普通のことだし、
その瞬間までは、
何も気にしていなかった。
でもそのとき、
自分の靴下の親指のあたりが、
少し薄くなっていた。
穴が開いていたわけじゃない。
でも、生地が薄くなっていて、
爪の輪郭が少し分かるくらいだった。
普段なら、
自分でもそこまで気にしないレベルだったと思う。
履くときも、
「まあまだいけるか」
くらいで済ませていた。
それが、
完全にダメだった。
俺は、
席についてしばらくしてから、
相手の空気が少し変わったのを感じた。
さっきまで普通に話していたのに、
リアクションが少し薄い。
会話はしてくれる。
でも、なんとなくテンションが下がっている。
最初は、
仕事で疲れてるのかな、
くらいに思った。
でも、食事が進むにつれて、
その違和感は消えなかった。
俺が何か話しても、
前みたいに大きく笑わない。
向こうから質問が減る。
目線も、少しだけ短くなる。
その場では、
理由がまったく分からなかった。
失礼なことは言っていない。
店員さんへの態度も普通。
食べ方も、その日はかなり気をつけていた。
じゃあ何だ、と。
そのままデート自体は一応終わった。
でも、別れ際の空気で
「次はないかもな」
となんとなく分かった。
案の定、
そのあとからLINEの温度が落ちた。
返信は来る。
でも短い。
前みたいに広がらない。
次の話も濁される。
そこで俺は、
本気で何が原因か考えた。
会話か。
服装か。
歩き方か。
表情か。
でも、どう考えても決定打が見つからない。
しばらくして、
共通の知り合い経由で、
かなりやんわりと理由を聞いた。
そこで言われたのが、
「靴下がちょっと無理だったみたい」
という話だった。
最初、
意味が分からなかった。
でも詳しく聞くと、
あのとき靴を脱いだ瞬間、
相手は
“細かいところまで気が回ってない人”
という印象を持ったらしい。
靴下そのものがどうこうというより、
その靴下を
“デートの日に普通に履いてくる感覚”
が無理だった、という感じだった。
これ、かなり刺さった。
だって俺の中では、
ただの靴下だったから。
高級なものじゃなくてもいいし、
穴が開いてるわけでもない。
そこまで大きな問題だと思っていなかった。
でも相手からすると、
その小さいほころびで、
一気に生活感まで見えたんだと思う。
細かいところを見ない人。
見えない部分には気を抜く人。
清潔感を“表面だけ”で済ませる人。
そういうイメージが、
あの数秒でついたんだろうなと思う。
しかも、この手の失敗って、
その場で取り返せない。
「実は普段はちゃんとしてる」
と言っても、
目の前の靴下がそれを否定してる。
言い訳すればするほど、
余計にみっともない。
この経験のあと、
俺は靴下、下着、インナーみたいな
“見えないところ”をかなり気にするようになった。
どうせ見えない、じゃなくて、
見える場面は突然来る。
座敷かもしれないし、
どこかで靴を脱ぐかもしれないし、
ちょっとした瞬間に生活感は出る。
そして恋愛って、
そういう細かいところが
思った以上に大きく見られる。
何が一番きつかったかというと、
その日まで普通に積み上がっていたものが、
たった一つの靴下で崩れた感じがしたことだった。
会話でもない。
性格でもない。
価値観のズレでもない。
たった一つの、
“自分では大したことないと思っていたほころび”で、
相手の気持ちが一気に冷める。
それがかなりリアルで、
かなり後味が悪かった。
今でもデートの日は、
靴を脱ぐ予定がなくても、
見えないところまで一回チェックする。
あのときみたいに、
「そんなとこ見られるの?」
で終わるのが、
一番怖いと知ったからだ。
素を出したつもりが・・・
自分の中でかなりショックだった。
相手に合わせて無理していたわけじゃなく、
むしろ
「少し打ち解けてきたから、素を見せた」
つもりだった。
でも結果は逆だった。
相手から見ればそれは
“素が見えて安心する”じゃなくて、
“思ってた人と違って無理”
だった。
相手とは、
仕事つながりの知り合いから紹介された。
最初の印象で、
俺はたぶん
“落ち着いてる人”
に見られていたと思う。
実際、初対面だとそう見られやすい。
声も大きいほうじゃないし、
テンション高くガンガン話すタイプでもない。
どちらかというと、
相手の話を聞いて、
落ち着いて返すほうだ。
だから最初の何回かのデートでも、
わりとそういう空気だった。
ゆっくり話して、
相手の話を聞いて、
変に前に出すぎない。
それで普通にうまくいっていた。
向こうも、
「一緒にいて落ち着く」
みたいなことを言ってくれていたし、
俺も手応えを感じていた。
ただ、
俺の本来の性格は、
ずっとそれだけじゃない。
仲良くなると、
かなりふざける。
テンションも上がるし、
変な言い方をしたり、
ちょっと子どもっぽいノリを出したりもする。
身内にはよく、
「最初と仲良くなってからの差が大きい」
と言われる。
でも俺の中では、
それは悪いことだと思っていなかった。
むしろ、
心を開いた相手だから出る部分だと思っていた。
問題が起きたのは、
三回目か四回目くらいのデートだった。
その日はかなり空気がよくて、
こっちも気が緩んでいた。
会話も弾んでいたし、
相手もよく笑っていた。
だから俺は、
ちょっといつもの自分を出した。
たとえば、
食事のあとに甘いものを見て、
「これめっちゃ食べたいんだけど」
と、少し砕けた言い方をした。
普段の落ち着いた言い方じゃなく、
仲のいい友達に向けるみたいな、
ラフなテンションだった。
さらに、
その流れでちょっとふざけた話し方をした。
店のメニューを見ながら、
冗談っぽく声色を変えてみたり、
少し大げさにリアクションしたり。
俺の中では、
場が和むと思っていた。
その場の空気も悪くなかったし、
少し距離が縮まった感じを出したかった。
でも、
相手の反応は思ったより薄かった。
最初は笑ってくれた。
でも、その笑い方が
“本気で面白い”じゃなくて、
“どう返せばいいか分からないから笑ってる”
感じだった。
その時点で、
少し嫌な感じはあった。
でも俺は、
その場で引けなかった。
一回テンションを上げると、
中途半端に戻すのが逆に不自然に思えて、
そのまま少しラフなノリを続けてしまった。
結果、
その日の後半になるほど、
相手の反応がどんどん薄くなった。
話はしてくれる。
でも、明らかに距離がある。
向こうからの質問も減る。
リアクションも小さくなる。
その場では
「疲れてきたのかな」
くらいに考えようとした。
でも、正直、
自分のテンションの変わり方が原因かもしれないとは思っていた。
その日は普通に別れた。
ただ、帰ってからのLINEで、
はっきり空気が違った。
返信は来る。
でも、そっけない。
それまでのやわらかさがない。
そして、
次に会おうとしたとき、
やんわりと距離を置かれた。
そこで、
もう分かった。
たぶんあの日だな、と。
しばらくして、
共通の知り合いから
遠回しに聞いた話では、
「思ってたよりかなり幼く見えた」
「最初の落ち着いた感じがよかったから、ギャップがしんどかった」
ということだった。
これ、かなりきつかった。
なぜなら俺にとっては、
どっちも自分だったから。
最初の落ち着いた俺も本当。
仲良くなってからのふざけた俺も本当。
でも相手は、
前者だけを好意的に見ていて、
後者が出た瞬間に
「思ってたのと違う」
になった。
つまり、
素を見せたことで、
むしろ恋愛対象から外れた。
これって、結構重い。
よく
「素を出せる相手がいい」
とか言うけど、
実際には
素を出した瞬間に終わることもある。
しかも今回は、
失礼なことを言ったわけでもない。
下ネタを言ったわけでもない。
乱暴になったわけでもない。
ただ、
少し子どもっぽいノリを出した。
ちょっとふざけた。
それだけだった。
でも相手には、
その“少し”がかなり大きく見えたんだと思う。
落ち着いた大人の男だと思っていたのに、
急にテンションの軽い面が見えた。
そのギャップが、
プラスじゃなくてマイナスに振れた。
この経験のあと、
俺はかなり悩んだ。
どこまで素を出していいのか。
どこまでが“親しみやすさ”で、
どこからが“幼い”になるのか。
最初の印象を守り続けるべきなのか。
それとも、
いつかは見せるなら早いほうがいいのか。
正直、答えは今でもない。
でも一つ分かったのは、
人って
“好きになった相手のイメージ”をかなり強く持っている
ってことだった。
そしてそのイメージから外れた瞬間、
それが悪いことじゃなくても、
急に冷めることがある。
この話で一番つらかったのは、
無理して取り繕っていた自分じゃなく、
リラックスして出した自分で終わったことだった。
それはつまり、
“本来の自分を見せたらダメだった”
と感じやすい。
だからしばらく、
俺は恋愛の場で
どこまで自分を出していいか分からなくなった。
落ち着いていれば、
それはそれで壁があるように見えるかもしれない。
でも、少し砕けると
「思ってたのと違う」
になるかもしれない。
そのバランスが本当に難しくなった。
今でも思う。
あの日、
もう少しだけ抑えていれば、
もう少しうまくいっていたかもしれない。
でも同時に、
どこかで本来の自分が出るなら、
結局同じところでズレていたのかもしれない。
そう思うしかない。
ただ、
素を出したつもりが
“キャラ崩壊”として受け取られる経験は、
かなり後を引く。
緊張してるだけだったのに・・・
正直かなり理不尽に感じた。
もちろん、
相手には相手の感覚がある。
だから一方的に責めるつもりはない。
でも、される側としては、
どうしても
「そこまでで終わるの?」
と思ってしまった。
相手とは、
SNS経由で知り合った。
最初はメッセージだけのやり取りで、
その段階ではかなり順調だった。
向こうもちゃんと返してくれるし、
話題も続く。
通話も何回かして、
そのときは
「落ち着いてるね」
「話しやすい」
と言われていた。
たぶん、その時点で相手の中に
ある程度の“俺のイメージ”ができていたんだと思う。
ちゃんとしてそう。
大人っぽそう。
落ち着いてそう。
そういう感じで見られていた。
でも実際の俺は、
初対面に近い相手と会うとかなり緊張する。
頭では落ち着いて話そうと思っていても、
いざ会うとなると、
顔が少しこわばるし、
手も落ち着かない。
飲み物を持つ手に変な意識がいったり、
歩くペースを気にしすぎたりする。
つまり、
見た目の“落ち着いてそう”に対して、
中身はわりと普通に緊張する人間だった。
初めて会った日は、
俺なりにかなり準備していた。
服も無難にしたし、
髪も整えた。
遅れないように、
かなり早めに着いた。
でも、早く着けば着くほど、
逆に緊張が増す。
待ってる間、
スマホを見て、
また顔を上げて、
呼吸を整えて、
また時間を見て。
完全に落ち着いて見える男、
ではなかったと思う。
それでも、
会ってすぐはまだ普通だった。
挨拶して、
少し歩いて、
カフェに入った。
問題は、
そのカフェでだった。
俺は緊張すると、
口の中が乾きやすい。
だから飲み物を飲む回数が少し増える。
しかも、
何を話そうか考えながらになると、
言葉がたまに詰まる。
その日も、
そんな感じだった。
会話はしている。
でも、少し早口になる。
一回言い直す。
飲み物を持ち直す。
笑うタイミングが少しずれる。
自分でも、
「あ、緊張してるの出てるな」
とは分かっていた。
でも、
それって別に変なことじゃないと思っていた。
初めて会う相手なら、
多少ぎこちなくなるのは普通だし、
むしろこっちがちゃんと向き合ってるからこそ、
緊張することだってある。
だから俺は、
時間が経てば自然になるだろうと思っていた。
でも、
相手の空気は少しずつ変わっていた。
会話は続いている。
でも、明らかに
“思ってた感じと違う”
が出ている。
向こうのリアクションが少し薄い。
質問が減る。
笑顔はあるけど、
最初より距離がある。
俺も途中から、
かなり焦った。
焦ると余計に不自然になる。
何か話さなきゃと思って、
逆に変な間ができる。
落ち着こうとするほど、
動きがぎこちなくなる。
たとえば、
カップを置く位置を一回迷ったり、
ストローの袋をすぐ捨てられずに手元でもたついたり、
そんな本当に小さいことが重なった。
今思えば、
相手にはその全部が
“余裕のない感じ”として見えていたんだと思う。
その日は一応、
最後まで普通に過ごした。
でも、別れ際にはもう分かっていた。
たぶん、
相手の中で俺は
“通話で話していたイメージの人”ではなくなっていた。
そのあと、
連絡の温度はかなり分かりやすく下がった。
返信は来る。
でも短い。
前みたいな柔らかさがない。
次に会う流れにもならない。
しばらくして、
かなりやんわりした言い方で
「思ってた感じと少し違った」
と伝えられた。
この
“思ってた感じと違った”
が、本当にきつい。
何が悪かったのか、
具体的には言われない。
でも、
自分の“実物”が相手の想像に負けたことだけは伝わる。
あとから共通の知り合い経由で聞いた感じだと、
相手は
「もっと落ち着いてる人だと思ってた」
「なんかソワソワしてて、急にリアルすぎた」
という印象だったらしい。
これ、される側としてはかなりしんどい。
だって俺は、
乱暴だったわけでも、
不潔だったわけでも、
失礼だったわけでもない。
ただ、
緊張していただけだった。
初対面に近い相手を前にして、
普通に人間っぽくなっていただけだった。
でも、その
“普通の人間っぽさ”
が、相手の理想とズレた。
メッセージや通話の中では、
相手はこっちを少しよく見ていたのかもしれない。
落ち着いている。
安定している。
余裕がある。
でも実際に会ったら、
緊張するし、
ちょっとソワソワするし、
間もある。
その現実を見た瞬間に、
相手の中で恋愛の温度が下がったんだと思う。
この経験のあと、
俺は初対面の場で
自分の緊張を必要以上に気にするようになった。
手の位置。
飲み物の持ち方。
話す速さ。
沈黙の長さ。
笑うタイミング。
そんなことまで細かく意識するようになった。
でも、
意識すればするほど不自然になる。
それがまた厄介だった。
本当は、
多少緊張してるくらいで終わる相手なら、
そもそも相性がよくなかったのかもしれない。
頭ではそう思う。
でも感情としては、
やっぱり引っかかる。
なぜなら、
自分の欠点というより、
ただの“人間らしさ”で冷められた感覚が残るからだ。
完璧に落ち着いて、
ミスもなく、
余裕たっぷりでいられる男なんて、
そんなに多くないと思う。
それでも恋愛の場では、
その少しのソワソワや、
ぎこちなさや、
不器用さが、
相手にとって決定打になることがある。
この話で一番きつかったのは、
何かを改善すれば防げたというより、
“普通に緊張する自分”そのものがダメだったように感じたこと
だった。
それはかなり後を引く。
なぜなら、
行動じゃなくて存在のほうを否定された気分になりやすいからだ。
だから今でも、
初対面の前は少し思う。
あの日みたいに、
ただ緊張してるだけで
「違う」
と思われたらどうしよう、と。
ちょっとした“生活感”を見せた瞬間・・・
俺はそのとき、
何か大きな失敗をしたわけじゃなかった。
失礼なことを言ったわけでもない。
不潔だったわけでもない。
態度が悪かったわけでもない。
ただ、
ちょっとした“抜け”を見せた。
それだけだった。
でも、その“それだけ”で、
相手の中にあった俺の印象が一気に崩れた感じがした。
相手とは、
友達経由で知り合った。
最初の印象は、
たぶんかなりよかったと思う。
向こうから見れば、
俺は落ち着いていて、
仕事もちゃんとしていて、
少し大人っぽく見えていたらしい。
実際、初対面ではそう見られやすい。
話すスピードも遅めだし、
感情を大きく出すタイプでもない。
だから、
“しっかりしてそう”
“ちゃんとしてそう”
って見られることが多い。
その相手も、
最初からそんな感じだった。
会話の中でも、
「ちゃんとしてるよね」
とか、
「落ち着いてる」
みたいなことを言われていた。
俺としては、
別に演じているつもりはなかった。
ただ普通にしていただけ。
でも、
相手の中ではたぶん、
俺に対して少し“できる男っぽいイメージ”ができていたんだと思う。
何回か会って、
やり取りも続いて、
空気は悪くなかった。
俺も、
このまま普通に距離が縮まっていくかもな、
と思っていた。
問題が起きたのは、
四回目くらいのデートだった。
その日は、
街中をぶらぶらして、
最後に少し買い物をする流れだった。
相手が見たい店があると言って、
一緒に雑貨屋みたいなところに入った。
そこで向こうが、
「これかわいいね」
と、小さめのアイテムを手に取った。
俺はその流れで、
「じゃあそれ、俺が出すよ」
みたいな感じで言った。
別に気取ったつもりじゃない。
数百円くらいのものだったし、
その場の空気として自然かなと思っただけだった。
で、レジに行って、
財布を出そうとした。
その瞬間だった。
俺、財布の中がかなりぐちゃっとしていた。
レシートが何枚も入ってる。
カードの向きもバラバラ。
小銭も散らかってる。
しかも、
肝心のよく使うカードがすぐ見つからない。
普段、自分一人のときなら
そこまで気にしない。
多少ごちゃついていても、
払えればいいや、くらいだった。
でもそのときは、
相手が横にいる。
店員さんも待っている。
しかも俺は、
“ちょっとスマートに払う側”の流れを自分で作っていた。
なのに、
財布を開いた瞬間、
完全に生活の雑さが出た。
カードを探して、
一回レシートが落ちそうになって、
小銭もこぼれかけて、
結局あたふたしながら払った。
時間にしたら、
ほんの数秒だったと思う。
でも俺の中では、
めちゃくちゃ長く感じた。
しかも、
その直後の相手の空気が変わったのが分かった。
露骨に何か言うわけじゃない。
笑顔も消えたわけじゃない。
でも、
“あ、この人、思ってたよりちゃんとしてないのかも”
みたいな目線を感じた。
俺はその場で、
変に取り繕うのも嫌で、
「財布の中ぐちゃぐちゃで恥ずかしいわ」
みたいに軽く笑って流そうとした。
でも、たぶんそれもよくなかった。
なぜなら、
その一言で
“これはたまたまじゃなくて普段からなんだな”
って、余計に伝わった気がしたから。
そのあともデート自体は続いた。
でも、空気は少し変わっていた。
会話はできる。
普通に返してくれる。
でも、それまであった
“いい意味での期待感”みたいなものがなくなっている。
向こうからのリアクションが少し薄い。
目線も、前より短い。
ちょっとした冗談にも、
合わせてはくれるけど、深く乗ってこない。
その日は一応、
そのまま普通に別れた。
でも帰ってから、
俺はすでに嫌な予感がしていた。
案の定、
そのあとから連絡の温度が下がった。
返信は来る。
でも前より短い。
次に会う話をしても、
ふわっと流される。
そこで俺は、
たぶん原因はあのレジだな、と思った。
しばらくして、
共通の知り合い経由で
かなりやんわり聞いた話でも、
「なんか思ったより生活が雑そうに見えた」
「しっかりしてる人だと思ってたから、急に冷めた」
という感じだった。
これ、かなりきつかった。
なぜなら、
財布が散らかっていたこと自体より、
その一瞬で、相手の中の“しっかりしてる男”というイメージごと崩れた
ってことだったから。
しかも怖いのは、
俺にとってその財布の中身は
“たまたまの一場面”でも、
相手にとっては
“その人の普段”に見えることだ。
人って、
短い時間の中で相手を判断するしかない。
だから、
そういう細かいところが
思った以上に強く残る。
この経験のあと、
俺は財布の中をかなり整理するようになった。
レシートをためない。
小銭を放置しない。
カードの位置を決める。
人前で開いても、
生活の雑さが一気に出ないようにする。
正直、
前の俺なら
「そこまで気にする?」
と思っていた。
でも、
一回こういう形で終わると、
小さい“抜け”が
想像以上に印象を壊すって分かる。
何が一番きつかったかというと、
俺にとっては
ただの財布の中の乱れだったものが、
相手にとっては
“この人の全体像が崩れる瞬間”
になっていたことだった。
その落差が、
かなり後を引いた。
節約のつもりが、「ケチ」だと思われた・・・
今思い出しても、かなりしんどかった。
俺の中では
“ちゃんと考えてお金を使っている”つもり
だったのに、
相手の中では
“一緒にいて気持ちよくお金を使えない男”
になっていたからだ。
相手とは、
同じ趣味つながりで知り合った。
話しやすいし、
変に見栄を張らなくていい相手だった。
向こうも落ち着いたタイプで、
派手な感じじゃない。
だから俺は勝手に、
お金の感覚も近いんじゃないかと思っていた。
実際、最初の何回かの食事も、
かなりいい感じだった。
高い店に行くわけじゃないけど、
普通に楽しく話せて、
自然に次の約束も決まる。
俺も、
この子とはちゃんと合うかもしれない、
と思っていた。
ただ、俺はもともと
かなり“無駄遣いしない”タイプだ。
安いものを選ぶことに抵抗がない。
ポイントも使う。
クーポンがあるなら使う。
同じ内容なら、
少しでもコスパのいいほうを選びたい。
自分では、
それを“堅実”だと思っていた。
見栄だけでお金を使うよりいい。
将来のことを考えるなら、
むしろちゃんとしてる側だと思っていた。
問題が出たのは、
何回目かのデートで、
少し遠出したときだった。
その日は、
電車で出かけて、
昼ごはんを食べて、
カフェに寄って、
ちょっと買い物して帰る流れだった。
その中で、
俺はいつも通り
“無駄に使わない”動きをした。
たとえば、
電車の移動で
「こっち回りのほうが少し安いよ」
と言って、
少しだけ遠回りのルートを選んだ。
昼ごはんの店でも、
メニューを見ながら
「これ、セットのほうがかなり得だね」
とか、
「単品で頼むよりこっちのほうが安い」
みたいな話を普通にした。
カフェでも、
アプリのクーポンを使った。
買い物でも、
向こうが
「これかわいい」
と言ったものに対して、
「似た感じでもっと安いのありそうだよね」
と、わりと自然に言っていた。
俺の中では、
全部普通だった。
見栄を張って
高いものを選ぶより、
ちゃんと考えて使う。
そのほうが現実的だと思っていた。
でも、
その日の後半から、
相手の反応が少しずつ薄くなった。
最初は
「疲れたのかな」
と思った。
歩いたし、
人も多かったし、
そういうテンションの上下はある。
でも、明らかに
それだけじゃない空気があった。
会話はする。
でも、前みたいに自然に笑わない。
向こうからの話題が減る。
俺が何か言っても、
少し引いた感じで受け取られる。
その日は一応、普通に終わった。
でも、帰り際の時点で
あまりいい予感はしていなかった。
そのあと案の定、
連絡の温度が下がった。
返信は来る。
でも短い。
次に会う話もはっきりしない。
何となく、
“前向きじゃない”が伝わってくる。
しばらくして、
かなり遠回しにだけど、
相手から
「一緒にいて、ちょっとお金のことが気になりすぎるかも」
みたいなことを言われた。
そのとき、
正直かなりショックだった。
なぜなら、
俺は別に
相手にお金を出させたわけじゃない。
割り勘でも、
細かく一円単位で請求したわけでもない。
高い店を避けるのも、
自分の感覚では普通の範囲だった。
でも相手からすると、
一つ一つは小さくても、
全部が積み重なって
“お金のことばかり気にする人”
に見えたらしい。
安いルートを選ぶ。
得なセットを強調する。
クーポンをすぐ出す。
値段の話が多い。
それが、
堅実というより
“気持ちよく過ごせない細かさ”
として見えたんだと思う。
しかも、
恋愛の場だと、
相手はそこから未来を想像する。
この人と付き合ったら、
何か買うたびに値段の話をされるのかな。
何をするにも
“損か得か”で空気が決まるのかな。
そういうイメージがついたら、
一気にしんどくなるのも分からなくはない。
でも、される側としてはきつい。
だって俺は、
浪費しないだけだった。
無駄を減らしたいだけだった。
むしろ、
大人として普通の感覚だと思っていたから。
それが、
そのまま
「なんかケチで無理」
に近い受け取られ方をすると、
かなり刺さる。
この経験のあと、
俺はデート中の“値段トーク”をかなり意識するようになった。
安いほうを知っていても、
すぐ口に出さない。
クーポンを使うにしても、
見せ方を考える。
得か損かをその場で連発しない。
正直、
前の自分からすると
かなり不自然だった。
でも一回こういう形で終わると、
“正しいと思ってる節約”が
“恋愛では冷める要素”になることがあるって分かる。
何が一番しんどかったかというと、
悪いことをしてる感覚がないまま、
相手の中では
“将来しんどそうな男”に見えていたことだった。
価値観って、
正しいか間違いかじゃなくて、
一緒にいてラクかどうかで決まることがある。
軽い趣味のつもりだったのに・・・
自分の中では
かなり理不尽に感じた時期もあった。
でも、時間が経って振り返ると、
相手の感覚も分からなくはない。
ただ、
そのときの俺からすると、
かなり急だった。
なぜなら、
俺はその趣味を
“そこまで深刻なもの”だと思っていなかった
からだ。
相手とは、
友達の友達みたいな感じで知り合った。
最初はグループで何回か会って、
そこから二人でも会うようになった。
話しやすいし、
向こうもこっちに対して
そこまで壁がある感じじゃなかった。
ごはんに行っても普通に盛り上がるし、
LINEも続く。
俺の中では、
かなりいい流れだったと思う。
問題になったのは、
何気ない雑談の中で
自分の休日の話をしたときだった。
その日、
俺たちはカフェで話していた。
仕事の話から、
自然に休日の過ごし方の話になった。
相手が
「休みの日って何してるの?」
と聞いてきたから、
俺は普通に答えた。
「たまに競馬行くよ」
って。
本当に、
そのくらいの軽さだった。
毎週じゃない。
生活費を突っ込むようなやり方でもない。
仲のいい友達と、
たまに遊びの延長みたいに行くくらい。
負ける日もあるけど、
自分の中で上限も決めてる。
だから俺にとっては、
パチンコでも競馬でも、
“趣味の一つ”だった。
映画を観るとか、
飲みに行くとか、
そういうものと同じとは言わないけど、
少なくとも
人生を壊すようなものではなかった。
でも、
その一言を言った瞬間、
相手の反応が少し止まった。
ほんの一瞬。
でも、
その空気の変化は分かった。
相手は
「へえ、そうなんだ」
とは言った。
でも、そこからの広がり方が明らかに違った。
それまでは普通に話が転がっていたのに、
その話題だけ急に慎重になる。
しかも、
向こうの目線が
“興味”じゃなくて
“確認”に変わった感じがした。
そのあと相手は、
かなり自然を装いながら
いくつか聞いてきた。
「どれくらい行くの?」
「結構使うの?」
「勝ったり負けたりで熱くなるタイプ?」
その時点で、
ああこれ地雷だったかもな、
とは思った。
でも俺は、
変に隠すのも違うと思って、
普通に答えた。
毎週じゃないこと。
金額も決めてること。
本気でのめり込んでるわけじゃないこと。
あくまでたまに遊びで行くくらいだということ。
俺としては、
それで十分伝わると思っていた。
でも、
その日の後半から空気が少し変わった。
会話は続く。
でも、前みたいな柔らかさがない。
向こうからの質問も、
どこか距離がある。
その日は一応、普通に終わった。
別れ際も表面上は普通だった。
でも、
その後の連絡がはっきり変わった。
返信は来る。
でも前よりかなり薄い。
次に会う話も進まない。
こっちが話を広げても、
相手のほうは広げてこない。
そこで俺は、
たぶん原因はあの競馬の話だなと思った。
しばらくして、
かなりやんわりだけど、
共通の知り合い経由で聞いた話では、
「遊びでもギャンブルやる人はちょっと無理だった」
「付き合った先を考えたときに不安になった」
という感じだった。
これ、
正直かなり刺さった。
なぜなら、
俺の中では
そこまで大きなことじゃなかったから。
酒を飲む人が全員だらしないわけじゃない。
ゲームする人が全員依存するわけじゃない。
それと同じで、
たまに競馬する=危ない人間
だとは思っていなかった。
でも相手からすると、
そういう理屈じゃなかったんだと思う。
ギャンブルという単語が出た瞬間に、
自分の中の基準で
“ナシ”になった。
しかもそれは、
頻度や金額を細かく説明しても、
根本の印象は変わりにくい。
一度
「将来が不安」
の箱に入れられると、
そこから出るのは難しい。
この話でしんどかったのは、
相手にとっては
かなり大きな判断材料だったものが、
俺にとっては
軽く話した趣味の一つにすぎなかったことだった。
つまり、
話した側と聞いた側で、
重さが全然違った。
しかも、
俺はそれを地雷だと思っていなかった。
だから普通に話した。
隠さずに話した。
その“普通に話したこと”自体で、
相手の中では一気に将来ナシ判定になった。
この経験のあと、
俺は自分の趣味の話し方をかなり考えるようになった。
正直に言うにしても、
どのタイミングで言うか。
どこまで軽く言うか。
先に
「たまにだよ」
を入れるか。
でも同時に、
そこを隠してもどこかでズレるなら、
早めに分かったほうがいいのかも、
とも思った。
だからこの話は、
反省と納得が半分ずつある。
相手が嫌がるのも分かる。
でも、
こっちからすると
そこまで一発で切られるのはきつい。
何が一番残ったかというと、
恋愛って、
人柄や会話の相性だけじゃなくて、
相手が“将来に不安を感じる単語”を踏んだ瞬間に終わることがある
という感覚だった。
しかもそれが、
自分にとっては
そんなに重くないものだったとき、
ショックはかなり大きい。
この体験のあと、
俺は趣味を話すとき、
前より少し慎重になった。
軽いノリで他の女の話をした瞬間・・・
俺はそのとき
場を軽くしようとしただけ
のつもりだった。
でも相手から見たら、
それはただの
「目の前の相手に集中してない男」
だった。
相手とは、
知り合いの飲み会で知り合った。
最初は何人かで話していて、
そのあと連絡先を交換して、
そこから二人でも会うようになった。
向こうは明るいけど落ち着いていて、
話しやすいタイプだった。
こっちも無理に盛り上げなくていいし、
会話のテンポも悪くない。
LINEも自然に続いていたし、
ごはんに行っても普通に楽しかった。
少なくとも俺の中では、
かなりいい流れだった。
問題が起きたのは、
三回目くらいのデートだった。
その日は居酒屋っぽい店で、
お互い少しリラックスしていた。
それまでより会話も砕けていて、
俺もだいぶ気が緩んでいた。
で、話の流れで
昔の飲み会の話になった。
そのとき、
俺は本当に軽いノリで、
「前に別の子と飲んだときもさ」
みたいな入りをしてしまった。
ここでやめておけばよかった。
でも俺は、
そこでさらに話を続けた。
別に武勇伝を語ったわけじゃない。
モテアピールをしたつもりもない。
ただ、
その場で思い出したエピソードを
“会話の材料”として出しただけだった。
たとえば、
「前に女友達と行った店がめっちゃ狭くて」
とか、
「昔、別の子にその映画すすめられたことある」
とか、
そういうレベルの話だった。
俺の中では、
深い意味はなかった。
ただの雑談。
それくらいの感覚だった。
でも、
相手の空気は確実に変わった。
最初は、
一瞬だけ笑顔が止まる。
それから、
返事はするけど少し薄い。
さっきまで普通に広がっていた会話が、
急に短くなる。
そのとき俺は、
「ん?」
とは思った。
でも、
まさかそこまで地雷だとは思っていなかった。
むしろ俺の中では、
“変に隠さず自然体で話してる”
くらいの感覚だったからだ。
だから、
気まずさを消そうとして、
逆にまた軽い感じで
「いや、変な意味じゃないけどさ」
とか、
「そういう話あるじゃん」
みたいなことを言ってしまった。
今思えば、
それが完全によくなかった。
なぜならその一言で、
“今この話を出してる自覚があるのに続けてる”
ってことが、
余計に伝わった気がするからだ。
そこから先、
相手は露骨に怒るわけじゃなかった。
でも、明らかに引いていた。
会話はする。
笑顔もある。
でも、
向こうからの質問が減る。
リアクションが浅くなる。
明らかに
“さっきまでの恋愛の空気”がなくなっていく。
その日は一応、
表面上は普通に終わった。
でも、別れ際の時点で分かった。
あ、これたぶん終わったな。
案の定、
そのあとから連絡の温度が下がった。
返信は来る。
でも短い。
前みたいなやわらかさがない。
次の話をしても、
やんわり流される。
そこで俺は、
さすがに原因を考えた。
そして真っ先に浮かんだのが、
あの“別の女の話”だった。
しばらくして、
共通の知り合い経由で
かなりやんわり聞いた話でも、
「目の前にいるのに他の女の話を普通にするのが無理だった」
「悪気なく比較とか名前を出すタイプなんだなと思って冷めた」
という感じだった。
これ、かなり刺さった。
なぜなら、
俺の中では
本当に“比較”したつもりがなかったからだ。
でも相手からすると、
比較したかどうかより、
その場で他の女の存在を
軽く持ち込める感覚そのものが嫌だったんだと思う。
しかも恋愛の初期って、
まだ相手の中で
“自分がどう扱われるか”を見ている段階でもある。
そのタイミングで、
目の前の相手より先に
別の女の話が自然に出てくる。
それだけで、
「この人は無神経かも」
「今後もこういうこと普通にやるんだろうな」
って見られても、おかしくない。
この経験のあと、
俺はデート中の話題をかなり意識するようになった。
過去の恋愛。
女友達。
昔会った相手。
そういう話を出すにしても、
本当に必要かどうかを考えるようになった。
別に嘘をつくわけじゃない。
でも、
“正直に話すこと”と
“考えなしに口に出すこと”は違う。
それをこのとき痛感した。
何が一番きつかったかというと、
俺にとっては何でもない雑談だったものが、
相手にとっては
“この人の恋愛感覚そのもの”を判断する材料になっていたことだった。
しかも、
その判断に自分でも納得してしまうのが厄介だった。
悪気がなかったからこそ、
余計にまずい。
無意識でそれが出るなら、
普段からそういう感覚の人だと思われるからだ。
この話で残ったのは、
一つの失言というより、
軽いノリで出た言葉ほど、その人の雑さが見える
という実感だった。
それがかなりきつかった。
優しさのつもりで全部決めただけなのに・・・
俺はそのとき
相手がラクになるように動いたつもり
だった。
面倒なことは先にやる。
迷わせない。
段取りは自分が持つ。
そういうのって、
男としては
“気が利く”に入ると思っていた。
でも実際は、
相手からすると
“勝手に全部決める人”
に見えていた。
相手とは、
知り合いの紹介で知り合った。
最初の印象は悪くなかったと思う。
向こうも落ち着いていて、
会話のテンポも自然だった。
何回かLINEして、
普通にごはんに行く流れになった。
やり取りしている中で、
相手はどちらかというと
“自分から強く引っ張るタイプ”ではなさそうだった。
だから俺は、
だったらこっちがある程度決めてあげたほうが
ラクだろうなと思っていた。
一回目のデートでも、
店は俺が選んだ。
時間も、
「このへんならどう?」
と、ほぼ候補を絞って提案した。
相手は普通に
「ありがとう」
と言ってくれていた。
その時点では、
別に嫌がられている感じはなかった。
むしろ、
スムーズに進んでよかったと思っていた。
だから二回目、三回目でも、
俺はそのまま同じスタイルで動いた。
行く場所を決める。
移動ルートを考える。
混みそうなら時間をずらす。
待ち合わせ場所も分かりやすく決める。
俺の中では、
“優しさ”だった。
相手に
「どうする?」
を何回も投げるより、
ある程度こっちで整えたほうが
気を使わせないと思っていた。
問題が起きたのは、
三回目くらいのデートだった。
その日は、
昼から会って、
ごはんと買い物をする流れだった。
俺はいつも通り、
事前にある程度考えていた。
最初に入る店。
そのあとに寄る場所。
時間が余ったら行けそうなカフェ。
かなり細かく、
頭の中で組んでいた。
その日、
相手が途中で
「ちょっとあっちのお店も見てみたい」
と言った。
それ自体は何でもない。
普通の一言だった。
でも俺は、
そのとき反射的に
「先にこっち行ったほうが効率いいよ」
と言ってしまった。
悪気はなかった。
本当に、
動線の話としてそう思っただけだった。
でも、
その一言をきっかけに、
相手の空気が少し変わった。
その場では
「そっか」
と返してくれた。
でも、
それまでより少し反応が薄い。
しかも俺は、
そこに気づきながら、
さらに同じことを続けてしまった。
カフェに行くかどうかのときも、
向こうが
「どっちでもいいよ」
と言ったのに対して、
俺は
「じゃあこっちのほうが空いてるし、ここにしよう」
と、すぐ決めた。
食事のときも、
メニューを見ている向こうに
「こっちのほうが人気みたい」
とか、
「それよりこっちのがいいかも」
みたいな言い方をした。
俺の中では、
全部サポートのつもりだった。
でも今思えば、
その日ずっと
“相手が決める余白”を
潰していたんだと思う。
相手は露骨に不機嫌になるわけじゃない。
でも、
少しずつ会話の温度が下がる。
向こうから話題を出す回数も減る。
リアクションも薄くなる。
その時点で、
俺はなんとなく
「あれ、今日はちょっと反応悪いな」
とは感じていた。
でも、
自分のどこがまずいのかは
その場では分からなかった。
だって俺は、
遅刻したわけでもない。
失礼なことを言ったわけでもない。
相手を雑に扱ったつもりもなかったからだ。
その日は一応、
最後まで普通に過ごした。
でも別れ際、
いつもより明らかに距離があった。
そして、
そのあとから連絡の温度が落ちた。
返信は来る。
でも短い。
次の話も進まない。
こちらが誘っても、
やんわりかわされる。
そこで俺は、
何が原因かを本気で考えた。
しばらくして、
かなり遠回しにだけど、
相手から
「全部決めてもらいすぎるとちょっと疲れるかも」
みたいなことを言われた。
そのとき、
正直かなり驚いた。
俺の中では、
“全部決めていた”というより、
“気を使って先回りしていた”感覚だったからだ。
でも相手からすると、
それは
“自分の希望を聞かずに進める人”
だった。
しかも怖いのは、
一個一個は小さいことでも、
積み重なると
“支配的”とか
“一緒にいると窮屈”
に見えることだった。
効率で動く。
先回りで決める。
相手の代わりに判断する。
それが、
恋愛の初期には
“頼れる”より先に
“自分のペースを押しつける”
に見えることがある。
この経験のあと、
俺はデート中に
“決めること”をかなり意識するようになった。
提案はしても、
すぐ結論まで持っていかない。
相手に
「どうしたい?」
をちゃんと渡す。
相手が迷っている時間を、
“非効率”として潰さない。
正直、
前の俺からすると
かなり回りくどく感じることもあった。
でも、
恋愛では
スムーズさより
一緒に決めている感覚のほうが大事なことがある。
何が一番きつかったかというと、
俺にとっては優しさだったものが、
相手には
“コントロールされてる感じ”
として届いていたことだった。
そのズレはかなり重かった。
善意のつもりでやっていたぶん、
なおさら後味が悪い。
そして何より、
悪気なくそう見せてしまう自分の動き方が、
少し怖くなった。
「俺こういうタイプなんだよね」と言っただけなのに・・・
自分の話し方のクセが
かなりそのまま出た失敗だった。
自覚が薄かったぶん、
あとからかなり刺さった。
なぜなら、
俺はそのとき
自分のことを説明しただけ
のつもりだった。
でも相手からすると、
それはただの
“自分語りが多くて、しかも自慢っぽい男”
だったみたい・・・。
相手とは、
知人の紹介で知り合った。
最初から会話はしやすかった。
向こうも落ち着いていて、
こちらの話もちゃんと聞いてくれる。
何回か会って、
やり取りも順調だった。
俺の仕事は、
どうしても
“自分の考えを言葉にする”ことが多い。
人に説明する。
整理して話す。
自分のスタンスを言う。
そういうクセが、
日常の会話にも出やすい。
自分では
“分かりやすく話している”
つもりだった。
でも実際は、
少し
“語りすぎる”ところがあったんだと思う。
問題が起きたのは、
三回目くらいのデートだった。
その日は、
仕事観とか、
普段どういうことを大事にしてるか、
みたいな話になった。
そういうテーマって、
俺はわりと得意だ。
というか、
話しやすい。
だから俺は、
流れに乗って
いろいろ話した。
「俺、昔から中途半端が嫌で」
とか、
「どっちかというと人よりストイックなほうで」
とか、
「周りからもよく仕事できるって言われるんだけど」
とか。
今こうやって並べると、
かなりキツい。
でもそのときの俺は、
本当にそこまでの自覚がなかった。
俺の中では、
自分の価値観とか性格を
“分かりやすく説明してる”
つもりだった。
しかも、
相手も最初はちゃんと聞いてくれていた。
だから俺は、
この流れで話して大丈夫なんだと思っていた。
でも途中から、
相手の反応が少しずつ変わっていた。
返事はしてくれる。
でも、相づちが浅くなる。
質問が減る。
さっきまであった
“会話のキャッチボール”が、
だんだん
“俺の話を受け流す時間”
みたいになっていく。
その時点で、
俺は少し違和感を持っていた。
でも、
一回自分のペースで話し始めると、
止まりにくい。
しかも、
そこで急に黙るのも不自然に感じて、
俺はさらに話してしまった。
仕事のエピソード。
過去に頑張った話。
自分がどう評価されたか。
そういう話を、
“別に盛ってるつもりなく”
続けていた。
でも、
あとから思えば、
それが一番まずかった。
相手からすると、
たぶんその場で
「この人、自分の話しかしないな」
が積み上がっていたんだと思う。
しかも内容が、
反省とか失敗じゃなくて
“自分はこういう強みがある”寄りの話ばかり。
そうなると、
たとえ本人が自慢のつもりじゃなくても、
聞いてる側には十分しんどい。
その日は一応、
最後まで普通に終わった。
でも帰り際の空気で、
ちょっとやらかしたかもな、
とは感じていた。
そしてそのあと、
連絡の温度がはっきり落ちた。
返信は来る。
でも短い。
前みたいに話が広がらない。
会う話をしても、
ふわっと流される。
そこで俺は、
たぶんあの日の会話だなと思った。
しばらくして、
かなり遠回しに聞こえてきた話では、
「自己評価が高い感じがしんどかった」
「すごい人なのかもしれないけど、一緒にいて疲れそうだった」
ということだった。
これ、
かなり刺さった。
なぜなら、
俺はそのとき
“盛っていたつもり”がなかったからだ。
事実として話しているだけ。
自分のことをちゃんと伝えているだけ。
そう思っていた。
でも、
相手からすると重要なのは
事実かどうかじゃない。
会話の中で、
どれだけ自分が前に出ているか。
相手にどれだけ話す余白を渡しているか。
聞いていて気持ちいいか。
そこだったんだと思う。
しかも厄介なのは、
こういう“自慢っぽさ”って、
言葉そのものより
にじみ出るスタンスで伝わることだ。
「俺って〜」が多い。
評価された話が多い。
自分を説明するつもりが、
結果として自分を上げる話ばかりになる。
それだけで、
相手の中では
“ナルシストっぽい”
“張り合いそう”
“疲れそう”
に変わってしまう。
この経験のあと、
俺は自分の話し方をかなり見直した。
自分のことを話すにしても、
長く話しすぎない。
評価の話を入れない。
自分の強みより、
考え方や失敗談を混ぜる。
相手に返す。
当たり前のことだけど、
あのときの俺は
“ちゃんと話すこと”に意識が寄りすぎて、
“相手がどう受けるか”が抜けていた。
何が一番きつかったかというと、
俺の中では
“誠実に自己開示してる”つもりだったものが、
相手には
“自分語りが多くてしんどい”
に見えていたことだった。
そのズレはかなり重い。
しかも、
悪気なくそう見せてしまうなら、
普段からそういう話し方をしているってことでもある。
そこまで含めて、
かなり反省が残った。
この話で一番残ったのは、
恋愛の場では
“正直に自分を話す”だけじゃ足りなくて、
その話し方が、相手を置いていっていないか
がめちゃくちゃ大事だということだった。
そこを外すと、
内容が悪くなくても、
一気に冷められる。
その感覚は、
今でもかなり覚えている。
大人っぽく見せようとして・・・
自分ではそのとき
けっこうちゃんとやれてるつもりだった。
だからこそ、
あとからかなり恥ずかしかった。
なぜなら、
俺はそのとき
少しでも頼りなく見られたくない
って気持ちで動いていたからだ。
でも実際には、
その頑張りがそのまま
“無理してる感”
として見えていた。
相手とは、
アプリで知り合った。
向こうは年上で、
落ち着いていて、
話し方も大人っぽい人だった。
こっちは年下。
だから最初から、
少し意識していた。
子どもっぽく見られたくない。
頼りないと思われたくない。
年下でも、
ちゃんとしてると思われたい。
その気持ちがかなり強かった。
一回目のデートは、
そこまで悪くなかったと思う。
緊張はしていたけど、
無難に終われた。
相手も普通に笑ってくれたし、
次も会えそうな感じがあった。
だから二回目のとき、
俺は少し“ちゃんとした男感”を出そうとしてしまった。
店選びも、
少し背伸びした。
普段の自分なら行かないような、
ちょっと雰囲気のある店を選んだ。
服も、
いつもの自分より少しきれいめにした。
それ自体は別に悪くなかったと思う。
問題は、
そのときの俺の振る舞いだった。
俺はその日、
とにかく“余裕ある感じ”を出そうとしていた。
本当は緊張してる。
でもそれを見せたくない。
だから、
少し低めのトーンで話す。
テンポもあえてゆっくりにする。
リアクションも抑えめにする。
さらに、
知ってるふうに見せたくて、
料理や店のことに
少しそれっぽいコメントまでしていた。
たとえば、
メニューを見て
「こういう店はこれが無難だよね」
みたいなことを言ったり、
店内の雰囲気に対して
「このくらい落ち着いてるほうが話しやすいよね」
みたいに言ったり。
今思えば、
かなり無理していた。
しかも厄介なのは、
俺自身が
“無理してる最中はそれに気づきにくい”
ことだった。
その場では、
むしろ
“ちゃんと大人っぽくやれてるかも”
くらいに思っていた。
でも、
途中から相手の反応が微妙に変わっていた。
最初は普通に返してくれていたのに、
だんだん少しだけ間ができる。
リアクションも薄くなる。
俺が言ったことに対して、
乗るというより
“聞いてるだけ”になっていく。
その時点で、
俺は少し焦った。
でも焦ると、
余計に“ちゃんとして見せなきゃ”が強くなる。
本当は自然に笑えばいいのに、
笑い方まで少し不自然になる。
本当は分からないことは分からないでいいのに、
“知ってる側”でいようとしてしまう。
結果、
会話全体がかなりぎこちなくなっていたと思う。
決定的だったのは、
店を出たあとの会話だった。
相手が
「こういうところ、よく来るの?」
と聞いてきた。
そこで俺は、
正直に
「いや、あんまり来ない」
と言えばよかった。
でもそのときの俺は、
まだ“かっこつけモード”をやめられなかった。
だから、
「まあたまにかな」
みたいに、曖昧に濁してしまった。
その瞬間、
自分でも分かった。
あ、今のダサいなって。
たぶん相手にも、
その無理してる感じは伝わったんだと思う。
その日以降、
明らかに相手の温度が下がった。
返信は来る。
でも短い。
次に会う流れも弱い。
前みたいな柔らかさがない。
しばらくして、
かなり遠回しにだけど、
「自然体のほうが話しやすかったかも」
みたいなことを言われた。
そのとき、
全部つながった。
俺は、
大人っぽく見せようとして、
結果的に
“自然に話せない人”になっていたんだと思う。
しかも、
相手が冷めたのは
年下だったからじゃなくて、
年下なりに自然にいればいいところを、
無理に大人ぶっていたところだった。
これはかなりきつかった。
なぜなら、
コンプレックスから出た頑張りだったからだ。
頼りなく見られたくない。
バカっぽく見られたくない。
年下でもちゃんとした男でいたい。
その気持ちは本物だった。
でも、
その焦りがそのまま
不自然さになって見えていた。
この経験のあと、
俺は“ちゃんとして見せる”ことより、
“変に盛らない”ことを意識するようになった。
知らないなら知らない。
緊張してるなら少しそう言う。
行ったことないなら、
素直にそう言う。
そのほうが、
少なくとも会話は自然になる。
何が一番きつかったかというと、
俺にとっては
“よく見られたい努力”だったものが、
相手には
“無理してる感じが痛い”
として届いていたことだった。
そのズレはかなり恥ずかしかった。
しかも、
そういう背伸びって、
相手には意外とすぐバレる。
そしてバレた瞬間に、
かっこよさじゃなくて不安定さになる。
サプライズのつもりが・・・
その時の俺は
相手を喜ばせようとしているつもりしかなかった。
でも結果は逆だった。
相手からすると、
それは
“まだそこまでの関係じゃないのに、急に踏み込みすぎる人”
に見えていた。
相手とは、
紹介で知り合った。
最初のやり取りはわりと順調で、
LINEも続くし、
実際に会っても普通に話しやすかった。
一回目のごはんもいい感じで終わったし、
二回目の約束も自然に決まった。
その時点で俺は、
かなり前向きだった。
相手もちゃんと笑ってくれるし、
会話も広がる。
露骨に脈あり、みたいな感じではなくても、
少なくとも
“嫌ではない”以上の空気は感じていた。
だから俺は、
少し張り切ってしまった。
問題が起きたのは、
二回目のデートの前だった。
やり取りの中で、
相手が前に
「このお菓子好きなんだよね」
みたいなことを軽く言っていた。
それを俺は覚えていた。
で、
次に会うとき、
それをちょっとしたサプライズで渡したら
喜ぶんじゃないかと思った。
高いものじゃない。
ブランド品でもない。
本当にコンビニや店で買えるような、
ちょっとしたもの。
俺の中では、
重いプレゼントじゃないし、
“覚えてたよ”っていう好印象にもなるだろう、
そのくらいの感覚だった。
むしろ、
ちゃんと相手の話を聞いてるって伝わるかな、
くらいに思っていた。
で、
当日会ったときに、
俺はかなり軽い感じで
「これ、前に好きって言ってたやつ」
って渡した。
その瞬間、
相手はたしかに
「え、ありがとう」
とは言ってくれた。
でも、
その“ありがとう”のあとに、
ほんの少しだけ空気が止まった。
今思えば、
あの時点で
もうちょっと違和感を拾うべきだった。
でもそのときの俺は、
“喜んでもらえた”側で解釈していた。
だって表面上は笑ってくれていたし、
嫌そうにされたわけじゃなかったから。
だから俺は、
そのまま普通にデートを続けた。
でも、
その日全体の空気は
微妙にいつもと違っていた。
会話はできる。
向こうもちゃんと返してくれる。
でも、
前回より少しだけ距離がある。
笑顔はあるけど、
何となく慎重。
向こうからの質問も少し減る。
こっちが話したことに対して、
一歩引いたところで受けている感じがある。
最初は、
気のせいかと思った。
でも後半になるほど、
その違和感ははっきりしていった。
その日は表面上は普通に終わった。
でも、別れ際の空気で
「なんかちょっとズレたかもな」
とは感じていた。
案の定、
そのあとから連絡の温度が落ちた。
返信は来る。
でも短い。
前より明らかに柔らかさがない。
次に会う話も、
やんわり濁される。
そこで俺は、
何が原因かを考えた。
会話で失礼なことを言った覚えはない。
マナーでやらかした記憶もない。
そうなると、
思い当たるのはあの“ちょっとした差し入れ”だった。
しばらくして、
かなり遠回しにだけど、
「まだそこまでの距離感じゃないのに、ちょっとびっくりした」
みたいなことを言われた。
その時、
かなりショックだった。
なぜなら俺の中では、
本当に“重いプレゼント”ではなかったから。
数百円のもの。
大げさな演出もしてない。
ただ、相手が前に言ってたものを
覚えていて渡しただけ。
でも相手からすると、
物の値段じゃなかったんだと思う。
“好きって言ってたものを覚えて用意する”
という行動そのものが、
思ったより距離が近かった。
しかもまだ、
そこまで関係が深まっていない段階だった。
つまり相手にとっては、
嬉しいより先に
“え、そこまでしてくるの?”
が来たんだと思う。
これ、かなりきつかった。
だって蛙化された側からすると、
相手の話を覚えているのって
プラスだと思いやすい。
雑に流すより、
ちゃんと拾うほうがいいと思う。
でも恋愛の初期って、
“覚えていたこと”が
“気持ちが前のめりすぎるサイン”
として見えることがある。
特に、
それが物として返ってくると、
一気に現実味が出る。
この経験のあと、
俺は“ちょっとした気づかい”の出し方をかなり考えるようになった。
覚えていても、
すぐ形にしない。
話題として返すだけにする。
物で返すのは、
もっと関係が深まってからにする。
正直、
前の俺は
「そのくらいで重いのか」
とも思った。
でも、される側じゃなく
受け取る側の感覚で見ると、
確かにまだ早かったんだと思う。
何が一番きつかったかというと、
俺にとっては
“ちゃんと覚えていて、喜ばせたい”だったものが、
相手には
“距離感がおかしい”
として届いていたことだった。
そのズレはかなり重かった。
しかも、
善意でやったことほど、
否定されたときに
自分の感覚そのものが間違っていた気がしてくる。
センスごと無理判定された・・・
俺はそのとき
ごく普通に、自分が好きな場所を選んだだけ
だったからだ。
でも相手からすると、
その“普通”で
一気に
「この人とは感覚が合わない」
になったらしい。
相手とは、
紹介で知り合った。
最初のごはんは普通にうまくいった。
話もしやすかったし、
向こうもちゃんと笑ってくれた。
やり取りも続いていたから、
俺の中では
悪くない流れだと思っていた。
二回目のデートで、
「次どこ行く?」
という話になったとき、
俺はわりと自然に
自分がよく行く場所を提案した。
それは、
大型のショッピングモールに入ってる
少しレトロ系のゲームコーナーと、
近くのフードコートみたいな流れだった。
俺の中では、
気楽だし、
変に気を張らなくていいし、
歩きながら話せるし、
無難だと思っていた。
高すぎる店より気楽。
静かすぎる場所より話しやすい。
そういう感覚だった。
しかも、
俺自身はそういう
ちょっとラフな場所が好きだ。
かっちりしたデートスポットより、
自然に歩ける場所のほうが
相手の反応も見やすいと思っていた。
だからその提案をしたときも、
特に深く考えていなかった。
相手もその場では
「いいね」
と返してくれたし、
俺は普通に受け取っていた。
問題は、
実際に行った日だった。
最初に着いたときから、
相手の反応が少し薄かった。
嫌そうな顔をするわけじゃない。
でも、
思ったよりテンションが上がっていない。
周りを見ても、
“楽しそう”というより
様子を見ている感じだった。
その時点で、
少し違和感はあった。
でも俺は
「まだ慣れてないだけかな」
くらいに思っていた。
それで、
俺はいつもの感覚で
「こういうの結構好きなんだよね」
と話しながら、
ゲームコーナーの中を案内する感じになった。
クレーンゲーム。
古めのゲーム機。
ちょっとしたメダル系。
そういうのを見て、
俺はわりと普通にテンションが上がっていた。
でも相手は、
合わせてはくれるけど、
どこか引いたままだった。
さらによくなかったのは、
俺がその空気を“盛り上げよう”としてしまったことだ。
「これ懐かしくない?」
とか、
「こういうの地味に楽しいよ」
とか、
自分の感覚で押してしまった。
でも相手からすると、
そもそも
その場所自体にあまり魅力を感じていなかったんだと思う。
つまり、
俺が好きなものを楽しそうに見せれば見せるほど、
逆に
“この人ってこういう感じなんだ”
が強く見えてしまった。
そのあと、
フードコート的なところで軽く食べた。
俺の中ではそれも普通だった。
混みすぎないし、
好きなものを選べるし、
気楽に話せる。
でも、
その時点で相手の温度はかなり低かったと思う。
会話はできる。
でも、前みたいな近さがない。
笑ってはくれるけど、
かなり薄い。
向こうからの話題も少ない。
その日は一応、
大きく崩れずに終わった。
でも、帰り際の空気で
もう分かっていた。
あ、これ
場所ごとダメだったな、と。
案の定、
そのあとから連絡の温度が下がった。
返信は来る。
でも短い。
次に会う話も進まない。
何となく、
“前向きじゃない”がはっきり伝わる。
しばらくして、
かなり遠回しにだけど
「もう少し雰囲気のいいところのほうが合うかも」
みたいなことを言われた。
その時、
かなり刺さった。
なぜなら、
それってつまり
“行った場所”だけじゃなくて、
“その場所を自然に選ぶ俺の感覚”
まで見られていたからだ。
俺にとっては、
気楽で楽しい場所。
変に気取らなくていい場所。
でも相手からすると、
デートでそこを選ぶ感覚そのものが
“恋愛のセンスが合わない”
に見えたんだと思う。
しかも怖いのは、
場所選びって
その人の価値観がかなり出ることだ。
何を楽しいと思うか。
何を気楽だと思うか。
どこにお金をかけるか。
どういう時間を“デートっぽい”と思うか。
そこがズレると、
会話が合っていても
一気に将来のイメージがしぼむ。
この経験のあと、
俺はデートの場所選びをかなり考えるようになった。
自分がラクな場所じゃなくて、
相手がどう感じるか。
気楽さだけで選ばない。
“自分の好き”をそのまま押しつけない。
同時に、
あまりにも自分の感覚を隠しても
どこかでズレるとも思った。
だから今は、
相手に合わせる部分と、
自分の感覚を見せる部分の
バランスを見るようにしている。
何が一番きつかったかというと、
俺にとっては
“普通に楽しい場所”だったものが、
相手には
“この人とはセンスが合わない”
の決定打になっていたことだった。
そのズレはかなり重い。
何か失礼なことをしたわけじゃない。
マナー違反でもない。
ただ、選んだ場所が違った。
それだけで、
積み上がっていた空気が一気にしぼむ
距離を縮めてきたのは向こうなのに・・・
これは、数年前に同じ職場で働いていた女性との話です。
最初に距離を縮めてきたのは、完全に向こうでした。
休憩のタイミングを合わせてきたり、仕事終わりに「少しだけ話そう」と言ってきたり、LINEも向こうから毎日のように来ていました。
しかも、ただの雑談じゃなくて、かなり“自分だけに向けてる感じ”が分かる内容だったんです。
「今日の会議で〇〇さんが言ってたの、すごく助かった」
「私、〇〇さんと話してる時間がいちばん落ち着く」
「他の人には言えないけど、〇〇さんには言える」
そんなふうに言われたら、こっちだって意識します。
正直、最初は慎重でした。
同じ職場だし、変にこじれたら面倒になる。
だから俺のほうからは、なるべく踏み込みすぎないようにしていました。
でも、向こうはどんどん近づいてくる。
昼休みはほぼ毎日隣。
帰るタイミングも合わせてくる。
たまに「このあと少しだけお茶しない?」と誘われる。
仕事の相談もされるし、プライベートの話もされる。
しかも、その内容が少しずつ深くなっていく。
「元カレとは、ちゃんと向き合ってもらえなかった」
「私は雑に扱われるのが一番きらい」
「次に誰かと付き合うなら、誠実な人がいい」
そんな話をされながら、
「〇〇さんはちゃんとしてるよね」
みたいな言い方までされる。
そこまで来たら、こっちも「これ、ただの同僚ではないよな」と思います。
むしろ、そう思わないほうが不自然でした。
何度か食事にも行って、休日にも会うようになりました。
職場の外で会う時の向こうは、さらに分かりやすかったです。
隣に座る時の距離が近い。
歩いている時も、自然に腕が触れる位置に来る。
会話の流れで、「〇〇さんみたいな人といると安心するな」と言ってくる。
だから俺も、変に駆け引きせず、ちゃんと気持ちを伝えようと思いました。
ある日、帰り道で
「俺はもう、同僚としてじゃなくて見てるよ」
と伝えました。
すると向こうも、その場では普通にうれしそうでした。
少し照れながら、
「私も、そういう気持ちある」
と言ったんです。
その時は、本当にちゃんと進んだと思いました。
ようやく曖昧な感じが終わって、ここからちゃんとした関係になるんだと。
でも、そこから空気が一気に変わりました。
まず、LINEの返信が急に遅くなった。
前まではすぐ返ってきていたのに、半日空く。
返ってきても短い。
前なら向こうから話題を広げていたのに、それもなくなる。
職場でもそうでした。
前は休憩のタイミングを合わせてきていたのに、それがなくなった。
昼休みも別の人のところに行く。
帰りも「今日はちょっと用事あるから」と避けられる。
最初は、「仕事が忙しいのかな」と思いました。
でも、明らかに“忙しい”だけじゃない距離の取り方でした。
だから、ある日できるだけ柔らかく聞いたんです。
「最近ちょっと避けられてる感じするけど、大丈夫?」
「何か気になることあったなら、ちゃんと話したい」
すると向こうは、明らかに困った顔をして、
「ごめん、自分でもよく分からない」
「ちゃんと気持ち向けられると、急に無理になる時がある」
と言いました。
ここまでは、まだ“本人も混乱してるのかな”と思えました。
でも、その先がきつかった。
向こうは続けて、
「私も苦しい」
「こんなふうになる自分が一番嫌」
「ちゃんと向き合いたいのに、期待されると息が詰まる」
と話し始めたんです。
それを聞いているうちに、会話の中心が完全に変わりました。
本来なら、急に距離を取られている俺のほうが戸惑っている側です。
なのに、気づけば話は全部“相手がどれだけ苦しいか”になっていく。
しかも、俺が少しでも
「でも、急に変わられると俺もしんどいよ」
と言うと、向こうはすぐに
「そう言われると、私が責められてるみたいでつらい」
と返してくる。
その瞬間、こっちは一気に言えなくなる。
俺は責めたいわけじゃない。
ただ、何が起きているのか知りたいだけ。
でも、それすら“追い詰める行為”みたいに返されると、もう何も言えない。
結果として、また俺が
「責めたいわけじゃないよ」
「無理しなくていい」
「大丈夫」
と、相手を落ち着かせる側に回る。
ここが本当にしんどかったです。
好きだと伝えたのは俺だけど、
そこに行くまでの流れを作ったのは向こうでした。
むしろ、かなり分かりやすく気持ちを見せてきたのは向こうです。
それなのに、いざ俺が応えた途端、
“好意を向けてきてつらい人”みたいな扱いになる。
この理不尽さは、かなりキツい。
しかも、職場という環境が最悪でした。
向こうはあからさまではないけど、同僚にそれとなく話していたみたいなんです。
直接名前は出していない。
でも、
「最近ちょっと人との距離感でしんどくて」
「優しくされるのが逆に苦しくなる時あるよね」
みたいな話をしているのが耳に入ってくる。
その空気を感じるだけでも、かなり嫌でした。
こっちは別に無理に迫ったわけでもない。
しつこく追い回したわけでもない。
ただ、向こうが作った流れの中で、ちゃんと気持ちを返しただけです。
なのに、周囲から見たら、
なんとなく“俺が押しすぎた側”に見えかねない。
この、「言い返せないけど、うっすら悪者に見られる感じ」が本当に消耗しました。
ある日、仕事終わりにもう一度だけ話しました。
俺は、せめて関係をはっきりさせたかったんです。
「今後どうしたいかだけは、ちゃんと決めてほしい」
「このまま曖昧なのが一番きつい」
すると向こうは、また苦しそうな顔をして、
「そうやって結論を求められるのがしんどい」
「私だっていっぱいいっぱいなのに」
「私ばっかり悪いみたいでつらい」
と言いました。
そこで、もうかなり冷めました。
いや、正直に言えば、完全には冷めていなかった。
まだ好きは残っていました。
でも、気持ち以上に、“またその返しなのか”という疲れが勝った。
俺はただ、自分の立場を確認したかっただけです。
曖昧なまま職場で顔を合わせ続けるのがしんどいから、整理したかっただけです。
なのに、それを伝えただけで、また
“追い詰められて苦しい私”
の話になる。
こっちは毎回、自分の傷を引っ込めるしかない。
その構図が、もう限界でした。
だから最後は、俺から線を引きました。
「君が苦しいのは分かる」
「でも、その苦しさを理由に、俺がずっと受け皿になるのはもう無理」
「職場では普通に接するけど、それ以上はやめよう」
向こうは最後まで、納得したような、していないような顔でした。
そしてやっぱり、
「私も傷ついてる」
「こんなふうになりたくてなったわけじゃない」
という言い方をしていました。
もちろん、それは本音なんだと思います。
でも、本人がつらいことと、俺が傷ついていい理由にはならない。
あの時いちばんしんどかったのは、
蛙化されたことそのものより、最後に相手が“追い詰められた側”みたいな立ち位置に入って、こっちが配慮役に回らされたことでした。
しかも、職場だから逃げ場がない。
毎日顔を合わせる。
空気も気にする。
自分だけが黙って、普通を演じる。
ただの失恋よりずっと疲れました。
友達の紹介で出会って、付き合う寸前までいったのに・・・
友達の紹介で知り合った女性とのことです。
最初の印象は、かなり明るくて話しやすい子でした。
その場の空気を作るのがうまいし、会話もテンポがいい。
いわゆる“モテそうだな”というタイプでした。
ただ、俺に対しては最初から分かりやすく距離が近かった。
みんなで飲んでいる時も、気づくと隣に来る。
帰り際に「次は二人でごはん行こうよ」と言ってくる。
そのあとも、向こうから連絡先を聞いてきて、そこから毎日やり取りが始まりました。
内容も、ただの軽い会話じゃない。
「今日、〇〇くんと話してる時が一番楽しかった」
「なんか、最初から話しやすかった」
「こういう感じの人、ほんと好きかも」
そこまで言われると、こっちだって意識します。
しかも、食事に行っても明らかに好感触でした。
相手はかなりリアクションが大きくて、こっちの話を楽しそうに聞く。
「また会いたい」と言う。
「次はどこ行く?」と向こうから次の予定を立てる。
正直、ここまで来ると“ほぼ確定”だと思っていました。
変な駆け引きは不要で、普通に進めばいいだけだと。
何回か会ったあと、俺から
「俺はちゃんと付き合う前提で見てる」
と伝えました。
すると相手は、その時は素直にうれしそうで、
「私もそういう感じで思ってる」
「でも、変に焦って壊したくない」
と言ってきたんです。
その返しも、すごくそれっぽかった。
慎重だけど前向き、みたいな。
だから俺も、「じゃあ急がず、でもちゃんと向き合おう」と思いました。
でも、そのあたりから急に変わりました。
まず、会う頻度が下がった。
前は向こうから「今週どこ空いてる?」と聞いてきていたのに、それがなくなる。
こっちから誘っても、「ちょっと予定が読めなくて」と濁される。
LINEも変わりました。
前は向こうから長文で来ていたのに、急に短くなる。
既読はつくけど返ってこない。
返ってきても、前みたいな熱量がない。
最初は「忙しいのかな」と思いました。
でも、それにしては変化が急すぎる。
それに、SNSでは普通に友達と遊んでいる様子が上がっている。
だから、一度だけちゃんと聞いたんです。
「何か気になることあるなら言ってほしい」
「急に空気変わった感じがして、正直ちょっと戸惑ってる」
すると相手は、すごく困った顔をして、
「ごめん、私こういうのほんと苦手で」
「いい感じになると急に気持ち悪くなる時ある」
「〇〇くんが悪いわけじゃない」
と言いました。
ここまでは、しんどいけどまだ分かります。
本人も混乱しているんだろうな、と思えました。
でも、そのあとに続いた言葉がキツかった。
「でも、そうやって説明求められるのもしんどい」
「察してほしかった」
「私いまかなり苦しいのに、分かってもらえないのつらい」
この返しをされた時、ほんとに意味が分かりませんでした。
こっちは、急に距離を置かれて戸惑っている。
理由も分からない。
だから、せめて何が起きているのか知りたくて聞いただけです。
それなのに、それが
“察してくれない男”
みたいな扱いになる。
しかも、相手はそのまま
「私は昔から、相手に期待されるとだめになる」
「だからプレッシャーかけられると無理」
「今もすごくしんどい」
と、自分の苦しさを前面に出してきました。
これが本当に厄介でした。
なぜなら、相手が泣きそうな顔でこういうことを言うと、
こっちは自分の言いたいことを引っ込めるしかなくなるからです。
本当は、
「いや、こっちだって急に引かれてかなり傷ついてる」
と言いたい。
でも、それを言うと、さらに
「責められてる」
になる。
結果として、また俺が
「ごめん、責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
「落ち着いてからでいいよ」
と、相手をなだめる側に回る。
この流れが本当にしんどかった。
しかも、紹介者を含む共通の友達がいるのも厄介でした。
相手は直接俺の悪口を言っていたわけじゃないと思います。
でも、友達づてに、
「いまちょっと恋愛のことでしんどいらしい」
「相手に気持ちを求められる感じがキツいみたい」
みたいな空気が伝わってきた。
それを聞いた時、かなり嫌な気持ちになりました。
俺は別に、付き合おうと迫ったわけじゃない。
無理やり答えを出させようとしたわけでもない。
ただ、向こうが前のめりで作った流れの中で、俺も気持ちを返しただけです。
なのに、周りから見ると
“相手がしんどくなるくらい気持ちを求めた男”
みたいな見え方になりかねない。
ここが、本当に理不尽でした。
そのあとも、相手は完全には離れませんでした。
たまに向こうから連絡してくる。
「最近どうしてる?」
「ちょっと話したくなった」
そんな感じで来る。
でも、こっちが少しでも
「じゃあ会う?」
「ちゃんと話そうか」
と返すと、また重くなる。
つまり、向こうは
“自分が寂しい時に繋がれる相手”
としては俺を残したい。
でも、俺がちゃんと関係を整理しようとすると、それはしんどい。
その状態がしばらく続いて、俺のほうがかなり消耗しました。
ある時、思い切って言ったんです。
「俺はもう、この曖昧なまま連絡取り続けるの無理だよ」
「どうしたいか決められないなら、いったん切らないとしんどい」
すると相手は、すぐに顔色を変えて、
「そんな言い方しなくてもいいじゃん」
「私だって苦しいのに」
「なんか、私ばっかり悪いみたい」
と言いました。
もう、またそれか、と思いました。
俺は“相手を責めるため”に言ったわけじゃない。
自分の限界を伝えただけです。
でも、その瞬間にまた、
“傷つけられた私”
のほうに話が流れる。
俺がしんどいと言うこと自体が、相手にとっては
“自分を責められた”
に変換される。
この構図に入ると、何を言ってもダメでした。
本来なら、
急に距離を置かれたこと。
曖昧なまま繋がれたこと。
期待させるような連絡をしてきたこと。
そこに対して、俺だって普通に傷ついている。
でも、その話を始める前に、相手が
「私もしんどい」
「察してほしかった」
「分かってもらえなくてつらい」
を出してくる。
すると、またこっちは配慮役になる。
これが、何度も何度も繰り返されました。
最終的に、俺から完全に連絡を切りました。
未練がゼロだったわけじゃないです。
正直、かなり好きになっていました。
だから、切るのは普通にきつかった。
でも、あのまま続けていたら、
俺はずっと
“相手の気分がいい時だけ繋がる相手”
として残されるだけだと思ったんです。
しかも、それを断ろうとしたら
“察してくれない冷たい男”
にされる。
そこまで来たら、もう無理でした。
この経験で一番しんどかったのは、
蛙化そのものより、最後に相手が「私は分かってもらえなくて傷ついた側」という立ち位置に入ってきて、こっちの傷が見えなくされたことです。
俺も、かなり傷ついていました。
でも、その傷を口にするたびに、相手の中では
“責められてつらい”
に変わってしまう。
あれは本当に消耗する。
今でも思います。
察してほしい気持ちがあるのは分かる。
でも、何も言わずに距離を置いて、確認した相手に
「察してくれなかった」
は、受けた側からするとかなりきついです。
あの時の俺は、かなり長く
「俺が空気を読めなかったのかな」
と自分を責めていました。
一度振られて、戻ってきたから信じたのに・・・
この話は、マッチングアプリで知り合った女性とのことです。
最初の入りは、かなり順調でした。
やり取りのテンポもいいし、会ってみても違和感がない。
むしろ、会った時のほうが向こうのテンションは高かったです。
「アプリでこんなに話しやすい人初めて」
「今日、時間あっという間だった」
「またすぐ会いたい」
そんな感じで、分かりやすく前向きでした。
そこから何度か会って、自然に距離が縮まりました。
相手のほうから将来の話っぽいことまでしてくる。
「次付き合う人とはちゃんと向き合いたい」
「曖昧なのは疲れる」
「安心できる人がいい」
そう言われると、こっちも真面目になります。
遊びみたいな空気ではなかったし、俺自身もちゃんと好きになっていた。
だから、あるタイミングで
「俺はちゃんと付き合いたいと思ってる」
と伝えました。
その時、相手はかなりうれしそうでした。
「私もそのつもりで会ってた」
と、はっきり言ったんです。
そこから付き合う流れになりました。
少なくとも、その時点では、そういう認識だったと思います。
でも、そこから急に変わった。
付き合って数日くらいで、明らかにLINEの温度が下がったんです。
返信が遅い。
内容が薄い。
前みたいな“会いたい”がなくなる。
最初は「仕事かな」と思いました。
でも、前までは忙しくても、向こうはちゃんと気持ちを見せていた。
それが急に消えるのは、やっぱり違和感がありました。
一度会った時も、空気が変でした。
前は向こうから手をつないできたのに、その日はこっちが少し距離を詰めると固くなる。
会話もどこか上の空。
だから帰り道に、かなり慎重に聞きました。
「最近ちょっと距離ある気がするけど、大丈夫?」
「無理してるならちゃんと話してほしい」
すると相手は、しばらく黙ったあと、
「ごめん、なんか急に恋人ってなると無理になるかも」
と言いました。
この時点で、かなりしんどかったです。
でも、それ以上にきつかったのはそのあと。
相手は続けて、
「私もこんな自分ほんと嫌」
「ちゃんと好きになりたいのに、好かれると急に気持ち悪くなる」
「私だって傷ついてる」
と言ったんです。
ここで、また構図がひっくり返る。
本来、急に距離を置かれて戸惑っているのは俺のほうです。
なのに、気づけば話は全部
“相手がどれだけ苦しいか”
になる。
しかも、俺が少しでも
「でも、俺もかなりきついよ」
と言うと、
「そうやって言われると責められてるみたいで無理」
と返ってくる。
この時点で、もうかなり言葉を失いました。
俺は責めたいわけじゃない。
ただ、急に変わられたら、そりゃ傷つく。
それを伝えただけなのに、またこっちが“追い詰める側”になる。
結局、そのまま関係は一度終わりました。
相手は泣いていたし、
「ほんとにごめん」
「でも今は無理」
と繰り返していた。
俺は最後まで、なぜか相手を落ち着かせるような言葉を選んでしまいました。
「分かった」
「無理しなくていい」
「落ち着いてね」
本当は、俺だって相当しんどかったのに。
そこからしばらく、かなり引きずりました。
アプリは消したし、連絡も取らなかった。
また期待して傷つくのが嫌だったからです。
でも、一か月くらいして、相手から連絡が来ました。
「やっぱり忘れられない」
「一回離れてみて、〇〇くんの大きさが分かった」
「前みたいにいきなりじゃなくて、ゆっくりなら向き合える気がする」
これを言われると、正直かなり揺れます。
まだ好きだったからです。
しかも、相手は今回はかなり低姿勢でした。
前回のことを謝る。
自分の未熟さを認める。
「今度はちゃんとしたい」と言う。
そこまで言われたら、
「じゃあもう一回だけ信じてみようかな」
と思ってしまいました。
今思えば、そこがいちばん危なかったです。
俺は二回目こそ失敗しないように、かなり慎重にやりました。
連絡の頻度も押しつけない。
会うタイミングも相手のペースを尊重する。
気持ちの確認も急がない。
つまり、かなり気を遣って関わりました。
最初はうまくいっているように見えました。
向こうから連絡も来る。
会えば普通に笑う。
「やっぱり一緒にいると落ち着く」とも言う。
その言葉を聞くたびに、俺はまた期待していました。
今度こそ大丈夫かもしれない。
前よりはちゃんと向き合えてるかもしれない。
でも、少しずつまた同じ感じが出てきた。
向こうから来る時は来る。
でも、こっちが少し踏み込むと引く。
「ちゃんと今後のこと考えたい」と言うと、
「そうやって形を決められると急にしんどい」
と言う。
「最近また少し距離ある気がする」と聞くと、
「確認されるのがプレッシャー」
と言う。
じゃあ、こちらが距離を取ると、今度は
「最近ちょっと冷たくない?」
「私のこともう見放した?」
と来る。
この往復で、本当に消耗しました。
近づけば引かれる。
離れれば不安がられる。
どう合わせても正解がない。
しかも、一度目に傷ついているぶん、こっちはかなり敏感になっている。
返信が遅いだけで不安になる。
文面が少しそっけないだけで、また来るのかと思う。
期待と警戒が同時に走る状態って、本当にしんどいです。
それでも切れなかったのは、相手が時々すごく優しいからでした。
「やっぱり一番安心する」
「あなたのこと大事なのは本当」
「私もちゃんとしたい」
こういう言葉をくれる時がある。
そのたびに、また
“もう少し待てば変わるかも”
と思ってしまう。
でも、最終的に分かったのは、
相手は俺を嫌いなわけじゃない。
ただ、恋人としての責任を持つのはしんどい。
でも、自分が不安な時に戻れる相手としては失いたくない。
その立場に、ずっと俺が置かれていたということでした。
決定的だったのは、俺が一度だけ、ちゃんと線引きの話をした時です。
「このまま曖昧に続けるの、俺もしんどい」
「向き合うなら向き合う、無理なら距離を置く、どっちかにしないと無理だよ」
すると相手は、すぐに苦しそうな顔をして、こう言いました。
「そうやって答えを求められると無理になる」
「私だって苦しいのに」
「私だって傷ついてるんだよ」
この一言で、かなり冷めました。
もちろん、相手も苦しいんだと思います。
自分の感情を持て余しているのも本当なんだと思う。
でも、そこにまた
“私だって傷ついてる”
を出されると、こっちの傷が全部ぼやける。
一回目も、急に切られて傷ついた。
二回目も、戻ってきたから信じて、また期待して、また曖昧に振り回された。
その上で最後に、
“お互いつらいよね”
みたいなまとめ方をされると、本当に力が抜ける。
こっちは、何度も同じ形で削られている。
でも、それを口にしようとすると、また
“責められてる私”
の話に変わる。
そこでやっと、俺ははっきり言いました。
「君が苦しいのは分かる」
「でも、その苦しさを理由に、俺まで何度も同じ形で傷つくのはもう無理」
「俺はここで終わりにする」
相手は最後まで、
「そんなふうに切られるのもしんどい」
「私を悪者にするんだね」
みたいな空気を出していました。
でも、その時はもう飲まれませんでした。
やっと分かったからです。
相手が苦しいことと、俺が何度でも受け皿になることは別。
戻ってきたからといって、相手の問題が解決したわけではない。
そして、相手の“私も傷ついてる”が、本当にこっちの傷を消していい理由にはならない。
この経験でいちばんしんどかったのは、
一度目に傷ついたあと、もう一度信じたぶんだけ、二度目の被害者ムーブがさらに深く刺さったことでした。
一回目より二回目のほうが、ずっと後を引きました。
なぜなら、俺は一度離れたあとで、もう一回だけ信じ直していたからです。
その信じ直した気持ちごと、また曖昧に扱われる。
しかも最後は、“私もつらい”で締められる。
あれは、本当にきつかったです。
今ならはっきり思います。
戻ってきた相手ほど、言葉より行動を見たほうがいい。
謝罪や涙や「やっぱり好き」は、気持ちとして本物でも、関係を安定させる保証にはならない。
そこを見誤ると、こっちは何度でも同じところで削られる。
俺は、そのことをかなり痛い形で覚えました。
こっちが真面目になった瞬間、被害者みたいにされた
社会人になってから入った趣味のコミュニティで知り合った女性との話しです。
最初の出会いは、かなり自然でした。
同じ趣味の集まりで、月に何回か顔を合わせるくらいの関係だったんですが、向こうのほうからよく話しかけてくるようになったんです。
最初は本当に普通の雑談でした。
「そのやり方うまいですね」
「前に話してたやつ、やってみました」
そんな軽いやり取り。
でも、少しずつ向こうの距離が近くなっていきました。
イベントのあとに「このあと少しだけごはん行きません?」と誘ってくる。
グループでいたはずなのに、気づいたら俺の隣にいる。
帰り道も自然に同じ方向に合わせてくる。
しかも、そこから連絡先を交換してからは、向こうからのメッセージがかなり増えました。
「今日も楽しかったですね」
「〇〇さんと話してると落ち着く」
「なんか、こういう話ちゃんとできる人少ないからうれしい」
ただの趣味友達にしては、かなり近い。
しかも、こっちが返信すると、そこから向こうが会話をどんどん広げてくる。
日付が変わるくらいまで普通にやり取りする日もありました。
正直、その時点で、こっちもかなり意識していました。
でも、同じコミュニティだからこそ慎重でもありました。
変な空気にしたくないし、もし勘違いだったら面倒になる。
だから俺のほうからは、あえて急に距離を詰めることはしませんでした。
でも、向こうはどんどん踏み込んでくる。
「今度は二人で行きたいです」
「この前の帰り、もっと話したかった」
「〇〇さんって、彼女いたら絶対ちゃんとしてそう」
ここまで来ると、さすがに“ただの社交辞令”では片づけられない。
それに、実際に二人で会った時の雰囲気もかなりよかったです。
向こうは終始楽しそうだし、会話も途切れない。
ちょっとした沈黙があっても気まずくならない。
しかも、別れ際になると毎回、
「またすぐ会いたいです」
と向こうから言ってくる。
だから俺も、その流れのままちゃんと向き合おうと思いました。
曖昧なままズルズル行くより、真面目に気持ちを伝えたほうがいい。
そう思ったんです。
ある日、二人で会った帰りに、俺は
「もう友達としてじゃなくて見てる」
「俺はちゃんと付き合う方向で考えてる」
と伝えました。
その時、向こうは一瞬びっくりした顔をしたあと、
「私も、そういう気持ちはあります」
と返してきました。
その瞬間は、本当にうまくいくと思ったんです。
やっと曖昧な空気が終わって、ここからちゃんと進むんだと。
でも、そこから一気に変わりました。
まず、向こうからの連絡が減った。
それまで毎日のように来ていたのに、急に間が空く。
返信も短い。
前は向こうから話題を膨らませていたのに、それがなくなる。
コミュニティで顔を合わせた時もそうでした。
前は向こうから寄ってきていたのに、急に距離ができる。
グループでは普通に話すけど、二人きりになる流れは避けられる。
最初は、「ちょっと照れてるだけかな」とも思いました。
ちゃんと気持ちを伝えたあとだから、少しぎこちなくなることもある。
そう自分に言い聞かせていたんです。
でも、どう見てもそれだけじゃなかった。
こっちが二人で会う話をしても、
「最近ちょっと予定が読めなくて」
「今バタバタしてて」
と、はっきり断るわけでもないまま濁される。
なのに、コミュニティの集まりには普通に来る。
SNSでは別の友達と遊んでいる様子も出ている。
つまり、“忙しい”わけではない。
ただ、俺との距離だけが急に変わった。
だから、さすがに一度聞きました。
「最近ちょっと避けられてる感じがするけど、何かあった?」
「嫌なことがあったならちゃんと話したい」
すると向こうは、すごく困った顔をして、
「ごめんなさい、自分でもよく分からないんです」
「急にちゃんと向き合われると、なんか怖くなる時があって」
と言いました。
ここまでは、まだ“本人も混乱してるんだな”と思えました。
でも、次の言葉がきつかった。
「〇〇さんが悪いわけじゃないんです」
「でも、ちゃんと期待される感じになると息苦しくなっちゃって」
「今もすごくしんどいです」
そこから、どんどん会話の中心が“相手の苦しさ”になっていく。
俺は本当は、急に距離を取られてかなり戸惑っていました。
好きになっていたし、ちゃんと向き合ったつもりだった。
だからこそ、急に空気が変わった理由を知りたかった。
でも、相手が先に
「私もしんどい」
「私も苦しい」
を出してくると、こっちはそれ以上言いづらくなる。
しかも、俺が一度だけ
「でも、急にこうなると俺も普通にきついよ」
と言ったら、向こうはすぐに
「そうやって言われると、私が悪者みたいでつらいです」
と返してきました。
この返しをされた瞬間、本当に言葉を失いました。
いや、こっちからしたら、かなり傷ついてるんだけど。
でも、その一言で空気が一気に変わるんです。
こっちが“追い詰めてる側”みたいになる。
結局また俺は、
「責めたいわけじゃないよ」
「無理しなくていい」
「落ち着いてからで大丈夫」
と、相手をなだめる側に回っていました。
この構図が、本当にしんどかった。
好きになったのは、こっちが勝手に暴走したからじゃない。
かなり分かりやすく近づいてきたのは向こうです。
むしろ俺は、同じコミュニティだからこそ慎重だった。
それなのに、いざ俺が真面目に向き合った瞬間、
“期待してきてつらい人”
みたいに扱われる。
この理不尽さは、実際にくらうとかなりきついです。
しかも、そのあとさらにしんどかったのは、向こうが完全に離れなかったことでした。
二人きりは避ける。
恋愛っぽい話も避ける。
でも、コミュニティ内では普通に接してくる。
さらに、メンタルが落ちてる時だけ個別に連絡が来る。
「最近ちょっとしんどくて」
「〇〇さんなら話せる気がして」
「変な意味じゃないけど、少し聞いてほしい」
これが本当に厄介でした。
恋愛として向き合うのは無理。
でも、自分が不安な時の安心材料としては繋いでおきたい。
その位置に、俺が置かれていたんです。
最初は、それでも無視できませんでした。
まだ好きだったし、完全に冷たくするのも違うと思っていた。
だから話を聞く。
励ます。
向こうは「やっぱり〇〇さんが一番落ち着く」と言う。
でも、そのあと関係が前に進むことは一度もありませんでした。
むしろ、“しんどい時だけ話せる相手”として固定されていくだけでした。
そこでやっと、俺も限界が来ました。
「俺はもう、恋愛として無理なのにこういう役だけ続けるのはしんどい」
「この距離感のまま支え続けるのは無理だよ」
と伝えたんです。
すると向こうは、また一気に被害者みたいな表情になって、こう言いました。
「そんなふうに言われると、私が利用してたみたいじゃないですか」
「私だって苦しいのに、そこまで言われるのつらいです」
「なんか急に冷たくなりましたよね」
その瞬間、かなり冷めました。
俺は責めるために言ったわけじゃない。
自分の限界を伝えただけです。
でも、それすらまた
“傷つけられた私”
の話に変わる。
本当は、俺だってかなり傷ついていた。
期待して、真面目になって、急に引かれて、しかもその後は都合のいい精神的な支えだけ求められる。
十分しんどい。
でも、その話をしようとすると、いつも相手の
「私もしんどい」
にかき消される。
この構図が、最後まで変わりませんでした。
結局、俺は自分から距離を置きました。
コミュニティの場では普通にする。
でも、個別ではもう深く関わらない。
そう決めたんです。
かなり時間はかかりました。
正直、未練もありました。
でも、あのまま続けたら、俺はずっと“相手の不安の避難所”のままで終わっていたと思います。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうから距離を詰めてきたのに、こっちが真面目になった瞬間だけ“圧をかける人”みたいにされて、最後は相手の被害者ムーブの受け皿までやらされたことでした。
付き合う雰囲気になった瞬間に・・・
この話は、知人づてに知り合って、そこから一気に距離が縮まった女性とのことです。
最初の勢いは、本当にすごかったです。
連絡先を交換してすぐ、向こうから電話が来るようになりました。
しかも、ちょっとした用件じゃない。
1時間、2時間と普通に話す。
仕事の愚痴、家のこと、昔の恋愛のこと、将来の不安。
かなり深いところまで話してくるんです。
しかも、その流れで
「こんなに話せるの珍しい」
「一緒にいると安心する」
「今までで一番自然に話せるかも」
みたいなことも言ってくる。
正直、こっちもかなり気持ちは動きました。
そこまで向こうが心を開いてくるなら、こっちだって中途半端にはできない。
むしろ、ちゃんと向き合いたいと思ったんです。
会ってからも、かなりいい感じでした。
向こうから「次いつ会える?」と聞いてくる。
帰り際には「またすぐ会いたい」と言う。
夜になるとまた電話。
その頃の俺は、もうかなり“付き合う流れ”だと思っていました。
というか、普通に見たらそう思うと思います。
だから、あるタイミングで
「俺はちゃんと付き合うつもりでいる」
と伝えました。
すると向こうは、その場でははっきり
「私もそう思ってる」
と言いました。
それどころか、かなりうれしそうだった。
その時は、本当に安心しました。
ようやく曖昧な感じが終わって、ここからちゃんと関係が進むんだなと。
でも、その直後から一気に変わったんです。
まず、毎日来ていた電話が減った。
前は向こうから「少し声聞きたい」とか言ってきていたのに、それがなくなる。
俺がかけても出ないことが増える。
折り返しもない。
LINEもそうでした。
前は長文で来ていたのに、急に短くなる。
既読はつくけど返ってこない。
最初は、「忙しいのかな」と思いました。
でも、その変化があまりにも急だった。
それまでの熱量と差がありすぎた。
だから、ある日かなり慎重に聞きました。
「最近ちょっと距離感じるけど、大丈夫?」
「何かあるならちゃんと話したい」
すると向こうは、少し沈黙してから、
「ごめん、私こういうのだめかも」
と言いました。
「ちゃんと彼氏みたいな感じになると急に無理になる」
「急に距離近く感じて怖くなる」
「〇〇くんが悪いわけじゃない」
ここまでは、しんどいけどまだ理解しようと思えました。
でも、そのあとがいつもの流れでした。
相手は続けて、
「私もつらい」
「こんなふうになる自分ほんと最悪」
「期待に応えられないのしんどい」
と言い始めたんです。
そこから、また会話の中心が一気にずれる。
本当は、急に距離を置かれて戸惑っているのはこっちです。
こっちは、ちゃんと向き合おうとして気持ちを伝えた。
その結果、相手の態度が急に変わった。
だったら、普通に傷つく。
でも、相手が先に
“私も苦しい”
を前に出してくると、こっちは強く出られない。
しかも、俺が
「でも、俺もかなりしんどいよ」
と一度言った時、向こうはすぐに
「そうやって言われると、責められてるみたいで無理」
と返してきました。
これ、本当に強いんです。
こっちは責めたいわけじゃない。
ただ、自分の気持ちを言っただけ。
でも、その瞬間にまた
“追い詰められた私”
の流れになる。
結局、また俺が
「責めたいわけじゃない」
「大丈夫」
「落ち着いてからでいい」
と、相手をなだめる役になる。
ここが、本当にしんどかった。
しかも、向こうは完全に切るわけでもなかったんです。
「いったん恋愛っぽいのはやめたい」
「でも嫌いになったわけじゃない」
「今までみたいに話せる関係ではいたい」
そう言ってくる。
つまり、彼氏っぽく向き合われるのはしんどい。
でも、自分が安心できる相手としては繋いでおきたい。
この位置に置かれるのが、本当にきつかった。
なぜなら、こっちはまだ好きだからです。
完全に切れない。
だから、“今までみたいに話したい”と言われると、期待してしまう。
もしかしたら、今は混乱しているだけかもしれない。
少し時間を置けば、また戻れるかもしれない。
そう思ってしまって、また話を聞く。
電話にも出る。
相談にも乗る。
でも、そのたびに分かったのは、向こうが求めているのは
“恋人としての関係”じゃなくて、
“自分がしんどい時に受け止めてくれる相手”
だということでした。
夜中に電話してくる。
「今日ほんと無理だった」
「声聞きたくなった」
「やっぱり〇〇くんが一番落ち着く」
そう言う。
でも、こっちが少しでも
「じゃあ、ちゃんと向き合っていこうよ」
みたいな空気を出すと、また引く。
この繰り返しで、かなり削られました。
一度、さすがに限界が来て言ったことがあります。
「俺はもう、彼氏みたいに頼られるのに彼氏にはなれない関係はしんどい」
「このまま続けるなら、俺の気持ちがもたない」
すると相手は、すぐに泣きそうな声になって、
「そんな言い方しなくてもいいじゃん」
「私、利用してるつもりなんてない」
「私だって苦しいのに、そこまで言われたらつらい」
と言いました。
ここでも、また同じでした。
俺は責めたいわけじゃない。
自分の限界を伝えただけです。
でも、その瞬間にまた話が
“相手がどれだけ傷ついたか”
のほうに流れる。
しかも、向こうはかなり自己否定もしてくる。
「ほんと私最低だよね」
「こんな自分ほんと嫌」
「恋愛する資格ないよね」
この言い方をされると、こっちもそれ以上強く言えなくなる。
だって、相手はもう自分で自分を責めているからです。
そこに追い打ちをかけるみたいになるのが嫌で、また俺は
「そこまで言いたいわけじゃない」
「落ち着いて」
と、相手の罪悪感まで受け止める流れになる。
ここが本当にきつかった。
振り回されているのはこっちなのに、最後は相手の自己嫌悪や涙まで処理する役になる。
俺は自分の傷をちゃんと出せないまま、ひたすら相手を落ち着かせる側にいる。
その状態が続いて、ある時ようやく、自分の中で線が切れました。
夜中にまた電話が来て、
「しんどい」「声聞きたい」と言われた時、
もうこれ以上は無理だと感じたんです。
そこで初めて、はっきり言いました。
「君が苦しいのは分かる」
「でも、そのたびに俺だけ恋人みたいな役をやるのはもう無理」
「恋愛として無理なら、こういう関わり方も終わりにしないと俺が壊れる」
すると相手は最後まで、
「そんなふうに切るんだ」
「私がしんどい時に離れるんだね」
みたいな空気を出していました。
でも、その時はもう飲まれませんでした。
ようやく分かったからです。
相手が苦しいのは本当でも、
その苦しさを理由に、こっちが何度も都合よく受け皿になる必要はない。
俺が一番しんどかったのは、
相手が自分から距離を詰めてきたのに、こっちが真剣になった瞬間だけ「重い」「怖い」で押し返して、その後は“私もつらい”“私も傷ついてる”で、こっちの傷より先に相手の感情の処理をさせられたことでした。
普通の失恋より、ずっと疲れました。
最後までこっちが冷たい側みたいにされた話
この話は、友達の友達として知り合って、そこから何度か会ううちに近くなった女性とのことです。
最初は、かなり自然に仲良くなりました。
グループで会っている時から向こうのほうがよく話しかけてくるし、二人でやり取りするようになってからは、向こうからかなり積極的でした。
「今度は二人でごはん行こう」
「〇〇くんとはもっと話してみたい」
「なんか、最初から話しやすい」
そうやって距離を詰めてくる。
しかも、会えば会うほど向こうのテンションは高かった。
俺の話をよく聞くし、リアクションも大きい。
帰り際には「また会いたい」と向こうから言う。
だから、俺も普通に気持ちは動きました。
変に探り合うより、ちゃんと向き合ったほうがいいと思ったんです。
しばらくして、俺から
「俺はもう、ただの友達としては見てない」
と伝えました。
その時、向こうはかなりうれしそうでした。
「私もそういう感じで見てる」
と、はっきり言ったんです。
だから俺は、その言葉を信じました。
少なくとも、その時は本気で前向きだと思っていました。
でも、そのあとしばらくして、急に向こうの態度が変わりました。
連絡の頻度が減る。
会う話をすると濁される。
向こうから来ていたはずの長文LINEもなくなる。
最初は「少し忙しいのかな」と思いました。
でも、前の温度との差がありすぎる。
あまりにも急でした。
だから、かなり気を遣いながら聞きました。
「最近ちょっと距離ある気がするけど、大丈夫?」
「何かあるならちゃんと話したい」
すると相手は、
「ごめん、自分でも分からないけど急に無理になる時ある」
「ちゃんと向き合われるとしんどくなる」
と言いました。
ここまでは、まだ“本人も混乱してるんだな”と思えました。
でも、そのあとから関係がかなりやっかいになりました。
相手は、恋愛っぽい話は避けるのに、完全には離れないんです。
向こうから急に連絡してくる。
「最近元気?」
「なんか話したくなった」
「しんどいことあって、〇〇くんの顔浮かんだ」
こっちはまだ好きだったし、急に切り捨てることもできない。
だから普通に返す。
話も聞く。
すると、向こうは
「やっぱり〇〇くんが一番安心する」
「こういう時に話せるのほんと助かる」
と言う。
でも、そこでこっちが
「じゃあちゃんと向き合おう」
「今どう思ってるのか知りたい」
と少し踏み込むと、また引く。
「そうやって答えを求められると無理」
「いまそれは重い」
「プレッシャー感じる」
この繰り返しでした。
つまり、向こうにとって俺は、
“自分が不安な時に戻れる相手”
としては必要。
でも、恋愛として責任を持って向き合うのはしんどい。
その位置にずっと置かれていたんです。
これ、かなりきついです。
なぜなら、こっちはまだ気持ちがあるから。
完全に切るには好きが残っている。
でも、このまま付き合いみたいな役割だけやらされるのはしんどい。
その中途半端な場所で、ずっと消耗しました。
しかも、相手は時々かなり思わせぶりなことも言う。
「〇〇くんが他の人と付き合ったら、たぶん普通にへこむ」
「私のこと嫌いにならないでほしい」
「いなくなるのはやだ」
これを言われると、また期待してしまう。
もしかしたら、今は不安定なだけで、時間が経てば向き合えるかもしれない。
そう思ってしまう。
でも現実には、そこから先に進むことはない。
相手が求めてくるのは、いつも“自分が不安な時に繋がること”だけでした。
ある時、俺のほうが本当に限界になりました。
仕事も忙しい時期で、正直メンタルも余裕がなかった。
その中で、相手の不安定な連絡に毎回振り回されるのがしんどくなっていた。
だから、かなり落ち着いて伝えたんです。
「俺はもう、この曖昧なまま連絡取り続けるのしんどい」
「ちゃんと向き合う気がないなら、一回離れたほうがいいと思う」
「このままだと、俺の気持ちが持たない」
すると相手は、すぐに表情を変えて、こう言いました。
「そうやって切るんだ」
「私がしんどい時に離れるんだね」
「結局、私を見捨てるんだ」
この言い方をされた時、かなりきつかったです。
いや、見捨てるって何だよ、と思いました。
そもそも、恋人として曖昧にしてきたのは向こうです。
こっちはずっと、自分の気持ちを押し殺しながら受け皿をやっていた。
それなのに、いざ自分の限界を伝えた瞬間、
“見捨てる冷たい人”
みたいにされる。
ここが、本当にしんどかった。
しかも相手は、そのまま
「私だっていっぱいいっぱいなのに」
「今までどれだけ苦しかったと思ってるの」
「私のこと分かってくれてると思ってた」
と続けました。
この流れになると、また会話の軸がずれる。
本当は、
“俺ももう無理だ”
という話をしているはずなんです。
でも、気づけばまた
“相手がどれだけ傷ついたか”
の話になっている。
そして俺はまた、
「責めたいわけじゃない」
「ただ、俺も限界なんだ」
と、言い訳みたいに説明する側になる。
この構図、ほんとに何回もありました。
相手はたぶん、本気で傷ついていたんだと思います。
見捨てられ不安みたいなものもあったんだろうし、自分でもどうしたらいいか分からなかったんだと思う。
でも、それとこれとは別です。
本人が苦しいことと、
その苦しさを理由にこっちをずっと拘束していいことは違う。
こっちにも限界がある。
こっちだって、何度も傷ついている。
でも、その話をしようとするたびに、相手の
「私は見捨てられた」
「私は傷ついた」
が前に出てきて、こっちの傷は後回しになる。
これが本当に消耗しました。
そのあとも、相手は何度か連絡してきました。
「言いすぎてごめん」
「でも、急に切られるのほんとつらかった」
「私もまだ整理できてない」
一見、謝っているようで、最後はまた
“私のつらさ”
に戻る。
そこでようやく、完全に分かりました。
このまま関わっていたら、何度でも同じことになる。
だから最後は、もうはっきり切りました。
「君が苦しいのは分かる」
「でも、その苦しさの受け皿を俺がずっとやるのはもう無理」
「これ以上は関わらない」
相手は最後まで、
「そんなふうに切るなんてひどい」
「私を悪者にするんだね」
という空気を出していました。
でも、その時はもう戻りませんでした。
やっと分かったからです。
相手の“見捨てられた”という感覚は本物でも、
それに付き合い続けることが俺の義務になるわけじゃない。
俺がいちばんしんどかったのは、
蛙化して距離を置かれたこと以上に、その後こっちが離れようとした瞬間だけ、相手が急に「私を見捨てるんだね」と被害者の立場に立って、こっちが冷たい側みたいにされたことでした。
本当は逆です。
こっちはずっと、曖昧なまま振り回されていた。
それでもかなり我慢していた。
なのに最後だけ、“離れる俺が悪い”みたいな空気になる。
あれは、本当にしんどかった。
この経験のあと、かなりはっきり学びました。
相手が苦しそうにしていることと、
その相手の不安の受け皿を自分が続けることは、まったく別の話。
そこを切り分けないと、優しさごと全部吸われる。
あの時の俺は、かなり遅れてそれに気づきました。
向こうから踏み込んできて、いざ自分が本気になったら・・・
この話は、取引先のつながりで知り合った女性とのことです。
最初は、仕事のやり取りの延長でした。
連絡を取る理由もちゃんとあるし、最初の会話もあくまで事務的。
でも、そこから少しずつ向こうのほうが雑談を増やしてきたんです。
「この前の件、助かりました」
「〇〇さんって、ちゃんとしてますよね」
「仕事以外でも話しやすそう」
最初は軽い社交辞令だと思っていました。
仕事絡みだし、こっちも変に勘違いしたくなかった。
だから俺は、かなり距離を守っていたと思います。
でも、向こうはそのあとも少しずつ踏み込んできました。
用件が終わってるのにメッセージが続く。
夜に「今日ほんと疲れました」と送ってくる。
「こういう話、〇〇さんにはしやすい」と言う。
そのうち、「今度仕事抜きでごはん行きません?」とまで言ってきた。
そこまで来ると、さすがにただの仕事相手ではない。
しかも、実際に二人で会うと、向こうの距離感はもっと分かりやすかった。
向こうから恋愛の話を振ってくる。
「私は、ちゃんと向き合ってくれる人がいい」
「曖昧なのはきらい」
「優しすぎるくらいの人のほうが安心する」
そういうことを言う。
しかも、その流れで
「〇〇さんって、たぶん付き合ったらちゃんとしてそう」
みたいな言い方までしてくる。
正直、そこまで言われたら、こっちだって本気になります。
むしろ、ならないほうが不自然です。
それでも俺は、すぐには踏み込みませんでした。
取引先のつながりだからこそ、軽く動いて変なことになるのは避けたかった。
でも、向こうは何度会っても前向きだし、連絡も向こうから来る。
会ったあとの帰りには必ず「今日すごく楽しかった」と送ってくる。
だから、俺もちゃんと向き合おうと思いました。
ある日、食事の帰りに
「俺はもう、仕事つながりの相手としてじゃなく見てる」
「ちゃんと付き合う前提で考えてる」
と伝えたんです。
その時、向こうは一瞬驚いたあと、
「私も、そういう気持ちでいるよ」
と言いました。
その表情も、言い方も、社交辞令には見えなかった。
だから俺は、その言葉を普通に信じました。
ここから少しずつ、ちゃんとした関係になるんだと思ったんです。
でも、そのあとから、空気が急に変わりました。
まず、メッセージの温度が下がった。
前は向こうから長く返ってきていたのに、急に短くなる。
向こう発信だった連絡も減る。
前ならすぐ決まっていた食事の予定も、急に濁される。
最初は、「ちょっと照れてるのかな」とも思いました。
気持ちを確認した直後だし、ぎこちなくなることもある。
そう思って、焦らないようにしていました。
でも、違和感ははっきり大きくなっていった。
二人で会う話をすると、
「今ちょっとバタバタしてて」
「最近余裕なくて」
と流される。
なのに、向こうのSNSでは普通に出かけている。
共通のつながりの場でも、他の人とは普通に話している。
つまり、“忙しいから”じゃない。
俺との距離だけが、はっきり変わっていた。
だから、かなり言葉を選んで聞きました。
「最近ちょっと距離感じるけど、大丈夫?」
「何か無理させてるなら、ちゃんと話してほしい」
すると向こうは、困ったように笑って、
「ごめん、なんか急にちゃんと向き合われると重く受け取っちゃって」
と言ったんです。
その時点で、かなりしんどかったです。
でも、もっときつかったのは次でした。
「〇〇さんが悪いわけじゃないよ」
「でも、そうやって真剣に来られると、私までちゃんとしなきゃってなって苦しくなる」
「私、いまそれがすごくつらい」
そこで、一気に会話の軸が変わるんです。
本当は、急に引かれて戸惑っているのはこっちです。
しかも、最初に踏み込んできたのは明らかに向こうだった。
俺は、それにちゃんと応えただけです。
なのに、その“応えたこと”が、いつの間にか
“重く受け取られて相手を苦しめたこと”
みたいな扱いになる。
この理不尽さが、本当にきつかった。
しかも、俺が一度だけ
「でも、ここまでの流れでそう言われると俺も普通にしんどいよ」
と言ったら、向こうはすぐに
「そんなふうに言われると、私が悪者みたいでつらい」
と返してきました。
この返しをされると、こっちは急に何も言えなくなる。
いや、実際かなり傷ついているのは俺のほうなんだけど。
でも、その一言が出ると、空気の中では
“追い詰められてるのは相手”
になってしまう。
結局また、俺が
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
「落ち着いてからで大丈夫」
と、相手を落ち着かせる側に回ることになる。
この流れが、ほんとうにしんどかった。
もっとしんどかったのは、そのあとも向こうが完全には切らなかったことです。
仕事の相談。
ちょっとした愚痴。
弱っている時の連絡。
そういう時だけは、向こうから来る。
しかも
「〇〇さんなら分かってくれる」
「やっぱり一番安心する」
みたいなことを言ってくる。
でも、こっちが少しでも
「じゃあちゃんと向き合う方向で話そう」
みたいな空気を出すと、また引く。
つまり、相手にとって俺は、
“自分がしんどい時の安心材料”
としては必要。
でも、ちゃんとした関係になる責任は負いたくない。
その場所に、俺が置かれていたんです。
そこでやっと、俺も限界が来ました。
「俺はもう、こういう曖昧なまま支え続けるのは無理だよ」
「向き合えないなら、距離を置かないと俺もしんどい」
と伝えました。
すると相手は、かなり傷ついた顔をして、
「そんな言い方されたら、私がひどいみたいじゃん」
「私だって苦しいのに」
「なんか、急に冷たくなったね」
と言いました。
その瞬間、かなり力が抜けました。
俺は“ひどい”と言いたかったわけじゃない。
自分の限界を伝えただけです。
でも、それすらまた
“傷つけられた私”
の話に変わる。
本来なら、
急に引かれたこと。
期待させられたこと。
そのあと都合よく支えだけ求められたこと。
そこに対して、俺だってかなり傷ついている。
でも、その話をしようとすると、毎回相手の
「私もつらい」
「私も苦しい」
が前に出てきて、こっちの傷は引っ込む。
この構図が、最後まで変わりませんでした。
結局、俺は仕事上の関係だけ残して、個人的には距離を切りました。
未練は普通にありました。
でも、あのままいたら、俺はずっと“相手の不安が出た時だけ呼ばれる存在”のままだったと思います。
この経験でいちばんしんどかったのは、
こっちが無理に押したわけでもないのに、向こうから踏み込んできた流れごと消されて、俺が真剣になった瞬間だけ“重く受け取られてつらい側”として相手が被害者になったことでした。
関係をはっきりさせたかっただけなのに・・・
友人の結婚式の二次会で知り合った女性との話しです。
最初から、かなり分かりやすく好意を出してくるタイプでした。
連絡先を交換したその日からメッセージが来る。
会話も向こうから広げてくる。
「また会いたい」が早い段階で出る。
しかも、やり取りが始まってすぐ、向こうから電話も来るようになりました。
最初は軽い雑談。
でも、そこから恋愛の話、過去の失敗、家のこと、仕事の悩みまで話してくる。
「〇〇くんって聞き上手だよね」
「一緒にいると安心する」
「こういう人とちゃんと付き合えたらいいのに」
こういう言葉も普通に言ってくる。
だから、こっちとしても“ただのノリ”では見られなくなる。
何回か二人で会って、雰囲気もよかった。
向こうから会いたがる。
向こうから次の予定を立てる。
別れたあとには必ず、「今日すごく楽しかった」と来る。
だから俺も、変にダラダラさせず、ちゃんと関係を見ようと思いました。
ある日、食事の帰りに
「俺は、ちゃんと付き合う方向で考えてる」
と伝えたんです。
すると相手は、少し笑って、
「私もそういう感じで思ってる」
と返しました。
そこで俺は、もうかなり安心しました。
あとは少しずつ、二人で関係を作っていけばいい。
そう思っていたんです。
でも、そのあたりから急に変わりました。
まず、向こうからの連絡が減った。
今までは向こうから毎日何かしら来ていたのに、それがなくなる。
俺が送れば返ってくるけど、会話を広げない。
会う話をしても、曖昧に濁す。
最初は「忙しいのかな」と思いました。
でも、変化があまりにも急すぎた。
しかも、SNSでは普通に出かけている。
だから、ただ忙しいわけではない。
そこで、一度だけちゃんと聞きました。
「最近ちょっと距離ある気がするけど、大丈夫?」
「何か違うなら、はっきり言ってもらったほうがありがたい」
すると相手は、少し黙ったあと、
「ごめん、私こういうのだめかも」
と言いました。
「いい感じになるまでは楽しいのに、ちゃんと付き合う感じになると急に無理になる」
「自分でも意味分からないけど、答えを求められると苦しくなる」
そう続けました。
ここまでは、まだ“蛙化なんだろうな”で飲み込めます。
本人も苦しいのかもしれない。
そう思えました。
でも、そのあとがしんどかった。
相手は、
「私だって苦しい」
「こうなる自分がほんと嫌」
「なんで分かってくれないの?」
と言ってきたんです。
この“なんで分かってくれないの?”が、かなり刺さりました。
いや、こっちからしたら、急に引かれた理由なんて分からない。
だから確認しただけです。
関係をはっきりさせたかっただけ。
それなのに、そこが
“察してくれない男”
みたいに変換される。
この時点で、かなりしんどかった。
しかも、俺が
「でも、こっちも急に変わられたら普通に傷つくよ」
と伝えたら、相手はすぐに
「そうやって言われると責められてるみたいで無理」
と返してきた。
またこれです。
こっちは、自分の傷を一言出しただけ。
でも、その瞬間にまた話が
“相手がどれだけ傷ついたか”
に切り替わる。
結局また、俺が
「責めたいわけじゃない」
「ごめん、追い詰めたいわけじゃない」
と、なぜかフォローする側に回る。
本当に、この流れがきつかったです。
さらに面倒だったのは、相手が完全に離れなかったことでした。
こっちが距離を取ろうとすると、向こうから連絡が来る。
「最近どうしてる?」
「ちょっと話したくなった」
「なんか、〇〇くんが急に遠く感じて寂しい」
これをされると、こっちはまた揺れます。
まだ好きが残っているからです。
しかも、向こうが自分から来ると、“やっぱり気持ちはあるのかも”と思ってしまう。
でも、そこでこちらが
「じゃあちゃんと話そう」
「今どうしたいのか決めよう」
と少しでも関係を整理しようとすると、また止まる。
「そういうふうに答えを求められるのがしんどい」
「今はそこまで考えられない」
「なんでそんなにはっきりさせたがるの?」
この繰り返しでした。
つまり、向こうは
“曖昧なまま繋がっていたい”
だけなんです。
自分が寂しい時は近づく。
でも、関係に責任が発生しそうになると引く。
その状態で、こっちだけがどんどん消耗していく。
ある時、俺はもう無理だと思って言いました。
「俺はもう、この曖昧なまま続くのは無理」
「会うなら会う、終わるなら終わる、どっちかにしないとしんどい」
すると相手は、明らかに傷ついた顔で、
「そんな言い方ひどくない?」
「私がいっぱいいっぱいなの分かってるよね?」
「なんでそんなに追い込むの?」
と言ってきました。
この時、かなり力が抜けました。
俺は追い込みたかったわけじゃない。
ただ、自分の立ち位置をはっきりさせたかっただけです。
曖昧なまま期待だけさせられるのが、もう限界だった。
でも、その話すらまた
“相手を傷つける行為”
として返される。
すると、周りから見たらどうなるか。
おそらく、
“答えを迫って相手を苦しめた男”
みたいな見え方になる。
ここが、本当にきつかった。
実際には、こっちはかなり我慢していた。
何度も自分の気持ちを引っ込めていた。
それでも、最後に境界線を引こうとした瞬間だけ、こっちが冷たい側になる。
この構図が、本当にしんどかった。
最終的に、俺はもう連絡を切りました。
向こうは最後まで、
「私だって傷ついてる」
「こんな切り方されると思わなかった」
みたいな言い方をしていました。
でも、その時はもう、そこに付き合い続ける気力がなかった。
この経験でいちばんきつかったのは、
こっちはただ関係をはっきりさせたかっただけなのに、それを“答えを迫られて傷ついた私”の話に変えられて、こっちの傷が最後まで後回しになったことでした。
恋愛が終わったというより、
ずっと曖昧なまま自分の気持ちだけ削られた感じでした。
相手が弱った時だけ戻ってきて、そのたびに期待させられて・・・
この話は、もともと短期間だけ付き合っていた女性とのことです。
最初に付き合うまでは、かなり順調でした。
向こうから好意もはっきり出ていたし、会っていても自然だった。
付き合った直後までは、本当に普通のカップルみたいだったと思います。
でも、そこから急に向こうの温度が下がった。
連絡が減る。
会う話を避ける。
こっちが少しでも恋人っぽくすると、どこか反応が重い。
だから、ある日かなり慎重に聞きました。
「最近ちょっと距離ある気がするけど、大丈夫?」
すると向こうは、
「ごめん、恋人って感じになると急にしんどくなる」
「嫌いじゃないけど、いまは無理かも」
と言いました。
その時点でもかなりきつかったです。
でも、その時の相手は泣いていたし、
「私も苦しい」
「こんな自分嫌だ」
と何度も言っていた。
だから、怒り切れなかった。
結局、俺は最後まで相手を落ち着かせるような言葉を選んで別れました。
そこからしばらくは連絡を取らなかったんですが、数か月して、相手から急に連絡が来たんです。
「最近どうしてる?」
「なんか、急に話したくなった」
「やっぱり〇〇くんのこと、たまに思い出す」
これをされると、正直かなり揺れます。
嫌いになりきれていないからです。
しかも、久しぶりに話すと向こうは前より柔らかい。
前のことも謝る。
「ほんとはちゃんと向き合いたかった」
「自分が未熟だった」
と言う。
その言葉を聞くと、こっちはどうしても期待してしまう。
もしかしたら、今度こそ大丈夫かもしれない。
今なら向き合えるのかもしれない。
でも、実際には違いました。
相手は、自分が弱っている時にだけ戻ってくるんです。
仕事がつらい。
人間関係で疲れた。
家のことでしんどい。
そういう時になると、向こうから連絡が来る。
電話も来る。
「やっぱり〇〇くんが一番落ち着く」
「あなたと話すと安心する」
そう言う。
そのたびに、俺は少し期待する。
でも、こっちが
「じゃあ、もう一回ちゃんと向き合ってみる?」
と踏み込むと、また止まる。
「そこまで言われると急に怖くなる」
「今はまだ分からない」
「そうやって決められるとしんどい」
つまり、向こうは
“弱った時の避難所”
としては俺が必要。
でも、恋人として責任を持つ覚悟はない。
その立場に、俺は何度も戻されました。
最初のうちは、まだ期待していました。
でも、回数を重ねるごとに、だんだん分かってきた。
これは“復縁したい”んじゃなくて、
“しんどい時に安心できる場所がほしい”だけなんだと。
それでも、完全に切れないのがきつかったです。
なぜなら、向こうは時々、すごく刺さる言い方をするからです。
「あなた以上に落ち着く人いない」
「ほんとはずっとそばにいてほしいって思う時ある」
「いなくなったら普通につらい」
こういうことを言われると、やっぱり希望を持ってしまう。
でも、その希望に乗って踏み込むと、また引かれる。
この繰り返しで、かなり削られました。
ある時、さすがに限界が来て言いました。
「俺はもう、しんどい時だけ戻ってこられるのは無理だよ」
「そのたびに期待して、また引かれるのがきつい」
「向き合う気がないなら、もう連絡しないでほしい」
すると相手は、かなり傷ついた顔をして、
「そんなふうに言うんだ」
「私が頼っちゃいけないってこと?」
「信じてくれないのが一番つらい」
と言いました。
この“信じてくれないのがつらい”が、本当にきつかったです。
いや、こっちは一回だけじゃない。
何度も信じかけて、そのたびに曖昧なところで止められてきた。
そのうえで、もう無理だと言ってる。
それなのに、最後に
“信じてくれない側の俺が悪い”
みたいな空気にされる。
ここで一気に、かなり冷めました。
もちろん、相手の中では本当に
「私はちゃんと信じてほしかった」
なんだと思います。
でも、信じる材料を削ってきたのは、明らかに相手の行動でした。
弱った時だけ来る。
安心は求める。
でも、関係に責任がかかると引く。
それを何度も繰り返しておいて、最後に
「信じてくれないのがつらい」
は、受けた側からするとかなりしんどい。
しかも、俺が
「いや、そうじゃなくて、何度も同じことがあったからもう無理なんだ」
と言っても、向こうはまた
「そんなふうに突き放されると傷つく」
「私だってつらいのに」
と返してくる。
また同じです。
本当は、俺が何度も削られてきた話をしている。
でも、気づけばまた
“相手がどれだけ傷ついたか”
の話になっている。
そして俺は、また説明する側。
また自分の傷を後回しにする側。
この構図に、ようやく終止符を打ったのがその時でした。
俺ははっきり言いました。
「君がつらいのは分かる」
「でも、そのつらさの逃げ場に俺を何度も使われるのはもう無理」
「俺はもう、これ以上ここに戻らない」
相手は最後まで、
「そんなふうに切るんだね」
「私の気持ちは信じてくれないんだね」
と、かなり傷ついた側の言い方をしていました。
でも、その時はもう戻りませんでした。
やっと分かったからです。
相手の言葉が本音かどうかと、
その行動がこっちを傷つけ続けるかどうかは、別の話です。
“私もつらい”
“信じてくれないのがつらい”
それが本音でも、こちらが何度も同じ役をやる理由にはならない。
この経験でいちばんきつかったのは、
相手が弱った時だけ戻ってきて、そのたびに期待させられ、最後に線を引いた瞬間だけ「信じてくれない俺が冷たい」みたいな空気にされたことでした。
あれは、かなり後を引きました。
一回の失恋より、何回も小さく傷を重ねる感じで、じわじわ削られました。
今なら、かなりはっきり思います。
弱った時だけ戻ってくる相手は、
“まだ気持ちがある”んじゃなくて、
“その時だけ安心がほしい”可能性をちゃんと見たほうがいい。
そこを見誤ると、優しさごと全部持っていかれる。
俺は、それをかなり痛い形で覚えました。
「頼れる人として好きだっただけ」と思われていた・・・
この話は、資格スクールで知り合った女性とのことです。
最初は、ほんとにただの勉強仲間でした。
同じ講座を取っていて、席が近くなることが何回かあって、そこで自然に話すようになった感じです。
最初の会話も、
「この問題どう解きました?」
「次の模試って受けます?」
みたいな、完全に勉強の話でした。
でも、少しずつ向こうのほうから距離を縮めてきました。
授業のあとに
「ちょっとだけ復習しません?」
と声をかけてくる。
休みの日も
「ここ分からなくて、もし時間あったら教えてほしい」
と連絡してくる。
そのうち、勉強の話が終わってもLINEが続くようになって、そこから仕事の愚痴とか、家のこととか、将来への不安まで話すようになりました。
しかも向こうは、かなり分かりやすい言い方をしてきたんです。
「〇〇くんと話してると一番落ち着く」
「こういうの、普通は人に相談しないんだけどね」
「私、頼れる人ってほんと少ないから助かってる」
最初は、“信頼されてるだけかな”とも思いました。
でも、それにしては距離が近い。
授業のあとに二人でごはんに行くことも増えたし、勉強以外の予定でも普通に会うようになっていった。
しかも、会ってる時の空気もかなりよかった。
向こうから次の予定を立てる。
「次はここ行こうよ」と言ってくる。
帰り道でも「今日は時間足りなかった」と言う。
そこまで来たら、こっちだって普通に意識します。
むしろ、意識しないほうが難しいです。
それでも俺は、すぐには踏み込みませんでした。
資格の勉強って、それなりにメンタルも時間も使うし、変な空気になったらお互い面倒になる。
だから、最初はあくまで相手のペースに合わせていました。
でも、向こうはそのあともどんどん近づいてくる。
模試のあとに
「終わったら真っ先に話したいの〇〇くんなんだよね」
と言ってくる。
夜も
「ちょっと不安で寝れない」
と連絡してきて、通話になる。
その中で、恋愛っぽい話も普通にしてくる。
「次に付き合う人とはちゃんと向き合いたい」
「支えてくれる人じゃないと無理」
「軽い人、ほんと苦手」
そんな話を何度も聞かされていたから、俺も自然と“ちゃんと向き合うべき関係”だと思っていました。
だからある日、授業の帰りに伝えました。
「俺はもう、ただの勉強仲間としては見てない」
「ちゃんと付き合う前提で向き合いたいと思ってる」
すると向こうは、その場では少し驚いたあと、
「うれしい」
と笑いました。
そのあとも、すぐ否定するわけじゃなかった。
むしろ、
「そういうふうに言ってもらえるのはありがたい」
「でも、急に変わるのちょっと怖い」
みたいな、前向きなんだか慎重なんだか分からない返しでした。
その時の俺は、正直かなり希望を持っていました。
すぐに付き合う形じゃなくても、ちゃんと向き合う流れには入れたと思ったからです。
でも、そこから空気が変わりました。
連絡の頻度が減る。
前は向こうから毎日のように来ていたのに、それがなくなる。
返信は来るけど、会話が続かない。
二人で勉強しようと言っても、「最近ちょっと一人でやりたい気分」で流される。
最初は、「気持ちを言われて意識しすぎてるのかな」と思いました。
それなら少し時間を置けばいいと思って、俺も焦らないようにしていました。
でも、違和感はどんどん大きくなっていきました。
授業では普通に話す。
勉強の相談もしてくる。
でも、俺が少しでも“関係”に触れると、明らかに固くなる。
さすがに一度、やわらかく聞きました。
「最近ちょっと距離ある気がするけど、大丈夫?」
「もししんどいなら、ちゃんと話してほしい」
すると向こうは、かなり困った顔をして、
「ごめん、私やっぱりこういうの無理かも」
と言いました。
「〇〇くんのこと嫌いになったわけじゃない」
「でも、ちゃんと向き合われると急に苦しくなる」
「頼れる人としてすごく好きだったけど、そういうふうに意識されると無理になる」
この“頼れる人として好きだった”が、かなりきつかったです。
いや、それだけの距離じゃなかっただろ、と思いました。
夜中に通話して、不安を打ち明けて、休日に二人で会って、恋愛の話までしていた。
こっちが勝手に勘違いしただけ、ではない。
でも、その場でそれを言うと、向こうはすぐに
「そんなふうに言われると責められてるみたいでつらい」
と返してきた。
ここでまた、話の軸がずれるんです。
本当は、俺は
「ここまでの流れでその整理の仕方はきつい」
と言いたかった。
でも、その瞬間に相手が
“傷ついた側”
の顔になると、こっちはまた言えなくなる。
しかも、向こうはそこから
「私もほんとしんどい」
「こんな自分が嫌」
「ちゃんと向き合えない自分にいちばん腹立ってる」
と、どんどん自分の苦しさを前に出してきました。
そうなると、また俺が
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
と、相手をなだめる側に回る。
ここが、本当にきつかったです。
さらにしんどかったのは、そのあとも向こうが俺を完全には切らなかったことでした。
勉強の相談はしてくる。
模試のあとには連絡してくる。
落ち込んだ時は
「ちょっとだけ話聞いてほしい」
と来る。
しかも、
「やっぱり〇〇くんが一番安心する」
「今までみたいに話せなくなるのは嫌」
とも言ってくる。
要するに、恋愛としては無理。
でも、支えとしては必要。
そのポジションに、俺は置かれていました。
最初のうちは、それでも無視できませんでした。
まだ好きだったし、資格の勉強という共通の時間もある。
ここで完全に冷たくするのも違う気がして、結局また話を聞いてしまう。
でも、そのたびに分かるんです。
相手が求めてるのは、俺の気持ちじゃない。
俺の“安心させる機能”なんだなって。
それが分かった時、かなりしんどかった。
好きな相手に必要とされてるようで、実際には“役割”だけが必要とされている。
これは、想像以上に削られます。
ある日、模試でかなり落ち込んでいた向こうから、夜に電話が来ました。
「もう無理かも」
「〇〇くんと話したい」
そんな感じでした。
以前なら、普通に話を聞いていたと思います。
でも、その日はもう限界でした。
だから、かなり落ち着いて言いました。
「俺はもう、こういう時だけ頼られるのは無理だよ」
「恋愛として無理なら、俺がこの役を続けるのもしんどい」
「このままだと、俺の気持ちがもたない」
すると向こうは、すぐに声のトーンを変えて、
「そんなふうに言うんだ」
「私が困ってる時に見捨てるんだね」
「頼っちゃいけないってこと?」
と言いました。
この返しが、本当にきつかったです。
こっちは“見捨てたい”んじゃない。
ずっと自分の気持ちを押し込めて、支える役をやってきた。
そのうえで、もう限界だと言っただけです。
それなのに、最後はまた
“見捨てられた私”
の話になる。
本当に、最後までこの構図が変わりませんでした。
俺はそこで、はっきり距離を切りました。
スクールでは普通に接する。
でも、個人的な連絡は終わりにする。
未練はありました。
でも、あのまま続けていたら、俺はずっと
“相手の不安を処理する係”
のままだったと思います。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうが近づいてきた流れを全部なかったことみたいにされて、こっちが真面目に向き合った瞬間だけ“苦しくさせた側”にされ、最後は見捨てた人みたいに扱われたことでした。
同じ友人グループの中で“ほぼ彼女みたいな距離”を作ってきたのに・・・
この話は、同じ友人グループの中で仲良くなった女性とのことです。
最初はグループで集まる中の一人でした。
でも、その中で向こうのほうからかなり分かりやすく距離を詰めてきたんです。
飲み会ではいつも隣に来る。
帰りは自然に俺の横を歩く。
みんながいる前でも、俺にだけちょっと強めにいじってきたり、逆にやたら気を遣ってきたりする。
グループLINEとは別に、個別でも連絡が来るようになりました。
「今日ありがと、〇〇くんいると安心する」
「なんか、グループの中でも話しやすいの〇〇くんだけ」
「今度二人で話したい」
そこまで来ると、こっちだって意識します。
しかも、二人で会うようになってからは、さらに分かりやすかった。
向こうから予定を立てる。
「次ここ行こう」と言う。
夜遅くまで電話する。
時には、グループの誰にも言ってない悩みを打ち明けてくる。
その中で、
「ちゃんと向き合ってくれる人がいい」
「中途半端なの嫌い」
みたいなことも何度も言っていました。
だったら、こっちも真面目に考えます。
むしろ、友人グループの中だからこそ、曖昧なままズルズル行くほうが危ない。
だから俺は、ちゃんと関係を確認したほうがいいと思っていました。
ある日、二人で会った帰りに伝えました。
「俺はもう、友達としてだけじゃなく見てる」
「ちゃんと付き合う方向で考えたい」
すると向こうは、その場では否定しませんでした。
むしろ、少し照れた感じで
「私も、そういう気持ちあると思う」
と言ったんです。
だから俺は、その言葉を普通に信じました。
ここから少しずつ、ちゃんとした関係になるんだと思った。
でも、その直後から、向こうの態度が急に変わりました。
個別の連絡が減る。
二人で会う話をすると濁される。
グループでは普通なのに、二人きりになる流れを避けられる。
ここまでは、まだ“ちょっと照れてるのかな”とも思えました。
でも、その違和感はすぐに“明らかに距離を取られてる”に変わりました。
だから、一度ちゃんと聞きました。
「最近ちょっと距離感じるけど、大丈夫?」
「この前の話で無理させてたなら言ってほしい」
すると向こうは、かなり困った顔をして、
「ごめん、なんか急にちゃんとした感じになると無理になる」
と言いました。
「嫌いになったわけじゃない」
「でも、関係を決めるみたいになると急に息苦しい」
「今それ考えるのしんどい」
ここまでは、まだ“蛙化なんだな”で理解しようとも思えました。
でも、そのあとがきつかった。
俺が
「でも、ここまでの流れでそれ言われると俺も普通にしんどい」
と伝えたら、向こうはすぐに
「そうやって重くするのやめて」
と言ったんです。
この一言、かなりきつかったです。
こっちは、重くしたいわけじゃない。
グループの中だからこそ、関係をはっきりさせずに曖昧なまま行くほうが面倒になると思って確認しただけ。
でも、その確認そのものが
“空気を悪くする行為”
みたいに扱われる。
しかも向こうは、そこから
「私だって苦しい」
「なんでそんなふうに決めたがるの?」
「今、恋愛みたいな空気にされるのほんとしんどい」
と、自分のつらさを前に出してきました。
また、会話の中心が相手側にずれるんです。
本当は、俺だってかなり傷ついている。
だって、向こうがかなり前向きに距離を作ってきたから、こっちはちゃんと向き合おうとした。
それなのに、いざ確認した瞬間だけ
“空気を重くした人”
みたいにされる。
この理不尽さが、本当にきつかった。
さらにしんどかったのは、グループ内の空気でした。
向こうは露骨に悪口を言っていたわけじゃないと思います。
でも、周りから何となく伝わってくるんです。
「今ちょっと恋愛っぽいの無理なんだって」
「プレッシャー感じてたみたいだよ」
「ちょっと距離置いてあげたほうがいいかもね」
こういう空気が、うっすら俺のところにも届く。
それが本当にやるせなかった。
こっちは、無理に迫ったわけでもない。
しつこく追い回したわけでもない。
ただ、曖昧なままにしないよう確認しただけです。
でも、外から見えるのは相手の
“重くされてしんどい”
だけになる。
その結果、こっちだけがグループ内で気を遣う立場になる。
これはかなり疲れました。
しかも厄介なのは、向こうが完全に離れないことでした。
グループでは普通に話しかけてくる。
時には個別で
「最近気まずくしたくない」
「普通に仲良くしたい」
と送ってくる。
でも、そこで俺が
「じゃあ二人でちゃんと話そう」
「今後どうするか整理しよう」
と言うと、また
「そういうのが重い」
になる。
要するに、向こうは
“自分が気まずくない形の関係”
は維持したい。
でも、関係に責任が発生する話はしたくない。
その場所で、俺だけがずっと気持ちを押し込めることになる。
ある時、もう限界になって言いました。
「俺はもう、グループの空気を守るためだけに自分の気持ちを飲み込むのは無理」
「普通にするのはいいけど、今までみたいな距離ではいられない」
すると向こうは、すぐに
「なんでそんな極端なの?」
「私、ただ空気悪くしたくないだけなのに」
「そうやって壁作られるほうがしんどい」
と言ってきました。
ここもまた同じでした。
俺は“極端”になりたくてなったわけじゃない。
中途半端な関係のまま、こちらだけ気を遣い続けるのが限界だっただけです。
でも、それすらまた
“傷ついた私”
の話に変わる。
そこでやっと、はっきり分かりました。
この人はたぶん、俺を嫌いになったわけじゃない。
でも、自分が気まずくならない形でだけ関係を残したい。
そのためなら、こっちの気持ちは後回しになってもいい。
その構図が見えた時、かなり冷めました。
最終的に、俺は自分からグループ内でも少し距離を取りました。
露骨に避けるわけじゃない。
でも、前みたいな個別のやり取りや、二人きりになる流れは全部やめた。
その結果、一時期かなり気まずくなりました。
でも、あれ以上続けていたら、俺のほうが確実にしんどかった。
この経験でいちばんきつかったのは、
向こうが作った“ほぼ恋人みたいな距離”を信じてちゃんと確認しただけなのに、最後は「空気を悪くする側」「重くする側」みたいにされて、グループの中で俺だけが気まずさを背負う形になったことでした。
恋愛そのものより、人間関係ごと消耗した感じでした。
毎晩の通話で“特別感”を作ってきたのに、会って本気になった途端に引かれた
この話は、オンラインゲーム経由で知り合った女性とのことです。
最初はゲーム仲間でした。
同じ時間帯によくログインしていて、自然と一緒にやるようになった。
最初は本当にそれだけです。
でも、向こうのほうから少しずつ個人的なやり取りが増えていきました。
ゲームが終わったあとも通話が続く。
「このまま少し話さない?」
と言ってくる。
そこから、ゲームの話じゃない雑談になる。
仕事の話。
人間関係の話。
家族の話。
昔の恋愛の話。
しかも、その時間がどんどん長くなる。
最初は30分くらいだったのが、気づけば2時間、3時間。
ほぼ毎晩みたいなペースで通話するようになりました。
その中で向こうは、かなり分かりやすい言葉を使ってきました。
「こんなに毎日話すの、〇〇くんだけ」
「一番落ち着く」
「声聞くと安心する」
「もはや生活の一部」
ここまで言われると、こっちだって特別だと思います。
しかも、向こうからの距離感もかなり近かった。
ちょっと拗ねた言い方をしたり、寝落ち通話みたいな流れになったり、どう見ても“ただのゲーム友達”ではない。
だから俺も、自然と気持ちは強くなっていきました。
しばらくして、一度オフで会うことになりました。
向こうから
「一回ちゃんと会ってみたい」
と言ってきたんです。
正直、その時点でかなり期待していました。
毎晩通話して、あれだけ特別っぽい言い方をされて、しかも会いたいと言われる。
そりゃ、普通に考えたら前向きだと思います。
実際、会った日も空気は悪くなかった。
向こうも普通に楽しそうだったし、帰り際には
「今日、会えてよかった」
とも言っていた。
だから俺は、その流れでちゃんと向き合おうと思いました。
会ったあとに、
「俺はもう、ただのゲーム友達以上で見てる」
「ちゃんと向き合いたいと思ってる」
と伝えたんです。
すると向こうは、その時は否定しませんでした。
少し戸惑った感じはあったけど、
「うれしい」
「でも、急に意識するとちょっと怖い」
みたいな返しでした。
その時の俺は、慎重ではあるけど前向きなんだと思っていました。
だから、焦らず少しずついけばいいと考えていた。
でも、そこから急に変わりました。
毎晩あった通話が減る。
こちらから誘っても、
「今日はちょっと眠い」
「なんか一人でいたい」
で流される。
メッセージも短くなる。
前みたいな甘い空気が消える。
最初は「会って意識しすぎたのかな」と思いました。
だから俺も、しばらくは追わないようにしました。
でも、向こうはゲームには普通にいる。
他の人とは普通に話している。
つまり、しんどいのは“俺との距離”だけなんです。
そこで、かなりやわらかく聞きました。
「最近ちょっと距離感じるけど、大丈夫?」
「もししんどいなら、ちゃんと話してほしい」
すると向こうは、
「ごめん、会ったら急にリアルに感じて無理になったかも」
と言いました。
「毎日話すのは楽しかった」
「でも、ちゃんと気持ち向けられると急に怖くなる」
「〇〇くんが悪いわけじゃない」
ここまでは、まだ“蛙化なんだろうな”で受け止められました。
でも、そのあとがいつもの流れでした。
相手は続けて、
「私もかなりしんどい」
「こんなふうになる自分が嫌」
「今ほんとにいっぱいいっぱい」
と言い始めたんです。
そこでまた、会話の中心が相手側に寄る。
本来なら、俺だってかなり傷ついている。
毎晩話して、特別感を積み上げて、会って、そこでちゃんと向き合おうとした。
その結果、急に引かれる。
そりゃ普通にきついです。
でも、相手が先に
“私も苦しい”
を出してくると、またこっちは自分の気持ちを引っ込めるしかなくなる。
しかも、俺が
「でも、さすがにここまで来て急にそれはしんどいよ」
と一度言ったら、向こうは
「そうやって言われると責められてるみたいで無理」
と返してきました。
またこれか、と思いました。
こっちは責めたいわけじゃない。
ただ、自分の傷を言っただけ。
でも、その瞬間にまた
“傷つけられた私”
の話に変わる。
結局、そこでは俺が
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
と、相手をなだめるほうに回りました。
ここまでは、まだ前にもあった話でした。
でも、このケースで特にしんどかったのは、そのあとです。
向こうは完全には離れませんでした。
しばらく通話が減ったあと、突然また連絡してくるんです。
しかも、だいたい向こうが落ちてる時。
「今日ほんとしんどくて」
「ちょっとだけ声聞きたい」
「やっぱり〇〇くんと話すと落ち着く」
それをされると、こっちはまた揺れる。
まだ好きだからです。
そして、以前の“毎晩話してた距離”を知っているぶん、戻れそうな気がしてしまう。
でも、そこでこちらが少しでも
「じゃあ、もう一回ちゃんと向き合ってみる?」
みたいに踏み込むと、また向こうは止まる。
「そういうの言われると無理」
「今はそこまで考えられない」
「重くしないで」
つまり、向こうが求めてるのは、
“自分がしんどい時に安心できる通話相手”
であって、俺の気持ちではない。
ここに気づくまで、かなり時間がかかりました。
なぜなら、向こうは時々すごく期待させる言い方もしてくるからです。
「一番安心するのは本当」
「あなたがいなくなったら普通に困る」
「嫌いになったわけじゃない」
こういう言葉があると、また期待してしまう。
でも、その期待に乗って近づくと、また引かれる。
この繰り返しで、かなり削られました。
ある夜、また向こうから
「しんどいから通話したい」
と来た時、俺はもう限界でした。
だから、はっきり言いました。
「俺はもう、この関わり方しんどい」
「向き合う気がないなら、こういう時だけ戻ってこられるのは無理」
「このままだと、俺の気持ちだけずっと削られる」
すると向こうは、すぐに少し怒ったような、傷ついたような声で、
「そんなに拒絶しなくてもよくない?」
「私、ただ話したかっただけなのに」
「そこまで言われると、私がひどいみたいじゃん」
と言いました。
この返しが、本当にきつかったです。
俺は“拒絶”したかったわけじゃない。
ずっと我慢して、何度も受け止めてきた。
そのうえで、もう限界だから線を引いただけです。
それなのに、最後はまた
“冷たく拒絶した側の俺”
みたいになる。
ここでも、また同じ構図でした。
本当は、毎晩の特別感を積み上げてきたこと。
会ったあとに急に引いたこと。
しんどい時だけ戻ってきたこと。
そこに対して、俺だってかなり傷ついている。
でも、その話をしようとする前に、相手の
「そんなに拒絶しなくても」
「私だって傷ついた」
が前に出る。
すると、またこっちの傷は後回しになる。
そこでようやく、俺は完全に切りました。
「君がしんどいのは分かる」
「でも、そのしんどさの逃げ場としてだけ俺を使われるのはもう無理」
「これ以上は関わらない」
相手は最後まで、
「そんな言い方きつい」
「信じてたのに」
みたいな空気を出していました。
でも、その時はもう戻りませんでした。
やっと分かったからです。
毎晩通話していたことも、
特別っぽい言葉も、
その瞬間の気持ちとしては本物だったのかもしれない。
でも、行動としてこっちを傷つけ続けるなら、それは別の話です。
そこを切り分けないと、こっちはずっと“相手が弱った時の避難所”にされる。
この経験でいちばんきつかったのは、
向こうが作った特別感を信じて真面目になった瞬間に引かれ、その後はしんどい時だけ呼び戻され、最後に線を引いたら“そんなに拒絶しなくても”で俺が冷たい人みたいにされたことでした。
向こうから結婚観みたいな重い話までしてきたのに・・・
この話は、婚活寄りの場で知り合った女性とのことです。
最初から、お互い“遊びじゃない”前提の空気がありました。
年齢的にも、ダラダラした付き合いより、ちゃんと将来を考えられる相手かどうかを見る。
そういうスタートだったんです。
だからこそ、最初の会話からわりと真面目でした。
仕事の話。
生活リズムの話。
家族との距離感。
将来どこに住みたいか。
そういう話を、向こうのほうからかなり積極的にしてきました。
しかも、
「私は次付き合う人とはちゃんと先を見たい」
「中途半端な恋愛はしたくない」
「安心できる人がいい」
みたいなことも、何度も言っていた。
そこまで言われると、こっちも当然、誠実に向き合おうと思います。
むしろ、最初からそういう前提で出会っている以上、軽く接するほうが失礼だと思っていました。
会うたびに、向こうの反応も前向きでした。
「また会いたい」は向こうから言う。
日程調整もスムーズ。
帰ったあとには
「今日すごく楽しかった」
「話しやすくて安心した」
と送ってくる。
こっちとしては、かなり順調だと思っていました。
将来の話も出るし、相手も前向き。
だから俺も、少しずつ“この人となら”を意識するようになった。
ある日、食事の帰りに、俺はかなり素直に伝えました。
「俺は、ちゃんと先を見て向き合いたいと思ってる」
「今後も中途半端じゃなく進めたい」
すると向こうは、その場では
「そう言ってもらえるのうれしい」
と笑っていました。
だから、その時は普通にうまくいってると思ったんです。
でも、その直後から急に変わりました。
連絡は来るけど、温度が下がる。
今まで向こうからよくしていた将来の話を避けるようになる。
会う約束も、「少し考えたい」で止まる。
最初は、真面目な話をしたからこそ、相手も慎重になっているのかなと思いました。
でも、それにしては変化が急すぎた。
しかも、そのくせ完全には離れない。
やり取り自体は続く。
そこで、やわらかく確認しました。
「この前、急に重く感じさせたならごめん」
「でも、今どう思ってるかはちゃんと知りたい」
すると向こうは、かなり苦しそうな感じでこう言いました。
「ごめん、急に現実見せられた感じになってしんどくなった」
「私も先を見たいって言ってたけど、いざちゃんと向き合われると急に怖くなる」
「今すごく苦しい」
ここまでは、まだ“本人も混乱してるんだな”で受け止められました。
でも、そのあとがきつかった。
「私だってちゃんとしたいのにできない」
「こんな自分ほんと嫌」
「なんで私は普通にできないんだろうって、いま一番しんどい」
ここで、また話の中心が全部相手になる。
本当は、こっちだってかなり戸惑っていました。
向こうから将来の話を何度もしてきた。
だから、こっちもちゃんと合わせて真面目に向き合った。
それなのに、いざこちらが同じ温度で返した瞬間だけ、
“現実を突きつけてしんどくさせた側”
みたいになる。
この理不尽さが、本当にしんどかったです。
しかも、俺が一度だけ
「でも、こっちもここまでの流れで急に変わられると普通に傷つくよ」
と言ったら、向こうは
「そうやって言われると、責められてるみたいでつらい」
と返してきました。
またこれか、と思いました。
こっちは責めたいわけじゃない。
ただ、自分の傷を一言伝えただけ。
でも、その瞬間にまた
“追い詰められた私”
の話に変わる。
結局また俺は、
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
「落ち着いて考えてくれればいい」
と、相手を落ち着かせる側に回りました。
ここが、本当にしんどかった。
さらにきつかったのは、そのあとも向こうが完全には切らなかったことです。
不安になった時だけ連絡が来る。
「やっぱり話したい」
「〇〇くんなら落ち着く」
「こういうこと話せるの、あなただけ」
こっちはまだ気持ちがあるから、そこでまた期待してしまう。
でも、こちらが少しでも
「じゃあ、もう一回ちゃんと向き合う?」
と踏み込むと、また
「今はそれが重い」
に戻る。
つまり、向こうが求めているのは
“将来を一緒に考える相手”
じゃなく、
“将来が不安になった時に安心させてくれる相手”
だったんです。
その役を、俺がずっとやっていた。
これに気づいた時、かなりしんどかった。
こっちは真剣に向き合ってるのに、必要とされているのは“俺の気持ち”じゃなく“安心させる機能”だけ。
その状態がしばらく続いて、俺のほうが限界になりました。
だから、ある時はっきり言いました。
「俺はもう、不安な時だけ戻ってこられるのは無理」
「向き合う気がないなら、この距離感のまま続けるのはしんどい」
「このままだと、俺の気持ちがもたない」
すると向こうは、かなり傷ついた顔で
「そんなふうに言うんだ」
「私だって不安でいっぱいいっぱいなのに」
「なんか、私が全部悪いみたいじゃん」
と言いました。
ここでも、また同じでした。
俺は“全部悪い”なんて言ってない。
自分の限界を伝えただけです。
でも、その瞬間にまた
“傷つけられた私”
の話に変わる。
最終的に、俺はそこで関係を切りました。
未練はありました。
でも、あのまま続けたら、俺はずっと相手の将来不安の受け皿で終わっていたと思います。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうから何度も将来の話をしてきたのに、こっちが同じ温度で向き合った瞬間だけ「急に現実見せられてしんどい」で引かれて、その後は不安な時だけ戻ってこられたことでした。
「次は二人で遠征したい」とまで言ってきたのに・・・
この話は、ライブやイベントの趣味つながりで知り合った女性とのことです。
最初は、同じアーティストが好きな知り合い、くらいでした。
イベント会場で何度か会って、そこから自然に連絡するようになった。
最初は感想のやり取りとか、次の公演の話だけだったんです。
でも、そこから向こうのほうがどんどん距離を縮めてきました。
「この前、〇〇くんと話してる時間が一番楽しかった」
「次は終演後にもっとゆっくり話したい」
「一緒に回ると楽なんだよね」
そのうち、イベントだけじゃなく、普段もやり取りするようになって、電話まで増えました。
しかも、向こうはかなり恋愛っぽい言い方もしてくる。
「こういう趣味合う人ってほんと貴重」
「〇〇くんとは空気が合う」
「次の遠征、二人で行けたら絶対楽しいよね」
この“次は二人で遠征したい”って言葉、何回も言われたんです。
一回だけじゃなくて、何度も。
そこまで言われたら、こっちだって普通に特別だと思います。
しかも、会うたびに向こうは楽しそうで、終わったあとには必ず長文で感想が来る。
「今日、ほんと一緒でよかった」
「やっぱり〇〇くんといると気楽」
そういう言葉が積み重なる。
だから俺も、ちゃんと向き合おうと思いました。
趣味のノリだけでふわっと続けるより、誠実に言葉にしたほうがいい。
ちょうど次の遠征の話が出たタイミングで、俺はかなり真面目に動きました。
日程も調整して、行き方も調べて、宿も仮で押さえられるように考えた。
そのうえで、気持ちも伝えました。
「俺は、ただの趣味友達以上で見てる」
「次の遠征も、ただ遊びで行くんじゃなくて、ちゃんと向き合う前提で考えたい」
すると向こうは、その場では少し驚いた顔をしつつも、
「うれしいけど、びっくりした」
「そこまで考えてくれてたんだ」
みたいな返しでした。
だから俺は、急に答えが出なくても、少しずつ進むんだろうと思っていました。
あれだけ“二人で遠征したい”と言ってきていたわけだし、そう思うのが自然だった。
でも、そのあとから空気が一気に変わりました。
まず、連絡のテンポが落ちる。
前なら向こうから次のライブの話をどんどんしてきたのに、それがなくなる。
こちらが遠征の話を出すと、
「最近ちょっとバタバタしてて」
「まだそこまで決められない」
で濁される。
最初は、「急に現実的になって戸惑ってるのかな」と思いました。
でも、それにしても変わり方が急すぎた。
しかも、別の友達とは普通にイベントに行っている。
つまり、“余裕がない”わけではない。
俺との距離だけが変わった。
だから、一度かなりやわらかく聞きました。
「最近ちょっと距離ある感じするけど、大丈夫?」
「この前の話で無理させてたなら、ちゃんと聞きたい」
すると向こうは、少し困った顔でこう言いました。
「ごめん、そこまで本気にされると急にしんどくなる」
「次の遠征も、私は楽しいノリで言ってただけだった」
「ちゃんと気持ち乗せられると、急に無理になる」
この瞬間、かなりきつかったです。
いや、じゃあ何だったんだよ、と思いました。
“二人で行きたい”って何回も言ってきて、特別感のある言葉も重ねて、こっちの中で期待を作ってきたのは向こうです。
俺はそれを真面目に受け止めて、ちゃんと段取りまで考えただけ。
それなのに、最後は
“趣味のノリを勝手に本気にした側”
みたいになる。
この理不尽さが、本当にしんどかった。
しかも、向こうはそこから
「私だってつらい」
「こんなふうに気まずくしたくなかった」
「趣味まで重くなるのほんとしんどい」
と、自分の苦しさを前に出してきた。
ここでまた、話の中心が全部向こうになる。
本当は、こっちだって傷ついている。
特別っぽい空気を何度も作られて、その流れの中で誠実に返した。
その結果、急に引かれる。
普通にきついです。
でも、相手が先に
“私は趣味を重くされた側”
みたいな立場に入ると、またこっちは言えなくなる。
しかも、俺が一度だけ
「でも、ここまで言われてきたら、こっちも本気で受け取るよ」
と言ったら、向こうはすぐに
「そうやって言われると、私が悪いみたいでつらい」
と返してきた。
またこれでした。
結局また俺が、
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
「気まずくしたいわけじゃない」
と、相手を安心させる側に回る。
ここが、本当にしんどかったです。
さらにやっかいだったのは、そのあとも向こうが完全には離れなかったことです。
次のイベントが近づくと、また連絡してくる。
「誰と行くか迷ってる」
「やっぱり〇〇くんと行くと楽なんだよね」
「前みたいに普通に楽しめたらいいのに」
これをされると、こっちはまた揺れる。
でも、そこでこちらが少しでも
「じゃあ今後どうするか整理しよう」
と言うと、また
「そういうの重い」
に戻る。
つまり、向こうが欲しいのは
“都合のいい時に一緒に楽しめる相手”
であって、俺の気持ちじゃない。
そこに気づいて、かなり冷めました。
ある時、また向こうから
「次の現場どうする?」
と来た時、俺はもう限界でした。
だから、かなりはっきり言いました。
「俺はもう、このまま都合いい時だけ普通に戻るの無理」
「向き合う気がないなら、前みたいな距離で続けるのもしんどい」
「このままだと、俺の気持ちだけずっと置き去りになる」
すると向こうは、すぐに傷ついた顔で
「そんなに重くしなくてもいいじゃん」
「私はただ楽しくやりたかっただけなのに」
「なんか、趣味まで重くされた感じでつらい」
と言いました。
ここでもまた、最後は
“傷ついた私”
の話になる。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうから「次は二人で遠征したい」とまで言ってきたのに、こっちがちゃんと予定も気持ちも立てた瞬間だけ「そこまで本気にされると無理」で引かれて、最後は俺が趣味を重くした側みたいにされたことでした。
向こうから「もっと会いたい」「会えないと寂しい」と言ってきたのに・・・
この話は、マッチングアプリで知り合った女性とのことです。
最初のやり取りから、かなりテンポがよかったです。
向こうからの返信も早いし、文面も明るい。
しかも、会う前からかなり前向きな空気を出してきました。
「話しやすい」
「会うの楽しみ」
「こういう感じの人、けっこう好きかも」
実際に会ってみても、空気はかなりよかった。
向こうからよく笑うし、リアクションも大きい。
帰り際には
「今日めっちゃ楽しかった」
「またすぐ会いたい」
と、その場ではっきり言う。
そこから一気に距離が縮まりました。
向こうから毎日のように連絡が来る。
「今日何してた?」
「なんか声聞きたくなった」
と電話も来る。
しかも、かなり分かりやすく“会いたい”を言ってくるタイプでした。
「もっと会いたい」
「次いつ会える?」
「会えないとちょっと寂しい」
ここまで言われたら、こっちだって真面目に考えます。
むしろ、ちゃんと合わせて動かないほうが不誠実だと思っていた。
俺もその頃には普通に好きになっていたし、向こうも明らかに前向きに見えた。
だから、できるだけ予定を合わせて会うようにしていました。
忙しくても時間を作る。
移動も調整する。
会いたいと言われたら、それに応えようとした。
その中で、俺はかなり自然に
“ちゃんと付き合う方向”
を考えるようになっていました。
だから、ある日素直に伝えたんです。
「俺は、ちゃんと付き合う前提で向き合いたい」
「今の感じを中途半端にしたくない」
すると向こうは、その時は嫌そうではなかった。
むしろ、
「そう言ってくれるのうれしい」
「私も嫌じゃない」
みたいな返しでした。
だから俺は、ここから少しずつはっきりした関係になるんだろうと思っていました。
今までの流れを見たら、そう思うのが普通だったと思います。
でも、その直後から、急に変わりました。
向こうからの連絡が減る。
会う話をすると、前みたいに乗ってこない。
返信は来るけど短い。
前まで向こうから言っていた「会いたい」がなくなる。
最初は、「ちょっと考えてるのかな」と思いました。
ちゃんとした話をされたから、慎重になってるだけかもしれない。
そう思って、少し様子を見ていました。
でも、違和感はどんどん大きくなる。
俺が
「次いつなら会えそう?」
と聞くと、
「最近ちょっと余裕なくて」
と濁される。
なのに、SNSを見ると普通に友達とは出かけている。
つまり、“忙しい”わけではない。
俺との距離だけが変わった。
だから、一度かなりやわらかく聞きました。
「最近ちょっと距離ある感じするけど、大丈夫?」
「この前の話でしんどくさせてたら、ちゃんと聞きたい」
すると向こうは、かなり気まずそうにして、
「ごめん、そこまで合わせてもらうと急に重く感じちゃう」
と言いました。
この時点で、かなりきつかったです。
いや、会いたいって何度も言ってきたのは向こうだろ、と思いました。
“もっと会いたい”“会えないと寂しい”って何回も言ってきて、そのたびに俺はそれに応えようとしていただけです。
それなのに、いざこちらが真剣に予定も気持ちも合わせた瞬間だけ
“重い”
になる。
この理不尽さが、本当にしんどかった。
しかも、向こうは続けて
「〇〇くんが悪いわけじゃない」
「でも、そこまでされるとちゃんと返さなきゃってなって苦しくなる」
「私も今すごくしんどい」
と言ってきました。
ここでまた、会話の中心が全部向こうになる。
本当は、こっちだって普通に傷ついている。
向こうが求めた距離感に合わせて、誠実に動いただけです。
それなのに、最後は
“距離を詰めすぎて相手を苦しめた側”
みたいになる。
これが、本当にきつかった。
しかも、俺が
「でも、ここまで言われてきたら、こっちも真剣に受け取るよ」
と一度言ったら、向こうはすぐに
「そんなふうに言われると、私が責められてるみたいでつらい」
と返してきた。
またこれです。
本当は、俺は責めたかったわけじゃない。
ただ、自分の傷を少し言っただけ。
でも、その瞬間にまた
“傷ついた私”
のほうが前に出る。
結局また、俺が
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
「落ち着いてからで大丈夫」
と、相手をなだめる側に回る。
そこが、本当にしんどかったです。
さらにやっかいだったのは、そのあとも相手が完全には離れなかったことです。
寂しい時だけ、また連絡してくる。
「最近ちょっと落ちてる」
「なんか〇〇くんと話したくなった」
「やっぱり安心するんだよね」
これをされると、こっちはまた期待してしまう。
でも、そこでこちらが少しでも
「じゃあ、ちゃんと向き合う?」
と踏み込むと、また
「そういうのは今重い」
に戻る。
つまり、向こうが欲しいのは
“寂しい時に埋めてくれる相手”
であって、俺の気持ちじゃない。
そこに気づいた時、かなりきつかったです。
ある時、また向こうから
「話したい」
と来た時、俺はもう限界でした。
だから、かなりはっきり言いました。
「俺はもう、この関わり方しんどい」
「向き合う気がないなら、寂しい時だけ戻ってこられるのは無理」
「このままだと、俺の気持ちだけずっと宙ぶらりんになる」
すると向こうは、すぐに傷ついた顔で
「そんなに言わなくてもよくない?」
「私、ただ会いたいって言ってただけなのに」
「なんか、距離詰めすぎたみたいに言われるのつらい」
と言いました。
ここでもまた、最後は
“傷ついた私”
が前に出る。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうから「もっと会いたい」「会えないと寂しい」と言ってきたのに、こっちが予定を合わせて真剣に動いた瞬間だけ「そこまでされると重い」で引かれて、最後は俺が距離を詰めすぎた側みたいにされたことでした。
曖昧な関係をやめようとしたら・・・
この話は、友達の友達として知り合って、そこから何度も会うようになった女性とのことです。
最初は、普通に話しやすい人だなという印象でした。
でも、何回か会ううちに向こうのほうからかなり距離を詰めてきたんです。
連絡も向こうから来る。
二人で会う流れも向こうから作る。
会ったあとには
「今日めっちゃ楽しかった」
「なんか、一緒にいると落ち着く」
と送ってくる。
しかも、かなり恋愛っぽい言い方もしてくる。
「こういう人と付き合えたら楽しそう」
「ちゃんとしてる人がいい」
「曖昧なの、ほんと苦手」
そこまで言われたら、こっちだって普通に真面目に受け取ります。
だから、俺もちゃんと向き合おうと思いました。
あるタイミングで、俺は
「俺はもう、ちゃんと好きになってる」
「中途半端じゃなく向き合いたい」
と伝えました。
すると向こうは、その時は完全には拒否しませんでした。
少し戸惑いながらも、
「うれしい」
「でも、ちょっと急に考えると怖い」
みたいな返しでした。
その時の俺は、焦らず少しずつ進むんだろうと思っていました。
今までの流れを見たら、そう思うのが自然だったからです。
でも、そのあとから向こうの態度が変わりました。
連絡の頻度が減る。
会う話をすると濁される。
気持ちに触れると空気が固くなる。
ここまでは、正直よくある話かもしれません。
でも、このケースで特にきつかったのは、そのあとでした。
向こうは、完全には離れないんです。
こちらが
「じゃあ、いったん距離を置こうか」
と少し離れようとすると、向こうからすぐに連絡が来る。
「このまま終わるのは嫌」
「完全に切られるのはつらい」
「せめて繋がってはいたい」
これを何度も言ってくる。
これをされると、こっちはまた揺れます。
まだ好きが残っているし、“終わるのは嫌”と言われると、まだ気持ちがあるようにも感じる。
だから、完全には切れない。
でも、そこでこちらが
「じゃあどういう関係でいたいの?」
「向き合うのか、曖昧なままなのかはっきりさせたい」
と少しでも関係を整理しようとすると、また止まる。
「そういうの今はしんどい」
「決めるの無理」
「重くしないでほしい」
つまり、向こうが欲しいのは
“終わらせたくないけど、責任は持ちたくない関係”
だったんです。
この状態で、こっちだけがずっと消耗していく。
最初のうちは、まだ期待していました。
今は混乱しているだけで、そのうちちゃんと向き合えるのかもしれない。
でも、時間がたっても何も変わらない。
相手は寂しい時だけ戻ってくる。
「ちょっと話したい」
「やっぱり〇〇くんがいなくなるのは嫌」
と言う。
でも、こちらが
「じゃあ、ちゃんと向き合う?」
と踏み込むと、また
「それは今無理」
に戻る。
この繰り返しで、かなり削られました。
ある時、俺はもう限界だと思って伝えました。
「俺はもう、この曖昧なまま続けるの無理」
「終わるのが嫌なら、どうしたいのかは決めないとしんどい」
「このままだと、俺だけずっと気持ちの置き場がない」
すると向こうは、すぐに傷ついた顔になってこう言いました。
「そんなに冷たく切らないでよ」
「私、このまま終わるのは嫌って言ってるじゃん」
「なんか、そんな言い方されたらすごくつらい」
この瞬間、かなりきつかったです。
いや、冷たく切りたいんじゃない。
ずっと曖昧に繋がれて、こちらだけ気持ちを保留にされたままなのが限界だった。
そのうえで、ちゃんと線を引こうとしただけです。
それなのに、最後はまた
“冷たく切るひどい側の俺”
みたいになる。
しかも、向こうはそのあとも
「私だって苦しい」
「完全に失いたいわけじゃない」
「なんでそんなに白黒つけるの?」
と言ってきました。
ここでも、また話の中心が全部向こうになる。
本当は、こっちだってかなり傷ついている。
期待させられて、引き止められて、でも関係ははっきりしない。
その状態がずっと続く。
普通にしんどいです。
でも、相手が先に
“終わらせられて傷つく私”
を出してくると、また自分の気持ちを引っ込めるしかなくなる。
しかも、俺が
「でも、こっちもずっと宙ぶらりんでかなりきついよ」
と一度言ったら、向こうはすぐに
「そんなふうに言われると、私が悪いみたいでつらい」
と返してきました。
またこれでした。
結局また、俺が
「責めたいわけじゃない」
「ただ、もう限界なんだ」
と説明する側になる。
ここが、本当にしんどかったです。
最終的に、俺はそこで完全に距離を切りました。
向こうは最後まで、
「そんな切り方ひどい」
「急に冷たすぎる」
みたいな空気を出していました。
でも、その時はもう戻りませんでした。
やっと分かったからです。
相手が“終わるのは嫌”と言うことと、
その相手が“ちゃんと向き合う気がある”ことは、まったく別です。
終わらせたくないだけで、都合よく繋いでおきたいだけのこともある。
そこを見誤ると、こっちだけがずっと消耗する。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうから「このまま終わるのは嫌」と何度も引き止めてきたのに、こっちが曖昧な関係をやめようとした瞬間だけ「そんな冷たく切らないで」で被害者みたいにされて、最後まで俺が悪者っぽくなったことでした。
SNSで“空気読めない男”扱いされた・・・
この話は、趣味のイベントで知り合った女性とのことです。
最初は、向こうのほうがかなり近かったです。
イベント中もよく話しかけてくるし、終わったあとも
「今日もっと話したかった」
と向こうから連絡してくる。
そこから個別でやり取りするようになって、一気に距離が縮まりました。
夜に長文のメッセージが来る。
「今日しんどかった」とか、「なんか〇〇くんには話せる」とか、かなり深い話もしてくる。
しかも、何度もこういうことを言ってきたんです。
「他の人にはこんなに話さない」
「一緒にいると気を遣わなくていい」
「なんか、素でいられる」
そこまで言われたら、こっちだって特別だと思います。
しかも、向こうは
「曖昧なの苦手」
「ちゃんとしてくれる人がいい」
みたいなことも言っていた。
だったら、俺もちゃんと向き合おうと思いました。
軽く扱うほうが失礼だと感じていたからです。
だから、何度か会ったあとで伝えました。
「俺はもう、ただの趣味仲間以上で見てる」
「ちゃんと向き合いたいと思ってる」
すると向こうは、その時は完全には否定しませんでした。
少し戸惑った感じはあったけど、
「うれしいけど、ちょっとびっくりした」
みたいな返しでした。
その時の俺は、すぐじゃなくても、ここから少しずつ進むんだろうと思っていました。
でも、そのあとから空気が急に変わりました。
連絡のテンポが落ちる。
前は向こうから会話を広げていたのに、それがなくなる。
会う話をしても濁される。
最初は、「気まずくなってるだけかな」と思いました。
でも、変化が急すぎたし、こちらが触れると明らかに反応が固い。
だから、一度やわらかく聞きました。
「最近ちょっと距離ある感じするけど、大丈夫?」
「この前のでしんどくさせてたら、ちゃんと聞きたい」
すると向こうは、かなり困った顔で
「ごめん、ちゃんと気持ち向けられると急に無理になる」
と言いました。
ここまでは、まだ“蛙化なんだな”で理解しようと思えました。
でも、そのあとがしんどかった。
「私だって苦しい」
「なんで分かってくれないの?」
「今それを説明しなきゃいけないのもしんどい」
この“なんで分かってくれないの?”が、かなり刺さりました。
いや、こっちは急に態度を変えられて、理由も分からないから聞いてるだけです。
それなのに、なぜか
“察してくれない側”
にされる。
しかも、俺が
「でも、急に変わられるとこっちもかなりしんどいよ」
と一度言ったら、向こうはすぐに
「そうやって言われると、責められてるみたいで無理」
と返してきました。
またこの流れです。
結局、俺が
「責めたいわけじゃない」
「無理しなくていい」
と、相手を落ち着かせる側に回る。
ここまでも十分しんどかったんですが、その数日後、もっときついことがありました。
向こうのSNSに、明らかにそれっぽい投稿が増えたんです。
「察してくれない人ってほんと無理」
「こっちがしんどい時に答え求められるのきつい」
「空気読めない優しさってただの圧」
名前は出していない。
でも、タイミング的にも内容的にも、見れば分かる。
それを見た瞬間、かなりきつかったです。
だって、事情を知らない人が見たら、俺はただの
“察せずに答えを迫った空気読めない男”
に見えるからです。
実際は違う。
最初に距離を作ってきたのは向こうだし、俺はその流れをちゃんと受け取って、誠実に関係を確認しただけ。
なのに、SNSではその文脈が全部消える。
残るのは、相手の
“察してくれなくて傷ついた私”
だけです。
これが本当にしんどかった。
しかも、共通の趣味の知り合いからも、なんとなく空気が伝わってくる。
「今ちょっと恋愛っぽいのしんどいらしいよ」
「少し放っておいてあげたほうがいいかも」
「答え求められる感じがきつかったみたい」
露骨に責められるわけじゃない。
でも、じわっと
“お前が少し空気読めなかったんじゃない?”
みたいな目線になる。
その時、本当にやるせなかったです。
こっちはかなり我慢していたし、相手を追い込まないように言葉も選んでいた。
それでも、外から見えるのは相手の投稿だけ。
結果として、俺だけが“空気読めない男”みたいになる。
一度だけ、かなりやわらかく相手に言いました。
「SNSでああいう書き方されると、さすがにしんどい」
「せめて、二人のことは二人の中で終わらせてほしい」
すると向こうは、すぐに
「別にあなたのことって決めつけないで」
「ただ自分の気持ち書いてるだけ」
「それすらダメって言われるのつらい」
と返してきました。
ここでもまた、最後は
“表現を制限されて傷つく私”
の話になる。
本当に、最後までこの構図でした。
結局、俺は相手のSNSを見ないようにしました。
見れば見るほど、自分だけが勝手に“察してくれない男”にされていく感覚があって、まともに回復できなかったからです。
この経験でいちばんしんどかったのは、
蛙化で急に引かれたあと、SNSで「察してくれない人しんどい」と遠回しに書かれて、こっちは理由も分からないまま“空気読めない男”みたいにされたことでした。
SNSで「勘違いされるのしんどい」と発信されて・・・
この話は、以前参加していたクリエイター系の集まりで知り合った女性とのことです。
最初は、同じコミュニティの知り合いというだけでした。
でも、向こうのほうからかなり分かりやすく近づいてきたんです。
イベントのあとに
「今日もっと話したかった」
と個別でメッセージが来る。
そこから毎日のようにやり取りするようになって、すぐに距離が縮まりました。
しかも、向こうはかなり特別感のある言い方をしてきた。
「こういう話、〇〇くんにしかできない」
「他の人と違って、ちゃんと見てくれてる感じがする」
「なんか、この関係ってちょっと特別だよね」
この“特別だよね”って言葉、何回も出たんです。
一回だけじゃなく、会うたびに近いニュアンスのことを言う。
さらに、二人で会う流れも自然にできていきました。
向こうから「今度は二人でゆっくり話したい」と言う。
会えば楽しそうで、帰り道には
「今日やっぱりすごい楽だった」
と送ってくる。
そこまで来たら、こっちだって普通に特別だと思います。
むしろ、そう思わないほうが無理でした。
しかも、向こうは
「曖昧な関係っていやだよね」
「ちゃんと向き合ってくれる人がいい」
みたいなことまで言っていた。
だから俺も、軽く返さず、ちゃんと向き合おうと思いました。
ある日、二人で会った帰りに、俺は伝えました。
「俺は、この関係をちゃんと特別なものとして見てる」
「ただ仲いいだけじゃなくて、ちゃんと好きだと思ってる」
すると向こうは、その場では少し戸惑ったものの、完全には否定しませんでした。
「うれしいけど、びっくりした」
みたいな返しで、その場では終わった。
その時の俺は、急に答えが出なくても、ここから少しずつ話していけばいいと思っていました。
今までの流れを見たら、そう思うのが自然だった。
でも、そのあとから一気に変わりました。
連絡の温度が下がる。
前みたいな長いやり取りが減る。
会う話をしても濁される。
最初は、「意識しすぎて距離感が分からなくなったのかな」と思いました。
でも、それにしては変化が急すぎる。
しかも、コミュニティでは普通にしている。
他の人とも普通に話している。
俺との距離だけが変わった。
だから、一度かなりやわらかく聞きました。
「最近ちょっと距離ある感じするけど、大丈夫?」
「この前のでしんどくさせてたら、ちゃんと話したい」
すると向こうは、少し困った顔をして
「ごめん、言葉にされると急に無理になる」
と言いました。
ここまでは、まだ“蛙化なんだろうな”で受け止められました。
でも、そのあとがきつかった。
「特別だと思ってたのは本当」
「でも、恋愛みたいに受け取られると急にしんどい」
「今それ考えるの無理」
この時点で、かなりきつかったです。
だって、“特別”って言葉を先に使ってきたのは向こうなんです。
こっちはそれを真面目に受け取って、ちゃんと返しただけ。
それなのに、いざこちらが言葉にした瞬間だけ
“恋愛みたいに受け取るほうが重い”
みたいになる。
この理不尽さが、本当にしんどかった。
しかも、そのあと数日して、相手のSNSに明らかにそれっぽい投稿が増えました。
「距離感ミスられるのほんとしんどい」
「こっちは普通に接してただけなのに、勘違いされるのきつい」
「優しさって受け取り方間違うとただの圧になるよね」
これを見た瞬間、かなりきつかったです。
だって、事情を知らない人が見たら、俺は完全に
“勝手に勘違いして重くなった男”
です。
実際は違う。
最初に“特別”を匂わせたのは向こうだし、二人の距離を作ってきたのも向こう。
俺はその流れを真面目に受け取って、誠実に返しただけ。
でも、SNSではそこが全部消える。
残るのは相手の
“勘違いされて傷ついた私”
だけです。
これが、本当にしんどかった。
しかも、コミュニティ内でも何となく空気が変わる。
直接何か言われたわけじゃない。
でも、何人かの反応が少しよそよそしくなる。
たぶん、投稿を見て
“なんかあったんだろうな”
と察している。
その時、本当にやるせなかったです。
こっちはかなり慎重に関わっていたし、無理に迫ったわけでもない。
なのに、外から見えるのは相手の発信だけ。
その結果、俺だけが
“勝手に思い込んだ側”
みたいに見える。
一度だけ、かなりやわらかく言いました。
「SNSでああいう書き方されると、さすがにしんどい」
「せめて、二人のことは二人の中で終わらせてほしい」
すると向こうは、すぐに
「別にあなたのことって決めつけないで」
「私はただ自分の気持ちを書いてるだけ」
「それすら言えないのしんどい」
と返してきました。
ここでもまた、最後は
“発信を止められて傷つく私”
の話になる。
本当に、最後までこの構図でした。
結局、俺はその人のSNSを見ないようにして、コミュニティでも必要以上に近づかないようにしました。
あのまま見続けていたら、自分だけが“勝手に勘違いした男”として頭の中に固定されてしまいそうだったからです。
この経験でいちばんしんどかったのは、
向こうから「特別な関係だよね」と匂わせてきたのに、いざ蛙化したあとはSNSで「勘違いされるのしんどい」と発信されて、最後は俺が勝手に思い込んだ側にされたことでした。
蛙化現象の被害者たちは、こんな人たち!
体験談を振り返ると、
見えてくるのは、単なる「恋愛がうまくいかなかった話」ではありません。
むしろ、もっと厄介で、もっと後を引くのは、
大きな失敗の自覚がないまま、ある瞬間から急に恋愛対象から外される
という体験そのものです。
しかも、そのきっかけは、
誰が見ても分かるレベルの暴言や裏切りではない。
待ち合わせで立っている姿。
食事中のちょっとした癖。
靴を脱いだときの靴下。
財布の中の雑さ。
LINEの送り方。
軽いノリで言った一言。
善意でやったサプライズ。
相手を気づかったつもりの先回り。
相談に対する“ちゃんとした返し”のつもり。
そういう、
本人からすると
「そこまで致命的だと思っていないもの」
が、相手の中では一気に
「なんか無理」
に変わる。
そして終わるときは、
はっきり説明されないことが多い。
空気が変わる。
LINEが短くなる。
やんわり距離を取られる。
会う話が進まなくなる。
そのまま自然消滅に近い形で終わる。
だからされる側には、
失恋だけじゃなく、
“何が悪かったのか分からないまま、自分のどこかがダメだった感覚”
が残る。
これが本当にきつい。
さらに言えば、
中には、
自分が先に蛙化して距離を取ったのに、
あとから
「自分が嫌な思いをした側」
みたいな顔で話す人もいる。
つまり、
冷められた側は
ただ傷つくだけじゃなく、
場合によっては
悪者役まで背負わされることがある。
この二重のしんどさが、
蛙化される側を、
ただの失恋以上に引きずらせる。
だから今回の総括では、
ここまでの話を踏まえて、
- なぜ小さい違和感で一気に終わるのか
- なぜ蛙化された側はそこまで引きずるのか
- 蛙化した側なのに被害者ムーブをする人がなぜ厄介なのか
- どこは改善できて、どこは自分のせいにしすぎなくていいのか
- 最後にどういう考え方で整理するのが現実的なのか
この5つを、
整理していきます。
「大きな失敗」ではなく「小さな違和感で一気に評価が崩れる」
まずいちばんはっきり見えたのは、
ほとんどのケースで起きていたのが
分かりやすい大事故ではなく、小さな違和感の積み重なりだった
ということです。
これはかなり重要です。
なぜなら、
蛙化された側が一番混乱しやすい理由が、
まさにここにあるからです。
たとえば、
露骨な暴言を吐いた。
明らかな約束破りをした。
浮気した。
人として見てもダメな態度を取った。
こういう話なら、
たとえ振られても、
「そりゃダメだったよな」
と理由の輪郭が見えやすい。
でも、今回の30話はそうじゃない。
待ち合わせで立っているときの雰囲気。
食事中のちょっとした落ち着きのなさ。
財布のレシート。
少しへたった靴下。
会話中の“いじり”の一言。
ちょっと確認が多いLINE。
先回りして決めすぎるデート。
少しだけ早いサプライズ。
こういうものは、
本人からすると
「大したことない」
と思いやすい。
しかも厄介なのは、
その多くが本人の中では
“普通”だったり、
“善意”だったり、
“ちゃんとした対応”だったりすることです。
つまり、
やっている本人には
失敗のつもりがない。
失敗のつもりがないから、
そこで一気に冷められると、
「何がそんなにダメだったのか」
が本当に分からない。
でも、恋愛の初期って、
相手はまだこちらを深く知らない。
深く知らないからこそ、
一つの行動が
“たまたま今日だけのこと”ではなく、
“その人らしさ”として強く見えやすい。
ここが大事です。
財布が散らかっていたら、
本人にとっては“その日たまたま”でも、
相手には
「この人、生活全体が雑そう」
に見える。
靴下が少しへたっていたら、
本人には“別にまだ履ける”でも、
相手には
「見えないところは気を抜く人なんだ」
に見える。
少し返信の確認が多ければ、
本人には“ちゃんと確認したいだけ”でも、
相手には
「待てない人、息苦しい人」
に見える。
相談にすぐアドバイスすると、
本人には“力になりたい”でも、
相手には
「まず受け止めるより、正したい人なんだ」
に見える。
つまり恋愛初期で見られているのは、
行動単体ではありません。
その行動から透けて見える“今後の付き合い方”や“将来のしんどさ”
です。
人は、
その瞬間だけを評価しているわけじゃない。
「この人と付き合ったらどうなるか」
「この人と一緒にいたら、こういう違和感が増えるのか」
「この人と深く関わったら、もっと息苦しくなるのか」
そういう未来まで、
短時間で一気に想像している。
だからこそ、
小さな違和感が
“この先しんどそう”に変わった瞬間、
一気に温度が落ちる。
これが、
今回の30話にかなり共通していた構造でした。
さらに見えてきたのは、
蛙化された側が
“このくらいなら普通だろう”
と思っているものと、
相手側が
“そこにその人の本質が出る”
と感じているものの差です。
たとえば男性側は、
清潔感というと
髪型、服、ヒゲ、匂い、
そのくらいをイメージしやすい。
でも実際には、
相手が見ているのはそこだけじゃない。
靴下。
財布。
部屋。
水回り。
食べ方。
店員への態度。
スマホの見方。
話すときの配分。
こういう、
一見すると“細かすぎる”ところに、
生活感や人柄が出る。
しかも、
恋愛の初期って
長所よりも違和感のほうが目立ちやすい。
仕事ができそう。
優しそう。
ちゃんとしてそう。
そういうプラスはあっても、
一個でも強い違和感が入ると、
そのプラスが一気に飛ぶことがある。
これが、
「大きくやらかしたわけじゃないのに終わる」
の正体です。
そしてもう一つ厄介なのは、
こういう違和感は
“積み重なってから効く”ことが多いという点です。
一つだけなら、
まだ流せることもある。
でも、
靴下、財布、食べ方、話し方、店員への態度、
こういう小さい違和感が
短い時間の中で重なると、
相手の中では
「たまたま」ではなく
「この人ってこういう感じなんだな」
に変わる。
そこまで行くと、
回復はかなり難しい。
だから、
今回の30話を総括して最初に言えるのは、
恋愛の初期で本当に怖いのは、
派手なミスよりも
日常の中にある小さい雑さ、小さい押しつけ、小さい無神経、小さい生活感の崩れ
だということです。
ここを軽く見ると、
「なんで終わったのか分からない」
のまま何度も同じところでつまずきやすい。
逆に言えば、
この構造を理解するだけでも、
少なくとも
“理由の見えない終了”の正体はかなり整理しやすくなります。
蛙化現象を起こしておきながら、被害者面・被害者ムーブをする人もいる。
ここで今回、
はっきり追加しておきたいのがこの視点です。
それは、
自分が先に蛙化して距離を取ったのに、あとから“被害者側”のように振る舞う人もいる
ということです。
これはかなり厄介です。
なぜなら、
蛙化される側が受けるダメージは、
単に“急に冷められる”だけでは終わらないからです。
場合によっては、
冷められたあとに
「相手を困らせた人」
「重かった人」
「空気を読めなかった人」
みたいな形で扱われることがある。
これが、
かなりしんどい。
まず前提として、
感情が急に冷めること自体は、
人間の中で起こり得ます。
好きだったはずなのに、
現実の近さで無理になる。
好意を返された瞬間に急に重く感じる。
理想の中の相手と、現実の相手がズレて見える。
ここまでは、
感情の揺れとしては理解できます。
でも問題はそのあとです。
本来なら、
自分の中で急に冷めたなら、
少なくともそこには
“自分の気持ちの変化”
として引き取るべき部分がある。
つまり、
相手が明確にひどいことをしたわけじゃないなら、
それは
「自分の恋愛感情が追いつかなかった」
「自分の理想とのズレに自分が耐えられなかった」
という側面もあるはずです。
ところが、
一部の人はそこを引き取らず、
自分の温度変化まで全部
相手の加害として処理しようとすることがある。
これが、
被害者面・被害者ムーブの厄介さです。
たとえば、
相手から好意っぽい空気を出していた。
こっちがそれを受けて、
自然な範囲で好意を返した。
すると相手が急に引いた。
ここまでは、
蛙化として起こり得る。
でもそのあと、
相手が周囲に
「あっちが急に重くなって困った」
「こっちはそこまでのつもりじゃなかったのに」
「なんか怖くなった」
みたいな言い方をし始めることがある。
これ、される側からするとかなりきつい。
なぜなら、
自分では
相手の出していた空気に合わせただけかもしれないからです。
少なくとも、
一方的に押しつけたつもりはない。
相手が好意的に見えたから、
こちらも少し気持ちを返した。
それだけのことかもしれない。
なのに、
相手が自分の蛙化を
「あっちが重かったから」
だけで処理すると、
冷められた側は
理由の分からない失恋に加えて、加害者っぽい扱いまで受ける。
これは、かなり重いです。
しかもこういう被害者ムーブは、
周囲から見ると見抜きにくい。
なぜなら、
表面上の言い方はもっともらしいからです。
「ちょっと距離が近くてしんどかった」
「向こうが本気すぎて困った」
「なんか自分が嫌な気持ちになった」
こういう言い方をされると、
聞いている側は
“そうか、大変だったんだね”
と受け取りやすい。
でも本当は、
そこに至るまでの流れを見ないと分からない。
相手が先に好意を出していたのか。
こちらは普通の範囲で返しただけなのか。
本当に一方的に踏み込みすぎていたのか。
それとも、
相手が“好意を向けられる現実”に耐えられなくなっただけなのか。
ここを飛ばして、
結果だけを
“自分は被害にあった側”
として語るのは、かなりフェアじゃない。
もちろん、
本当に相手が重かったケースもあります。
連投。
束縛。
空気を読まない踏み込み。
過剰な確認。
付き合う前から恋人みたいな距離感。
そういうのは、
ちゃんと相手側の問題です。
でも今回ここで言いたいのは、
自分の中で起きた蛙化や温度変化まで、全部“相手に嫌な思いをさせられた”にしてしまうケース
がある、ということです。
これが厄介なのは、
冷められた側が
必要以上に自分を責めやすくなるからです。
「俺が好意を見せたのが悪かったのか」
「俺がちゃんと向き合おうとしたのが重かったのか」
「俺が優しくしたのが気持ち悪かったのか」
そうやって、
本来は普通の好意や誠実さまで
全部“悪”として学習しやすくなる。
でも、本当にそこまで背負う必要があるのか。
ここは一回立ち止まったほうがいい。
たしかに、
こちらに距離感のミスがあったなら見直すべきです。
でも、
相手の中の恋愛感情の変化や、
相手自身の未整理な気持ちまで、
全部こちらの加害にされる必要はない。
ここを分けて考えないと、
冷められた側は
“普通の好意を向けること自体が悪い”
みたいな極端な結論に行きやすい。
それは、かなり危ない。
さらに言えば、
被害者ムーブをする側にとっても、
これは自分を成長させにくい態度です。
自分の気持ちの変化を引き受けない。
相手とのズレを全部相手のせいにする。
「嫌だった」「怖かった」だけで処理する。
そうすると、
自分の恋愛の課題――
距離感の見極め、
好意を向けられたときの受け止め方、
理想と現実のズレの扱い方――
そこに向き合わないままになりやすい。
だからこの項目で言いたいのは、
単に
「そういう人はズルい」
ではありません。
本質は、
蛙化のあとに被害者面で処理されると、冷められた側は自責と混乱を必要以上に背負わされる
ということです。
だから、
冷められた側が自分を守るためには、
ここをちゃんと切り分ける必要がある。
- 本当に自分が踏み込みすぎたのか
- それとも、相手の気持ちの変化まで全部こちらの責任にされているのか
- 自分は改善すべきところを見直しつつ、相手の未熟さまで背負っていないか
この視点は、かなり大事です。
蛙化される側のしんどさは、
“急に冷められること”だけじゃない。
場合によっては、
冷められたうえに、物語の中で悪者役にされる二重のしんどさ
がある。
この現実を見ておかないと、
必要以上に自分を削ってしまいます。
蛙化される側がここまで引きずる理由は?
蛙化される側が、
なぜここまで引きずるのか。
これは、
単に好きだったから、
だけではありません。
もちろん、好意があったからこそ傷つく。
それは大前提です。
でも、
それ以上に大きいのは、
終わり方が曖昧なせいで、“何が悪かったのか”が分からないまま、自分全体を疑いやすい
ことです。
これが本当に重い。
普通の失恋なら、
まだ整理しやすいことがあります。
はっきり断られた。
相手に別の事情があった。
タイミングが合わなかった。
価値観の違いが明確だった。
こういう場合、
つらくても
“理由の形”がある。
でも、蛙化っぽい終わり方は違う。
昨日までは普通。
今日から急に温度が低い。
会った瞬間に違う。
好意を返した途端に違う。
一言のあとから空気が変わる。
理由を聞いても
「なんか違った」
「ちょっと無理だった」
くらい。
これだと、
される側は本当に整理しにくい。
しかも多くの場合、
“大きく悪いことをした自覚”もない。
そうなると、
人は一つの行動の反省にとどまれなくなる。
あの一言だったのか。
あの立ち方だったのか。
あのLINEの文面だったのか。
あの食べ方だったのか。
あの沈黙の埋め方だったのか。
ここまではまだ
“場面の振り返り”です。
でも、
はっきりした答えが出ないまま
何度も反芻していると、
だんだん
「じゃあ俺の感覚そのものがズレてるのかも」
に変わっていく。
ここから先は、
行動の反省ではなく
自己否定に近くなります。
これが、蛙化される側のしんどさの核心です。
たとえば、
真面目に言葉を選んだのに重いと言われたら、
「じゃあ俺の誠実さって、ただの重さなんだ」
となりやすい。
善意で気づかったのに距離感が重いと言われたら、
「じゃあ俺の優しさは押しつけなんだ」
となりやすい。
好意を返しただけで冷められたら、
「じゃあ本気を見せること自体がダメなんだ」
となりやすい。
緊張してソワソワしただけで終わったら、
「じゃあ自然体の俺は恋愛に向いてないんだ」
となりやすい。
つまり、
否定されるのは一つの場面のようでいて、
受け取る側には
自分の性格・会話の癖・優しさの出し方・恋愛の仕方そのもの
まで否定されたように感じやすい。
これが、普通の振られ方より後味が悪い理由です。
さらに、
ここにさっきの
“相手側の被害者ムーブ”
まで乗ると、
しんどさはさらに増します。
ただ冷められただけでも辛いのに、
場合によっては
「あっちが重かった」
「ちょっと困った」
みたいな空気で処理される。
そうなると、
「俺ってそんなにヤバかったのか?」
と、
必要以上に自分を悪く見積もりやすい。
でも、
ここで大事なのは
引きずること自体はかなり自然だ
ということです。
理由が曖昧。
明確な失敗も分からない。
でも終わった。
しかも、
自分の善意や自然体みたいなところで終わった。
こんなもの、
引きずかないほうが難しい。
だからまず必要なのは、
「こんなに引きずる自分がダメだ」
とさらに自分を責めないことです。
むしろ、
構造上それだけ後味が悪い終わり方だった。
そう理解するほうが自然です。
そしてそのうえで必要なのが、
傷ついた気持ちと、反省すべきことを分けて見ること
です。
ここを一緒くたにすると、
かなり危ない。
たとえば、
返信を急かしすぎた。
そこは反省できる。
でも、
好意を向けたこと自体まで全部悪だった、
とは限らない。
相談にアドバイスしすぎた。
そこは見直せる。
でも、
誰かを支えたいと思った気持ちそのものまで
全部否定しなくていい。
話しすぎてしまった。
そこは改善できる。
でも、
会話を盛り上げようとした気持ちまで
全部“間違い”だったわけではない。
この切り分けができないと、失敗のあとに
極端な学習をしやすい。
本音を見せない。
優しくしない。
気づかわない。
何も決めない。
自分の話をしない。
冷たくしておく。
こうやって、
本来直すべきは“出し方”なのに、
“中身ごと全部捨てる”方向に行きやすい。
それは、
次の恋愛をもっと不自然にします。
総括すると、
蛙化された側がここまで引きずるのは、
- 失敗が小さくて理由が見えにくい
- 相手に説明されず、曖昧に終わる
- 善意や自然体みたいな部分で切られやすい
- その結果、自分の感覚全体を疑いやすい
- ときには相手の被害者ムーブまで背負わされる
この構造が重なっているからです。
ここを理解しておくだけでも、
少なくとも
「なんでこんなにしんどいのか分からない」
という苦しさは少し整理しやすくなるはずです。
全部を自分のせいにして“無難なだけの男”になる必要はない
ここまでの話を読むと、
かなりしんどいし、
「じゃあ結局どうすればいいんだ」
という気持ちにもなりやすいと思います。
でも、
ここはちゃんと分けて考える必要があります。
今回の話には、
明らかに改善できる部分と、
改善だけではどうにもならない相性のズレの両方がありました。
まず、
改善できる部分は確実にあります。
ここは逃げずに見たほうがいい。
たとえば、
清潔感と生活感。
部屋。
靴下。
財布。
食べ方。
見えない部分の身だしなみ。
こういうものは、
本人にとっては“いつもの普通”になっていても、
相手から見るとかなり強く印象を左右します。
しかも、
ここは性格ではなく習慣の問題が大きい。
部屋を最低限整える。
見えないところの身だしなみも見直す。
財布や小物を整理する。
食事のスピードや箸の使い方を意識する。
これは、
自分を捨てる話じゃない。
雑さを減らす話です。
次に、
言葉の扱い方。
他の女性の話。
軽い“いじり”。
褒めたつもりの上から目線。
無神経な反射の一言。
相談に対する説教っぽさ。
自分語りの長さ。
このへんも、
悪気がないほど危ない。
でも逆に言えば、
癖だと分かればかなり修正できる。
- いじりは関係が浅いうちはやらない
- 褒めるなら“評価する側”に立たない
- 相談にはまず共感を置く
- 他の女性の話は雑談でも慎重に扱う
- 自分の話をしたら相手に返す
- 無意識の一言ほど、一呼吸置く
こういうのは、
かなり改善が効きます。
さらに、
距離感の早さ。
善意でも早いと重い。
気づかいでも回数が多いと圧になる。
先回りでもやりすぎると支配的に見える。
ここも、
“やるな”ではなく
相手の温度より先に行きすぎるな
ということです。
差し入れをすぐ物にしない。
返信は送ったら待つ。
提案しても、相手に選ぶ余白を残す。
相談に対して、即解決しない。
好意は見せても、関係の深さを飛び越えない。
ここもかなり大きい。
そして、
会話の配分。
しゃべりすぎない。
沈黙を怖がりすぎない。
相手が話す時間を奪わない。
“盛り上げる”より
“相手も入りやすい空気”を意識する。
これも、
かなり改善しやすい。
ただし。
ここで一番気をつけないといけないのは、
改善と引き換えに、自分の良さまで全部消して“無難なだけの男”になること
です。
これをやると、
また別の意味で苦しくなります。
重いと思われた経験から、
一切気持ちを見せない。
しゃべりすぎで失敗したから、
今度は極端に何も話さない。
距離感でミスったから、
何も提案しない。
自分語りでしくじったから、
自己開示を避けて壁だけ厚くする。
こうなると、
確かに減点は減るかもしれない。
でも同時に、
魅力や自然さまで削ってしまう。
恋愛で必要なのは、
全部を抑え込むことじゃない。
優しさは必要。
でも、早すぎる形にしない。
誠実さは必要。
でも、相手の温度より先に重くしない。
提案も必要。
でも、相手の余白を奪わない。
自分の話も必要。
でも、相手を置いていかない。
つまり、
“なくす”ではなく
“出し方を整える”のが大事です。
そしてもう一つ。
今回かなり大きかったのは、
価値観やセンスのズレまで、全部自分の欠陥にしないこと
です。
ここも大事です。
趣味。
節約感覚。
デートの場所。
何を楽しいと思うか。
どこにお金をかけるか。
どういう時間を“心地いい”と感じるか。
このあたりは、
マナーや清潔感とは違って、
単純な正解・不正解ではありません。
相手にとって無理でも、
別の相手には普通なこともある。
だから、
そこまで全部
「俺がもっと正せばよかった」
にすると、
必要以上に自分を削ることになる。
今回の30話から学べるのは、
こうです。
直せる雑さは直す。
でも、相性のズレまで全部“自分がダメだから”にしない。
ここを分けられるかどうかで、
蛙化されたあとに
必要以上にこじらせるかどうかが変わります。
つまり総括すると、
改善ポイントはかなりある。
でも、
それは“自分を消すこと”ではない。
整えるべきは
雑さ、押しつけ、無神経、生活感の崩れ。
消さなくていいのは
優しさ、誠実さ、気づかい、自分の個性。
この線を見失わないことが、
かなり大事です。
合わない相手とは早めにズレが見えただけと考える
恋愛では、加点を狙いすぎるより、まず減点を減らすこと。
そのうえで、それでもダメなら“相性のズレが早めに見えただけ”と考えること。
まず、
加点を狙いすぎると、
今回の体験談みたいに空回りしやすい。
喜ばせようとしてサプライズ。
頼られようとしてアドバイス。
しっかりして見せようとして背伸び。
気が利くつもりで全部決める。
誠実さを見せようとして、早い段階で重くなる。
こういう“プラスにしよう”の動きは、
距離感や相手の温度を読み違えると
一気に逆効果になります。
だから、
最初に意識すべきは
派手な加点ではない。
まずは、
地味な減点を減らすことです。
清潔感。
生活感。
食事のマナー。
店員や周囲への態度。
言葉の雑さ。
返信の圧。
相手の話を奪う会話。
善意の押しつけ。
スマホの扱い。
このあたりは、
派手さはないけど、
本当に大きい。
しかも、
整えればかなり減らせる失点です。
一方で、
それだけで全部が防げるわけでもない。
ここも、今回の30話でかなりはっきりしていました。
整えていても、
相手の理想と違えば終わる。
緊張して人間っぽさが出ただけで、
“違う”になる相手もいる。
趣味の単語を聞いた瞬間に、
“将来ナシ”になることもある。
気楽だと思って選んだ場所で、
“感覚が合わない”になることもある。
つまり、
どれだけ気をつけても
防げないズレはあります。
そこまで全部
「もっと完璧なら防げたはず」
にすると、
自分を必要以上に責め続けることになる。
でも実際には、
完璧でも無理な相手は無理です。
なぜなら、
相手の中にある
“恋愛の普通”
“理想の距離感”
“許せる違和感の範囲”
そこまでは、
こちらが全部コントロールできないからです。
だから最後に必要なのは、
直せる部分は直す。
でも、それでもダメだったものまで全部、自分の価値の問題にしない。
この見方です。
これは開き直りではありません。
かなり現実的な切り分けです。
店員への態度が悪かったなら、
そこは直すべき。
部屋がだらしなかったなら、
整えたほうがいい。
返信を追いすぎたなら、
待てるようになったほうがいい。
褒め方が上からっぽいなら、
言い方は変えたほうがいい。
でも、
趣味を話した瞬間に根本から“ナシ”になるとか、
少し緊張しただけで“無理”になるとか、
デート場所の感覚が根本的に合わないとか、
そこまで来ると、
自分を削り続けても別の場所でまたズレる可能性が高い。
だったら、
それは
「もっと完璧な俺ならいけた」
ではなく、
「この人の恋愛の普通と、自分の普通が違った」
と見たほうがいい。
そしてもう一つ。
ここに今回追加した視点を重ねるなら、
相手が自分の蛙化を被害者ムーブで処理している場合、その未熟さまで全部こちらが背負わないこと
も大事です。
こちらに距離感のミスがあったなら見直す。
でも、
相手の中で急に気持ちが冷めたことまで、
全部こちらの加害として引き受ける必要はない。
この線引きができると、
少なくとも
“理由の分からない終わり方”を
“自分の全否定”にまでは広げずに済みます。
だから最後の最後に残る結論は、
かなりシンプルです。
恋愛で本当に大事なのは、
自分を盛ることでも、完璧に見せることでもなく、
雑さと押しつけを減らしながら、
“この人とは感覚が合うのか”を早めに見ていくこと。
これに尽きます。
減点を減らす。
でも、
それでもズレる相手とはズレる。
そのときは、
“自分が全部ダメだった”のではなく、
早めに相性のズレが見えただけ
とも言える。
この見方ができるかどうか。
そこが、
蛙化される側として
必要以上に自分を壊さずに済むかどうかをかなり左右します。
もちろん、
急に冷められたら普通に傷つきます。
それは避けられない。
でも、
その傷を
“自分の存在そのものの全否定”
にまで広げないこと。
そこだけは、
かなり大事です。
まとめ
総括すると、
蛙化される側が感じるしんどさは、
- 小さい違和感で一気に切られること
- 理由が曖昧で、何を直せばいいか分かりにくいこと
- 良かれと思ったことまでマイナスになること
- 場合によっては、相手の被害者ムーブで悪者役まで背負わされること
- その結果、自分の感覚そのものを疑いやすくなること
このあたりに集約されます。
だから結論としては、
整えられる雑さは整える。
でも、相手の気持ちの変化や相性のズレまで全部を自分のせいにしない。
そして、相手の被害者ムーブまで丸ごと引き受けない。
